正直他の小説にハマってました、すみません!
おそらくこれからも不定期登校になると思いますがよろしくおねがいします!
「..........」
とある花畑、中央には一本の木がありそこには一人の少年と黒いリザードンが眠っていた。そんな二人に一つの足音が近づく
「はあ....やっぱりここにいた」
寝ている少年を見た少女はあきれたようにため息をつく
「すう.....エルダ兄様!起きて!!!」
「うわああ!?」
「グオ!?」
少女の声に驚いた少年とリザードンはは大声を出し飛び起きる
「リコル....その起こし方はやめてっていつも言ってるだろ」
「仕方ないでしょ?兄さん、こうでもしないと起きないんですもの.....それより兄さん、いま何時かわかってる?」
「え.....?」
少年は腕時計を見ると顔を段々と青くしていってしまう
「やばい!遅刻だ!!!」
「もう!もうみんな噴水で1時間も待ってたのよ?」
「ごめん!リザードン、お願い!」
「グオ!」
リザードンはリコルと呼ばれる少女と少年を背に乗せ集合場所である噴水広場まで飛翔する
「みんな、ごめん!おそく......」
「お父さん!」
「あなた....あなたああああああ!」
集合場所につくとそこには少年の友人の一人で子供とその母親が小さな壺を持って泣いていた
「これは.....」
だが泣いていたのはその親子だけではなくあたりいたるところでそれが起きていた
「サーバン....」
「遅かったな。見ろよ、遠征隊が帰ってきたみたいだぜ。大量の骨壺を持って。しかもその中にはエルミダの父親のもあった」
「そんな...!」
「エルミダ.....!」
リコルと少年はエルミダ親子の元へ駆けよる
「エルミダ!おばさん!」
「貴方達...」
「エルダ、リコル....お父さんが....お父さんが....!」
「くっ.....」
失意により涙を流すエルミダをリコルは優しく抱きかかえる
「いつまで....いつまでこんなことが続くの.....!」
「おばさん」
「貴方達の王族はいつまでこんなことを続けるのつもりなの!?貴方達のせいで私たちがどれだけ苦労してるか!」
「...ごめんなさい」
「謝ったってね.....主人は帰ってこないのよ!返しなさいよ!主人を返して!」
「ぐっ....!」
エルミダの母親は怒りに身を任せエルダに平手打ちをして床に押し倒しそのまま馬乗りになる
「アンタたちの!せいで私たちは!お金だけじゃなくてこんどは主人まで!許せない!絶対許さない!」
「...........」
「兄様!」
「貴様、王子様になにを!」
「離して!」
さわぎを聞きつけた兵士たちがエルミダの母親を押さえつける
「貴様!いま何をしたのかわかっているのか!?我が国の第二王子を傷つけたのだぞ!」
「うるさい!」
「暴れるな!おい、やれ!」
「お母さん!」
「待って!」
兵士はエルダの制止を聞かず持っていた槍をエルミダの母親に突き刺す
「お母さん!!!」
「おばさん!....どいて!」
エルダは立ち上がりすぐにエルミダの母親に近づく
「リザードン、お願い!」
「グオ!」
リザードンは黄金の炎でエルミダの母親を包み込む。すると患部の血は次第に止まっていき傷もどんどんと再生していく
「やめ....て....アンタたち......王族の施しなんて」
「......本当にごめんなさい。おじさんが亡くなったのも全部僕たちのせいです。でもまだおばさんにはエルミダがいる。だからお願いです、生きてください...!」
エルダは自身の身分など関係なくエルミダの母親に土下座をする
「王子様、おやめください!王族が民に対して頭をさげるなど!」
「エルミダ.....」
「おばさま....いえ民の皆さま、この度は申し訳ございませんでした」
「リコル王女様まで...!」
二人の王族が民に頭を下げる前代未聞の出来事に周りに衝撃を与える
「何をしている」
そんな中威圧感のある声が響く
「ジオルド王子殿下....!」
「ソウ」
声の正体であるソウブレイズを引き連れた白髪の少年は絶対零度の視線をエルダとエルミダの母親に向ける
「なるほどな....エルダ、今すぐにその女の治療をやめろ」
