あいつは、呆れるほど穏やかな顔で逝きやがった。
残されたやつのことも考えずに。
自分の手が届く場所なら、迷わず手を伸ばすんだろ。
その中に自分自身は入ってなかったのか?
仲間から伸ばされた手は掴むんじゃなかったのか?
…最後まで自分勝手に生きやがって。
おい、映司。
俺を復活させて満足か?
俺が諦めると思ったのか?
バカが。俺はグリードだ。
「いつかの明日」なんか、待ってられるか。
!注意!
○この作品は
・仮面ライダーオーズ
・仮面ライダーガッチャード
・復活のコアメダル
・ひらパーショー(ガッチャード&オーズ)
のストーリーをアバウトでも良いので知った上で見ていただけると楽しめると思います。
○これは完全二次創作です。復活のコアメダルで保管されなかったことも勝手にここで説明していますが、すべて鉄火丼の妄想であることをご了承ください。
9/13 個人的に見て粗かった所とあとがきを追加、修正しました。
第一章
アンクとメダルと錬金術
「…馬鹿野郎」
映司が死んだ。
そしてあのときあいつにメダルを託して死んだはずの俺は、なぜか生きている。
「アンク」
「…比奈か」
全身を黒い服に包んだ比奈が、昔はいつも見慣れていた橋で佇む俺の隣に立つ。
「結局、映司くんの葬式は、来なかったんだね」
「…あぁ」
人間は、死んだとき身内で葬式、ってのをするらしい。
詳しいことはあまり覚えてないが、そこで映司は燃やされるらしい。…カソウ?だっけか。
見てられなかった。
こんなのは味わったことのない、不思議な気持ちだった。
グリードがただのセルメダルの塊になって崩れていくのを見るのは平気だったのに、映司が骨になる様は耐えられる気がしなかった。
「…本当に、馬鹿な野郎だ」
「ねぇ、アンク」
「あ?」
「…私ね、少し前に映司くんといっしょにアンク、見たの」
「…あぁ」
「その時は気がついたら消えちゃってたんだけど…映司くんは言ってた。あれはいつかの明日のアンクなんだって。」
「未来から、アンクが来てくれたって。映司くん、ほんとに嬉しそうな顔してた。」
「…その”未来”って、もしかしてこれから先の…」
「その話は二回目だ」
「言ったろ。そんな長い時間も待ってられるか」
「そう、だけど…」
比奈に言ったこと以外にも理由はある。
こいつの言ってることが正しいなら、【未来の俺が映司たちに接触した過去】の上に成り立つのが、今だ。
俺がこれから先映司のいる過去に飛べる日が来ても、それは過去をなぞらえるだけ。
つまり、今は変えられない。
…いや、待てよ。
時間移動現象は、いまから10年前偶然起きたこと以外にも起き得ることだとしたら?
もう既に、時間を自由に移動できる能力がこの世界に存在するとしたら?
そんなことをできる組織は…俺は一つしか知らない。
「おい、比奈」
「なに?」
「”未来から来た俺”は、お前たちになんて言ってた?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「グリオン様、お呼びでしょうか」
「…アトロポス、命じたレプリケミーは完成したか」
「はい。これがレプリタイムロードです。」
『ロオォ…ード』
「でも、なぜ急に?」
「偶然、このようなものを拾った。」
「…銀貨ですか?」
「違う。こんな銀貨は無い。これは極めて興味深い物質で構成されている…少なくとも、この世界のものではない。」
「なぜこの世界に存在しないものが…?」
「存在しないものを存在し得る物へと昇華させることが、錬金術だろう」
「まさか、それは」
「錬金術で作られた物だろうな。」
「ケミー以外にも、錬金術で作られた存在が…?」
「私は過去へと飛ぶ。必要なら、次元までも越えよう。」
「グリオン様…」
「案ずるな、3日も掛からない。」
「もしかしたら新たな錬金術で…私の理想、
「…どうかご無事で。」
「行くぞ、タイムロード」
『タァイム…』
『ロオォード!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「へぇ、俺がそんなことを…」
「アンクらしい、でしょ?」
「そんなこと、俺が知るか」
もしも未来へ行けるなら、少なくとも過去の俺(未来から来た俺だが)と同じことを繰り返さなければいい。簡単なことだ。
「あのバカは、もう正直に言わないと伝わらないか…」
「アンク…?どうやって未来に行くつもり?」
「俺がよく知ってるやつに、心当たりがある。」
「一か八かだ、やれることはやってやる」
そうと決まれば行くしか無い。
「アンク!ちょっとまって!」
「…何だ」
「これ。」
「オーズのドライバー…?なんでお前が」
「映司くんの、遺品」
「それと、これも」
「…なんだこれ」
ドライバーと一緒にに比奈から手渡されたのは、映司が肌見放さず持っていた派手な柄のパンツだった。
「バカにしてんのか?」
「そんなことない!これも…映司くんが大事にしてたものだから」
「アンク、無茶して死なないでよ」
その言葉に、鼻で笑う。
「ちょっと!本気だからね!?」
「バカか。あいつから無理やりよこされた命だ。もう二度と、失ってたまるか」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3年後
「やっと、見つけた」
これが、未来への鍵へとなるかも知れない。
「財団X─。」
目の前にある組織の名前を口にする。
こんな組織が、しぶとく生き残ってないはずがない。
800年前の王に対しての資料も、どうせこいつらは手に入れてるはずだ。
そうアテをつけて、アジトを探し続けて三年が経った。
間違いない。ここからメダルの匂いがする。
ドアを蹴破り、殴り込む。
「誰だ貴様は!」
「お前らなんかに教えるかよ」
侵入者を捉えようと俺を追ってくる奴らを撒いて、研究所らしきところへ急ぐ。
「君は…アンクかな」
予想外だった。俺が殴り込みに来ても、前に立つ研究員らしき者は驚かなかった。
まるで、俺が来ることを予想してたみたいに。
逆に俺が驚いてしまう。
「なんで俺の名前を知ってやがる…!」
「君の名前は昔から我々の中では有名だよ。よく対立したからね」
「驚きもしないさ。前にも似たような来客がいたからね。…いや、私達から招いたというべきか」
どういうことだ?俺以外にも財団Xに来たやつがいたのか?しかも「似たような」…
まさか、グリードが?
「どういう意味だ」
「ハハ…残念だがそれは言えない。私は不要な情報漏洩はしない主義なのさ。」
「チッ…」
「それで、どうしてここに?来たからには目的があるのだろう?」
「…時間を、飛び越える能力」
「お前たちなら開発してるだろ。ぶっ飛ばされたくなかったら寄越せ」
「乱暴だねえ…それは所謂、ワームホールというものかな?」
「済まないが、そんなものはまだ開発していない。できない、といったほうが正しいかな?」
「…ックソ」
また、振り出しか…
「でも、こんなものなら…」
そういって研究員は、俺を奥へと案内した。
そこは一つの大きなドアだけがある部屋で、ひと目見ただけでは何も違和感はなかった。
「これはこの世界とは少し違った世界、言うなればパラレルワールドへ移動できる…かも知れないものだ。」
「ライダーの技術は素晴らしい。その技術を我々が突き詰めていくほど、この世界とよく似たものが他次元空間に存在することが分かった。」
「その世界を仮にZと置くが、Zに行くための方法をつい最近考察し、開発してみたものがこれさ。」
「システムとしてはこの世界に存在する磁場を擬似的に歪ませることで、この世界の特定の空間にバグを引き起こす。」
「そうすれば起きたバグを修復するため、他の次元が辻褄を合わせる。その後、Zがこの世界の空間の存在を許容し、一時的に自由に出入りすることのできる穴を作る。」
「世界のバグをそのままにしておくと、存在する他次元空間全てに支障をきたしかねない。それを防ぐために恐らく全ての世界に備わっているシステム。」
「そのシステムを、逆手に取って完成したのがこのドアさ。」
研究員は早口で、このドアの原理を説明した。
「細かいことはいい。それより、「移動できる”かも”」ってどういうことだ」
「それが…入った世界がパラレルワールドであるのかどうか、証明できないからね」
「何故だ」
「このドアをくぐったものは皆、帰ってきてないのさ」
「生死すらも不明だ。もうわたしたちにはあちらの世界で元気に生きてくれていることを願うだけ。」
「それほどのリスクを払っているから、君の無理な願いにもこうやって私は答えているわけだ。」
「どうだい?ここに入るかい?」
「…」
正直、このドアはギャンブルだ。
くぐった途端身体が耐えきれず自壊するかも知れない。
パラレルワールドなんてものはなく次元の狭間に葬られるかも知れない。
もしくは、全部財団Xの罠でこの先はもっと他の物かも知れない。
…それでも。
過去に飛んで未来を変えるには、この薄すぎる希望に縋るしか無い。
こことは別の世界に飛べることを信じるしか無い。
「待ってろ、映司…」
そう小さく呟くと、研究員に向かう。
「決めた。この賭けに乗ってやる。」
俺の言葉を聞くと、研究員は少し笑った。
「君なら、そう云うと思ったよ。」
「その前に、その体を勝手に持っていって大丈夫かい?泉信吾の身体だろう?」
「!?…なんで、それを…」
「後の面倒を引き起こしたくないなら、私達が預かっておこう。大丈夫、傷物にはしないさ」
「どういう風の吹き回しだ?」
「…粗方相棒を復活させようとしているんだろう?」
「本来人間の命を復活させることは禁忌。それを実現させるには、この賭けに乗るしか無い。…違うかい?」
「なんで、そんな事知ってやがる?」
「これでも私はちょっとした仮面ライダーオーズのファンでね。君の欲望が何を成すのか、見てみたいのさ」
「ほら、ドアノブ部分がこのシステムの起動スイッチ。あとの事は、君次第だ」
「…あぁ」
信吾の身体から抜け、腕だけになる。だが、メダルが足りないわけではない。実はこっちのほうが動きやすかったりすることもあるのだ。
この世界には、過去に飛ぶ機能はない。財団Xができないなら、おそらく現時点では不可能だ。
だから、その機能を開発している別世界に飛ぶ。…飛べるかどうかは別だがな。
そこで過去へ行く鍵を見つける。
やることは決まった。あとは実行するだけだ。
「過去なんか、いくらでも変えてやる…!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第二章
次元の歪みとガッチャと大切なもの
「─ク!─ンク!」
誰かの俺を呼ぶ声で目が覚める。
「アンク!」
「あぁ…ここが、別世界か…。」
「別世界?とりあえず…また会えたね!アンク!」
「あ?お前……宝太郎か?」
「そうそう!やっと思い出してくれた!久しぶり!前見たときみたいに腕だけだけど、それどうやって生きてるの?」
「…知らねえ。」
別世界…そうか。こいつらが住む世界も、そのうちの一つか。
とりあえず、罠ではなかったみたいだな。
「あれからどう?アンクのガッチャ、掴めそう?」
「あぁ…今から掴むところだ。おい宝太郎。過去に行ける道具みたいなもの、あるか?」
「過去に行ける?唐突だなぁ…う〜ん……あ!」
「何だ!?」
「俺今日追試だった!!ごめんアンク!俺んち先行ってて!」
「は?おいバカ!お前の家なんか知らねえ…行きやがった…」
相変わらず、直情的なバカだな。
とりあえずあいつと合流できるまでこの世界の様子を見ておくとするか。
…いや、この格好だと周りのやつに目立つな。何か適当に人間でも捕まえるか…
と、ベンチで寝ている不用心な奴がいる。(グリードに取り憑かれることを用心する普通の人間はいないとは思うが)
丁度いい。こいつで我慢しといてやる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あ、人に憑いてる…ちゃんと許可取った?」
「心配すんな、すぐ返す。それより…」
「あ!!─ごめんごめん!ついいつものクセで家に行っててって言っちゃった!」
「あぁ…そのお蔭でこの世界のこと、だいたい知れたぞ」
「そう?なら良かった!」
「皮肉だ、バカ」
相変わらずアンクは変わらないなあ…
「そうやってまたバカバカバカバカ──ん?」
その瞬間、アンクが少し笑ってた気がした。
「アンク、なんか嬉しそう?」
「あ?んなわけあるか」
「ふ〜…ん?」
なにか懐かしいものを見るみたいな…何だったんだろ、まあいっか!
