藍原延珠が転生(と言う名のやり直し)をして里見蓮太郎の正妻になる為に色々と頑張るお話 作:安全第一
ちょっと遅くなりましたね。
では更新しまーっす!
注意事項
・延珠TUEEE
・少々グロい表現アリ
・HELLSING要素たっぷり
・お前のような幼女がいてたまるか
───『化物』とは何なのか、知っていますか?
「『化物』とは何なのか……、とな?」
「ええ」
聖居のプライベートルームにて、東京エリア統括者である聖天子と、それを補佐する天童菊之丞がある話をしていた。
「それはつまり……ガストレアや呪われた子ども達の事を言いたいのか?」
「いいえ、違います。
菊之丞の答えを聖天子はそう否定する。菊之丞はふむ、と顎に手を掛けて考え込む。
「では、話の焦点を変えましょう。何故、ガストレアに対抗する為に『民警』とは存在しているのでしょう?」
「……『民警』が何故存在している理由、か? ……諸説は色々と有るが、 ガストレア退治のプロフェッショナルが足りないからでは無かったか?」
再び菊之丞は答えを出す。その答えに聖天子は頷く。
「はい、菊之丞さんの言う通り、億単位でこの世界を蔓延っているガストレアを全て駆逐するには数が圧倒的に足りなかったのです」
「では何故、このような問いを掛けた?」
菊之丞は不思議そうに聖天子に問う。今まで聖天子がこのような質問をすることなど無かったからだ。
「……貴方は、正真正銘の『化物』を見たことがありますか?」
「正真正銘の『化物』だと?」
聖天子がそう言った正真正銘の『化物』。その摩訶不思議な質問には思わず訝しげに反芻するしか無かった。
「……時間が空いている今、貴方に話しましょう。民警すら知る由も無い『本来の民警』と『正真正銘の化物』の話を───」
月明かりが照らす深夜、延珠と蓮太郎はその場所へと到着した。
「……あれ?」
だが、思わず延珠は首を傾げた。何かがおかしいと、そう思った。気の所為だと、そう思った。だが───
───報告に上がっているガストレアより二十匹以上多いのは気の所為なのだろうか───
「ど、どういう事だ……!?」
蓮太郎はガストレアの群れに驚愕する。初任務でまさか予想外の事態に陥るとは思ってもみなかった。
二十匹以上ものガストレアの大群は全てステージIIIと見た。だが、見るからにおかしいものが一つ。
口と思わしき部位から機関銃が飛び出ている事だ。
恐らく過去に自衛隊から奪ったものなのだろう。それを活かして己の武器にするなど、予想外にも程が有る。
「どうすんだよ、延珠……!」
蓮太郎は延珠に顔を向けて言う。この想定外の事態に、大抵の民警ならば撤退の二文字しか無いだろうからだ。それぐらい蓮太郎でも解っていた。
だが延珠の表情はフードを深く被っている為、よく見えない。
「蓮太郎」
ただ延珠はそう言い放つだけだった。
「!」
その言葉を聞いた蓮太郎は此処に来る前に延珠と交わした会話を思い出す。
『蓮太郎。今回が初任務という訳だけど、貴方は私の事を『何一つ』知らない。だから貴方は知らなければならない』
『……?』
『だから、今回は被害の及ばない範囲に避難してて』
『ど、どういう事だよ……それ……』
『見せてあげる。『正真正銘の化物』の姿をね』
『なっ……』
『貴方がそれを見てどう思うのか、これからどう決断するのかは貴方次第。何ならペアを解消して貰っても構わない』
『!?』
『全ては貴方の意思で決まる。それだけは覚えてて』
『……分かった』
「………っ」
蓮太郎は延珠の意思を尊重し、被害の及ばない範囲へと後退する。それを見た延珠は表情こそ見えないものの、満足した様子だった。
「……さて」
延珠はガストレアに振り返り、その足を一歩ずつ進めた。
『グゲゲゲゲゲッ』
その様子をステージIII達を率いていたステージIVのガストレアが嗤う。
既に機関銃の射程範囲内。
相手もそれは分かっている事だ。それにも関わらず、此方に進む歩は止まることが無い。
それは愚行以外の何物でも無かった。
───この状況で逃げないとは。
───本気か?
───正気か?
───馬鹿か?