「.....なんで?」
「その女は自分の立場をわきまえずお前に暴行を働いた。重罪だ。王族を傷つけることなどあってはならない」
「いやだ」
「....やれ」
「ソウッ!」
エルミダの母親にソウブレイズの凶刃が迫る
「リザードン!」
「グオオオ!」
その迫る凶刃をリザードンは弾く
「邪魔をするな」
「この人は罪なんて犯しちゃいない!むしろ意味のない戦争を続けてたくさんの人を犠牲にして悲しみを生み出している僕たち王族こそ罪人だ!」
「今のは聞き捨てならないな.....!意味のないだと?彼らの犠牲を冒涜するつもりか!」
二人の王子の気迫がこの場を支配する
「自分の発言に気をつけろ。今のは戦場で散っていった彼らへの侮辱に他ならない!」
「そもそも戦争に付き合わせて国の人々に苦しい思いをさせていること自体おかしいじゃないか!普段は国の人々を苦しめている僕たちが戦争で亡くなったらそう言う風にいうなんて....どっちが侮辱してるって話だよ!」
「大人になれ、エルダ!平和とは犠牲無くして得られない。彼らはそのために命を燃やしているんだ!」
「これのどこが平和なんだ!戦争によって税金をあげ、家族を兵士として徴収して、飢えによって苦しんでる!家族を失って悲しみに明け暮れている.....これのどこに平和があるっていうんだ!?」
エルダは涙を流しながら必死に訴える。だがその訴えもジオルドの心には響かずむしろ軽蔑しきった眼差しをエルダに向けるのだった
「.....最後にもう一度言う。その女の身柄をこちらに引き渡せ。そうすれば今回のお前の行動と言動は不問にしてやる」
「絶対いやだ!」
「残念だ。ならばお前にお灸を据えたあと身柄を確保するまでだ!ソウブレイズ!」
「そんなことさせない!リザードン、絶対守るよ」
「「はああああああああ!」」
「ソウウウウアアアアア!」
「グオオオオオオオオオ!」
二人の雄叫びに呼応するよう二体のポケモンも雄叫びをあげる、するとソウブレイズは白い炎を、リザードンは黄金の炎を纏う
「エルダアアアアアアア!」
「兄さん!!!!!!!!」
二つの炎がぶつかり合うとき
「GUUUUUUUUUuAAAAAAAAAAAAAAA」
「「........ッ」」
上空から赤き光が降り注ぎ二体のポケモンを吹き飛ばす
「ぐっ...リザードン!」
「ソウブレイズ....!」
「エルダ兄さま!ジオルド兄さま!」
血を吐き膝をつく二人にリコルは駆け寄る
「騒ぎをかけつけ来てみれば...我が愛しき息子たちよこのような街中でなにをやっておる」
怪しい光を放つ骨のようなドラゴンポケモンを連れ杖をつき黒いコートを羽織りきらびやかな装飾を身につけている壮年の男性が複数の兵士を連れ歩いてくる。それを見た人々は次々に頭をたれていく
「ヘルメロス王!」
「父様...!」
「父上」
「父さん....!」
イーディングラウディロ・ヘルメロス。この国の王にしてエルダ、リコル、ジオルドの実の父親である
「ジオルドよ、この度の戦果の報告をせずこんなところで何を油を売っておる」
「申し訳ございません。父上」
「頭をあげよ。我は別にお前を責めているわけではない。そこの者よ」
「は、はい!」
「ここで何があったか偽りなく申せ」
「は!」
兵士はいまここで何があったのかを緊張しながらもヘルメロスに伝える。報告を聞き終わったヘルメロスは頷くとエルミダの母親に視線を向ける
「なるほど貴様の悲しみ痛いほど我にはわかる」
「お、王様」
「あそこにいる娘が貴様の子か?」
「はい」
「そうか....娘よこちらに来い」
ヘルメロスはエルミダを手招きし親子二人を並ばせ優しく二人の肩に手を置く
「我が国は永久の平和を目指している。それを実現するためには他の国を全て滅ぼしこの地を統一するほかない。だがそのためにはこの国は一丸とならなければならないのだ王族も民も関係なく。ゆえに......」
「GUUUUUUUUUuAAAAAAAAAAAAAAA」
「「「..........!」」」
「異分子は必要ない」
ドラゴンはエルミダ親子を捕食し骨と肉が砕かれるいやな音を響かせる
「エミルダ!おばさまああああ!」
