ブラックマーケットの女王   作:揚げ物・鉄火

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四月にブルアカ始めた民です。
ツルギ可愛い。いっぱい褒めたい。
イズナの頭撫でたい。
ワカモをいっぱい愛でたい。


0話 会長との取引

ある曇った日の事。

 

午前中に燦々と照り付けていた太陽が分厚い雲に隠れ、今にも一雨降りそうな空模様だ。

 

そんな中、キヴォトス内の一地域であるブラックマーケット。

完全に治外法権と化しているこの場所の一角、通称.『歓楽街』と呼称される和風の建造物が立ち並ぶこの区域。

 

そのたぐいで(・・・・・・)は、最高級の店.大淫婦(バビロン)の名を冠した店内の一室に四人と一人(・・・・・)少女達(・・・)が居た。

 

 

「……」

一人は、高級な黒スーツを着こなし、黒いシャツ、黒いネクタイ、黒いズボンと黒い革靴を履き、その両手には黒い革手袋まで嵌められている。

しかし、その服装とは真逆に腰まで伸びる金色の髪とやや吊り上がった目の中に嵌め込まれた血のように赤い瞳。

わずかに尖った木の葉を思わせる耳に、くすみ一つ無い白い肌、小さくもほんの少し尖った鼻、紅が塗られ店内の照明の光が反射し時折光る唇。

女性的な双丘がシャツを押し上げボタンが悲鳴を上げる。その細いクビレは、心配になる程細いが一度(ひとたび)シャツを脱ぎ捨てれば鋼の腹筋が露わになる。

安産型…とまではいかないその臀部は、ズボンの生地に悲鳴を上げさせ、座っている最高級長ソファーのクッションを沈めていた。

 

「……」

「…くぁ~」

100人中100人が美女、もしくは妖艶と答えるだろうこの女性…否、少女の後ろ脇にまた別の少女達が立っていた。

 

「フンッ!」バゴンッ!

「ッ!?…くぉ~!!?」

黒のパンツスーツ、白シャツ、黒ネクタイを着用した褐色肌に翡翠色の瞳と紫色の髪を短く切り揃えショートボブにした黒い四本角を生やした少女の頭を、隣に立っていたコバルトブルーの瞳と赤い髪を後ろで一纏めにした同じように黒のパンツスーツを着て腰から黒い羽を生やした少女が手に持った木製バットが折れ爆ぜる程の威力で殴り悶絶させた。

 

「んぅ…?」

「アレは気にするな。用が終わったら起こす」

「んぅ、起きてる…」

後ろで頭を押さえて悶絶する同僚*1と彼女を殴ったもう一人の少女のいつものやり取りを背に、自分の膝に頭を置き眠る少女に声を掛ける。

 

濡羽色の髪と黒曜石のような瞳、黒い着物をわずかに着崩し白い肌を見せつけ異性を誘うような妖艶な雰囲気を醸し出す少女の頭を軽く撫でて目の前に視線向ける。

 

「…賑やかで楽しそうですね」

元・トリニティ総合学園の生徒が元・ゲヘナ学園の生徒の頭を殴り、元・ミレニアムサイエンススクールの生徒が遊女のような恰好をしたこの異様な光景を前にして眉一つ動かさず『賑やか』と言ってのける超人(・・)に思わず顔を顰める。

 

 

かつて、トリニティ総合学園にて知略のみでティーパーティーを影から操り、先代.正義実現委員会委員長の懐刀として暗躍し、真に優秀な人材以外を抹殺する『聖別』を目論むが実行直前に阻止。

当時の正義実現委員会を一人で相手取り、その七割を壊滅させるも後の委員長.剣崎 ツルギとの九時間に及ぶ壮絶な殴り合いの末、敗北。傀儡であったティーパーティーの手によって追放された少女。

 

神への反逆者(イスカリオテ).九十九(つくも) エレナ

 

 

かつて、ゲヘナ学園の万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)を通して学園を支配し、当時の議長と風紀委員長を利用してトリニティとの全面戦争を計画するも後の風紀委員長.空崎 ヒナを中心に集まったゲヘナ連合軍と正面衝突、多大な犠牲を払い開戦直前に阻止された。

3000を超す敵に三日三晩鬼神の如く暴れまわり、ゲヘナ学園を半壊させ、追放される日まで最強として君臨した少女。

 

