隕石落とすやついるなら触手出しても大丈夫でしょ   作:五足歩行

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動いてないのに暑いので初投稿です


※サブタイと本編は何ら関係ありません
 単純に思いつきませんでした



見て!メンシスの脳が暑さで苦しそうだよ!

 

 

 

 

 

 じっとりとした梅雨が明け、本格的に夏がやって来た。直射日光はパイロンを溶かし、ボンネットでステーキが焼けそうな程の暑さがキヴォトスを襲っている。一度出てしまったら茹で上がること間違い無しなので、空調がガンガン効いているシャーレから出たくない。

 

“気持ちのいい夏だよ!海行こう海!”

 

 元気にグイグイと狩人の腕を引っ張る先生。いつもの狩装束よりも幾らか軽装になってるとは言え、暑いから離れて欲しい。

 

…この暑さでよくもまぁ溌剌としていられるものだ。私は外出を控えたいのだが…

 

 火炎は喰らい慣れているが、永続的な熱に晒されるのは慣れていない狩人。煤けた狩装束を着ても暑さに対する効果は無いらしい。

 

 今はエアコンを享受しているため、些か気が乗らない。というか動きたくない。しかしもう遊びに行くという意思は固まっており、狩人の参加も決定事項のようだ。諦めよう。

 

…分かった分かった、行くのは良いが何をするんだ?

 

“もうね、思いつくもの全部やり尽くす。”

 

 海水浴は勿論、スイカ割り釣りビーチバレー砂のお城BBQ花火砂浜の追いかけっこエトセトラエトセトラ…ホワイトボードにやりたい事を羅列し出した。止まらない。

 

…私だけで足りるか?

 

“ちょうど百鬼夜行からお誘いが来てるの。”

 

 向こうでは毎年開催される夏のイベントがあるらしい。更に招待となれば行かない手は無い。狩人はわざとらしく膝を叩いて立ち上がった。

 

 かくして、先生と狩人は百鬼夜行の風物詩である百夜水上祭へと赴いた。

 

 

____________

 

________

 

___

 

 

 

 

“うわぁ、ビーサンの上からでも熱っついね。”

 

 雲一つない快晴。逃げ場など無いかのように、上も下も陽光で煌めいている。既にあちこちで賑やかな声が聞こえてくる。

 

“もう中に着て来たからね、いつでも準備万端!”

 

 暑さから解放するように、シャツをバッ!と脱ぐと水着が顕になる。

 

 先生はカシュクール風の水着。日差し対策として上にパーカーを羽織っているものの、まぁまぁ肌面積が広く脇腹の弾痕は隠れていない。それを見る人の事を考えてください。

 

…ほう、ここでは脱ぐのが正装か。

 

“いつの間に着替えたの!?…さては私みたいに着込んでたね?”

 

 狩人も早着替え(□→□→□)。短パンに金のアルデオのみ、それとローゲリウスの車輪…に似た形をしている浮き輪を担いでいる。浮き輪で浮きたいのかアルデオで沈みたいのかはっきりしない。

 

あんなもの(教会の石槌とか)振り回してるのに、案外細いんだね。”

 

 あわやヒョロガリかと思われる見た目、しかし筋力は内包(99)されている。スイカくらい叩けば(溜めR2で)木っ端微塵にできるのだ。

 

 百花繚乱の面々が先生の元に駆け寄る。

 

「あ、先生…と…………………………………(こんな服装する人いたっけ???)あぁ、狩人か。」

「来てくれたのですね!さぁさぁ、身共と一緒に泳ぎに行きましょう!」

「私も行く!」

 

 ユカリとレンゲに手を引かれ、ざぶざぶと海に突撃していく先生。しかしせっかくの海だというのに、狩人は泳ごうとしない。寄る波におっかなびっくりしつつ、足首まで浸かった位置で仁王立ちしている。

 

 それには理由がある。泳げないというより、底の無い海面に足を踏み入れた瞬間に落下して死ぬからだ。何を言ってるか意味が不明?目に見える海は海であるが、しかし海では無い。そういう事。

 

 海=落下死というイメージが拭われないため、足が着く浅めの範囲でしか楽しめない。というか海に触れた思い出が漁村しかないから、例え綺麗な風景でも悍ましい何かが居るのではと勘繰ってしまう。*1

 

 そこで持参した浮き輪の出番。うっかり沖合いに流されないように、浮き輪に結んだ紐を先生に持ってもらっている。浮き輪の中心に座り、手足をかけるように体を預け、浅瀬でプカプカと浮かんでいる。

 

…穏やかな波に揺蕩う…海とは、存外に気持ちいいものだな。

 

「もしかして、狩人も泳げなかったりするの?」

 

 狩人の感嘆とした言い様に、いつの間にか浮き輪に引っ付いてきたキキョウが、少なからずシンパシーを感じてそう聞いてみた。

 

…泳げないな。それとここまで綺麗な…入っても害が無さそうな海は初めてだからだ。

 

 狩人が見たことがあるのは、幾艘もの廃船が沈み遺体が小舟に眠る、全てを受け入れる呪われた底無しの海。蕩けた瞳のような月が海面を照らし、街が海中に見える。いくら血に酔っていようとも、泳ごうとは思わないだろう。

 

「そんな一面があっただなんて、意外かも。」

 

“あ、魚いたかも。そっちに行ったっぽい!”

