真剣であなたに恋い慕い   作:こぼ~ず

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今回スポット参戦の方が一名いますがお気になさらず読んでください。


『武家の方々』

「それではこれより、決闘の儀を始めるヨ!!!」

 

さぁ、これからがお楽しみの時間だ。選民意識に囚われたアホを叩きのめしてしまえ!!

 

 

ん?展開がいきなり過ぎる?すまんこってす、コレには色々と深い事情がありまして…。いや切欠はすんごいつまんない事だったんだけど引くに引けなくなっちゃいまして。

 

それはクラスメイト達とも馴染んできたある授業風景での出来事…。

いつも通り俺や亜巳はしっかりノートを取り、芳乃は座ってなにやら別の事で頭を捻っており心ここにあらず、優は相変わらず惰眠をむさぼり、悟は仕事で休みとF組らしいといえばらしい授業風景だった。

そこで優に気が付いた先生は白いチョークをそこそこの速度で投擲、しかし優に当たるはずも無く人差し指と中指でしっかりとチョークをキャッチして盛り上がる俺達クラスメート。それはいつもの授業風景だったのだが少しまずかったのはそのそこそこの投擲を見せた先生というのが武家の出だったという事だ。

 

この川神という街は江戸時代から栄えていて川神院という武術の総本山?なんて物もある事から土地柄上多くの武家が残っておりその血を継ぐ者も多く、武家や名家といったお家柄は中々馬鹿に出来た存在ではないのだ。武家の生まれの人間はその家の歴史を守る為に生まれたときから代々伝わる武を学び一般では太刀打ちできないような強さを誇る事になる。しかしその武家の出の教師が投げたチョークをF組の昼行灯が受け止めた、そんな噂が学校に広まってしまったのだ。

 

内容は「へ~そうなんだ」で済むような内容なので俺や優は気にも留めなかったのだがそこでマズイ連中の耳に入ってしまった、そうS組である。S組は成績優秀者で固められた選民意識の高いクラスだ、そしてその中には当然川神出身の武家の人間もいる、つまり……

 

「貴様か、新八先生のチョークを受け止めたというF組の男は!」

 

彼の名前は武蔵(むさし)柘榴《ざくろ》、なんでも1年S組の委員長さんだそうだ。

 

「あぁ、そうだけど?」

 

「ふん、こんなヤツに俺でも避けれない新八先生のチョークが受け止められるはずもないか。デマだったか、もしくは先生が眼鏡を掛けていなかったかだな。どちらにしろお前如きが武家の出自の者の攻撃をかわせる筈が無い、今度から功名を上げるにしてももっとマシな嘘を広めるのだな」

 

「あ~、なんだ。お前喧嘩売りにきたのか?」

 

「はっ!俺が、お前に?笑えんジョークだ、そんなものが流行ってるのか?この掃き溜めでは」

 

そう言って取り巻きと仲良く声高々に笑う柘榴、ある意味すげーなコイツ。少なくとも武家の生まれで武を習っていれば相手の力量くらい解るだろうに…

 

「どいて亜巳、そいつ殺せない」

 

「まぁ待ちなよ芳乃、こういった手合いは相手にしないのが吉さ」

 

「ふん、なんだ女?残念だが俺はお前のような女には興味がない、おとなしくその辺の豚でも捕まえていろ」

 

「どきな時雨、そいつバラせないよ」

 

「おちつけ、お前が言われた事じゃないだろ亜巳」

 

「だから余計に腹が立つんだよ!」

 

「安心しろ、やっこさんはしっかり虎の尾を踏んでるよ」

 

そう、さっきから頭に血管が浮き出てる「妖精」って名前の割には獰猛な虎の…な。

 

「…オイ、テメー今なんつった?」

 

「あん?」

 

「テメーは俺に用があったんじゃなかったのかよ?それがなんで芳乃を侮辱する事に繋がるんだ?」

 

「フッ、侮辱だと?侮辱をされたのは我々のほうさ。武家の者が貴様らのような下々の者に遅れを取る訳が無い。其処にあのような噂が広まってしまったのだ、侮辱以外の何物でもあるまい」

 

「あぁ、そうかよ。OK解った、ならその喧嘩買ってやる!」

 

そう言って優は自分のワッペンを机に叩き付けた。

 

「貴様が決闘だと?面白い!衆人観衆の下、身の程をプレミアムに解らせてやる!」

 