冥府の鬼神.鬼灯(ほおずき) レイナ

 

 

かつて、ミレニアムサイエンススクールを財政面から支配し、三度学園都市(キヴォトス)崩壊を目論見(もくろみ)、世界の真理を解き明かし逃亡、世界を破滅させる兵器を製作するが、起動直前に見つかりやむを得ず戦闘。

当時のC&Cを撤退させ、当時の最高傑作.移動要塞(ノアの箱舟)を含めた発明品を全て利用しミレニアムの全戦力を相手取るが、一ヶ月に及ぶ絨毯爆撃と波状攻撃による騒音を前に降参。知識の一部を自ら封印し追放された少女。

 

世界を識る者(アカシックレコード).才羽(さいば) ユカリ

 

 

そして、ブラックマーケットを圧倒的暴力と絶対的知略のみで纏め上げ、当時の権力者達を抹殺し、己の戦力を対価に複数の企業を協力関係に引きずり込み、己の持つキヴォトスの秘密をネタに先々代の連邦生徒会長を己の傀儡に、先代の連邦生徒会長を脅迫し、当代の連邦生徒会長といがみ合いながら合わせて十年キヴォトスの裏側を支配する『キヴォトスの裏の顔』や『ブラックマーケットの女王』と呼称される少女。

 

神代の厄災.八月朔日(ほずみ) ナナカ

 

 

いずれもただ者ではない、彼女達を相手に目の前の少女は、出された湯呑から茶を啜りながら、彼女等を揶揄(からか)う余裕すら持ち合わせている。

ブラックマーケットの最高権力者、八月朔日(ほずみ) ナナカ

ブラックマーケットの最高戦力、鬼灯(ほおずき) レイナ

ブラックマーケット最高の頭脳、九十九(つくも) エレナ

ブラックマーケット最高の技術者、才羽(さいば) ユカリ

いずれの一角を落とすのにも各学園が多大な被害を被るだろう四人組。

 

 

その四人組を相手になぜこれ程に余裕なのか?

 

よほど強力な護衛でもいるのか?

否、彼女は一人で来ている。

 

この場にいる全員を相手にしても勝てるからか?

否、彼女場合戦闘力は関係無い。

 

なら、このブラックマーケットで相当の権力を持った人物がバックに居るのか?

否、そんな人物が居ても彼女に協力しない。デメリットが大き過ぎる。

 

では、彼女の立場により行使出来る権限故か?

否、このブラックマーケットに置いては例え連邦生徒会であろうとたった一人の例外(・・・・・・・・)を除いてその権限は通用しない。

 

このブラックマーケットは、キヴォトスの三大自治区から完全に独立した治外法権の地。

いかなる権限も通用せず、女王を頂点にした独自の領域と化している。

 

「それで改めて聞くけど何の用?連邦生徒会長(・・・・・・)

「…ふふっ」

八月朔日ナナカの言葉に淡い水色にピンクの差し色の入った白い制服を着た少女が薄く笑う。

 

このキヴォトスに於ける最高権限の所有者にしてこのブラックマーケットに対してその強権をも行使出来る立場に居る人物。

もしも相手がただの権力者だったら追い返せる。

連邦生徒会が出張って来ても無視出来る。

三つの学園が同盟を結んで攻め込んで来るなら、総力を挙げて対抗しよう。

 

「…八月朔日ナナカさん。ブラックマーケットを統べる者」

それでもこの女(連邦生徒会長)だけは例外だ。

このキヴォトスにおける唯一無二の例外、ブラックマーケットでその権限を行使出来る超人。

 

「かつて、居場所を失い、力無く彷徨った一人の女の子が、存在しない虚像に縋り、利用し、成り代わった」

「人の嘘から生まれ、人の恐れにより形を成した虚像。収束した恐怖が『八月朔日ナナカ』を作り出し、貴女が『八月朔日ナナカ』に成り代わった。人の嘘、恐れ、噂、憎悪…様々な負の感情がより集まり貴女(・・)を形成した」

「人の負の感情…特に実体化した死(八月朔日ナナカ)への恐怖から生まれたそれ(・・)は、貴女の神秘を反転させるはずだった。でも、元の貴女(・・・・)の持つ神秘が恐怖を利用し、本物の八月朔日ナナカへと昇華させた。素晴らしいです」