「ここで話すのも何だから、俺んち行こ!」
「あら〜!ずいぶん派手な格好のお客さんね!また宝太郎の友達?」
「うん!アンクっていうんだ!」
「おい待て、俺とお前がいつ友達に…」
「へ〜!外国の人?よろしくねアンクくん!ささ、適当なとこ座って!」
「…飯屋の店主ってのは…どこもこんな肝が座ってるもんなのか…?」
さすがのアンクも、俺のお母さんには敵わないみたい。
一緒に色々話そうと、席の向かい側に俺が座る。
「そういえばアンクってさ…結局なに人なの?」
「俺は…人じゃない。グリードだ。」
「ぐり…?」
聞き慣れない単語だ…。九堂に聞けばわかるかな?
「こんにちは。空いてますか?」
「スパナ!」
珍しい来客!スパナが自分からキッチンいちのせに来るなんて…もしかして俺の創作料理食べに来た!?
「あらスパナ君!ちょうどよかった、宝太郎も今いるから、一緒にご飯食べてって!」
「あぁ…いやえんりy…」
「よーっしゃ!スパナ!ここ座ってて!!アンクとスパナ、二人をぎゃふんと言わせる宝太郎スペシャル改を見せてやる!!!」
「あらら…ごめんなさいね二人とも。あの子こうなったら止まんないから…」
「はは…いえいえ。」
スパナが心底めんどくさそうな顔をしてたのには触れないでおこう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
面倒くさいのに引っかかった。
今日は飯が目的じゃないのに。だが一ノ瀬母の前でこの話をするのには、ケミーの掟に反する。
ここは大人しく、あいつの作る料理を食べるしかない。
というかそもそも何だ?ぎゃふんと言わせる料理って。
…笑えないジョークだ。
「はぁ…」
「お前もあんなバカと付き合ってると色々大変だな。」
見ない顔だ。その割にはあいつと初対面のようではなかったが…外人か?にしては日本語がかなり流暢だ。
「あんた、誰だ?」
「アンク。」
「あいつとは知り合いか?」
そう言って一ノ瀬の方を指差す。
あいつはすっかり自分の世界に入り込んで、『宝太郎スペシャル改』とか言うものを作っている。
「あぁ、少しな。」
「お前こそ誰だ?」
今度はアンク…とやらから聞き返される。
「黒鋼スパナ。あいつとの関わりは詳しくは言えないがな。」
「ケミー…か?」
っこいつ、何故それを…!?
「まさかお前…!」
「あれ?どうしたのスパナくん?」
「あ……すみません。」
危ない。危うく一般人に俺達の正体を知らせるところだった。
「…まさかお前、錬金術師か?」
「いや、違う。宝太郎とは縁があってな…」
詳しいことはあいつに聞くとして、今はこいつにも質問しなければならないことが増えた。
「…なぜここに来た」
「あいつに連れてこられた。」
「何故」
「知るか。」
「ケミーは持ってるのか?」
「持ってない。必要ないからな」
「じゃあ何が目的だ?」
「それを知って何になる?」
「お前の疑いが晴れる。」
「あ?お前俺を疑ってんのか?」
「当たり前だ。素性もここに来た目的もわからない。そんな人間を信用するか。」
「…ハン、確かにそうだな。」
何だこいつ。
質問にはちゃんと答えないし、どこか俺をバカにしてるような言動が目立つ。
「お前、ふざけているのか?」
「かもな」
「この…」
「あ〜〜〜もう!ギスギスしないで!ほら二人とも!俺の宝太郎スペシャル改食べて元気だして!」
「「……」」
「…笑えないジョークだ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うわ〜…俺が料理してるのに夢中になってて気づかなかったけど…この二人絶対ソリ合わないよな〜…
ま、まあ!俺の進化した宝太郎スペシャル改で笑顔になってくれるはず!…多分!
「はい!早速食べてみて!!」
「…いただきます」
「食うのか」
「出されたものを食べないのは俺の美学に反する。」
「さっすがスパナ!ほら、アンクも食べて食べて!」
「チッ…これ、何入ってんだ」
「とんかつとキャベツをご飯のバンズでサンドした俺特製とんかつバーガー!名付けて……」
「宝太郎スペシャル改! 〜とんかつ定食一気に食べてハッピースペシャル〜 !」
「「…は?」」
「…何も成長していない…」
そういいながらスパナは食べてくれる。やっぱり根はいいやつなんだよな。
アンクもそれに続いて食べる。
ドキドキ…
「不味くは、無い」
「ほんと!?」
スパナが俺の料理褒めて(?)くれた!
じゃあ、肝心のアンクは…?
「…こんなもんか」
「ど、どうだった…?」
「アイスのほうが美味い。おい宝太郎、アイス寄越せ」
「うぅ…」
「美味いとは言ってないぞ」
「し、精進します…」
「おい、アイス買ってこい」
「はい…」
料理はまだまだノーガッチャみたいだ…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「アイス買ってきたよ」
「早く寄越せ。…あ?なんだこれ」
「え?スーパーカップだけど…知らないの?」
「知らねえ。棒のやつはないのか」
「えぇ…これで勘弁してよぉ…」
別世界はアイスさえも違うのか。なかなかセンスがねえな。
「一ノ瀬、本題に入るぞ。今日はそんな話をしにきたわけじゃない。」
「え?俺の創作料理食べに来たんじゃないの?」
「誰がするか。」
「えぇ〜…じゃあ、本題って何?」
「─グリオンが、消えた」
「なっ…!?」
こいつら急に変な話を始めやがった。何だ?グリオンって。
「鏡花さんの話によると、ある一定の位置で錬金術による空間の歪みが発生したらしい。」
!
空間の歪み…?
「いきなり消えるなんて…それに空間の歪み…?わけわかんないよ」
「おい、今なんて言った」
「わけわかんないよ。って…」
「そこじゃない。空間の歪み、とか言ってたろ。スパナ、話の続きは」
「あぁ。恐らく使われたのはレプリタイムロードだ。」
レプリタイムロード…ケミーか?だとするならばレプリは「レプリカ」の捩りだな。
「またケミーを複製したのか…!」
「目的は不明だが…なにか良くない気配がする。鏡花さんはまだ空間の歪みについて調べてる。お前もなにか分かったら情報提供しろ。」
…何も分からないな。別世界の話だから、当然っちゃ当然だが。
だが、鍵は掴めた気がする。
「おい、タイムロードってどんな能力を持ってるんだ」
「俺が使ったときは…昔の時間に飛ぶことができたよ」
「ワープもできたはずだ。」
そのタイムロードってのは時間遡行と空間移動が能力か…
間違いなく、今の俺に必要だ。別世界ガチャは大当たりだったな。
「複製されたってことは元のケミーがいるんだな?」
「うん…うちにいるよ?」
ビンゴだ。
「そのケミー、俺に貸してくれ。」
「えぇ!?な、なんで急に…」
「そのために俺はまたここに来たんだ。過去に戻らなきゃ、未来は…明日は掴めない」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ほんとに急だな…九堂とか蓮華姉さんに貸すならまだいいけど、アンクはいつまた会えるかわかんないからな…
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん…………
『ターイム!』
そう言って元気よく飛んできたのはまさに話題の中心。
「タイムロード!?」
「噂をすれば、飛んできたな」
「なあ、アンクがお前を貸してほしいって言ってるんだけどさ…お前はどうしたい?」
『ターイム!ターイム!』
「アンクと一緒に行きたいの?」
『ロード!』
「そっか……分かった。」
タイムロード本人(本ケミー?)がそう言うなら、答えは一つ。
「…過去に飛んで、未来を掴むこと。それが、アンクのガッチャ?」
「あぁ。…それだけでいいんだ」
「よし…行って来い!タイムロード!」
『ロード!』
「恩に着る…!」
その時、アンクはまた見たことない顔をした。安堵と決意が混じった顔。
正直驚いた。アンクもこんな顔するんだ、って。
「おい一ノ瀬!勝手な行動はやめろ!そもそもケミーを一般人に貸すなんて聞いたことがない!」
「聞いたことがないだけで、だめじゃないんでしょ?」
「それは、そうだが…」
「それにアンクは一般人じゃない、仮面ライダーだよ」
「何!?やっぱり錬金術師じゃ…」
「お前らの世界でいう仮面ライダーじゃない。話すと長くなるが、まあそういうことだ」
「…こいつは、ケミーを預けても良さそうなやつなのか?」
「うん。少なくとも悪人じゃないよ。」
「はぁ…おい、アンク。」
「何だ」
「必ず、返せよ」
「あぁ、返すさ」
「あ、それともう一つ。過去の自分とはあまり接触しないでね。こっちに戻ってきちゃうかもしれないから。」
「それは心配すんな。過去に俺はいない。」
「…え?それって…」
宝太郎はまだなにか聞きたそうだったが、それを静止する。
「また、今度な」
…っと。そろそろこの身体も用済みだな。
人間の腕から抜ける。
「!?お、お前…!?!?」
「…アンク」
「何だ?」
「いってらっしゃい。そっちの世界でも色々あるんだろうけど…頑張ってね」
「…あぁ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
よし…!これで、過去に飛べる…!
過去に戻ることができれば…
…
「とは言ったものの、お前どうやって使うんだ?というか次元も超えなきゃいけないのか。別世界の過去にお前は飛べるのか?」
別世界に行くことに躍起になりすぎて、問題が山積みなことに今気づく。
『タイム……』
「おい、聞いてんの…」
『ロォード!』
「うおっ!?」
その瞬間、周りの景色が変わった。今までの世界が高速で巻き戻されているかのように。
周囲が巻き戻される速度がどんどん早くなり、光の線の様になる。
最中、俺の先に変な穴が現れた。
「…なんだこれ」
その穴に、誰かが入っていく様子が見えた。
そうか、あの穴が次元を超えるワームホール…!