そうして柘榴も自分のワッペンを優のワッペンに叩き付けた、これにより優と柘榴の決闘が決まったのである。決闘とは川神学園のシステムの一つでお互いのワッペンを重ね合わせる事で発動する、ようは「タイマンしましょ♪」といったもので勝負事ならば肉体を使ったものからトランプ等のゲームで勝敗を決める事もある。

 

そして肉体勝負の場合に必要な教員たちの許可もおり今日の放課後グランドで決闘が行われる事になった。

 

 

 

「しっかしどいつもこいつも暇人ばっかりよね~、もう学校終わったってのにこんなに集まってるじゃない」

 

「まぁ今噂のF組の昼行灯とS組の武家の人間がやりあうんだからね、興味はそそられるだろうさ」

 

「おい、優わかってるだろうけど…」

 

「安心しろよ、ちゃんと手加減はするさ。大事になるとコッチがマズイからな」

 

「まぁでもしっかり勝つ事は勝てよ、御神苗」

 

「あれ?宇佐美さんも見に来てたんだ」

 

「まぁ決闘といえばトトカルチョも開かれるし…勝てるときに買っとかないとな、斑鳩」

 

「なんだ?珍しいな悟が賭け事なんて」

 

「いや、先生が勝ち馬に乗っとけってさ。夜は時雨に世話に慣れても流石に学校でまで世話になる訳にもいかないし。だから優、頼むぞ!俺の上食券の為にも!」

 

「ヘイヘイ、わかりやしたよ」

 

そんな会話をしていると反対側から取り巻きのS組の生徒を引き連れて柘榴がやってきた。

 

「諸君!決闘だ!!!」

 

その一声に会場となったグラウンドが一気に盛り上がる。

 

「よく逃げずに来たものだ、それだけは褒めてやろう!」

 

「そりゃどーも」

 

「しかし!あまり調子に乗られても困るのでな、少しばかり痛い目にあってもらおう。何も怖いことなど無いぞ?何せお前が気づいた頃には既に勝負は終わっているのだからな。そうs「終わったか?」…何?」

 

「なげー前口上は終わったか?って聞いたんだ、悪いが俺はお前ほど暇でもないんでな。さっさと始めねーか?」

 

「キ、キサマ…許さん!武家の者に対する口の聞き方というものを教えてやる!ルー先生!!」

 

「わかったヨ、それでは二人とも前へ出て名乗りを上げるネ!」

 

「1年S組、武蔵柘榴!」

 

「1年F組、御神苗優だぜ!」

 

「それでは尋常に…はじめ!!」

 

「ゆくぞ!プレミアm「遅せぇ」ブォ!!??」

 

柘榴の腹に開始と同時に一気に懐に踏み込んだ優の崩拳が突き刺さっている、というか柘榴はいきなり両手を振り上げて何するつもりだったんだ?そんな事を考えていると柘榴がゆっくり前のめりに倒れた、衝撃が後ろに逃げずしっかり身体の中に打ち込む理想的な崩拳だ、流石だな優。

 

「…ハッ、しょ勝者、御神苗優!」

 

ようやくショックから抜け出せたのかルー先生が判定をくだした、周りはまだあまりの現実に追いついていないらしい。

 

「どんな武術をやってるのかはしらねーが素手の芳乃のほうがまだ強いな」

 

「ちょっと、私をあんなのと一緒にしないでよ」

 

二人の会話が呼び水となったのか会場が一気に沸きあがる。

 

「うぉぉぉぉぉ、すげぇぇぇぇぇ!!!」

 

「なんだ!?今の見えたか!!??」

 

「キャーー!!御神苗くーん!!」

 

「俺の食券がーーー!!!」

 

 

様々な声が飛び交う中優は周りに手を振りながらこちらに帰ってきた、柘榴の方は取り巻きのS組の連中に引きずられていったがまぁ大丈夫だろう。これで少しは大人しくなってくれればいいのだが…

 

 

 

その考えが杞憂で済んでくれればよかったのだがまさかこの出来事があんな大事件を引き起こすなんて、この時の俺たちには想像も出来なかった訳で…




まさかのムサコッス兄の投入、本当は柘榴といえばあのやり取りを入れたかったのですがトーナメントでもないので諦めました。ちなみにスポット参戦の新八先生は昆布364枚分
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