よくある喫煙者な先生が生徒にその姿を見られてしまう小話です。
 前作「イブキの素敵な先生」と同じ先生(合法ロリ)&世界線です。
 今回は三人称です。

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合法ロリ先生×イブキの第二弾

140㎝、童顔、身長のこと言われるとキレて泣いちゃう、穏やかな性格です!


先生が喫煙する様子をイブキが見てしまう話

 

 ある日の放課後。

 ゲヘナ学園からD.U.区内の外郭地区にあるシャーレのビルへ。

 本日の先生が行う業務の補佐当番であるイブキはウッキウキでそこのオフィスにやって来ていた。

 

「——せんせーッ! こんにちは! イブキ、お手伝いしにきたよ!」

 

 ダボダボの袖で隠れた右手を掲げながらイブキはオフィス内にいると思った先生へ元気良く挨拶を投げ掛ける。

 

「……あれぇ?」

 

 先生はいつもイブキの挨拶には笑顔を浮かべてすぐに返す。

 しかし、今日は先生の挨拶は返ってくることはなく、そのためイブキは手を掲げたまま不思議そうに頭を傾げてしまった。

 

「先生―? いないのー?」

 

 イブキは呼び掛けながらオフィス内を一周して探索するが今度もまた声が返ってくることはない。

 先生は今、オフィスにはいない。

 

「先生、いない……ッ」

 

 イブキはそれを理解すると胸の奥に湧いた寂しさからシュンッと少しだけ表情を曇らせた後、それを払拭するべく踵を返してオフィスの外へ出て先生の探索を開始するのだった。

 

 

―――

――

 

 五分後。

 一階から順に猛ダッシュで探索を行ったイブキは最上階にて、エンジェル24のビニール袋片手に屋上に続く階段へ向かう先生の後ろ姿を捉えるに至る。

 

(先生、見つけた!)

 

 先生の小さな背中を見たイブキの表情は一気にパァッと明るくなった。

そして、嬉しそうに口角を緩ませながらラストスパートといった感じでイブキもまた駆け足で階段に向かっていく。

 

(あ、そうだ! せっかくだし、先生をビックリさせよっと!)

 

 そんな可愛らしい企みを考えついたイブキが階段までやってきたタイミングで先生は階段を上り終えたようで、イブキの耳に屋上へ続く扉が開く音が微かに届いた。

 

(忍者のお姉ちゃんたちに教わった足音を立てない歩き方で……そーっと、そーっと……よし、着いた!)

 

 慎重な足運びで階段を上り切ったイブキ。踊り場で一息吐いた後、屋上の扉のドアノブに手を掛けてゆっくりと回して少しだけ扉を開ける。

 

(先生は……——いた!)

 

 僅かな隙間から外へ視線を向けたイブキはビニール袋を床に置いて転落防止の金網フェンスに背中を預ける先生の姿を発見する。

 

「~♪」

 

 先生は三十路なのだが、童顔で低身長ゆえに本人が長い間ずっと気にしているほどに見た目はほぼ女児である。

 そんな見た目の先生だが過去に特殊な訓練を受けていたらしく気配……敵意に敏感だったりする。

 だが、イブキが純粋であるがゆえに今はその察知能力は発揮されることはなく、イブキに覗き見されていることに気付かずくことなく呑気に鼻歌を奏でているのだった。

 

(なんのお歌だろう……あ、先生がなにか取り出した)

 

 イブキに見られているとは露知らず、先生はYシャツの胸ポケットから紙箱——煙草を取り出した。

 

「~♪」

 

 先生は紙箱から煙草を一本だけ抜き出すと、空を仰ぎながらトントンと吸い口を下にして箱に何度か打ちつけ始める。

 

(タバコ……だよね。先生ってタバコ吸うんだ……今はなにしてるのかな……)

 

