「と、言う訳で私たちは今タイに来ておりま~っす」
「おりま~~~っす」
「はっはっは、仲がいいなぁ二人とも」
俺たち親子と小雪の衝撃の出会いが過ぎて早3日、俺と小雪は親父の指示の元サラリーマンの
というか本当は俺だけの予定だったんだが小雪が頑なに俺から離れるのを拒んだために一緒に連れてきた次第だ。まぁ本音を言えば俺も一緒にいたかった訳だが…
「えへへへへ~♪」
「ん、どうした小雪?」
「ん~ん、なんでもないよ~♪」
まぁとにかく小雪がご機嫌でよかった、俺は下手糞な操縦の飛行機のおかげで軽くブルー入ってるけどな!
「さて、そろそろ来るはずだが…」
「あれ?おじさんが案内してくれるんじゃなかったの?」
「いや、私はまた日本にとんぼ返りしてもう一仕事しなくちゃいけなくてね、ココからはまた違う人が目的地まで案内してくれるよ」
高槻のおじさんは親父の知り合いで曰く「単身赴任中のサラリーマン」だそうだ、世界中を飛び回っているところから察するにかなり人使いの荒い会社なんだろう。
「知らない人に案内してもらわなきゃいけないんですか?」
俺には少し不安があった。今回タイに来た目的は俺が3日前に目覚めてしまった力「龍掌」のコントロールを勉強する為だ。
親父の話によると人が持ちえる異能の一つだそうで簡単に言うと気で身体の傷を癒すものだとか。それだけ聞くと別に問題ないんじゃね?と思ったが力の性質上下手こいたら人を傷つける恐れもあるために実際にその力を持つ人に教わってきなさいとの事。
実際俺の力が発動した時、直ぐ近くにいたのが親父じゃなけりゃグロテスクな映像が広がっていたかもという話。小雪に悪影響が無かったのが奇跡だとか。
それを聞いて俺はここに来る決意をした。俺は小雪を護りたいんだ、傷つけたい訳じゃない。それにもしこの力をマスターすれば今後俺の近くで怪我に悩む人たちがいればこの力で救う事も出来るはずだ。
さてここまで話せば解ると思うが俺のこの力は完璧に異端だ、親父にはバレると色々とやっかいな事になるそうなのであまり口外するべきではないと言いつけられている。
だから知らない人と一緒っていうのは…
「安心しなさい、これから来る人は気を扱わせれば世界で3本の指に入る人物で人間性も一部を除けば尊敬に足る人物だ。それは私や秋雨も保証するよ」
「凄い人なんですね…尊敬に足らない一部ってのが気になりますけど」
「すごいすご~い」
「そこまで褒められると悪い気はしませんね」
と俺と雪の直ぐ後ろから若い男の声が掛かった、……気配はまったく無かった。
「
「お久しぶりです
高槻のおじさんと長髪で
俺も少なくとも親父に鍛えられているがココまで気配に気づかなかった事は…いや、結構あったか。高槻のおじさんとか
「ふむ、私に気づいてからは即座に彼女を護れるように位置取り相手の対応に備えれるように構える…先が楽しみですね」
「俺の名前は岬越寺時雨、あんたは?」
「コレは失礼しました、私の名前は朧と申します。これから君たちをドクターの下まで案内させていただく者です」
「僕の名前は…岬越寺、岬越寺小雪だよ!」
「これはこれはご丁寧に、ほうほう貴女も中々…」
「やめておきたまえ朧、はたから聞いていれば即逮捕モノだ」
高槻のおじさんが帽子を押さえてヤレヤレとやっている、もしかしてコイツの問題のある一部って!?
「もし変な事を連想しているのならご安心を。私は強者と戦う事を己が修行としていまして、先が楽しみな相手を見ると…」
「そこまでだ、朧。とにかく時雨、君はこれから小雪ちゃんと朧と一緒にドクターの下に向かいなさい」
「うん、朧さんも気の使い手らしいけどそのドクターって人が教えてくれるの?」
「えぇ、君のそれに関しては流石にドクターでなければ手ほどきができませんから。ですがそれ以外なら私も多少手ほどきを授けましょう」
ヤバイな…柔術を教え込む時の親父と同じ目をしてやがる。
「それでは私はそろそろいくよ時雨、それと小雪ちゃん」
「な~に~?」
「初めての旅行だ、お兄ちゃんと一緒に楽しみなさい。そして……安心して帰ってきなさい」
「うん、わかった!」
そう言っておじさんは空港に戻っていった。今回のことでおじさんには色々お世話になっちゃったからいつかは恩返ししないとな!
「さて、それではそろそろ向かいますか。少し遠いのですが旅の疲れは大丈夫ですか?」
「だいじょ~ぶぃ!」
「さっきので吹っ飛びました」
「よろしい、では行きましょう」
そうして俺たちはタイの郊外に向かって出発した。
それにしてもさっきからジロジロ見られてるが日本人の子供が珍しいのか白髪の小雪が珍しいのか、それともこのくそ暑いなかキッチリとカンフースーツを着こなしている朧さんが珍しいのか…
スーツは男の戦闘服!というわけで世界最強のサラリーマン高槻巌&真面目に仙人目指してます朧の登場です。朧の強くなりそうなら敵でも見逃すって趣向は危ないモノだと思うのですが…まぁそのおかげでボーも大活躍したわけですし、しかしそう考えると特A級達人が蔓延るこの世界は朧にとって天国となりえるのではなかろうか?w