多分このケミーが作り出した物だろう。
この穴の先に、俺の望むものが…!
終わった、か…?
確かに、周りの景色は変わった。
この景色は、よく覚えてる。
「クスクシエ…」
ほんとに次元を超えやがった。
「お前…すごいな」
『タイム?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…?
なんだ、今の気配は。この穴に、私の他に何か入ったような…?
まさかな。そんなことはどうでもいい。
このメダルの正体は、ここにあるはずだ。
封印されている、王の棺。
この中にいる王が、メダルを作らせたのだろう。
その動機は、果てなき欲望。
「フハハハ…自らの野望の実現のために手段を選ばない。私と似たものをお前からは感じるぞ…。」
「その欲望を、解き放て」
「…ここは…誰だ、貴様?」
「我が字はグリオン。お前を復活させた者だ。」
「…何故?」
「初めはこの世界の錬金術を奪うつもりだったが、興が乗った。お前の欲望の行く先を見たいのだ。」
「というと、貴様はこの世界の住人ではないと?」
「如何にも。」
「ほう、面白い…。私を復活させた礼だ、貴様の望む物、見せてやろう」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第三章
王とグリードと未来のアンク
「あ、アンク、ちゃん…?」
「邪魔するぞ。」
この顔も久しぶりだな。もう三年会ってない。
…いや、こいつから見ればもっと長いか。
「…よかった〜!生き返ったのね!」
「お前、驚かないのか」
「世界っていろんなことが起こるもの。アンクちゃんが急に生き返ったって不思議じゃないわ。」
こいつ、流石に凄いな。
「そういえばどうしてここに?比奈ちゃんに会いに来たの?」
「いや…後でいい。今は映司が先だ。」
「あら残念…今映司くん色んな国旅しててすぐこっち戻ってこれそうにないのよね〜…」
「心配すんな、すぐ戻ってくるはずだ。そういや今は何年何月何日だ?」
「今は…2021年10月5日ね!それがどうかしたの?」
確か…あと一ヶ月で古代オーズが復活する時だ。
「映司と連絡取れないのか?」
「多分取れるけど…そういう機械とかは後藤さんの方が良さそう。」
「分かった。また戻って来る。」
「え?アンクちゃん珍しい、「また戻って来る」なんて、私に言ったことあった?」
「…ハン。いろいろあったんだよ」
「「アンク(コ)!?」」
「うるせえな…いちゃ悪いか」
「お前、どうやって…?」
こいつらには、先に話しておくか。そっちのほうが話が早そうだ。
「俺は今から3年後の未来から来た。」
「3年後…?そりゃなんでだ」
「今から約一ヶ月後、映司が死ぬ。俺はその未来を変えるために来た」
二人共、文字通り絶句だった。
「じょ、冗談じゃねえよな…?」
「だったらなんでここに俺がいる?」
「もしかして、お前が復活した理由は」
「映司の最後の願いが叶った…らしい。奇跡ってやつかもな」
「…わかった。俺はお前を信じる。火野が死ぬ未来は何があっても避ける。」
「だな。おいアンコ、ここに来たってことは俺達にしてほしいことがあんだろ?言ってみ。」
「映司とコンタクトが取れるようにしてくれ。早ければ早いほど良い。…あと、できれば比奈の兄を呼んできてくれ。」
「やっぱお前信吾さんの身体慣れてたんだな…分かった。…そういえば、火野の死因は?」
「古代オーズの復活だ。あいつは、800年前の王に殺された」
またもや、絶句。
「もうしないものと思ってたが…復活するのか、王が…!」
「俺が復活したとき既に、世界は混乱の渦に巻き込まれていた。」
「古代オーズはあと一ヶ月で復活する。」
「いち…!?」
「あのなあアンコ、来るならもうちょい早く来てくれよ…」
「これでも精一杯だ、過去に戻るのだって大変なんだぞ」
「あと一ヶ月で世界は崩壊の一途をたどるなら、まずすべきは一般人の避難だ。鴻上ファウンデーションと連携して進める。」
「じゃあ俺は即席の医療施設を作る。怪我人が出るのはどうせ避けられないことだろうしな。」
「わかりました。まず第一に火野とのコンタクト、そして一般人の安全確保。これが今やるべきことだ。」
「よし…アンク。」
「何だ」
「未来を変えるぞ。まずは、俺達の手で」
「さぁて、久しぶりにお仕事開始だ…!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
長く短い、夢を視ていた。
その夢の終わりは、意外にも呆気のないものだった。
私を蘇らせたのはグリオンと言う奴で、私の欲望の行く先を見たいらしい。
言われずとも、そのつもりだ。
…だが、復活されてすぐにこの世界は支配できるほど甘いものではない。
少し手段を積まなければな。そうだな、一ヶ月ほど。
グリオンが姿を消してからしばらくして、私のもとには身を重装備で包んだ者たちが現れた。
「動くな!」
「お前が、古代オーズだな…?」
「なぜ、私を?」
「我々財団Xはお前たちの封印されている場所をいつも監視している。」
「ウン百年ぶりの復活の矢先悪いが、我々の研究の糧となってもらおう…」
「…なるほど、知らないうちに私は名が知れていたというわけか」
「研究、と言ったな。貴様らのしているその研究は、どこまで進んでいる?」
「はは、聞きたいか?我々はもうコアメダルを開発した!これから先はオーズドライバーの複製とさらなるスペックの向上を図るため、お前を拘束…」
「それを知れれば、結構」
「!?─がはっ…!」
腹部に掌底を当て、くの字に曲がった腰を無理やり引き伸ばすように首を締める。
「丁度いい。貴様らの元へ行けば、私の力の源…メダルがあるのか」
「案内しろ」
「はっ、はぁっ…が…させ…るか」
「ならば、殺すまで」
首をさらに絞める。
「やめろ!」
「?」
「案内しよう、我々の活動拠点、財団X本部へ。…人員不足は避けたいものでね」
「少しは話がわかるようだな。案ずるな、言う通りにすれば危害は加えん。」
「!?こいつは…!」
「何故ここにつれてきた!」
「黙れ」
「ひっ…!?」
私には、人を下につける才能があるように思う。
黙れといえば黙る。殺し合えといえば殺し合う。力を欲せば手に入る。
無論、これは私の計り知れない欲望によるものだと分かっている。
「メダルはどこだ」
「…こちらだ」
「あれ、お客さんかな?それも、少し前の時代から…」
「メダルを寄越せ。でなければ殺す。」
「おーおー、なかなかに荒っぽい王様だね…」
「君がほしいのは、これだろう?」
そういってメダルケースから出されたものは、6色18枚のメダル。
「これは我々が昔複製した人造コアメダルを改良したものさ。…とはいっても、縁の色を変えただけだがね」
欲が満ちる準備が進んでいくのを実感すると同時に、今の時代は我々の錬金術を複製できるほどの技術を手に入れていることに驚く。
「このメダルたちで何をする気だい?」
「決まっているだろう、世界を支配する。」
「ふー、ん…」
「なにか異論でもあるのか?」
「言ったら君は私を殺すだろう?」
「それに異論なんてない。私は仮面ライダーオーズのファンでね。私達の研究で王の欲が満ちるなら本望。」
「フハハ…貴様なかなかの忠誠心だな。私のもとに就くか?」
「勘弁してくれ、私はここで研究するのが好きなんだ。錬金術の次は…、そうだな。時空転移とか、研究してみようか?…それなら少し前に最上魅星の行ったエニグマの理論を応用できるか?いや、あれは2つの世界を衝突させる物だった。世界間の移動が目的ではない…。だが待てよ?その実験から生じた並行世界の歪みは誰が、何が治す?まさかそれが世界に備わった自己調節機能?それが本当ならガイア理論を進展させた新説、この時空こそが相似的に生物と同じ器官を保有している…?ブツブツ」
そういって科学者は自分の世界に入り込んだ。
まあいい。私は私の欲望を果たすまで。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「火野と連絡が取れた!あと数週間ほどでこちらに戻ってくるそうだ!」
「鴻上とも連携して医療施設、一般人の避難も大半終わったぜ!」
よし…よし!
あの未来が訪れることはもう無いはず、俺が未来を変える…!
「諸君、まだ問題は残ってるぞ」
施設に設置されているテレビが突然起動し、画面に見覚えのある男の顔が映る。
自信に満ち溢れた顔、年配者が着るには恥じらいを覚えるほどの赤いスーツ、それに不似合いなエプロンとケーキ。手にはいつものようにクリームを絞る準備ができている。
「鴻上会長…!」
「なんだ、嫌味なら聞かねえぞ」
「おお君は!Happy Birthdayアンク!!泉信吾くんに憑依して馴染み深い姿になったね!今度こそ命いっぱい欲望を満たしてくれたまえ!!」
急にケーキの上面を見せてくる。チョコには鴻上が書いたのだろうか、器用に’Happy Re-Birthday Ankh’と書かれている。
「もうその祝いは聞いた。で、問題ってなんだ」
「八百年前の王は誰が倒す?まさか知らないわけじゃないだろう。王の恐ろしさ、即ち強さを。」
「それは…」
「もう、策は講じてるんだろ」
「ふふ、さすがアンク君。我々鴻上ファウンデーションは研究に研究を重ね、人造のグリードを開発した!」
「人造の、グリード…?」
「火野君の欲望は素晴らしい。彼の欲望のデータを元に私達もなにか生み出せないかと思ってね。そこで我々は考えた。グリードを製造することを。」
「グリードを作るだなんて、そんなの人類にとって大きな脅威を増やすだけじゃないか!あんたふざけてんのか?」
「必ずしもそうなるとは決まっていない。そしてグリードを作ることは目的ではない、手段だ。」
「じゃあ、真の目的とは何だ」
「古代に作られた物よりよりスペックの高いコアメダルを製造する。」
「古代錬金術に我々の叡智が立ち向かう!そして超える…新たな時代の幕開けだ!Happy Birthday!」
いつの間にか鴻上は、持っていたクラッカーの紐を勢いよく引く。
パン、と小気味よい音が弾け、そこらにリボンが舞い落ちる。
「新しいコアメダルだと…?」
へぇ、なるほど。
ゴーダの生まれた理由は新しいコアメダルを生むことが根底だったのか。
だが、このままじゃ後藤が言った通り人造グリードは人類の脅威、仮面ライダーゴーダになりかねない。
そしてその異常な執着から、映司を殺すことだってあるかも知れない…なら。
「おい、鴻上」
「何だね?」
…
テレビの液晶が消えた後、後藤が俺に詰め寄る。
「おい、アンク!」
「なんだ」
「お前正気か!?こんなのギャンブルだ!いやギャンブルとも言えない、ただの暴挙だ!」
「アンコ、流石に俺もこれには賛成できねえぞ」
「…お前らは、俺の居た未来を視たのか?最悪の未来を。」
二人が黙る。
「俺は視た。絶望を。」
「それを踏まえて、これが一番いい方法だ」
「アンク…」
「俺を信じるんだろ?なら最後まで信じてみせろ。」
…映司みたいに。
そんな言葉は吐けなかった。
あいつは、最後まで俺を信じたか?