「............ッ」
「皆の者、平和の実現のために手を取り合おうではないか」
ヘルメロスは今の行いをしたあとに平然とその言葉を言ってのける。この目の前の現実に皆、動きをかためざるえなかった。だがただ一人、ヘルメロスに向かって拳をふりおろそそうとした者がいた
「うあああああああああああ!」
「ムゲンダイナ....」
「GUUUUUUUUUu」
「うぐっ...ああああああ!」
ムゲンダイナは重力をあやつりエルダを押しつぶす
「我が愛しき息子、エルダよ。息子である貴様であっても王たる我に牙を剥くことは許さぬ」
「黙れ!貴方は王なんかじゃない!ただの暴君だ!!!!」
「グオオオオオオ!」
「愚かな...」
リザードンはムゲンダイナと呼ばれるポケモンに突撃する
「ソウブレイズ、”むねんのつるぎ”!」
「.....!グオ!?」
だがそれは横から入ってきたソウブレイズによって阻まれる
「ふん、愚かな弟のパートナーだけあってお前も愚か極まりないな」
ジオルドはその場で倒れるエルダとリザードンを見て鼻で笑う
「ジオルドよ...」
「申し訳ありません父上。この不出来の弟とパートナーに対する処罰は兄である私にお任せください」
「任せる」
ヘルメロスはムゲンダイナにエルダを解放するよう指示する。そして重力から解放されたエルダの顔をジオルドは思いきり踏みつけるのだった
「兄さま!」
「一国の王に牙を剥くとは本当に救えぬ弟だ」
「に...い...さん....なんで......」
「.............」
エルダはその場で気を失ってしまう
「お前たちこの愚か者たちを牢に入れておけ」
「は、はっ!」
「リコル...本来ならお前も罰しなければならないが今回だけは不問にしてやろう」
「.......ありがとう...ございます」
「おいで、共に帰ろう」
「........はい」
これが僕の物語が始まった瞬間だった。でもこの時は思いもしなかったんだ、僕の選択がたくさんの人を苦しめることになってしまうなんて
「......ッ!」
ノエルは医務室のベッドの上で目覚める
「なんだったんだ今の...」
先ほどの光景は夢か現実か...真相は定かではないがノエルの耳に複数のポケモンたちの声が入ってくる。不思議に思ったノエルは医務室を出て船の甲板に出る。そこにはブレイブアサギ号に住んでいるポケモンたちに加えさきほどのラプラス一派のポケモンたちがドーナツを囲んでいた
「.....何がどうなっているんだ?」
「気分はどうだい?」
「ダイアナさん」
ノエルはダイアナから自分が眠っている間に何が起こったのかを聞く
「そうですか...」
ノエルは視線の先にいるリコを見て微笑む
「それであの子たちは...」
「変わらず生活していくだろうね」
「...........」
「さっきも言っただろう?彼らにはあの方法しかないのさ」
ダイアナの言葉を聞きノエルは懐から一つのモンスターボールを取り出す
「この子も彼らと同じなんです。誰かから何かを奪うしかなかった。けどその代償はとても大きく残酷なものだったんです」
ボールの中にいるポケモン。そのポケモンは元々カントー地方の山で静かに仲間たちと平和に暮らしていた。だが住処であった山は人間たちによって奪われ次第に自分たちは生きていけなくなってしまった。そのためそのポケモンたちは人里に降り食料などを奪っていった
「その奪われた人たちにも生活がある。だからその生活を守るためにある手段を取った」
「ポケモンGメンだね?」
「はい。そのポケモンGメンたちはこの子たちを害獣として駆除することを選びました。その結果この子以外のポケモンは全滅しました。かろうじてこの子は寸でのところでワタルさんの協力のおかげで助けることができましたが.....でもこの子は今も消えない...いや決して消えることのない傷を負ってしまったんです。だから」
「アンタはあのラプラス達を止めることに躍起になっていたんだね」
「はい」
ノエルはため息をつきながらボールをしまう
「けど残念ながら僕にあの子たちの生き方を変える力もなければ権利もない。だったらせめてあの子たちがいつか平穏に暮らせるように祈ることにします」