───まあいい。
───殺せ。
───そして始まる殺戮の嵐。
「………」
その殺戮の嵐を延珠はその身に一斉に受けた。
逃げる事も無く。
避ける事も無く。
退く事も無く。
痛がる事も無く。
泣く事も無く。
「え、延珠ッッッ!!!」
それを見た蓮太郎は思わず叫ぶ。相棒が殺戮の嵐をその身に受けているのだから無理もない。
その間にも殺戮は続く。銃弾の一つ一つが延珠の幼い身体を抉っていく。
頭蓋が砕かれる。
身体ごと内臓が抉れる。
骨が砕ける。
左腕が千切れる。
全身に銃弾が貫かれる。
銃弾の嵐は地面にも突き刺さり、そこに土煙を上げた。
土煙が収まると、そこには美しい少女だったものが斃れていた。
それは余りにもグロテスクで、血みどろの死体同然だった。
「え、延珠ッ延珠ウウウゥゥゥウウゥウウゥウゥゥウゥウゥッッッ!!!!!」
変わり果てた延珠の姿に、蓮太郎は悲鳴に近い叫び声を上げた。
「……何、だと?」
「以上が『本来の民警』の姿なのです」
菊之丞は驚愕していた。
聖天子が話した内容はどれも信じ難いものばかりだったのだ。
「『本来の民警』……いや、IISO機関の元の姿は『対化物殲滅特化組織』だっただと? そんなもの聞いた事が無い」
「はい、私も三代目聖天子となる以前は知る由も無かった事です。『対化物殲滅特化組織』だった当時はあの藍原延珠が統括・監督し、十人の呪われた子どもを選出して少数精鋭を作り上げ、全世界でガストレア殲滅活動を行う内容だった様です」
「十人だと……? 余りにも少な過ぎる」
「仰る通りです。その余りにも少な過ぎる人数に加え、メンバー全員が幼な過ぎました。それ故に『対化物殲滅特化組織』はやむなくIISO機関へと組織の様式を鞍替えするしか無かった様です」
「確かに、ガストレアを殲滅するには時間も人数も足りないだろうな。それに呪われた子どもの第一世代が十歳の子どもなのだ。間に合わないのは明白だっただろうに」
「……ですが、元々十人の呪われた子どもを選出するには理由があったようです」
「……何?」
「貴方がもし呪われた子どもの立場だとしたら、目の前にガストレアという化物が襲いかかって来たら、これから先その化物達と戦い続けなければならないと知った時、その心や身体は耐えられるでしょうか?」
「……無理だろうな」
「そう───」
無惨な死体と化した少女の眼が紅く光る。
「……フッフッフッフッフッ」
少女が嗤い始める。
「えん、じゅ……?」
蓮太郎がその様子に少女の名を呼ぶ。だが、度が越した驚愕にその声は小さく途切れ途切れだ。
「……クックックックックッ」
少女の紅く長い髪が黒く染まる。
「……アハハハハハハハッ」
ニヤリ、と不気味な笑みを浮かべ、更に嗤う。
『グォ……ォ』
その光景はガストレア達すら戦慄を覚える。その戦慄に身体が動かない。
そして、黒い劫火が巻き起こり彼女を包み込む。
───対化物のプロフェッショナルが『人間』では心許ないのです。
竜巻の様な劫火の渦で、紅い眼を光らせ悠然と立ち上がる。
───すぐに傷付く。
銃弾で貫かれた筈の彼女の身体が異常な速度で再生し始める。
───すぐに死ぬ。
全ての内臓が再生を終える。
───心すら弱い。
骨や頭蓋が再生を終える。
───『化物』を殲滅するのに一番効率が良いのは『正真正銘の化物』なのです。
千切れた左腕が繋がる。
───そして、『正真正銘の化物』こそが───
皮膚の再生が終わり、美しい肌色をした肉体へと戻る。
───藍原延珠という『人間』です。
「な……!」
劫火の渦が晴れ、現れた彼女の姿を見た蓮太郎は更に驚愕する。
延珠の服装が変わっている。
血の色を示す赤色をしたロングコートに大きな帽子。内側も正装の様な黒服に身を包んでいる。
その姿は人智を超越した圧倒的な強さを誇る最強の吸血鬼。
『アーカード』
延珠はその彼を模倣し、再現しているのだ。
延珠がウルキオラとの修行をしている時期、様々な世界を渡りその世界に存在する強者や化物達と死闘を繰り広げた。
その中で延珠が尊敬して止まなかった化物こそが最強の吸血鬼、アーカードである。
神を信仰している身でありながら独自の観点を持ち、ある国の王として軍を指揮して敗北し、処刑された。
自らの妄執のままに血みどろの戦争に明け暮れ、従う者全てを死に至らせ、挙句に戦争に敗北し、自分自身すら処刑場に引き出されるに至っても、なお自分の人生の結末を受け入れられなかった“弱い人間”。
