親愛度10や9、trueのネタバレがあります
よければ是非見ていって感想評価ください
「……暑い」
「……この真夏日にエアコンもつけずに横になればそうもなるでしょう」
リモコンを二、三回いじってエアコンをつける。
じっとりと蒸れていた服が幾分かマシになった……ような気がする。
「帰ってきてすぐにつければいいものを……というかせっかくの休暇をここで過ごすつもりですか、私ではなくお二方と過ごしても良かったのでは?」
「佑芽はお姉さんと、千奈は実家に帰ってる、だからプロデューサーと過ごすことにした」
きっと退屈もしないだろうし。
と、後から付け足す。
本当にこの人は自由奔放だ。
「……それにプロデューサーには私の大切なことも話した、秘密の共有をしたんだからもっと近くで過ごしてもいいと思う」
「……人聞きの悪いことを言わないでください」
「責任は……とるよ?」
どこでそういうことを……。
いや、この感じは遊んでいるかもな。
「取る方法もないでしょう……冷蔵庫にお茶があったはずです、いりますか?」
「氷は多めがいい」
「わかりました、少し待っていてください」
大小のガラスの中でカラカラと揺れる氷が窓から入る太陽の光を反射している。
……本当に夏真っ盛りだ。
「どうぞ、粗茶ですが」
「おかまいなく……なんて、ね?」
奥にあった大きめのグラスがお盆から取られる。
口をつけてからゆっくりとグラスが傾いて……空になるまではあっという間だった。
「遊園地から戻ってきてから急にソファーに倒れ込んだものですから、少し心配はしましたが、その分だと大丈夫そうですね」
「私も……成長してるから」
「……そこまで自慢できることではありませんよ」
それでも大きな成長ではあるのは間違いないが。
一口分の憂いをため息で吐き出す。
「……ねぇプロデューサー……隣、座ってもいい?」
「暑いのであまり、どうしたんですか」
「少し……甘えてみたくなった」
「私が断っても……せめて話し終わるまでは待ってくれませんか」
いつもよりほんの少し早めな動きで隣が埋まる。
……肩によりかかってくるとは思わなかったが。
「篠澤さん、近いです」
「私、ね……アイドルになりたかった理由、話したの……初めてだから」
「私の話は聞いてくれないんですね……」
こうなったらおそらく止まらないだろう……少し付き合って満足してくれればいいが。
「少し落ち着かない、ぞわぞわしてる」
「そうですか」
「……プロデューサーは反応が薄い、乙女の秘密を聞いたし、距離が近いんだからもう少し動揺してもいいと思う」
「一目惚れしてる相手にそう動揺もしませんよ」
「そう……じゃあやっぱり気にしない」
沈黙が流れる、外からする蝉の声だけが聞こえてくる。
「ねぇプロデューサー、私がこのまま……満足したりしていなくなったらどうする?」
「しませんよ、それにさせません」
「……言い切るんだ」
「……私の夢を諦めさせたんです、そう簡単に逃げられるなんて思わないでください」
我ながらあまり合わない言葉かもしれない。
……瞳が大きく開かれる。
「そういう言い方は……ずるいと思う」
「誰かに似たのかもしれません」
「……そうだといいな」
汗はすっかり引いている。
……もうすこしぐらいはこのままでもいいかもしれない。