「そうだね」
「ホエエエエエ!」
二人が話していると海岸にいたホエルオーが雄叫びをあげる。するとその背にエテボースたちが乗りそのまま大海原へと進んでいく。新たな旅への出航を見届けたラプラスは静かに古のモンスターボールの中に入っていく
「続けていくんですね」
「あの子たちは大丈夫。どこかでたくましく生きていくさ」
「ええ。そう願うばかりです」
「お兄ちゃん~!おばあちゃん~!」
リコは二人を呼びながら大きく手を振る。そんな彼女を見ながら二人は微笑み近づこうとする、だがその瞬間、
「パゴ!パアアアアゴ!」
「テラパゴス...?」
突然のテラパゴスの叫びに二人は何かあったのかと思いすぐにリコ、ロイ、フリードがいるほうに駆けつける。その数秒後ノエルはなぜテラパゴスが急に叫んだのか理解することになる
「キュリアアアアアアアア!」
「レックウザ...!」
紅く染まる空の上、そこにはライジングボルテッカーズ、ひいてはロイがずっと追いかけてきた六英雄の一匹、黒いレックウザが体をくねらせながら上空を自在に飛び回っていた
「向こうからお出ましとはな...!」
そしてレックウザはノエルたちの姿を見ると高度を下げ咆哮を浴びせる。その声だけで圧倒的な威圧感をノエルたちは感じ取ってしまう。だがそんな中ロイだけが前に出る
「お~いレックウザ!あれからずっと探してたんだ!僕たちとバトルしてくれ!」
「ホ~ゲ~!」
「パゴ~!パ~ゴ~!」
ロイ、ホゲータ、テラパゴスが必死にレックウザに呼びかける。だが届いていないのかレックウザはただ一行を静観する
「六英雄が呼び合ったとか?」
「その可能性はあるな」
ノエルとフリードは現状を見て冷静に分析する
「ここだってば!レックウザ!」
(皆の思い、伝わって...!)
リコがそう願っていると腰に携えた三つのボールが光りはじめる。それを見たレックウザは再び咆哮をあげるのだった。
「敵意はない。まるでこちらを見定めているみたいな.......くっ!」
『アーマーガア、奴の前に出る!』
レックウザを観察していると突然ノエルの頭の中にある人物の声が響く
「アメジオ...!」
「キュリアアアア!」
レックウザは敵意を感じたのか背後に体を向け”りゅうのはどう”を複数回放つ
「なんだ!?」
「ねえ、あれ!」
「あのアーマーガア....まさかアメジオ!」
リコ達の視線の先にはアメジオがアーマーガアに乗り高速でこちらに近づいてきていた
時は少し遡り、ノエルが眠りリコ達がラプラス達と心を通わせているとき少し離れた海域の一隻の潜水艦が水中を進んでいた
「アメジオ様!」
「現れたか」
「こちらでも確認しました。このエネルギーの奔流、間違いありませんレックウザです!」
「浮上しろ。お前たちはここで待機だ」
「「はっ!」」
アメジオは二人に指示を飛ばす。だがそんな彼の足元に一匹のポケモンが近づく
「イブイ!」
「...お前も待機だ」
「イブ!?イブッ!イブッ!」
「イーブイ、我儘言わないの!」
コニアは潜水艦の操作をジルに任せ駄々をこねるイーブイをひょいと持ち上げる。このイーブイは燃える古城でアメジオが助けたポケモンであり以来アメジオたちに同行している
「こら暴れない....もう、アメジオ様と我儘を言わない約束したでしょ?」
「それにお前が行っても足手まといになる。大人しく俺たちと一緒に....」
「イブィイイイイイイ!」
ジルとコニアの説得も虚しくイーブイはさらに駄々をごね始めその甲高い声が3人の耳に突き刺さる
「イーブイ」
「ブイ?」
「ジルが言った通り今のお前では力不足だ」
「ブイ...」
「大人しく待っていろ」
「.........」
アメジオはそう言い聞かせるとイーブイから視線を外しこれからの戦いの準備をする。そんなアメジオを見たイーブイは悲しそうに顔を俯かせる
「...俺が帰還したらトレーニングだ。それまで体を休めておけ」
「.....!ブイ!」
その瞬間、潜水艦は浮上しアメジオは上のハッチを開け外に出てレックウザの姿を確認する
「捕らえる...!」