 イブキが脳裏に浮かべたのはマコトたちと見た映画。

 作中では登場人物は紙箱から煙草を取り出してすぐに火を点けて煙を吐いていた。

 それを見た時からイブキの中では煙草は即吸うモノというイメージが生まれたのだ。

 しかし、当たり前のことだが喫煙の経験そのものがないイブキは知らないことだが、紙煙草は吸い口を下にして軽く打ちつけると巻かれている葉っぱが詰まることで煙が濃厚となり味が良くなるのだ。

 別に特殊なルーティンだったり、格好つけて空を眺めているワケではない。

 面倒くさい重要書類を片付けた後の至福の一服のための必要な作業、こだわりなのである。

 

「ん」

 

 先生は葉詰め作業を終えると顔を下げ、ペン回しの要領で下向きにしていた煙草の向きを変えて口に咥える。

 そして、胸ポケットに紙箱を戻した後に同じ場所から今度はマッチを取り出して流れる動作で煙草に火を点けた。

 先生はライターよりもマッチ派なのだ。

 マッチを使うと火薬の香りが残って煙草の風味が良くなるため、これもまた至福の一服のための必要なこだわりなのである。

 

「すぅ…………ふー……」

 

 先生が息を吸うと同時に先端(フット)が赤く発光し灰が現れる。

 口から煙草を放すと再び天を仰ぎ、巨大なヘイロー(?)が浮かぶ真っ青な空に向かってゆっくりと紫煙を吐き出す。

 

(なんか……おいしそう……)

 

 まだ十一歳という幼い身ではあるイブキだが、煙草は『大人』にならなければ吸うことができない害あるものと保健の授業でしっかり学んでいる。

 先生の体のことを考えれば今すぐにでも喫煙を止めるべきだとイブキは最初に思った。

 しかし、今イブキの視線の先で煙を吸っては携帯灰皿に灰を落としながら紫煙を吐く、そんな一連の変な動きをスマートに行っている先生の表情はとても安らかである。

 思わずイブキが「おいしそう」などと心の中で呟いてしまうほどに先生の顔は緩んでおり、それは出会ってからまだ一度もイブキが見たことがない姿だった。

 

(先生の新しい姿……タバコは体に悪いけど、タバコを吸う先生はなんだかカッコイイ……いつもはかわいいのに……ううん。先生はかわいくてカッコイイんだ!)

 

 先生の新たな側面を知ったイブキは少しだけ考えた末に自身の中で答えを導き出す。

 

(イブキ、先生のこと知った気になってた。でも、まだ全然知らないんだ……もっと先生のこと知りた——ッ⁉)

 

 先生に対する知的好奇心が芽生えたイブキが先生の覗き見を続行すべく放していた手で再び扉に触れた瞬間、無意識に力んでしまったようで扉が動きギィィッと響く音が鳴ってしまった。

 

「ん? あ」

「あ」

 

 扉から出た音は携帯灰皿に煙草を押し付けて火を消していた先生の耳に届いてしまい、音に釣られて視線を向けた先でイブキと目が合った。

 

「イブキ?」

「せ、先生……」

「なんだ、もう来てたのか。イブキ、ちょっと待っててね!」

 

 塔屋の中にイブキがいることを知った先生は携帯灰皿をズボンのポケットに仕舞い込むと、ビニール袋から消臭剤(ファ〇リーズ)を取り出してとそれを自身の服に吹きかけた。

 そして、Yシャツの胸元を掴み上げて煙草の匂いがある程度取れていることを確認すると、消臭剤を袋の中に戻してイブキの元まで歩み寄る。

 

「お待たせ。ごめんね? オフィスにいなかったから探しに来てくれたんだよね」

「う、うん」

「イブキ?」

「あ、えっと……先生ってタバコ吸うんだね!」

「!」

 

 先生は煙草を吸い終えてもう片付けている時に見つかったかと思っていた。しかし、イブキに喫煙者だとバレてしまったことに気付き、思わず目を見開いてしまう。

 実は、先生は愛煙家でありつつも教育者であるため生徒には自身が体に悪い煙草を吸うことは隠しておきたかったのだ。

 