 

…離せっ!いや離すな!

 

「ジタバタしないで私も溺れるから!」

 

 魚程度で黄金に光る三角頭の短パンと猫が暴れている。

 

 

 

 


 

 

 

 

 ウォーミングアップ(?)もそこそこに、いよいよ本戦が開催されようとしている。百花繚乱の面々は意気揚々としている。

 

「やるからには優勝、そのための百花繚乱なんだから。」

 

 もちろん、先生と狩人もその一員だから。と付け加えて競技に参加していった。

 

 行われた行事は水鉄砲サバイバルや障害物レースなど多岐に渡り、最終戦は押し出しゲーム。どれも波乱万丈かつ苦戦は必至だったものの、力を合わせて乗り越え決勝戦ではレンゲとイズナの一騎打ち。

 

 しかし突如としてワカモと取り巻きのチンピラが乱入。どうにか収まりは付いたものの、舞台が破壊されてしまった。これでは競技の再開が厳しい。

 

 便宜の末、エキシビション(強ぇ奴と戦いたい)としてワカモとキキョウのバトルが開かれた。

 

 キキョウはキヴォトスでも有数の実力者であるワカモ相手に苦戦。しかしあやとりを活かした寝技で喰らいつく。足場の爆発というアクシデントで勝敗が分からなくなるも、ビデオ判定によるとキキョウの勝利のようだ。

 

 激動の大会を終え、昼下がりのフリータイム。

 

 皆が海で遊ぶ中、一人いないと思っていたらハンモックの傍で砂を城にすべく固めている。泳げない狩人は混ざりたそうにしている。

 

…城…城…あれがあったか。

 

 何やら思い付きがあるようで、それに参加した。手を加え、砂を大量に継ぎ足していく。そうして出来上がったのは砂の立派な城(カインハースト)。大型犬用の犬小屋くらい大きい。

 

 これ程の規模の建造物はキキョウでも見たことがない。となると百花繚乱の参謀として、策を練らない訳にはいかない。

 

「ここにレンゲを置いて…」

 

…ならばナグサはこの角で待ち伏せをすると良いだろう。侵入ってきた輩からはまず見えまい。

 

「なるほど。中々やるじゃない。でも、ここにユカリを配置するとどうなるかしら?」

 

…駒はもっと増やせないのか?4つじゃ足りないぞ。

 

“ここまで来て軍師会議しないの!もっと泳ご?”

 

「先生…この砂の城が見えないの?まぁ、先生が手を握ってアシストしてくれるなら、行ってあげないことも無いけど…」

 

 先生となら行きたい。その本心を隠せずにしっぽがゆらゆら左右に動いている。ならばチャレンジの時間だ。一歩前に出てみたまえ。手を握って先導してもらい、ちゃぱちゃぱと不器用ながらもバタ足で泳いでいる。

 

 できるようになったとは言え、まだ怖さが抜けていないのか二又のしっぽが常にピンと真っ直ぐだ。

 

 楽しい時間も束の間。辺りは徐々に暗くなってもう夕暮れ。遠くはもう暗くなっているので水泳の練習も引き上げる。

 

“さぁて、夜にやる事といったら…”

 

 

 …あんたも分かっているんだろう?

 

 だから、炎が有効だ。群衆を大切にな

 

 

 花火は近くのコンビニで沢山買ってきている。流石は火器も置いているキヴォトスのコンビニだ、手持ちや置き型、割と本格的な六尺玉の打ち上げ花火までなんでもござれ。

 

 着火用の火元は狩人の所有する松明を砂浜に突き立てて使用している。水辺でローリングしようが消えないからとても便利。何の脂使えばそんな火になるのだろうか。

 

 それぞれ好きなものを手に取り火をつける。赤黄緑白…色とりどりに閃光を放っている。振り回してハートマークの残像を描いたり、複数本持って豪華にしていたり…とても楽しそうだ。

 

 ここらで一発ドカンと打ち上げよう。六尺玉をセットした大砲を装備した狩人に、できるだけ真上を向いてもらい着火。

 

 数百mを飛翔し、空に大きな大きな花が咲いた。次いで音が鼓膜を揺らす。あっという間に消えてしまったが、その彩やかさは一瞬だからこそ美しい。目に焼き付いて離れない思い出となった。

 

…なんと美しい。人形にも見せてやりたいものだ。

 

 これがヤーナムの常夜で打ち上げようものならば、青ざめた血の空よりも壮大に輝くだろう。街を包む悪夢にも、一抹の良き夢だってあってもいいはずだ。

 

“やっぱ最後は線香花火だよね。”

 

 花火もあっという間にラスト一種類。これまでのものより頼りなく、糸のように細い。

 

 これはしゃがんでやるのが醍醐味。と言い、刺さっていた松明を寝かせてから火をつける。

 

 派手さを演出していた花火とは趣を逆に、弾ける火は小さく短く、数秒も経てばぽとりと落ちて消えてしまう。一本、また一本と点けては消える度に、楽しい日が終わってしまう侘しさと、またこうして遊びたいという恋心にも似た切なさを与えてくれる。

 

「師匠、くっつけて大きくしようよ!」

 

“いいよ。一分持たせてみようか。”

 

 また一つ、思い出が増えた。

 

 

 

 

 

 

*1
源の宮





カインハーストの周りずっと海だと思ってたけどデカい湖だった
海は漁村しかないのね
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