そして現在、アメジオの眼前には無数の”りゅうのはどう”が向かって来ていた
「アーマーガア、”てっぺき”を展開しながら奴の元まで飛べ!」
「ガアア!」
アーマーガアは自身の体を硬化させながらレックウザの攻撃をかわし距離を詰めとうとうアーマーガアの射程距離に入る
「”ボディプレス”!」
「ガアアアア!」
「キリュアアッ...!」
アーマーガアの全体重を乗せた一撃がレックウザを襲う。”ボディプレス”はポケモンの防御力を参照に威力が上下する。そのためさきほどの”てっぺき”で防御力を格段に上げたアーマーガアの一撃は効果がいまひとつではあるがレックウザにダメージを与えることに成功した。アーマーガアは一度距離を取り近くの岩礁にアメジオを運ぶ。そしてアメジオはソウブレイズ、ルカリオを繰り出す
「このまま畳み掛ける!ルカリオ、連続で”はどうだん”!アーマーガア、”ぼうふう”!」
「キュリアアアアアアアア!」
放たれるエネルギーの弾幕と暴風をレックウザは躱しアメジオ達に”りゅうのはどう”を放つ
「それを待っていた!ソウブレイズ、”ゴーストダイブ”展開!」
「ソウ!」
「あいつ...一体なにを..!」
ソウブレイズはアメジオの前に立ちゲートを展開する。そして龍のエネルギーはゲートの中に消えていく。その様子を見たフリードはアメジオが取った行動に疑問を抱かずにはいられなかった。だが隣にいたノエルだけがアメジオが取った行動の真意を理解する
「リザードン!」
「グオオオオオオ!」
「レックウザの元まで飛んで!」
ノエルはリザードンに乗ってレックウザの元まで飛翔する
「兄ちゃん、僕も!」
「ロイ!」
ロイは飛翔するノエルの後を追おうとするがそれをフリードとリザードン、キャップが身を挺して止める
「僕たちが先に出会ったんだ!」
「ピカチュウ!」
「兄ちゃんはレックウザを守るために飛び出していった!だったら僕も行かないと!だって...」
「ダメだ!」
「離してフリード!」
ロイは目標であったレックウザとの時間を横取りされた憤りとノエルにまた一人で戦わせてしまっている己の不甲斐なさをフリードにぶつける。一方フリードもロイの気持ちを痛いほど理解している、ロイはあの古城から格段に強くなった、だがそれでも今行われている戦いにロイはついていけないだろうこともフリードは理解していたからこそロイを止める。そして次の瞬間、ロイの目にある光景が映る
「ソウブレイズ!」
アメジオの声が響くとレックウザの頭上にゲートが開かれる。そしてそのゲートの中からはさきほどレックウザが放った”りゅうのはどう”放出される
「アイツあれが狙いだったのか!」
「なんという戦闘センスだ...!」
フリードとダイアナはアメジオが取った手段に驚きを隠せなかった。アメジオはあのガラル鉱山以降さらに修行を重ねソウブレイズの100%のポテンシャルを理解しそして発揮できるようになるまでに至った。アメジオとソウブレイズ、この二人のバトルセンスはノエルとリザードンに引けを取らないほどに磨かれていた。レックウザに”りゅうのはどう”が迫る中ルカリオとアーマーガアは力を溜めレックウザに照準を合わせる。そのためレックウザが例え”りゅうのはどう”を避けれたにしろルカリオとアーマーガアの会心の一撃を受け大ダメージを受けることになる
「食らえ、レックウザ!」
「ルオオオオ!」
「ガアアアア!」
アメジオ、会心の一撃がレックウザに突き刺さる
「グオオオオオオオ!」
「...........!」
「この炎は...」
直前、炎が護るようにレックウザを包み込む。その炎を見たアメジオは予想をしていた特に気にした様子を見せずに視線を横に移す。その数秒後、その場にノエルとリザードンが降り立つ
「やはりか..」
「アメジオ」
ノエルとアメジオ、二人の特異点が向き合う
「予感はしていた。レックウザがいるならばお前たちもいるだろうと」
「よくもロイ達の大切な時間を奪ってくれたな」
「そちらこそ、レックウザ捕獲のチャンスを台無しにしてくれたな。だがこれも好都合」
アメジオはアーマーガアとルカリオをボールに戻す
「今日こそお前との決着をつける!ソウブレイズ!」
「ソウッ!」