答えは、まだわからないままだ。
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「フフ…ハハハハ!メダルが我が手に…これで、この世界を…!」
「それがこの世界の錬金術…なるほど、この力なら…。」
「貴様…!いつの間に?」
「私は或るところに在る。お前の理解し得ない領域でな」
「ほう…?」
こいつの操る錬金術は相当進歩している。
ならば、こんなことも…
「おい、グリオン。生物を錬成できるか?」
「錬成の材料は…このメダルと、もう一つ。」
財団Xから強奪したセルメダルの山を見せる。
「!それもやはり貴様らの錬金術…!…なるほど。」
「これが別世界の錬金術ならば、見せてやろう…私の錬金術を!」
「…こ、こは…?」
「あ…?俺は、誰だ…?」
「うぅあ…手が、足がある…!」
「メダルだった私達が、何故?」
「…」
こいつらにはメダルとしての記憶しかないのか?
…まあ、複製されたものから生み出したのだ。仕方ない。
「おい、貴様ら。私の下に跪け」
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何だこれ…?
急に手と足が生えて、人間のようになったと思えば…
この男は誰だ?
…わからない。わからない、が。
逆らうと殺される。
俺は人間の力を超えた存在だと自認している。
なのに、明らかにこいつには勝てないとわかる。
震えが止まらない。
何故だ?
まるで、俺の眼の前に立つ者は…
「王…」
隣の青色の奴が口にした。
その言葉を、ここにいる四人は本能で理解しただろう。
そう、王なのだ。
その言葉を体現したかのような佇まい。
俺を含め全員が言葉の通り跪く。
王が口を開く。
「貴様らの名は、カザリ、ウヴァ、ガメル、メズール、そしてガラ。私のため、手となり足となれ」
「…なぜ、私を生き返らせた」
「ほう?驚いた。貴様には記憶が残っているのか、ガラ。」
「生憎な。…お前は私の頭脳に嫉妬していたはず。昔は私を幽閉しておいて、今更なんのつもりだ?」
「今は嫉妬だ何だと言えるような状況じゃない。私はお前を復活させてやった。お前もまだ満たされていない欲望があるのだろう?」
「チャンスを与えてやったのだ。私に協力しろ。」
「フハハハ!!…面白い。私の欲望は真のオーズになること。現在のオーズを殺せば、次は貴様だ。分かっているだろうな」
「好きにすればいい。まずは…」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ついに完成した…Happy Birthday!その名も…ゴーダ!」
…?
俺は、誰だ?ゴー…ダ?
「君は私達が作ったグリード。火野くんの欲望を元にしてね」
”ヒノ”って、誰だ?
初めて聞いたにしては、どこか懐かしいような気もする。
ヒノについて聞きたいところだが、この状態ではこの男とコミュニケーションすら取れない。
…そうだ、身体を奪えばいい。
こいつはそいつについて色々知っているはず。
そもそもコミュニケーションなんか必要なかった。
足りないものは奪う。それがグリードとしての生き方だと、本能で理解する。
「それにしても、…うっ!?」
『楽して助けられる命がないのは、どこも一緒だな!』
『正義のためなら、人間はどこまでも残酷になれるんだ』
『手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬ程後悔する。それが嫌だから、手を伸ばすんだ』
『どんな場所にも、どんな人にも絶対に届く俺の手…力。俺は、それが欲しい』
何だ、これは?
これはこの男の記憶じゃない。
元から俺に在った記憶。
それがこの男の知っている火野の人物像と共鳴して、火野映司がどういう人間なのか、いきなり頭に流れ込んでくる。
いや、流れ込んでくるというよりも浮かび上がると言ったほうが正しいか。
なるほど、これが火野映司。
力か。お前は力が欲しかったのか。
その欲望、俺が満たしてやるよ。
「はぁ、はぁ…火野くんのことを知ったようだね。」
「だが、火野くんに接触するのはやめてくれたまえ。」
…あ?
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「お望みのものだ、王」
「流石は天才錬金術師…予想よりも早くこのドライバーを作ってみせるとは」
「そしてこのコアメダル。これは何故必要なのだ?」
「あのグリード達をさらに強化する。完全体へとな。そして、こちらのメダルの方が私の体によく馴染む。」
「…フン、どこまでも欲深い男だ。」
ベルトを装着し、私と最も相性がいいメダルを手に取る。
「やはり最初の変身はそのコンボか。」
「あぁ…やっとだ…変身…!」
『タカ!トラ!バッタ!タトバ!タトバタ・ト・バ!』
「これこそ、私の求めていた力…」
「感謝するんだな、この天才に」
「前も言ったが現代のオーズの次は貴様だ。私をグリードとして生き返らせたこと、後悔するんだな」
「その必要は、もう無い。」
「何…、…ッ!?」
虎の力で出現した爪でガラの腹部を貫く。
「ガ、あ…貴様、最初からそのつもりで…謀った…な!」
「貴様が単純で助かったぞ。用済みの天才に興味はない」
『スキャニングチャージ!』
「ぐわあああああああ!!」
「貴様のメダル、返してもらおう」
「!王…そ、その姿は…?」
すっかりこの四人は私を見ると怖気づくようになってしまった。
ガラの作った大量のコアメダルを投げる。
「ぐ…うわあああ!!
……僕、…?生き返ってる、どうして…?」
「しかも完全体、私のメダルが全部ある…」
「あのとき俺は、欲望の器になったはずじゃ…」
「みんな生きてる…!メズール!」
予想外だ。
ガラの作ったメダルを投入したことで、こいつらの記憶も戻ったらしい。
「あら、王様も復活してたみたいね」
「800年前を思い出すね…この面子は」
「グリード達よ。この世界を我が手に収めるぞ。交易や領土などもう必要ない。力で全てをねじ伏せる。」
「…王、あんた変わったか?」
「王さま、なんか違う…暗い、きがする…」
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「屑ヤミーの出現を確認…しました」
鴻上の監視員がモニターを見ながら言う。
「ついにか…」
後藤と伊達の目つきが変わる。
「アンク」
「…あぁ、分かってる」
「こんなに…。」
屑ヤミーの出現とは言ったものの、大群も大群。
一度にこんな軍勢を用意できる人間は、俺は一人しか知らない。
…いや、もう人間じゃないかもしれない。
「間違いない。王だ。」
「んなこと分かってる。お前が嘘ついてなくてよかったぜ。…まずはこいつらだ。」
「伊達さん、行きますよ」
「変身!」「変身!」
そこに現れたのは、二人の仮面ライダーバース。
試作型のプロトタイプは廃棄され、完全新型、フルスペックのバースだ。
「さぁて…お仕事開始だ!」
二人が戦っている。
俺は屑ヤミーをいなしながら、比奈から譲り受けたドライバーを見つめる。
オーズドライバーを装着できるのは映司ただ一人。
…だが、俺のいた時間では、映司は既に死んでいる。
そして、一回きりだが俺が映司に憑依して変身することができた。
この場合、俺はどうなる?
「俺を選べ、オーズドライバー。」
瞬間、オーズドライバーに閃光が走る。
俺は何かを察し、腰にドライバーを装着する。
「アンコのやつ…あれ、未来の火野の形見か!なんであいつがベルト付けれてんだ!?」
「全く…未来はどうなるかわからないもんだな!」
伊達と後藤がありえない俺の格好に驚く。
「行くぞ…」
「変身!」
『タカ・クジャク・コンドル!タ〜ジャ〜ドル〜!』
全ての時は、俺が支配する。
「はぁ〜っ…!」
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第四章
ゴーダと映司とアンクの作戦
鴻上、とかいうやつの話には乗れない。
まず意味がわからない。じゃあ何故俺を作った?
偶然通りかかった研究員に憑依する。こいつとは話さなければわからない。
「どういう意味だ。俺に映司の欲望を見せつけておいて、勝手な行動はやめろだと?グリードがそう簡単にひれ伏すと思うのか?」
「これはアンク君との契約のようなものでね…」
アンク。映司の記憶の中にいた人物だ。
俺と同じグリード、持っているメダルは鳥系。
こいつと映司のコンビは絶妙だった。俺もやってみたい。
「アンク君は、私に一時的にドライバーを渡してくれた。」
数週間前
「おい、鴻上」
「何だね?」
「俺は今、映司の形見のドライバーを持ってる。コレをお前ら研究員に貸してやる。」
「アンコ!?お前何言ってんだ!新生グリードとか馬鹿げてる計画に参加するつもりか!?」
「何が起こるかわからないんだぞ!」
アンクくんの突飛な提案に二人が突っかかる。
私自身、彼の目的が何なのかいまいち掴みきれない。
「知ってるよ、ゴーダがどんなやつかは」
「ゴーダ…?」
「これから生まれるグリードの名だ。」
「ほう…やはり完成していた。さすがは未来の私。」
「俺の知ってる未来じゃあ、ゴーダが映司を殺したと言っても過言じゃない。」
「なるほど…?予想外だ」
「おい、前に火野は王に殺されたって…」
「アイツのせいでもあるんだよ。良いから黙って聞いてろ」
「俺にとってそれは避けたい。だからこれは等価交換、契約だ。」
「お前にオーズドライバーを貸してやる。だからゴーダがもしも映司に手を出そうとしたら全力で阻止しろ。」
「うーむ…それが契約かい?ドライバーを貸してもらうことによってなにかメリットが有るのかな」
「お前の欲望は、コアメダルとグリードを作ることで終わりか?」
「というと…?」
彼は何を言うつもりなのだろう。私の頬に思わず笑みがこぼれる。好奇心にも近い感情で、彼を見つめる。
「新しいライダー…即ちオーズ。興味はないか?…いい条件のはずだ。800年前の錬金術を知り、超えるんだろ?」
なるほど…。火野くんが変身するオーズはヤミーやグリードを次々倒し、遂にはDr.真木さえも倒して世界を救ってしまった。
私に世界を救うほどの代物を一から作ってみせろ、ということか…!
