真剣であなたに恋い慕い   作:こぼ~ず

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ちょっと短いですがキリのいい所で切りました。


『戦は既に始まっているのだよ!』

 

[川神大戦迫る!!!]

 

そういったポスターが廊下に張り出されている、川神大戦まで後1週間と期日が迫っており学校中を煽るようにあちこちにポスターが貼られている。

川神大戦なんて大掛かりな行事なのになぜここまで執拗に煽らなくてはいけないのかって?そりゃ学生達が盛り上がっていないからだ、そう盛り上がっていないのだ。

 

 

その理由は簡単、俺達1年F組にやる気が見えないからだ。

 

 

川神大戦は学園全部を巻き込む行事で1年S組は早速他の学年のS組に応援を要請し後1週間と迫った今日までに骨法部、弓道部、相撲部等の有力な武道系の部活まで助っ人に取り込んでいた。

対して俺達1年F組はあの宣言以降まったく勧誘には動いていない、当初は2年や3年のF組だったりS組を快く思わないクラスや部活から応援の申し出があったが俺たちは丁重に断った。そして日に日に巨大になっていくS組軍を前に応援の申し出は遂に無くなった。

学校の半分近くから構成されるS組軍VS1年F組、結果は火を見るより明らかで誰の目から見ても俺達にやる気が無いと思えただろう。

そんなつまんない勝負に燃えられるはずも無くS組軍のモチベーションはダダ下がりになってしまい仕方なく学園長がある制度を投入した、序列制度である。これは今回の川神大戦で多大な成果を上げた者を順位付けするといった内容で上位20名には食券や上食券が配布される事となりこれらは両軍の勝敗に左右されないとなっている。こういったモチベーション維持に学園側は四苦八苦している訳だが俺達だって別にやる気が無い訳ではない、今の状況にはちゃんとした理由があるのだ。

 

 

それは担任の宇佐美さんの一言から始まった。

 

 

「お前ら、川神大戦にはテレビの中継が来るって知ってたか?」

 

「げ!?マジで?」

 

そう、この川神大戦は学生同士のガチンコ戦争ごっこという事でマスメディアが食いつくには十分なシロモノなのだった。

 

「う~ん、そうなると優や悟はまずいな…」

 

「私だって嫌よ、こんな事で顔がわれるなんて!」

 

「山本さんに大目玉食らっちまうな…」

 

「百舌鳥さんに殺される……」

 

「えらい悲壮感が漂ってるねぇ、時雨なんとかならないかい?正直芳乃達がいなけりゃ話になんないよ」

 

「う~ん、そうだな。ようはテレビ中継がされなけりゃ問題は無いのかな?」

 

「ちょっと優ちゃん、アーカムに頼んでマスコミに圧力かけてもらってよ」

 

「ざけんな、余計大事になるわ!」

 

「どうしようか時雨、俺は今回マシンに乗れないだろうから役に立たないけど優と芳乃は…」

 

「いや、そっちの方は何とかする、マスコミも…なんとかなるだろう」

 

「いったいどうするんだい?」

 

「なーに簡単な事さ。マスコミなんてのは勝手な連中でな、自分たちの興味がある事なら相手が嫌がろうとも首を突っ込んでくるが興味の無い事になると伝えなきゃいけない事実にも関心を持たないもんなんだ」

 

「と、いうことは?」

 

 

 

「テレビで中継や取材するまでもないって感じにしてやればいい」

 

 

 

そうして俺が立てたプランは簡単な物で何処のクラスにも声を掛けないといった事だった。1クラス対学園の半数、確かに興味は引くが1クラスがただの落ちこぼれクラスなら結果は火を見るより明らかで傍から見ればただのイジメにしか見えないだろう、そんなものを公共の電波で流せる訳が無い。

2週間後、案の定テレビ局の中継の話は流れ他のマスコミの数も激減したそうだ。その結果がS軍のモチベーションの低下に拍車をかける事になり学園側が四苦八苦する羽目になったみたいだが俺たちの知った事ではなかった。

 

 

 

さて、俺達1年F組はただ勧誘に動いていなかっただけで何もしていなかった訳ではない。当初は俺のプランに不安がっていたクラスメート達も開戦1週間前の今ではすっかりヤル気満々だ、元から気に入らなかったS組達をギャフンと言わせる!そういった自信がクラスメート達から溢れていた。

川神大戦の会場がただっ広い場所なら確かに数の有利が効くだろう、しかし決戦場は丹沢山中という山奥でフィールドの6~7割が森、広い場所といっても中央の川が流れている川原だけで川に寸断された東西は山になっている。つまり戦う場所と方法を考えれば少人数でも十分戦える、おまけにこの川神大戦のルールは単純なだけに穴だらけでいくらでも付け入る隙があった。

 

 

 

「さぁ!ということで今日も楽しい楽しい講義のお時間だ、俺たちが教えられるのは今日で最後だから耳かっぽじってよく聞けよ学生諸君!」

 

「今日は最後に皆の仕上がり具合を私達二人でチェックしようと思っている。自分で言うのもなんだが、君達の仕上がり具合は私達の目から見ても中々のモノだ。楽しみにしているよ」

 

 

俺達F組は開戦前最後の日曜日の今日、とある県境の森の中で川神大戦前最後の仕上げに入っていた。特別講師二人の話を皆が真剣に聞いている、この仕上がり具合なら問題ないだろう。山の方では音の軽いエンジン音が響いている…準備は万端だ、待ってろよS組!




という訳でまたもや皆川作品から登場です、いやマジ恋が嫌いというわけではないのですがマジ恋のキャラの本格的な活躍は本編開始までお待ちを^^;
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