「…さっきからベラベラと、何が言いたい?」

ただ黙々と自分の過去を語り続ける生徒会長に、ナナカは静かに怒り始めていた。

さっさと本題に入ろうとした彼女に対して連邦生徒会長が片手を上げて制した。

 

「続きです。世界には、『捨てる神あれば拾う神あり』と言う諺があります。私が…いえ、キヴォトス(私たち)が捨てた者達を貴女が拾い上げた。ええ、ええ、大変素晴らしいです」

「それに、追放された者達にそれなりの役職を与えた。一人で支配するにはブラックマーケットが大き過ぎる。ならば、と四人で支配する事にした。その結果、貴女達、四人で『ブラックマーケットの支配者』に成った」

「少々…笑えますね」

そこまで一呼吸で言い切った連邦生徒会長がクスクスと笑い『支配者達』に目を向けた。

 

「貴女達…全員にお願いがあります」

連邦生徒会長と呼ばれる彼女が懐から四枚の黒いカード(・・・・・・・・)を取り出し一枚ずつテーブルの上に並べた。

 

一枚目のカードは、一本の金槌とレンチが交差した絵の下に『YUKARI SAIBA』と刻まれている。

 

二枚目のカードは、背中合わせの天使と悪魔が描かれた絵の下に『REINA HÔZUKI』と刻まれている。

 

三枚目のカードは、閉じられた本の中に杯が佇む絵の下に『ERENA TUKUMO』と刻まれている。

 

四枚目のカードは、目を閉ざし手を胸の前に祈る女性が描かれた絵の下に『NANAKA HOZUMI』と刻まれている。

 

「貴女…まさか」

「頭がおかしいのか?」

「正気の沙汰じゃないわ…」

「んぅ…流石に冗談だよね?」

テーブルに並べられた四枚のカードを見た四人が各々の反応を示す。眠たそうにしていた才羽 ユカリすらも目を見開いて視線を向ける。

困惑、呆れ、驚愕、不信。

いずれも信じられないといった様子で目の前の連邦生徒会長とテーブルに置かれたカードに視線が行ったり来たりしていた。

 

このキヴォトスに於いてブラックカードと呼ばれる四種のカードは、どの学園も喉から手が出る欲しい代物だ。

ブラックカード、別名.最高位命令権…言うなればブラックマーケットの支配者達に一度だけ、どんな命令(お願い)をしても良い権利である。

各々が各校の最高戦力扱の実力を誇る四人のいずれかに一度だけ依頼(お願い)が出来る。これにより生まれる利益は計り知れない。

組織単位で一枚購入するだけで学園が傾き、企業が倒産し、個人で一枚購入すると玄孫の代まで借金王となるが購入しようとする者は後を絶たない。

 

それ程までに貴重な代物を四枚同時に使おうとしている。

 

さすがにやらないだろう…

何かの冗談だ…

そんな事をするはずが無い…

その一手は、あまりにも…

 

今から貴女達四人に一つの依頼を出します(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)。当然、拒否権はありませんよ?」

「……知ってる」

「やりやがった…」

「イカレてる…」

「あぁ…面倒だ…」

しかし、彼女たちの考えを肯定するように連邦生徒会長が淡々と言葉を紡いだ。

 

これより下される命令(お願い)は、誰一人として拒否出来ない。

拒否したらブラックマーケットを治める自分達の信用に関わる。

よりにもよって『ブッラクカード(最高位命令権)』を使われたら従うしかない。

 

命令(お願い)は、私がキヴォトスに召喚する一人の大人(・・・・・)に対して一人一回、協力した上で就任祝いとして特別な品(ブラックカード)を渡して下さい。以上です」

「……………………………………は?」

連邦生徒会長の言葉を聞いてからたっぷり10秒以上呆然としてからナナカが何とか絞り出した声だった。

ナナカの膝で寝転がっている才羽ユカリも、後ろで話を聞いていた鬼灯レイナと、九十九エレナも。

全員が例外なく命令を理解出来ないでいた。

 

連邦生徒会長の下した依頼(お願い)

それは、ブラックマーケットの支配者たる自分達が一人の大人に一回限りとは言え、問答無用で従う事。

それがどのような意味を持つのか目の前の連邦生徒会長が分からない訳でもない。

 