「そうだな…確かにいい条件だが、ゴーダは強力なグリードになる予定だ。阻止することにリソースは割けない。」
「じゃあ、何ならできる?」
「阻止するんじゃなく、先に人間に憑依させるというのはどうだい?」
「映司くんに憑依させて勝手な行動をさせることが駄目ならば、他の人間なら良いのだろう?」
「…あぁ」
「おい、そんなの人道的に認め─」
「身体を借りるだけだ、死にはしない。今映司に憑依するのとはわけが違うんだよ。現に俺が憑依してる比奈の兄は生きてるだろうが」
「ッ…」
「とりあえず私が彼の興味を惹こう。もし上手く行って彼が会話を望めば、偶然居合わせたかのように用意した研究員にゴーダが憑依する。」
「それでどうかね?」
「あぁ…十分だ。」
「…という、魂胆さ」
「つまり俺は既に用意されていたシナリオの上で踊らされていた…と。」
「そうなるね。」
「俺が、新生オーズ?」
「そう。彼がドライバーを貸してくれたおかげで、我々もその技術を応用、そして発展させ、新たなドライバーを作ることができた。」
そういって鴻上が出したのは、オーズのベルトによく似たものだった。
違うところといえば本来青色の線の部分が銀色になっていることぐらいだ。
「…これは?」
「名付けてニューセルドライバー。セルメダルだけで本物と遜色ないものを得ることができる。」
「これは、君が使い給え。」
「これで、俺が…?」
「ちょうどいいタイミングだったのさ、君が生まれたのは。」
「私は、古代錬金術を現代の科学、技術で越えようと考えていた。」
「だがその指標は?定義は?それが曖昧だからこの目標は達成できるものではない、コアメダルを作ることを決めたとはいえ、自らの欲望を諦めてしまっていたんだ。」
「だが聞くところによると、王が、グリードが復活するそうじゃないか!」
「彼らを君や後藤君、伊達君といった我々の技術を使った者たちが打ち倒すことができれば、それは紛れもなく現代科学の勝利であることに間違いはない!」
「これは私と君に託された幸運だ!今君に改めて言おう!」
「Happy Birthdayゴーダ!今君の持つ欲望はもはやコピーされたものではない!君だけの持つ欲望だ!」
クラッカーの破裂音が、静かなこの部屋に響く。
…面白い。俺自身の欲望、叶えてやるよ。
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「数が多い…!こんなんじゃ埒が明かねえな!後藤ちゃん、一気に決めるぞ!」
「はい!」
『『ブレストキャノン』』
「うおおおおおりゃあああ!!」
伊達達が一気に屑ヤミーを薙ぎ払う。
「今度はこっちだ…!」
『スキャニングチャージ!』
低空飛行して相手の足を狙い、バランスを崩す。
大量に地に伏したヤミー共に羽の光球を見舞い、残った奴らにはコンドルの力で強化した足で回し蹴りをする。
一斉に大爆発し、視界が晴れる。
「はぁ、はぁ…久しぶりに動くのもきついもんだな…」
「…!まだ、終わってませんよ」
「久しぶり、坊や達」
「おまえたち…!おれとメズール殺した…!次はこっちが殺す…!」
「メズール、ガメル…!」
「あら、アンク。あなたも復活してたのね。王が復活させたのかしら?」
「そんなのこっちから願い下げだ。」
「…そう。」
手始めにこいつらか。
既に完全体。倒すのは至難だが…退けるぐらいならできるだろう。
『ドリルアーム』
『カッターウィング』
「おらっ!」
「はぁっ!」
バースたちが先陣を切る。
…が、
「ふぅん!」
いとも簡単に叩き落されてしまう。
「こんどは、こっちの…番!」
ガメルが地を叩く。
衝撃波でここら一帯が揺れ、大きな地震のようになる。
「ぐっ…!」
「こりゃ、まずいな…」
二人が変身解除してしまい、セルメダルや武器がそこらに転げ落ちる。
かといってここで逃げるのは一番駄目だ。
もしここで逃げてしまえば、この部分を占領されてしまい、そこから芋づる式に敵が増えていく。
「チッ、面倒くせえ!」
『ギガスキャン!』
効かない…
こいつら、もしや前より強くなってやがるか?
じゃあもういっそのこと、ここで一か八か俺のコアメダルを全部使って最大火力のギガスキャンを食らわせるか?
もしそれも効かなければ…。いや、余計なことは考えるな。今はそれしか無い。
「ぐ…うおおおぁ…ッ!」
すべての力を振り絞り、体からコアメダルを捻り出す。
瞬間、バースバスターの光弾が横を掠める。
「ふふ…久しぶりね。坊や。今更こんなのが効くわけ無いでしょ?」
誰だ?後藤と伊達はガメルの攻撃で武器を手放していたはず…
振り向いた先には、
「…アンク」
「ほんとに、生き返ってたんだ。…てか、なんでオーズに…?」
「…ぁ」
声が出ない。
馬鹿野郎。誰のためにここまでしたと思ってるんだ。
相変わらず呑気で何も考えてなさそうな顔しやがって。
「…バカ映司。見てる暇があったら戦え。あとアイス寄越せ。」
「…はは、変わんないな、アンクは…よっし、アイスはこの後な!」
「変身!」
『タカ・トラ・バッタ!タトバ!タトバタ・ト・バ!』
「はぁ〜ぁっ…!」
2対1よりは圧倒的に楽だ。
俺達で時間稼ぎをしているうちに二人もバースに再変身し、俺達に加わる。
「アンコ!一緒に決めるぞ!」
「指図すんな!」
「火野!」
「はい!後藤さん!」
『ブレストキャノン』
『ギガスキャン!』
『クレーンアーム・ショベルアーム・キャタピラレッグ』
『トリプルスキャニングチャージ!』
「「「「うおりゃあああああっ!」」」」
ガメルにギガスキャンで火力を上げたブレストキャノン。
メズールにはショベルアームで地面を掘り撹乱させた後、キャタピラで近づきアームに掴まれている映司の至近距離オーズバッシュをぶち込む。
「ぐっ…いいいいたい…くそ…」
「ガメル、別に倒すのは今じゃなくてもいいのよ。ここは一旦引きましょう」
「ううっぅぅぅう…ぐ…!次は必ずたおす…!」
そう捨て台詞を吐いて、どこかに消えた。
「火野…遅いぞ」
「すいません、フライト時間が噛み合わなくて…」
「…アンク。」
「あ?」
「アイス、買いに行こっか」
ここら一帯の奴らはどうにか全員避難させたから、アイスを買うにも隣の隣町まで行かないと無い。
映司がアイスと食材をカゴに入れながら話す。
「色々聞きたいことはあるけど…まずどうやって戻ってきたの?」
「それは言えない。」
「言えない?言わないじゃなくて?」
「あぁ」
「…じゃあこっちもこれ以上詮索しないよ。…おかえり、アンク」
「今度はこっちだ。お前、真木との戦いの後、何も学んでいなかったのか?」
「え?」
「どうやればみんなの手を掴めるか、分かったんじゃなかったのか」
「ちょっとアンク、いきなりなんだっ…」
声が高ぶる。
「なのにまた自分で背負い込んで、お前一人が傷つけばいいとでも思ってやがる。」
「すみませんちょっと騒がしくて。すぐ店出るんで…アンク声大きいって」
俺が話してる最中に周りに気を取られてるのにも腹が立って、更に声が荒がる。
「関係あるか。…前にも言っただろうが、お前の掴む腕はもう俺じゃない。…なのに!お前は俺の手を無理やり掴んで勝手に離しやがった!」
「何の話だよアンク!最初から話してくれよ!」
「そうやってお前は死んだ!!」
束の間の沈黙。
後藤は火野にとってもこの事実はショッキングだろうと、連絡した時は敢えて言わなかったらしい。
でも、もう意味がない。
「死んだ、って…どうやって?」
「王の攻撃からガキを守って…俺に力を託して…死んだ…」
「守って、託した…か。また、やっちゃったんだな、俺」
映司が乾いた声で笑う。
「癖っていうか、もう自分の体に自己犠牲が染み付いてるんだ。」
「確かに比奈ちゃんや後藤さん伊達さん、そしてアンクから教えてもらったよ。俺の欲望の叶え方。」
「…でも、駄目なんだ。どうしても考えてしまう。もしも手を掴まなかったら、掴めなかったら。そのせいで取り返しの付かないことになったらどうしよう、って…」
「それが掴める手だったら尚更。そんな後悔するのは死ぬより嫌だ。」
「…だから、命を懸けるんだ。」
「そうやってほんとに死ぬバカがあるか。」
「はは…ごめん。」
さっきの会話で思い出した。
そういえばケミー、俺のポケットに入れたまんまだったな。
手探りで探すと、勢いよく飛び出てきた。
『タァイム!』
「バッカ、急に飛び出るんじゃね─」
『タイム…ロォード!』
消えた。
「…は?」
いやこれ、宝太郎達にとっちゃ大事だろ。まずい。
「どこ行きやがった…!」
探そうとすると、前にカザリが立ちはだかる。
「メズールたちの言ってたこと、本当だったんだね…久しぶり、アンク。」
「こんなところまで…!どうやって追ってきやがった!」
「知らないの?ライオンだって嗅覚は鋭いんだよ。」
「アンク!やっと見つけた。どうしたんだ急にどっかいって…カザリ!やっぱりお前も…」
「現代のオーズ。君もしぶといね。悪いけど、王の命令は絶対なんだ。それに紫のメダルが無い君なんて、もう怖くない。」
「この世界を支配するためには…邪魔な君たちを殺さないと、ね。」
早速怪人態に変化し襲いかかってくる。
「無茶苦茶しやがる!ッ映司!使え!」
「あぁ!…ライオン、ゴリラ…カンガルー!?懐かしいなこのメダル…」
元の時代で、役に立つかもしれないとちゃっかりメダルは死んだ王からかっぱらっておいた。
「良いから早くやれ!」
「う、うん!分かってるよ!」
「変身!」
『ライオン!ゴリラ!カンガルー!』
「はぁっ!」
オーズ ラゴリガル。
コンボで体力を消費するよりは、今はカザリに相性の良いメダル同士で対抗したほうが良い。
「はは、速いね…だけど当たらなきゃ意味ないよ?」
「たぁっ!」
回し蹴りを躱される。
「ふふ。もう読み切った」
─そう思っているのはカザリだけだ。
「うぉらっ!」
「ぶっ!?何が…尻尾!?」
そう。カンガルーメダルの強みは足にもまさる尻尾が生えていること。
「がはっ!」
尻尾で足を支え、カザリの腹部にドロップキックを打ち込む。
「そーれっ!」
カンガルーの脚力で、一飛びでカザリの懐に入り込み、ライオネルフラッシャーを至近距離で浴びせる。
「ぐわああ゛っっ!」
同属性とはいえど、眩しさに耐性があるかは別だ。目はもう潰したも同然。
「っこの…!」
「行け!映司!」
俺の言葉を合図に、メダルをもう一度スキャンする。
『スキャニングチャージ!』
「はああぁぁ〜…っ」
一気に飛び込む。
今度はカンガルードロップキックを躱されずに見舞い、ゴリラパンチを打ち込む。
「セイ、ヤーーーッ!」
「ぐわあああっっ!」
セルメダルが何十枚か落ちる。
「はぁ、はぁ…っ。鬱陶しさも変わらないな、オーズ…」
「それはお互い様だろ?」
「チッ…オーズ、お前はまた必ず殺しに行く…!」
「行ったか…ねえアンク、なんでそのメダル持ってるの?」
「未来から持ってきたんだよ。細かいことは気にすんな」
「…まあいいか。はい。アンク」
そう言って映司の手にはアイスキャンデーが持たれていた。
宝太郎の世界にあったアイスを見た後だと、余計このアイスを欲していたことに気づく。
「どう?久しぶりのアイス…かどうかわかんないけど。美味しい?」
「あぁ、…美味い」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「…アンク」
「あ?」
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
「…あぁ」
「何だったんだあいつ…!?いきなり手だけになって…浮遊して…??」
スパナが困惑してる。まあするよね。
「ベロソルとか居るし、ああいうのもおかしくないでしょ。」
「なんでお前は平気なんだ一ノ瀬…!どう考えても化け物だろあんなの!」
「違うよ、ちゃんと生き物。味覚だってあるし、笑う時は笑う。ケミーと変わんないよ、そういう点では」
「はぁ…。お前らしい、といえばお前らしいな。」
「ふふん。」
「褒めてない。」
「ん…ここ、どこ?俺ベンチで寝てたはずじゃ…」
アンクが宿主にしてた人が起きる。
「あ!おはようございます!あなたここに来てずっと寝てたんですよ〜!」
「え?嘘…こんなとこ知らないのに…」
「まあまあ!キッチンいちのせに来たからにはなにか食べてってくださいよ!」
「ごちそうさまでした〜…俺夢遊病なのかな…」
「はい!また来てくださいね!」
「俺も帰る。ここに長居しててもしょうがないからな。」
「そっか、じゃまたなにか分かったら連絡するよ。」
「あぁ。…ニジゴンがあるからと言って油断はするなよ。」
「分かってるって…」
スパナがドアを開けると、そこには九堂が。
「わ、黒鋼先輩。びっくりした…。一ノ瀬になにか言うことでもあったんですか?」
「ちょうどよかった。九堂りんねにも言っておこう。鏡花さんの話によると…」
よし、じゃあ俺もキッチンの手伝いしなきゃな!
