一年以上音沙汰の無かった作品の更新とか誰得ですがまぁボチボチやって行こうかと思います。
この作品はマジ恋のタグがついてはいますが原作突入時期はまだまだ未定です、まぁたまには原作突入までに50話近くかける作品があってもいいかも(マテ
という訳で長い目で見てやってください、ヨロシクドゾー。
「ふぅ…」
私はあれから岬越寺君の家で匿って貰っている、アーカムを抜けトライデントに荷担しおめおめと逃げ延びてしまった、所属は米国軍づきだったのでトライデントとしても表だって襲ってくることはないだろう…。
老兵は死すべしと決意し時代を担う若者に全てを託そうと思ったのだが、その若者に命を拾われてしまった。今ここにいるのはボーマンという軍人ではない、ただの抜け殻だ。
「あれ、ボーマンのじーちゃん。おはよう!」
「あ、あぁ。おはよう天使ちゃん」
この子は板垣天使といってこの岬越寺邸に住む女の子だ、こんな老人にも気をかけてくれるのはここに住む子供達の特徴の一つだ。
「いまからここで素振りするけどいい?」
「あぁ構わんよ、私こそ此処にいていいかね?」
「ぜーんぜん、ウチの素振りなんかでよければいくらでも見てってくれよな!」
そういって天使ちゃんは背中に担いでた日本刀を抜いて素振りを始めた、子供が持つにはかなりの業物に見えるが…
「素振り中すまないが…、あぁ続けたままで構わないよ。それはなかなかの業物とお見受けするが?」
「ん…あぁ…コレ?じーちゃんが…常に…武器には…気を掛けなさいっ…て…言って…コレを…くれたんだ!」
「しかし日本では刀は持ち歩けないだろう?」
「うん!…だから…いつもは…メンゼル…じーちゃんが、くれた!…誕生日…プレゼントの…ゴルフクラブ…持ち…歩いてるよ!」
「メンゼル博士のプレゼント…?いや、まさかな」
そんな事を考えながら天使ちゃんの素振りを眺める、あの歳でここまで鍛えているのか。土台がしっかりしてるな、じっくり育てば後5年ほどで実力が開花するだろう…。そう言えば彼女の師はあの達人だったな。なら…
「あぁ~天使ちゃん、もう一つ聞いていいかな?」
「ん?…なに?」
「もし…君の師匠が自分を殺してくれと頼んだら…君はどうする?」
あの戦いで私は優に殺されてもいいと思っていた、しかしそれは優に師匠殺しという軽くはない十字架を背負わせる物でしかないと
私の考えは間違いであったのだろうか?だが、戦い殺す事しかしらぬ老兵などこの先の時代を生きていい筈もない…
そんな事を考えていると先ほどまで聞こえていた素振りの音が聞こえないことに気がついた、顔を上げるとそこには……目から涙を流した天使ちゃんがいた。
「ひっぐ…ウチ、が…じー、ちゃんをヒック…殺さなきゃ…グス、いけないの…か?」
私はなんて馬鹿者なんだ、こんな子供にあんな事を聞いてどういうつもりだった!?
そんな事、考えるまでもないではないか!この涙がその答えだ……そして気づいてしまった。例えどれほど武芸を身につけても、例えどれほど兵士として育てても…私から見ればこの子も優も同じ子供だという事に。あの時優は涙を流さなかった、しかし心では泣いていたのだろう。もし本当に手を掛けたとなれば、その心に刻まれる傷とはいかほどのものだったのか。この子の泣きじゃくる姿を前に初めてその事に考えが至った。まったく私は大馬鹿者だ…
「おう、ボーマン。ちとそこに座らんか」
「刺さっとる、刺さっとるぞ八郎兵衛」
八郎兵衛がどこからともなく現れ
「うわ~~~ん!!!!」
「ぬぉ!?それどころじゃないわい!ボーマン、お主も泣きやませるのを手伝わんか!」
「手伝うと言ったって私には何にもできんぞ!」
「なんでもいいんじゃ気を引ければ!ほ~れ天使、新作の河豚の針千本じゃぞ~」
と言って八郎兵衛は針まみれの球体を出すが西洋人の私にはまったくわからん!私に出来ることと言えば・・・
「「ほ~ら、天使ちゃん。おじーちゃん二人になっちゃったぞ!」」
私がドッペルゲンガーで二人になると天使ちゃんは泣き止み目をまん丸に見開いてこちらを見ていた、やはり子供には怖いd「スゲーーー!!」ん?
「じーちゃんどうやって二人に分かれたの?っつーか気配もあれば実体もあるし分身とかじゃねーんだよな!?スッゲーぜ、ボーマンじーちゃん!」
先ほどまで泣いていた天使ちゃんは泣き止みこちらに尊敬の眼差しを送っていた…。私が彼女を笑顔にしたのか……今まで多くの命を奪い、血に塗れる事しかしらなかったこの
「ど、どうしたじーちゃん!?腹いてーのか!?」
私は泣いていた…殺すことしかできない己に終止符を打とうと思っていた私はたった一つの笑顔に救われたのだ。
「い、いや…すまない。なんともないんだよ…」
「ほんとか?正露丸いらねーか?」
「あぁ、…大丈夫だよ。問題は解決したからね」
そう、問題は解決した…私にも人を笑顔にする事ができた。ならば今ここにいるのは抜け殻ではない、一人の
「ボーマンよ、なにも戦うだけが人生じゃないわい。若い連中を育て見守りながら生きるのも悪いもんじゃないぞい?」
「そのようだな…あぁ、このような気分も悪くはない…」
私に血縁の家族はいないが息子のような優がいれば可愛い孫として天使ちゃんを可愛がる事もできるだろう…恵まれているのだろうな、私は。
「ボーマンじーちゃん、その技教えてくれよ!今度の新年会で一発芸として披露すればマジうけるだろうからさ!」
「私の「
「そのほうがやりがいがあるってモンよ!」
「そうかそうか、では…」
この日一人の老兵が一人の天使に救われた。
本来あり得なかったこの出会いが後に「相伝秘伝の宝庫」と言われる少女の誕生に繋がる事となる…
「あ、カーリー。じーちゃん正露丸いらねーって、代わりにお茶と羊羹でも…ってもう持ってきてんじゃん!さっすがカーリー!気が利いてんな!」
「……(ポッ)」
彼女?も新たな生き方を見つけたようである。
久々のリハビリ作なので行間など試行錯誤でしたがいかがでしたでしょうか?
変な話ですが人間生きてる間に何ができるだろうと考える機会があり、せめて一度形にしたものは完成させようと思いPCの前に今います。
頭の中には以前と変わらずぼんやりとしたものがあるだけですがなんとかやり遂げたいと思いますので何卒宜しくお願いします…
妙に重く固くなりましたが要は頭の中身をしっかりアウトプットしていつでも読めるようにしたいんだってばよ!