「見られちゃってたか~……イブキ、結構見ちゃった?」

「あぅ……ごめんなさい……」

 

 意図して覗き見をしていたのでイブキは罪悪感から視線を外して謝罪の言葉を述べる。

 

「あ! 別に怒ってるワケじゃないよ? そもそも私がメモも残さずにスパスパ吸ってたのが悪いんだし。だから、そんなに落ち込まないで? ね?」

「……うん」

 

 かなりの落ち込み様を見せたイブキを見た先生は大慌てで慰めに入るが、彼女はなかなか普段の太陽のような笑顔を見せてくれない。

 

(こんなに落ち込むとは……さて、どうしたものか——あ、そういえば!)

 

 イブキの頭を撫でながらどうしようか悩んでいた先生だったが、ふと視線を腕に提げていたビニール袋に落とした時あるものの存在を思い出した。

 

「イブキ。良いものをあげる」

「?」

 

 先生は撫でるのを止めてイブキの前で腰を下ろして彼女に視線を合わせ、ガサゴソと袋の中を漁って思い出したあるものを取り出して見せる。

 

「じゃーん! これなーんだ?」

「ッ! 棒付きキャンディー!」

「正解♪ 味は前にイブキが食べたいって広告を見せてくれた新発売のプリン味だよ~……はい、あーん」

 

 先生は味の説明をしながらキャンディーの包装を解くと、それをイブキの口元へ近づける。

 

「あむッ」

「どう? 美味しい?」

「うん! おいひー!」

「ふふ。そっか。それは良かった」

 

 ポリプロピレン樹脂の棒を持って言葉通り美味しそうに飴を舐めるイブキの表情はいつも通り明るく、自身の思い付きの餌付け作戦は無事に成功したことに先生もまた口角を緩める。

 

(先生、イブキが食べたいなーって言ったの覚えててくれたんだ……あ、これ!)

「さて、と」

「先生、先生!」

「ん?」

 

 腰を下ろした姿勢から立ち上がった先生へすっかり元気を取り戻したイブキが興奮気味に呼び掛ける。

 

「見て見て! 先生のマネ~♪」

 

 イブキは楽しそうにそう言うとキャンディーの棒を人差し指と中指の二指で挟むと、先程の先生の喫煙と同じ動きをして見せた。

 

「あ、あはは……似てる、似てる……」

 

 自分の喫煙がまだ幼い生徒にメチャクチャ影響を出してしまったため先生は焦燥感を抱くが、楽しそうに自身の真似をするイブキを咎める気には慣れず、苦笑いを浮かべながら褒めることしかできなかった。

 

「い、イブキ?」

「ん……なぁに?」

「えっとね、私が煙草を吸っていたことはできれば他の皆には黙っていてほしいんだ。このことはまだイブキにしか知らないからね」

「! イブキが初めて見たの?」

「うん。お恥ずかしながら、そうなんだよね」

「そっかぁ……えへへ。うん、わかったよ! イブキと先生だけの秘密だね!」

 

 約束を交わし一つの秘密の共有者となったイブキは飴を手にして嬉しそうに先生に笑いかけ、先生もまた憂いを含んだ笑みをイブキに返した。

 その後、先生とイブキは仲良く手を繋いで屋上から立ち去っていく。

 そんな二人の姿は両者共に幼い外見から年の近い姉妹のようであり、オフィスに戻った後いつも通り和気藹々と話をしながら事務作業を行う二人は自宅で仲良く過ごす家族のようだった。

 




 喫煙者な合法ロリ先生がいてもいいと思うのです。
 あ、ウチの合法ロリ先生は三十路です。

 シャーレの中に喫煙所があるかもですが、なんとなく屋上で吸った方が様になるかなと思い屋上にしてみました。
 自分は煙草を吸わないので愛煙家の父や知り合いに聞いたり、アニメで見た吸い方を取り入れて書いてみました。

 ココアシガレットにしようかと思ったのですが、今年の春からココアシガレットはチャック袋のタブレットになったと聞いたので棒付きキャンディーにしました。


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