『ロード!!』
「…あれ?タイムロード????」
「アンクといっしょに行ってきたんじゃないの!?」
『ロードロード!』
「えぇ…なんて言いたいのかわかんないよ…助けてニジゴン!」
『どうしたゴン?』
「タイムロードがなんか伝えたいみたいなんだけど、何を言いたいのかわかんなくて…」
『ロード!ロード!!』
『う〜ん…なるほどゴン…?タイムロードは宝太郎達もアンクの居る時代につれていきたいらしいゴン!』
「え、俺もアンクのところに?」
「いや…達!?」
『ロォォー…ド!!』
『善は急げって言ってるゴン!』
「分かっ…ちょ!また過去に飛ぶの!?」
「きゃっ、コレ何…」
「あ?…タイムロード!?なんでここに…うおっ!?」
周りが急に時間を巻き戻されてるみたいに回っていく。
その速度がどんどん早くなって、過去に飛ぶ。
…?
飛んで、ない。そのかわり眼の前に穴が現れた。
「何、この穴…」
『ロード!』
『この穴の先にグリオンが居たらしいゴン!』
「グリオンが!?」
「なんだかよくわかんないけど…一ノ瀬!行こう!」
「うん!」
「全く、やるしか無いのか…今日はつくづく笑えない日だな。」
「うわっぷ!?スパナ、重いよ…」
いつの間にか時を超えていて、スパナが俺にのしかかっていた。
「…ここが、アンクの暮らす世界ってやつか?」
「アンク、って…この前の?なんで黒鋼先輩が知ってるんですか?」
「さっき会った。どうやって俺達のところまで来たかは知らないがな。」
「スパナ…どいて…」
「それよりみんな…ここ、おかしくない?」
「あぁ、俺も思ってる。…人が誰もいない。奇妙な街だ。」
「アンクは…グリオンはどこにいるんだ?」
「…ね〜!どいてってば〜!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第五章 新型バースと大王の
「急に呼び出して何の用ですか?…鴻上会長。」
「それに俺達も…」
突然俺達が鴻上ファウンデーションの会長室に呼び出された。
二人の呼びかけに、背中を向けていたあいつは回転椅子を回して答える。
「君たちに集まってもらったのは他でもない。王を倒すため、私から力を貸そう。」
「フン、粗方古代の錬金術を超えるために俺達に唾付けときたいんだろ。」
「言い方が悪いね…現代科学発展の請負人に君たちを選んだ、と言ってくれたまえ。」
「気を取り直して、まず後藤君。力が不安定だったバースXの調整が終わったよ。」
「あ、そんなこともありましたね。これが…。」
新たなドライバーが後藤に手渡される。
「新しいバース!?俺聞いてないですよ…」
「言ってないからね。君が帰国する間試運転しておいたのだが…いろいろあってね。」
「…やっぱりこっちの世界は普通の火野だ。」
「え?な、何言ってるんですか…??」
「なんでもない、気にするな。」
「そして次!君だよ君!仮面ライダーオーズ、火野映司!」
「お、俺にも?」
「もちろん、だから呼んだのだ。君に渡すのはこのメダルだ。」
映司に渡されたのはおかしなメダル。
「これは…タカ、トラ、バッタのメダル?でも色が抜けてる…」
「そう。それは今私たちが作ることのできる最高傑作のメダルと言っても過言ではない。だがその強大な力故、すぐには使えないんだよ…」
「じゃあどうやって使うんですか?」
「それがね…」
「ゴクリ…」
「わからない!」
「は?」
「わからないんだよ火野君!コレばっかりはしょうがない!でもこのファウンデーションの叡智を全て結集させたメダルであることは間違いない!」
「使ってもないのに、分かるもんかよ」
「あぁ。少し話は遡るが…三年前、我々はコアメダルから放出されているエナジーを測定できる機械を製造したのだ。」
初耳だ。
「へぇ、何のために?」
「無論、新たなコアメダルを作るためさ。その機械は純正コアメダルのエナジーを1.0として、他のメダルのエナジーを測定する。」
「例えばセルメダルは0.00001,紫のメダルは2.0…といったように。」
「待て。紫のメダルのエナジーってやつを測定したのか?いつ、どうやって?」
「実はDr,真木の死後、戦いの跡地に紫メダルの破片が落ちていた。…本当に小さなものだったがね。我々も戦いが終わって六年程してから発見したよ。」
「その紫メダルを機械で測定し、元の大きさで比べるとエナジーはどれほどのものになるか…計算の結果、2.0になったというわけさ。」
「その破片は?」
「まだ厳重に保管しているよ。どうせ誰も使えないだろうが、王が何をしでかすかわからないからね。…そんなことはどうでもいい!このメダルがどれほど凄いのか話してあげよう!」
「なんとそのメダルから放出されているエナジーは…」
「5.0だ。」
「5.0…!?」
「そう!火野君その反応が欲しかった!このメダルは理論上、純正コアメダルの5倍、紫メダルの2.5倍の力を持っているのだ!!」
「だが、どうやって使うかがわからない。」
「痛いところを突かれるようだが…まさにその通りだ。だからこれはお守り程度で持ってもらって構わない。…がもしかしたらいざという時に、何かしら役に立つ…かも」
「ふわふわしてますね…」
「アンク!」
映司がそのメダルを俺に投げる。
「は…?どういうつもりだ映司。俺はこれ使わねえぞ」
「分かってるよ。でも俺が今持ってても使えない以上しょうがないだろ?」
「だから、「いざ!」って時に渡してよ。アンクが言うなら信用できる。」
「…そうかよ。いつ渡されても文句言うんじゃねえぞ。」
「勿論。」
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鴻上は俺にニューセルドライバーを渡した後、「ここに火野くんたちを招く。君はサプライズな秘密兵器だからね。火野くんたちの目のつかないところに行ってくれたまえ。」
とかほざいて俺をのけものにした。
腹が立つのでここに俺が戦うときに使えそうなものはあるかと探すため、ぶらぶらふらつく。
すると、あからさまに【大事なものがありますよ】と言わんばかりの部屋があった。
どうやら鴻上研究所に就いている研究員のパスケースが必要らしい。
が、俺は今その研究員の一人に憑依している。
パスケースを認証パネルに当てるとあっけなく開いた。
そこにはコアメダルの破片があった。
何色のメダルかも判別がつかないほど小さいが、俺はそのメダルが「何」か、本能で分かった。
「紫のメダル…」
これが、映司がグリードになったときのコア。
本来壊すことのできないメダルを壊す力…
この力は、俺の欲望を満たすはずだ。
「俺は…これが欲しい」
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「さて…行くとするか」
「あれ、ウヴァ。今までビビって行ってなかったんじゃなかったの?」
またこのガキが俺にちょっかいを出してくる。いい加減鬱陶しい。
「うるせえカザリ。様子見してたんだよ」
「…貴様だけ、行く必要はない」
どこからともなく、王が現れた。
「王…?」
「貴様らは一人二人で行っても返り討ちにされるだけなのだろう?ならばそう小分けにする意味がない。」
「行くぞ。私達全員で」
「いま…から…?」
「いよいよね…」
「ふ〜ん…今のオーズは僕が殺すから。横取りしないでよ?ウヴァ。…な〜んてw。ボコボコにされて終わるだけか。」
…こいつ、どれほどまで調子に乗ってるんだ。あの時は一番初めにくたばったくせに。
「されたのはどっちだ?口だけのガキが」
「へぇ…言うじゃん。」
カザリが爪を出して臨戦態勢に入る。俺もそれに応じ、おもむろに構える。
「貴様等。今死にたいのか?」
しびれを切らしたのか、王が一声を上げた。
正気に戻り、俺もカザリも臨戦態勢を解く。
「いや…そんなわけ無いじゃん。」
「おい、カザリ」
こいつマジか。オーズにやられてよほど気が立ってるんだな。
「あんたにも言いたいことあるんだよね…ず〜〜〜っと僕たちに上から目線で指図して、今になってようやく重い腰を上げるとか…正直見損なったね」
「昔はバリバリ他の国を支配してたのに…王も落ちぶれたもんだ。」
「カザリ!?そこまでにしておきなさい!本当に死ぬわよ…」
メズールもなにか不味いと思ったのか、カザリに忠告する。
「死ぬ?まさか。僕たちは前に一回復活してるんだ。ブランクは王より短い。もしかしたらこの王にだって勝てる…」
『スキャニングチャージ!』
「あ…え?」
息をするより早く、カザリの胸を王が貫いていた。
「残念だ、カザリ」
「貴様は私を苛つかせた。コアメダルは没収だ」
「がはっ…な、にを…」
「ブランク…だったか?自分を買いかぶるからこうなるのだ。」
「貴様を復活させ、完全体にしたのは間違いだったな。」
「お、う…や、め、て…」
「死ね」
「あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああっっっ!!!!」
カザリの身体が爆散すると同時に、大量のセルメダルとコアメダルが散らばる。
こいつになんか同情することもない。王に歯向かった当然の結果だ。
それより、俺達の身体にもこの量のメダルを取り込まれていると考えると…気が高ぶる。間違いなくこれまでで過去最高だ。
「…フン。」
王がコアメダルを掬い、それから先の行動は俺には理解できなかった。
ごくん。
王が大量のコアメダルを飲み込んだ。
「は!?王…!?」
「…ぐふっ、はぁ。もっと強く…私の欲望には程遠い…!」
目をギラギラ光らせて、虚を見つめる。
王…人間だったよな?あれ、違ったか?