そして“魔”が引き寄せられ、それを受け容れた為に人間から化物へと成った“愚かな人間”。
『化物とは人間でいられることに耐えられなかった弱い生き物である』と、彼は言う。延珠はこの言葉に酷く納得が行った。
延珠もまた、嘗て蓮太郎を守れなかった罪に苛まれ、それに耐えられず“やり直し”という形で化物へと成った“弱い人間”なのだ。
それに共感し、彼を尊敬の対象にした。今では崇拝すらしている。
そして彼との死闘という名の闘争を終えて“心”を識った延珠はその後も彼の姿を模倣し、その戦闘スタイルを取り始めた。
『
ウルキオラとの修行の中で、延珠が会得した彼女だけの“技術”である。
その性質は『模倣』。その者の心や戦闘技術、服装などを忠実に再現するものだ。
ただその者の超能力や異能までは模倣出来ないが、延珠が重宝している技術だ。
これもウルキオラとの戦いで殺されない為のもの。彼女はこれを駆使し、戦い抜いて来た。
そして先程の死体同然の体たらくから完全に再生した極めて高い不死性もウルキオラと戦い続ける為のものだった。
全ては蓮太郎に会う為に。
不敵な笑みを浮かべ、懐から454カスールカスタムオートマチックをゆっくりと取り出す。
それを天へ高く掲げる。月明かりに照らされた銀色の拳銃はその美しさを一層際立たせた。
そして銀色の拳銃を勢いよく下ろし、右腕を台にするような射撃の構えを取った。
トリガーを引く。
銃口から弾丸が発射される。
排莢口から空薬莢が排出される。
もう一度トリガーを引く。
二発、三発と撃つ。
その銃弾は三体のガストレアに命中し、その身体を爆散させた。
間髪入れずそのままガストレアの大群に向けて撃ちまくる。
撃つ。
撃つ。
撃つ。
撃つ。
撃つ。
撃ち終えた454カスールカスタムオートマチックの弾倉が地面に落ちる。
瞬く間にガストレアは駆逐され、残すはステージIVのガストレア一体となっていた。
「ステージIVすら一撃で撃ち殺せる『銃弾専用特殊バラニウム』を鋳溶かして作った13mm爆裂徹鋼弾。これを喰らって平気な
そう言いながら新たな弾倉を装填する延珠。
延珠がガストレアへと一歩踏み出す。
『グオォオォォッ……』
ガストレアは既に恐怖している。目の前にいる少女は人間の皮を被った化物なのだと理解していた。
一歩、また一歩と延珠が迫る。
一歩、また一歩とガストレアが退く。
『グギィイイィイイィッ!』
その恐怖に耐えられず、ガストレアは背を向けて逃走を開始した。
「……逃げる、か」
その様子を見た延珠は紅く光る眼を細める。
「化物は斃す側に在らず、常に斃される側で有るべし。この気構えを持って始めて己は化物だと主張出来る」
そして憤った様に目を見開き、怒鳴りつけた。
「だが化物が逃走を図るなど貴様、それでも
憤った彼女は454カスールカスタムオートマチックを逃走しているガストレアへと撃ちまくった。
『ギィイィイヤァアァァアァッ……』
銃弾の嵐を受けたガストレアは四肢を捥がれ、内臓を潰され、頭蓋を砕かれ、全身の骨を砕かれ、肉塊へと変わり果てて消滅していった。
「え、延珠……」
その一部始終を、蓮太郎は何も出来ずにただ見る事しか出来なかった───
『
凡ゆる世界を渡り、強者や化物達との死闘を経て識った『心』を完全模倣し、そのものの特徴を引き出す延珠だけの『技術』。元々は天性の素質を持っていた延珠が色々と規格外になった事で、相手の力を識る為に覚醒したもの。
これを行使すると、延珠が選択したその特定の人物の戦闘スタイル、性格、話し方、その他諸々を模倣することが出来る。
但し、その特定の人物が持つ超能力や異能だけは模倣する事が出来ない。理由はあくまで模倣をしているだけで、その者の持つ超能力や異能はその者の『オリジナル』故に“コピー&ペースト”が不可能だから。
延珠の不死性
ウルキオラとの地獄の修行を乗り越える為に発現した性質。
その内容は『卍解』と『帰刃』の力を全て解放した全身全霊の全戦力状態にならない限り、凡ゆる手段で殺しても絶対に死なずすぐに復活する事。
簡単に言えばアーカードの拘束制御術式 零号を解放しないと幾らでも復活する不死性と似ている。
この極めて高い不死性こそ藍原延珠の真骨頂の一つであり、聖天子すら彼女を化物と言わしめている理由でもある。
……うん、やり過ぎちゃったわ。
延珠のキャラ崩壊してたしね。
まあ『心身模倣』の都合上、そのキャラに近い性格になります。
今回はアーカードの旦那でした。
次は誰にしようかな〜(ゲスい笑み