ソウブレイズは超高速でリザードンとの距離を詰めていく
「リザードン、”かえん.....」
『燃やせ!燃やせ!!』
「.....ッ」
「グオ!」
「...っ、”かえんほうしゃ”!」
「そのまま突っ込め!”つじぎり”!」
「グオッ!」
ノエルは頭の声をなんとか振り払い指示をする。だが一拍遅れた指示で繰り出された”かえんほうしゃ”ではソウブレイズの動きを止めることはできずリザードンはソウブレイズの漆黒の刃の一閃を食らってしまう
「連続で”つじぎり”!」
「”ドラゴンクロー”で迎え撃て!」
ソウブレイズの剣とリザードンの爪がぶつかり合う
「ソウウウウ!」
「グオ....グオッ」
リザードン自身も本調子ではないのか段々とソウブレイズに押され始めてしまう
「”むねんのつるぎ”!」
「受け止めて!」
「馬鹿が....!脚を使え、”むねんのつるぎ”!」
「ソウ!」
「グオ!?」
「リザードン!」
ソウブレイズは自身の足の剣に紫色の炎を纏わせそのままリザードンを斬る。相手の虚を突くことに成功したアメジオとソウブレイズ、だが二人の表情は決していいものではなく、むしろ怒りさえにじみ出ていた
「さっきからなんだそのバトルは...!俺たちを馬鹿にしているのか!」
「.....!」
アメジオの怒りがノエルの心に突き刺さる
「いったい...何のことを言ってるんだ?僕はさっきからずっと本気で」
「なんだと...?コケにするのも大概にしろ...!」
「馬鹿になんて」
「もういい。ソウブレイズ、”かげぶんしん”」
ソウブレイズは15体に分身してリザードンに襲い掛かる
「馬鹿にしてるのはそっちのほうだろ!僕はバトルで手を抜くことなんて決してしない!リザードン、”かえんほうしゃ”で薙ぎ払え!」
リザードンは複数のソウブレイズを炎で薙ぎ払う
「そのまま”ドラゴンクロー”!」
「グオオオ!」
リザードンは炎の中に突っ込む。だがそこにソウブレイズの姿はなかった
「どこにい..」
「...”ゴーストダイブ”!」
「下...!」
ソウブレイズは地面から現れリザードンを切り裂く
「.............」
(アメジオ、この前戦ったときより強くなってる...だったら!)
ノエルは自身のメガリングについているキーストーンに触れる
「リザードン、頂への道を拓け!メガシンカ!!!!!」
「グオオオオオオオオオオ!」
リザードンの体を光に包まれていきシルエットも段々と変化していく。ノエルの切り札、メガリザードンⅩへとメガシンカする
.....................はずだった
「...まさかここまでとはな」
「な、なんで...!」
光が収まりリザードンも元の姿に戻ってしま
「そ、そんな、リザードンもう一度いくよ!」
ノエルは再びキーストーンに触れる。だが今度はキーストーンもリザードンが持つメガストーンも光を放たなくなってしまう
「メガシンカが使えない....!」
ノエルはこの事実にショックを受ける。メガシンカはトレーナーとポケモンが強い絆で結ばれて初めて使える奥義。だがいまノエルがメガシンカを使えないということはノエルとリザードンに決定的な溝があることを示していた
「リザードン....」
「...............」
「...興ざめだ」
アメジオとソウブレイズは臨戦態勢を解く
「ま、待って...」
「今のお前たちなど戦う価値もない」
「..........ッ」
その言葉がノエルに重くのしかかる
『弱い、お兄ちゃんなんか』
『そんな兄ちゃんなんか』
『今のノエルなんか』
『今のノン君なんか』
『『『『いらない』』』』
「あああああああああああああああああああ!」
いやだ.....いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
「僕は強くないといけないのに........強くなくちゃ僕はあの人たちの傍にいちゃいけないのに......」
ここで負けたら僕は.......僕は存在価値を示し続けないといけないのに...!
『今のお前になど戦う価値などない』
価値を.....僕があの人たちの隣に立つ資格を........