「行くぞ…現代のオーズも殺して、その力も奪ってやる。」
「聞くところによるとアンクは私を裏切ったそうじゃないか…許してはおけない。殺す、殺す…殺す…!」
今の王は…よっぽど俺等よりグリードみたいだ。
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「ついに、か…」
前には馴染み深いグリード三人。
ウヴァ、メズール、ガメル。
あれ…カザリはいないのか?
ここに来る途中も、カザリの痕跡すら目につかなかった。
火野の話だと、あいつも復活したそうだが…
「カザリはどうした?仲間割れか?」
「あいつは…王の怒りに触れた。もう消えたわ。」
こいつらがこんな状況下で嘘を付くとは思えない。おそらく本当にカザリは消えたのだろう。
嬉しい予想外だ。グリードが一人でも減っているのは都合がいい。
「行こうか、後藤ちゃん」
「はい…!」
この新しいドライバーで、火野達を…この世界を守る!
「変身っ!」「変身!」
『ババーバ・バース!バーバーバーバース!エーックス!ソカビ!』
「おぉっ!後藤ちゃんイカス〜!」
「お世辞は辞めてください。行きますよ!」
グリードたちに向かって走り出す。
俺はガメル、伊達さんはメズールに。
「おい、俺には来ないのか」
この状況は最初から作戦を立てていた。
4(結果的に3だが)vs2で戦うよりも、強制的に1vs1の状況をこちらから早出しする。
特にこの二人は一緒に行動することが多い。コンビネーションが厄介だ。
でも、コンビネーションが強いのはこちらだって同じ。
ウヴァも怖くないわけではないが、優先事項は必然的に低くなる。何よりこの二人は仲違いが多い。
だからこの二人を先に潰す。
ガメルは硬いから、バースXの火力で太刀打ちする。
メズールは搦手が多いから、経験豊富な伊達さんに。
その結果、ウヴァカザリを置き去りにしてガメル対俺、メズール対伊達さんの構図が一番効果的だと導き出した。
…まぁ、カザリが死んだからウヴァ一人を置き去りにする結果になったが。
「ふざけるな!俺は相手にならないとでも言いたいのか!?お前らまで俺を舐めやがって!殺してやる!」
「後藤ちゃん気にすんな!お前が考えた作戦だ!俺はそれを信じるぜ!」
「分かってますよ!」
ガメル、やっぱり硬いな。並大抵の攻撃は跳ね返ってくるくせに、あっちの攻撃は俺に確実にダメージを蓄積させている。
「うぉお〜…おおっ!この前の借り、返す!」
みぞおちにパンチを食らってしまう。
アーマーが強化されたとはいえ、人間の急所は据え置きだ。
「か、はっ…」
勝ち誇ったかのように近づいてくるガメル。
「く…」
あの時やったように…あれを使う!
『カニアーム!』
腕にキャノンを武装し、手から光弾を無数に発射する。
「行けッ!」
「ぐおぉおっ!?…なにこれ…」
ガメルが怯んでいる間に、一気に間合いを詰める。
「うおおおぁあああっっ!」
頼む決まってくれ!
一気に飛び上がる。
ガメルは怪力だが、その分身体が重い。ここまではついてこれないだろう。
『エビレッグ!』
『ソカビ!コアバースト!!』
エビレッグで足の攻撃力を強化し、そのままキックに移行する!
「はああああああっっっっ!!」
当たった!手応えがあった!
絶対に効いてた…!ガメルを倒せたか!?
「ご…あぁ…痛い…でも…それほどじゃない!」
「っ馬鹿な!?」
「ぐああっ!」
過度なダメージを喰らい変身解除された伊達さんが地面を転がる。
「伊達さんまで!」
…っやはりバース一体のスペックじゃ、完全体グリードは厳しかったか…
いや、こっちもやばいな…どうする…!?
「う゛おおおおおおっっっ!」
ガメルが雄叫びを上げ、両腕を振り上げる。
まずい…!
『ヴァルバラブレイク!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここら一帯が急に崩壊する。
間違いなく王の力だろう。
そこらかしこがで炎が巻き上がり、世界の終わりを想起させる。
伊達の尽力で人がいないのが唯一の救いか。
「映司…気配が近い」
「分かってるよ。もう準備はできてる」
…今日あたりが、映司が致命傷を負った日だったはず。
その未来を避けることが、まず第一ミッションだ。
「おかーさーん…」
泣いてるガキが居る…
何だ?
違和感。いや、違う。
悪寒。
これは…そうだ。思い出した。
あのガキは、映司の死に際に居た…
ってことは。
あいつを映司が庇って。
考えるより先に体が動く。
「おい!こっちに来い!逃げるぞ!」
「おにーちゃん…だれ…?」
「細かいことは気にするな!死にたくなきゃな!」
「アンク!早くこっちに!」
「貴様が…現代のオーズか」
来てしまった。王だ。
来たからにはしょうがない。未来を変えるしか無い!
「映司!行くぞ!」
「あっちに隠れてて…!大丈夫、絶対守るから!…あぁ、アンク!」
いつものメダルを映司に投げ、俺も身体から三枚のメダルを出す。
「「変身!」」
『タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバタ・ト・バ!』
『タカ!クジャク!コンドル!タ〜ジャ〜ドル〜!』
「「はぁ〜あっ!」」
こいつ一人じゃなくて…二人ならきっと!
映司がトラクローで撹乱し、俺がフェザービットを放つ。
ここで王に確実なダメージを与える…それができなきゃ、俺達の負けだ。
バッタレッグで蹴り飛ばし、王が後ろに仰け反る。
効いている…?このまま畳み掛ける!
「映司使え!」
渡したのは猫系メダル。カザリと戦った時はスタミナをできるだけ消費しないように立ち回ってたが、今は出し惜しみする必要もない。
「あぁ!」
『ライオン!トラ!チーター!ラタラタ!ラトラーター!』
「はあ゛ああああっっ!!」
ライオネルフラッシュ。完全体カザリに効いたから、王にももしかしたら…
「…ッ。鬱陶しい。」
カザリほどじゃないが…目眩ましはできている。十分だ。
「はぁっ!」
王の死角から蹴りをぶち込む。
「んぐっ…!」
いける…!確実に弱っている!
やはり王とはいえど800年もブランクがあったんだ。そう急にフルパワーを出せるわけがない。
その内に倒してやる!
「アンク!」
映司の方を向くと、タトバに戻っていた。
そして飛んだ。
まさか…タトバに戻ったのはバッタレッグの方が蹴りの威力が高いから…
もう決めきる気か!?
いや、それもいいか…?相手が怯んでる間に強力なダメージを与えて、再起不能レベルまで追い込むのも手だ。
だが、コレを受け切られたら、一気に形勢逆転する可能性だって。
どうすれば…!…考えている暇はない!
俺も映司の後を追い、飛ぶ。
「「セイヤアアアアっっ!!」」
頼む…!
『スキャニングチャージ!』
「遅い…そして弱い」
「うわあっ…!ぐ、っ…」
「はぁ、はぁ、あっ…!」
メダジャリバーで二人共斬り伏せられる。
まるで効いていないかのように王は振る舞う。
いや…本当に効いていないのか?
もしや、今まで無抵抗だったのは俺達の力を見図るため…?
そんな馬鹿な…
王の力は知ってるつもりだったが…ここまでとは…!
「最初は…裏切ったお前だ。アンク」
まずい、俺が死ぬ!
「おい映司!あのガキ連れて逃げろ!」
「でも…!」
「馬鹿野郎!ここで二人仲良くあの世に逝きてえのか!…俺はお前とは違うからな!必ず生きて帰る!」
「コレ使え!」
俺のクジャクコアを渡す。
「アンク…!絶対だぞ!」
『タカ!クジャク!バッタ!』
映司がガキの居た方向に向かって飛ぶ。
さて…ここからは俺がどうするk…
「私は飛び回る蝿が嫌いでね。」
王の手には光弾が握られていた。
まさか!
「おいよせ!」
映司の方に向かってそれを投げる。
「ぐわああああああっっっっ!」
止むなく映司も変身解除させられる。
あのときの過去がフラッシュバックする。
まずいまずいまずいまずい…このままじゃ…一体俺は何のために過去に飛んだんだ!
頼む…動け動け動け…!!!!
「おにいちゃん…?」
「大丈夫…絶対守るって…言ったでしょ…?」
やばい、あいつ。あの目は…
死ぬつもりだ。
それをやめろって言ってんだ!バカ映司…!!
王に背中を踏まれ、上手く息すらすることができない。
っくそ…!早く、動け…!
「おにいちゃん…?、おかあさん…!」
ガキがもう限界を迎えたのか、感情のリミッターが外れる。
「うわあああああああああああ!!!!!おかあさあああああああん!!!」
「…はぁ…私は騒ぐ子供も嫌いだ。静かにさせてやる…」
また王の手に光弾が握られて…!
「!っ危ない!」
映司が王に背を向けて、ガキを抱きしめる。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
光弾が、放たれた。
『ガッチャンコ!ファイヤー!スチームホッパー!アチー!』
「はぁぁっ!」
その時、燃え上がる青い彗星が見えた。
「ふ〜…。セーフ。」
一瞬で映司とガキの二人を抱えあげ、あいつが王の光弾を避けたのが見えた。
「宝…太郎…?」
「…?君は…誰?」
「俺は仮面ライダーガッチャード、一ノ瀬宝太郎。ドでかい夢を追い求める錬金術師さ!」
「また邪魔者か…消えろ」
「お前が誰だかわかんないけど、多分悪者だな!よっしゃ〜…、みんなのガッチャ、一緒に掴もう!」
「が、ガッチャ…?…分かった!(?)君が一緒に戦ってくれるなら心強い!」
王の力が一瞬抜ける。
「フンっ!」
その隙に体を持ち上げ、映司たちの方へ飛ぶ。
「!」
「はぁ…ずいぶんコケにしてくれたな」
「アンク…無事で良かった!」
「うるせえよバカ映司。またあのガキを庇おうとしただろ。一緒に逃げるかなんかすればよかっただろうが」
「あ…ごめん。」
「ったく…」
「二人ともカリカリしないで!あいつが悪いやつなんでしょ?一緒に行こう!」
「塵芥共がチョコマカと…」
「あ、あの〜…アンク…メダル何使えばいい…?」
「…これ使え」
「これ、って…コンドルメダル?アンク、お前のコア大丈夫なのか?」
「言ったろ。未来でメダルはかっぱらってきた。心配すんな」
「ならいいけど…お前も無理すんなよ!」
「「変身!」」
『『タカ!クジャク!コンドル!タ〜ジャ〜ドル〜!』』
『スキャニングチャージ!』
『スチームホッパー!バーニングフィーバー!』
「「うおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!」」
三人で王の腹にキックを打ち込む。
今までとは違う手応えだった。遥かに重い。
「んぐっっ…!貴様等…ァッ!」
ぶっ、飛べ!!