四つの最高戦力を、キヴォトス最強クラスの戦力を、いつでもどこでも使う権利を有する事。

どの学園も喉から手が出るほど欲しがる『ブラックカード(最高位依頼権)』、それを四枚たった一人が保持する。

それは、キヴォトス最強の矛と盾を手にしたも同然である。

学園内の派閥争いでも一枚チラつかせるだけで圧倒的優位に立てる『ブラックカード(最高位依頼権)』、現代に於ける核と同等の扱いを受ける『ブラックカード(最高位依頼権)』。

それを唯一四枚保持した連邦生徒会長が手放し、他の第三者に譲った。流石の彼女達でもあまりの異常事態に頭を抱えるしかない。

しかし、依頼は依頼だ。誰も拒否出来ない。

どんな依頼でも受け入れるしかない。

 

「分かった。その依頼を受けよう…」

「ありがとうございます。良かったです。これで後顧の憂いなく…「ただし」…はい?」

「お前の持っている『鍵』を寄越せ。それが条件だ」

「………ッ!!」

自分の用を全て終わらせた連邦生徒会長が嬉しそうに手を叩いて喜んだ所で女王(ナナカ)から交換条件を出された。

その条件を聞いた瞬間、連邦生徒会長が目に見えて動揺した。

 

「…一体、何のことでしょうか?私には、何を言っているのかまるで…」

「サンクトゥムタワーの最上階…隠し扉の奥…開かずの金庫…セキュリティーはレイナが突破出来る。パスワードを設定したのはエレナだ。そしてユカリが金庫のマスターキー(親鍵)を持っている」

「それと私が先々代の連邦生徒会長に『本』と一緒に『鍵』を預けた。そして今もその本の所有権(・・・・・)は私が持っている。それを理解した上で応えろよ?」

「………ッ!……そ、れは…」

何とかとぼけて話を逸らそうとした連邦生徒会長が『本の所有権』と聞いた瞬間、一気に口ごもる。

 

ナナカの話は連邦生徒会長からすれば、まさに青天の霹靂でしかない。

ブラックカード(最高位依頼権)』を使って指示を出して帰るだけだったはずだ…なのにいつの間にか対等な取引へと持ち込まれた。

連邦生徒会長としては、今すぐにでも断りたい。だが、断ると『ブラックカード(最高位依頼権)』がその効力を失う。

このブラックマーケットの四人の支配者達に協力要請を出せる唯一の合法的手段。それが無駄になる。

それだけは、絶対に避けなくてはならない。ならば…

 

「分かりました…受け入れましょう…」

「ククッ、取引成立って事だ」

まるで数千匹の苦虫を嚙み潰したような、そんな顔しながら苦渋の決断として女王(ナナカ)の提案を受け入れた。

それに対しナナカは、ソファーに背中を預けて笑みを浮かべた。

 

「本日はお忙しい中…お時間を頂きありがとう…ッ!!ございましッ…た…」

最初の会話とは打って変わって連邦生徒会長が追い詰められ、八月朔日 ナナカが圧倒的優位に立っている。

それでも尚、最低限の目的を果たした連邦生徒会長はソファーからゆっくりと立ち上がり、一言礼を言ってから去っていく。

 

「…レイナ。出口まで送って(護って)やれ」

「はいはい」

部屋から出る連邦生徒会長に続いてレイナと呼ばれた褐色肌の角を生やした少女が後に続いた。

 

バタン…

 

「………」

「……」

「…」

 

鬼灯 レイナが連邦生徒会長を追いかけてから数秒の沈黙が流れる。

 

「出てった?」

「出てったよ」

「外にいる(端末)でも確認したよ…」

連邦生徒会長がレイナに連れられて大淫婦(バビロン)の店内から出て行ったのを三人で確認した所で誰ともなく大きく息を吐いた。

 

「ま~~~~~~~~~~~~~~~~じで!!!!緊張した!!『協力して欲しい事があるので少しお話してもよろしいですか?』って言って来たんだよ?普通、依頼かなんかと思うじゃん?なのにさぁ…いきなりブラックカード出してくる?普通?しかも四枚も!」

「ねえ、本当にビックリドッキリですわ~。てっきり、『キヴォトスの統一を図りたいから協力してくれ』って言うと思ってたのに全然違いましたし、ね~?」

「それよりもどうすんの?お相手はブラックカード四枚使って依頼したんだよ?単純計算で個人から200億以上の依頼料を貰ったようなもんだから今更断れないよ?」

ナナカの膝から起き上がったユカリが眉間を抑える。

 