「ノエル......」
リザードン
「俺の手を取ってくれ。俺たちは............」
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
「リザードン....ダメだ...この力は二度と使わないって言った....だろ!」
「グオ....オオオオオオオオオオオオ!」
ノエルは咆哮をあげるリザードンを抑えようとするがリザードンにノエルの声を届いておらず辺りに凄まじい黄金の炎を放出する
「.....ッ」
「グオ...オオオオ」
「ぐっ、あああ...ああああああ!」
アメジオ達は目の前のノエルとリザードンの間に流れるエネルギーの奔流を見て戦慄する
「そうだ。それでいい...その力を待っていた...!」
「ぐっ、ああああああ!」
「その力を真っ向から叩き潰しお前たちに勝つ!」
「グオオオオオオオオオオオオ!」
「やめ,,,,,,ろおおおおおおおおお!」
ノエルは必死に自身とリザードンの力を抑えようとする。だがそれでもリザードンはさらに力を解放していきノエルもだんだんと力の奔流に飲まれつつあった
(もうだめだ。抑え...きれない...!)
「ウオオオオオオ!」
「グオオオオオオオ!!!!!」
「来い!」
「ソウ!」
黄金の炎がソウブレイズに迫る。この時、アメジオとソウブレイズに慢心はなかった、むしろノエルたちが爆発的なパワーアップを遂げたことで彼らはより一層集中しこのバトルに臨もうとしていた。だが
「ソウッ!?」
「な.....!」
その直後、ソウブレイズはボロボロの状態で膝をついておりこの事実にアメジオは驚きを隠せないでいた
「何が起きた...」
事実はそう難しいことではない。リザードンはただ超スピードでソウブレイズに近づいており6発の攻撃を食らわせただけだった。一見、単純でそう驚くべきことではないように見える。だがリザードンはこの一連の動作を一瞬でやってのけたのだ。一秒にも満たない攻撃、そんなものアメジオ達が視認できないのも至極当然なのである
「くっ、まだいけるなソウブレイズ」
「ソ....ソウ!」
「......リザードン」
「.........!」
ソウブレイズが立ち上がろうとした瞬間、リザードンはソウブレイズの首根っこを掴み上げる
「奴から離れろ!”ゴーストダイブ”!」
「ソウ!」
「......地面に叩きつけて」
「グオオオオ!」
「ソウ..ッッ..!」
ソウブレイズがゲートを展開しようとするがリザードンはその前にソウブレイズの頭を地面に思い切りたたきつける
「ソウブレイズ!」
「終わりだ!」
リザードンはソウブレイズの頭を足で抑えつける。そしてその剛腕に炎を纏わせる
「うおおおおおおおおおおおお!」
「グオオオオオオオオオオオ!」
黄金の炎を纏った拳がソウブレイズに迫る
「違う....!」
「...!」
「この力.......もう....二度と飲まれてたまるか....!」
ノエルは自身に流れる力の奔流に抗い始める。それと同時にリザードンの拳はソウブレイズの眼前で止まる
「もう二度とあの人達を。僕の大切な人たちを傷つけさせない.....!あああ....あああああああ!」
「グオ....オオオオオオ!」
血を吐き出しながら、ノエルは体の内側から来る身を焦がすほどの灼熱を抑える
「キュリアアアアアアア!」
「「.......!」」
その数秒後、レックウザはリザードンの張った炎の防護壁を内から突き破り咆哮をあげる。
「キュリアアアアアアア!」
「まさか...あれをやるつもりか...!」
「...!」
”りゅうせいぐん”ドラゴンタイプ最強の必殺技でありこの場にいる全員が忘れることのできないレックウザの奥義。今まさにそれを目の前のポケモンは口元に溜めたエネルギーを放出する。放たれたエネルギーは周りのモノをどんどんと破壊していく。そして
「リコ!」
リコたちの眼前に強大なエネルギーが迫る場面がノエルの目に映る
「やめろおおおおおおおおおおおお!」
ノエルはすぐに仲間の元まで飛ぼうとするが先ほどの戦いでの影響か体が突然鉛のように固まりその場で転んでしまう。せめてリザードンをあちらに向かわせようとするがリザードンも同様に動かなくなってしまう
(なにをやってるんだ僕は........皆がピンチになっているのに僕だけがこうして情けなく手を伸ばすだけ....こんな僕本当に)
いらないじゃないか
大切な人たちを護れない絶望、自分が仲間の為になんの役にも立てない絶望。この二つの絶望がノエルを支配する。血を吐き涙を流しながら伸ばした手は届くことはなかった
