真剣であなたに恋い慕い   作:こぼ~ず

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原作の秋雨のあの溢れんばかりの父性はどっからきてるんだろう?子持ちって言われても納得してしまう。


『かくも偉大な父親』

本当に大変だったのは家に帰ってからだった。

 

 

 

一度亜巳の家により辰子、竜兵、天使を迎えに行った。

詳しいことは省いてこれから俺の家で一緒に生活することを説明すると皆思いのほか喜んでくれた。

 

「まじかよぐれ兄ィ!キャッホイ!これから毎晩ぐれ兄ィの飯が食えるぜぇぃ!!」

 

と元気よくはしゃぐ姿はとても可愛いが…家事は当番制にするからな!

 

「うわぁ~い……これからは~しーちゃんと~…一緒に~いつでもお昼寝……Zzzzz」

 

流石に夜も遅いから辰子の正常起動は無理か、っつーかこんな遅くに起きて来れた事が奇跡だな。

 

「これから一緒に暮らすんだ、兄貴って呼ばせてもらうぜ!」

 

そう言って元気よく腰に向かってタックルしてくる竜兵、コイツのスキンシップは相変わらず強烈だな。

 

「…本当にいいんだね?」

 

そう言って少し不安げな表情でこちらを見つめる亜巳の頭を乱暴に撫でる、まったくこいつは…

 

「良いも悪いもお前に拒否権は無いっつーの、お前はこれから俺の家で家族揃って暮らす。これは最優先事項だ!」

 

「でもあんたの家にはもう雪がいるだろう?秋雨のおじ様にはなんて言うのさ」

 

「それは……なんて言おう」

 

「ハァ…考えるどころか忘れてたね?」

 

「まぁ何とかする!例え親父が何といっても…」

 

 

 

 

 

 

「いいよ~」

 

「…あ、いいの?」

 

「亜巳くん達が家で暮らす、という事だよね?」

 

「あ…はいそうです」

 

「うん、いいよ」

 

現在岬超寺邸にて家族会議中。と言っても雪はとっくにお眠の時間だし連れてきた天や竜兵達もはしゃぎ疲れて眠ってしまった、辰子に至っては来る途中に俺の背中で熟睡しちまってたしな。

という訳で俺と亜巳は包み隠さずコレまでの経緯を親父に話していた

 

「じゃぁこれで問題は全て解決だな」

 

「ちょ、ちょいと待ちなよ時雨!」

 

「ん?なんか問題でもあったか?」

 

「そうじゃなくて…秋雨のおじ様、本当に私たちがここでお世話になっていいんですか?その私達は見ての通り何も持っていませんし持ち合わせもありません」

 

「そんな事は子供のキミが気にすることでは無いよ亜巳くん、家族が増えるんだ歓迎こそすれど拒むことはない。しかし亜巳くん…」

 

「はい?」

 

「早まったことをしたね」

 

「っ!?」

 

「親父!」

 

「時雨は黙っていなさい」

 

「……ッ!?」

 

「亜巳くん、キミは大切な家族を養う為に己が身体を売り物にしようとした…そうだね?」

 

「…ハイ」

 

「確かにキミの行いはある一面から見れば尊い事だろう、だが違う一面から見ればそれは最も愚かな行いだ。」

 

「でもッ!」

 

「もしもその事が君の兄弟に知れたらどうするつもりだったのかね?」

 

「それは…」

 

「親もいなく親代わりの姉も留守にしがちで育った子供たち、何が間違いで何が正しいのかも判断する事すら難しいだろう。そこで姉が自分達の為に身体を売って稼いでいる、さぁ姉思いの妹達はいったいどういった考えに行き着き行動するだろうか?」

 

亜巳の身体が驚愕に震えていた、亜巳自身そこまでは考えていなかったんだろう。

だがそれは大いにありえる可能性の一つだった。

 

「私は…私は…!」

 

「もちろんこの家に来た以上そんな事はさせない、私のプライドに掛けてね。だがやはり彼女達に対しての君の影響は絶大だ、私や時雨が白だと教えるよりも君が黒だという事のほうが簡単だろう。

だから君はもう早まっちゃいけない。安心しなさい、私は留守にしがちだがこの家には時雨も雪もいる。君達は新たな家族を得たんだ何でも相談しなさい、いつでも相談に乗ろう。何故ならそれが家族だからだ。」

 

そう言って親父は肩を震わせて泣いている亜巳をそっと抱きしめた。

 

「…今だけ…今だけ泣かしてください。」

 

「あぁ、いいとも」

 

俺が言いたかった事も親父が全部言いやがった、でもこれで良かったんだろう。

流石にまだまだガキな俺を相手に同い年の亜巳が甘えるなんてのは無理がある話だ。でもな親父、いつかその役目は俺がいただくぜ。雪や辰子達の分もな!

 

「何を考えてるのかは解らんがいつか刺されるぞ?息子よ。」

 

「本当に解ってねーのかよ」

 

「とにかく、亜巳くんが泣き疲れて眠ってしまったようだ。空き部屋に布団を引いて寝かせてあげなさい。」

 

「おうよ」

 

そういって亜巳を抱きかかえて部屋を出る、無意識のなのかぎゅっと服を握る亜巳の寝顔が可愛くてドキっとしてしまった。

 

「これがオウルの言っていたギャップ萌えってやつか…堪らんな。」

 

 

 

 

そうして俺たち家族の新しい生活が始まった、驚いた事に亜巳と辰子が意外にも家庭的で家事をそつなくこなしていた。

あの立ったまま眠れる辰子が料理の手伝いをすると言って来たときは軽く身の危険を感じたものだ、しかし包丁も使えるようだし鍋を見させた時は決して眠らなかった。

 

亜巳は料理は作れなかったが掃除や洗濯をしている姿はまさに「お母さん」と言ったところだった。

 

親父が家を空けることもしばしばあったが以前よりは断然空ける日数が減った、雪は新しい家族も大歓迎だったし天も竜兵も暴れることは暴れるが俺や親父が相手をしてやると直ぐに大人しくなるし手がかかるなんて思いもしなかった。

 

 

 

そうして新しい生活が始まって1年が過ぎて俺や亜巳が中学3年になったころ、亜巳が馬鹿な事を言い出しやがった。

 

 

「あたしは高校には行かないよ」

 

 

 

ハイ、馬鹿決定。

 

 




高校行くのが良くて行かないのが馬鹿とは思いませんが原作で苦労してそうな亜巳さんには学生時代ってヤツを楽しんで頂きたいのですよ、一度でいいから見てみたい亜巳さんが川神学園の制服着てるとこ。
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