「あ~、それなんだよな~。最悪、依頼によっては『黙示録の四騎士』の派遣も視野に入れてたんだけど…顔も知らない大人に無条件で協力するんでしょ?一回だけ…全員が…エデン条約っていつだっけ?」

「確か…あと数ヶ月とかじゃなかった?それがどうかなっさたのですか?」

「待って…まさか、その大人がゲヘナかトリニティのどっちかに着くかもしれないって思ってる?」

「私達全員が一回だけ無条件に協力する権利を持った上でブラックカード四種持ちの大人が突如、キヴォトスに現れた。しかも恐らく所属フリー…どうなる?」

「……政戦待った無し…ナギサが勝手に疑心暗鬼になるし、セイアもぶっ倒れるし、ミカが暴走する…ティーパーティーが狂うとか最高にオンモシレェ…!!」

「ゲヘナもゲヘナで馬鹿(マコト)が暴れるし風紀委員長(空崎 ヒナ)が動く。そうなるとうち(・・)辛党筋肉馬鹿(鬼灯 レイナ)が黙っていない。忙しくなるな…まだリオ(会長)ブラックカード(最高位依頼権)を使って頼まれた仕事もあるってのに、嫌になるよ。まったく…」

もうすぐ起こるであろうエデン条約調停式と他にも起こるであろう面倒事に全員が頭を回す。

ぞの全員の表情は面倒事に直面したかのようだった。

 

「それよりもナナカ。いつの間に『本』の所有権を取り戻していたの?あれって確か、トッピング全部盛りのツケ(・・)として柴大将に渡してなかった?」

「……取り返してない」

「は?」「え?」

ナナカの思いがけない答えに二人が同時に顔を向ける。

 

「柴大将にあの『本』の所有権(・・・)使用権(・・・)を譲ったきり…完全に忘れていた。なんなら四人で支配者になった祝いの祝賀会で店を半壊させた時に誠意として修理費と一緒に連名のブラックカード(・・・・・・・・・・)を渡したまま…それもまだ使われていない」

「……oh my god」

「連名のブラックカード…それも四人分の…柴大将が一言命じるだけでカイザーPMCくらいなら潰せるね。物理的に…社会的にも…」

「個人的には今すぐ潰したいけど…そうなるとプレジデントがブラックカード(最高位依頼権)を使って邪魔してくるんだよなぁ…ゲマトリアも居るし、複眼クソババア(ベアトリーチェ)が確実に出張って来るしで本当に面倒だ」

「だからあの時、ゲマトリアにブラックカードを売るなって言いましたでしょう。よりにもよって(わたくし)のブラックカードを買われたのですよ?組織に従うなんて面倒臭いったらありゃしませんわ!」

「いい加減その似非お嬢様口調やめな。聞いてるだけで頭が痛くなる。ああ、駄目だ。ヒマリの名乗りを思い出して余計に頭が痛い…」

それぞれが別々の理由で頭を抱え盛大に悩み首をかしげる。

 

「どうしようか…」

「どうしよう…」

「どうしましょう?」

三者三様に頭を悩ませ今後の対策を思案するが一向に解決法が思い付かないまま時が過ぎた。

 

 

 

 

 

そしてこの一週間後に連邦生徒会長が失踪した。

 

 

「勝手に失踪すんな!仕事が増えるじゃねぇか!ク〇が!」

連邦生徒会長が失踪した日の午後にブラックマーケット内で女王の声が空しく響いた。

*1
ほとんどダメージ無し




おまけ.

ブラックカードの購入価格.
個人.50億
組織.500億

ブラックカードの発行枚数.10枚+連名一枚

現在の所有者及び使用状況.
所有者組織or個人購入数使用状況購入相手
桐藤ナギサ個人一枚使用中九十九 エレナ
プレジデント組織二枚未使用九十九エレナ&鬼灯レイナ
調月リオ個人一枚使用中才羽 ユカリ
ゲマトリア(ベアトリーチェ)組織一枚未使用八月朔日 ナナカ
連邦生徒会(不知火カヤ)組織一枚未使用八月朔日 ナナカ
柴大将個人一枚未使用連名
連邦生徒会長個人四枚権利を譲渡四人分

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