「パアアアアゴオオオ!」
朦朧とする意識の中でノエルはテラパゴスの姿が変化しかの存在が放った光弾がリコ達を護ったのを目撃したのを最後にノエルは再び意識を闇に沈ませるのだった
「パアアアアゴオオオ!」
「テラパゴス?」
テラパゴスは姿を変化させリコ達の前に出る。その様子を見たレックウザは少し驚いたような表情を浮かべる
「パ~ゴ~ス!」
テラパゴスは自身から光の柱を生成しそこから”りゅうせいぐん”向かって光弾を放ち見事”りゅうせいぐん”を相殺する。その際に発生した光の粒が雨のように降り注ぐ
「きれい...」
「こいつは一体...」
「テラパゴスその姿は...」
一行がその光景に戸惑う中、テラパゴスとレックウザは互いの技が完全に打ち消し合うと海を挟んで静かに対峙する。だが
「パ.....ゴ」
「テラパゴス!」
テラパゴスは力を使い果たしたのかその場で気絶してしまう
「..................」
レックウザは倒れているテラパゴスとノエルを交互に見た後、まるでもう用がないと言わんばかりにその場から飛び去って行ってしまう
「あ.........」
まるで相手にされていない。ロイはレックウザの背中を見てそう感じ取ってしまう。そして今の自分の力量を思い知らされてしまう
「ガアアア!」
「お前は...!」
様々な胸中であったライジングボルテッカーズ一向のもとにアーマーガアに乗ったアメジオが降り立つ
「アメジオ!」
「...........」
(なんだろうこの感じ...なんかいつもと違う感じがする)
彼の姿を見たライジングボルテッカーズとダイアナはすぐに臨戦態勢を取る。だがそれと相反してアメジオの目に闘志などなくただただ暗闇が広がっていた。そのことをリコだけが感じ取っていた
「コイツを運んでやれ」
アメジオがそう言うとアーマーガアは自身の背中からノエルはゆっくりその場に下ろす
「お兄ちゃん!」
「兄ちゃん!」
ロイとリコはすぐにノエルに駆け寄るがその声にノエルが応えることはなかった。アメジオはすぐにその場からアーマーガアに乗り飛びさってしまう
「モリー!」
「わかってる!」
モリーとマードックはすぐにノエルはブレイブアサギ号の医務室に運んでいく
「..........ッ」
「ロイ」
俯いていたロイの肩にリコは優しく手を置く
「大丈夫」
ロイはその場で大きく深呼吸し思い切り両手で自分の頬を叩く
「帰ろう、リコ」
「うん」
力の差を、自分の無力さを思い知らされた二人だったがその心は決して折れてはおらず力強く前へと進んでいくのだった
場面は変わり
「............」
ブレイブアサギ号から少し離れた海の中、そこにはアメジオ達の潜水艦がある目的地に向かって進んでいた
「............」
「............」
「............」
艦内は静寂に包まれておりレーダーの音だけが響き渡る
(俺はなににイラついている....?)
いまアメジオの胸中はレックウザを逃した悔しさよりも謎のイラつきの方が目立っていた。だがそのイラつきはある少年の顔を思い出すとさらに強くなることは自覚していた
『リザードン....ダメだ...この力は二度と使わないって言った....だろ!』
(あの時の奴らのあの状態...間違いなく強大で今までの奴らとは比較にならない強さを持っていた。だがなぜだ奴と出会った時に感じたあの怖さ、鉱山の時のようなあの胸の高鳴りを感じなかった.....それどころか今のアイツを見ていると....)
「ソウッ.....」
「ソウブレイズ、お前も同じか」
「......ソウ」
ソウブレイズもアメジオと同じなのか深く頷く
「.........ノエル」
「アメジオ様、そろそろ到着いたします」
「ご苦労」
アメジオは若干のイラつきを残しながらエクスプローラーズの本部へと足を進めていくのだった
場面は変わりブレイブアサギ号のデッキ、そこではダイアナとリコ、ロイ、ドットの4人のバトルが繰り広げられていた
「ウインディ、”かえんほうしゃ”!」
「クワッス、”みずでっぽう”で相殺して!」
炎と水がぶつかるとあたりに水蒸気が立ち上がる
「
読んでくださりありがとうございました
ノエル、アメジオに敗北。メガシンカも使えずリザードンと自分の力に恐れているようじゃ勝てるわけありませんよね。ちなみに今のノエルの強さは強化されたジル、コニアにも普通に負けるぐらいです
ではまた次回