「セイヤーーーッッッッ!!!!!!!」
王の身体をぶっ飛ばし、遥か遠くに着地する。
ここ…どこだ?
「…火野?」
後藤が居る。
それだけじゃない。伊達もスパナも…あとは九堂…だったか?
全員がグリードと応戦してたらしい。
こいつらと作戦を立ててた時は、少なくとも俺達の活動する場所はここから7km程離れたところだったはず。
「え…九堂達も!どうしてここに!?」
「それはこっちの台詞だ…お前、急に飛び出してどこ行きやがった?」
「ホッパー1がアンクたちの居場所を教えてくれたんだ。…あ!あの子供置いてけぼりだ!」
「子供、って…まだ逃げ遅れたやつが居るのか?」
「あぁ居た。場所は俺達がさっき居たとこだ。」
「…よっしゃ分かった!俺がそいつのところに行って医療施設に送ってくる!アンコたちはこいつら頼めるか?」
「え、アンコ?アンクじゃないの…?」
「少年、細かいこたあいいんだよ。じゃ!」
そういってライドベンダーに乗って、伊達は行ってしまった。
「はぁ…はぁ…!裏切り者…現代のオーズ…クソガキ…!全員消し炭にしてやる…!」
王がグリードたちに近づく。
「王…?なにうぉっ!?」
肚の中に手をつっこみ、コアメダルを抜き取る。
それも、3人分全員。
「何すんだ!あんたおかしくなったのか!?」
「煩い…!お前ら役立たずを利用してやってるんだ!感謝しろ!」
王が逃げた。
「…!」
俺達がそれを追いかけようとするも、グリードたちに阻まれる。
「おいおい、今度はのけものにされちゃ困るぜ?」
「チッ…!面倒くせえ!」
「アンク!…とその隣の人!二人は王を追って!」
「俺もこの子の意見に賛成だ。今の王は限りなく弱っている。ここに居るグリードを倒して、更に王も倒すとなれば…必然的にお前ら二人が選ばれる。」
「グリードたちはこの子達といっしょになんとかしてみせる!早く追え!」
「…わかりました!アンク!」
「言うまでもない、急ぐぞ!」
「あ、そうだ…火野!これ使え!」
「え?なん…おっと、これ、トラカンドロイド!」
「トライドベンダーのほうがあいつを追いやすいはずだ。頼んだぞ。」
「わかりました!ありがとうございます!」
『ライオン!トラ!チーター!ラタラタ!ラトラーター!』
「ガオオオオッッ!!」
「うわあっ!?こんなでっかい虎…いや、バイク!?これはすごい…!ねえ九堂、これもケミーかな?」
「なわけないでしょ…ここはそもそも世界が違うの。ほら、行くよ!」
「えへへ…うん!」
あの王を倒せば、すべて終わる…!
待ってろ、ここで全てをケリつける…!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
王を追い詰めた。
行く先全てを壊しながら逃げられていたので、ここらへんはだだっ広い空き地みたいになっている。
ちょうどいい。暴れるにはもってこいさ。
「追い詰めたぞ…!古代王、800年前のオーズ!」
「新米ごときがぁ…!」
?
デジャヴを、なにか感じた気がする。
昔の俺?みたいな欲望とも違った気味の悪い何かが、あいつにまとわりついている。
まあ…いいか。
早く倒さなきゃ。これで因縁も、全部終わりだ。
『クワガタ!カマキリ!バッタ!ガータ!ガタガタキリッバ!ガタキリバ!』
「はっ!」「おりゃっ!」「うおおっ!」「おりゃっ!」「うおおっ!」「はっ!」
俺を無数に増やして王に仕掛ける。
この圧倒的量をどう対処する?古代のオーズは…!
「目障りだ!」
『トリプルスキャニングチャージ!』
なんと、メダジャリバー一振りで一掃されてしまった。
「嘘だろっ…!」
俺何人分の力を使っても、あいつには傷一つつかないってのか…!?
いや、今そんな事考えてもきりがない!次のコンボだ!
「アンクメダル!」
「図々しいな!はっ!」
「水系メダルか…!」
『シャチ!ウナギ!タコ!シャシャシャウタ!シャシャシャウタ!』
「はっ!」
タコの足で地面を掘削し、その中を泳ぐようにして距離を詰める。
「ほう…?」
『シャチ!ウナギ!タコ!シャシャシャウタ!シャシャシャウタ!』
「その手はお見通しだ」
そんな馬鹿な!?裏をかいたと思ったのに…
対応するどころか、自分も同じフィールドで乗り込んできた。
こうなりゃやけだ!ウナギウィップを取り出し、王に向かって打ち込む。
「遅い!」
掴まれた!…なんて反射神経してるんだ…!ほんとに800年のブランクとかあるのかよ!
「フフハハハ…大物が釣れたな。」
掴まれた鞭を上に引き上げられ、自分が強制的に地上に出てしまう。
「所詮貴様は、私の劣化版に過ぎない。敵うと思うな」
「くっ…」
「ゴロゴロ色を変えていたな…今度はこちらだ。耐えきれるかな?」
王には余裕の笑みすら浮かんでいるように見える。
どうしたら…アンクは!?
…いない!?あいつ…どこにいっ…
…あぁ、なるほど。
『サイ!ゴリラ!ゾウ!サゴーゾ…サッゴーゾ!』
「ハハハハハハ…ウ、オ゛オオアッッ!!」
…っひどい揺れ!でも、コレを耐え切らなきゃ…!
「終わりだ!現代のオーズ!」
『スキャニングチャージ!』
揺れがどんどん大きくなる。
その揺れは俺を王に近づかせようとしている。
行くぞ…
「死ね!」
王が頭を振りかぶった。
─その時。
ウナギウィップを再び巻き付け、王の身体を絞める。
「今だアンク…!重いから早くして…ッ!」
「うるせえ黙ってろ!当たるんじゃねえぞ!」
『スキャニングチャージ!』『ギガスキャン!』
「はあぁぁぁ〜っ…」
「うおりゃあああっっ!」
アンクが大空に飛んで俺に合図を飛ばしてたのはわかってた。
恐らく俺達が水中戦をしているときに再び上にくると読んで飛んでいたのだろう。
二重スキャンの必殺。
これが効かなきゃ…まあまあまずいぞ…!
その時煙の中から現れたのは、無傷にも等しい王の姿。
唯一変わったところといえば、タトバコンボに戻っていたことぐらいだ。
嘘だろ、本気の王はここまでも強いのか。
「鬱陶しい…!そろそろ…全部終わりにさせる…!」
その時、王が手を翳した。
そこらかしこからセルメダルが飛んできて、王の中に入っていく。
俺が覚悟を決めたあのときより遥かに多い。
ずしんと、地面が埋まった。
王の欲望に、地球自身が耐えきれていない。
「ぐおおぇっ!」
王が口から波動弾を吐いた。
予想外過ぎる出来事に、俺もアンクも対応しきれなかった。
「うわああっ!」
弾に直撃してしまい、二人が変身解除する。
…後藤さん達から任されたのに…信頼されたのに!
このままじゃ…アンクも俺も死ぬ…!
「お前が、古代オーズか」
え…?
見知らぬ声の方を振り向くと、紫色の髪をした青年が、そこには立っていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「君!ここは危ない!早く逃げて!」
映司が俺に向かって叫ぶ。
まあ無理もない、お前は俺のこと知らないもんな。
「…!まさかお前、ゴーダか?」
「アンク…初めまして、だな」
こいつは俺に気づいたらしい。
まあ、こいつの計算の上とはいえ、俺もこのドライバーを手に入れることができた。
少しぐらい、感謝はしておくか。
「…。」
王は面倒だと言うように頭を振った。
「御託を並べるより、早く戦ったほうが良いって顔してるな。お望み通り、やってやるよ。」
三枚のセルメダルを取り出す。
これは道行くときに遭遇した屑ヤミーたちからの収穫だ。
「さぁ…変身。」
『タカ・ギン!トラ・ギン!バッタ・ギン!タ・ト・バ!タトバタトバ!シルバー!』
仮面ライダーシルバーオーズ。
それが、俺の名だ。
「はああっ!」
王はまだ動かない。様子見でもしているつもりだろうか?それとも舐められてんのか。
どっちみち無抵抗ならこのまま殺す。どうせセルメダルで変身したからスペックが低いと考えているんだろう。
首を狙い、トラクローで切り裂く。
王はまだ怯まない。また斬りつける。
何度も何度も何度も何度も。
セルメダルが王の体から零れ落ちてきた。
俺の狙いは、コレだ。
それを掴み取り、ドライバーのメダルを入れ替える。
『クワガタ・ギン!カマキリ・ギン!バッタ・ギン!ガータ!ガタガタキリッバ!ガタキリバ!シルバー!』
「「「「「「「うおおおっっっっ!」」」」」」」
俺が何人にも増える。
コンボの特性は映司の記憶から理解済みだ。
零れ落ちたいろいろなセルメダルを次々装填し、別のコンボを増やす。
『タカ・ギン!トラ・ギン!バッタ・ギン!タ・ト・バ!タトバタトバ!シルバー!』
『クワガタ!・ギン!カマキリ・ギン!バッタ・ギン!ガータ!ガタガタキリッバ!ガタキリバ!シルバー!』
『ライオン・ギン!トラ・ギン!チーター・ギン!ラタラタ!ラトラーター!シルバー!』
『サイ・ギン!ゴリラ・ギン!ゾウ・ギン!サゴーゾ…サッゴーゾ!シルバー!』
『タカ・ギン!クジャク・ギン!コンドル・ギン!タ〜ジャ〜ドル〜!シルバー!』
『シャチ・ギン!ウナギ・ギン!タコ・ギン!シャシャシャウタ!シャシャシャウタ!シルバー!』
『コブラ・ギン!カメ・ギン!ワニ・ギン!ブラカ〜!ワニ!シルバー!』
「さぁて…王座強奪…だ」
「馬鹿な…!そんな筈は…!」
さすがの王も困惑しているらしい。
「お前の物差しで俺を測るんじゃねえよ、俺はとっくにお前を超えている。」
『スキャニングチャージ!』
「消えろ…!」
「うおりゃああああああああっっっ!」
シャウタが王を拘束し、サゴーゾが遠距離攻撃。ブラカワニが地面を滑りながら足で挟む。
ガタキリバが電撃攻撃を食らわせ、ラトラーターが接近して王の腹を足で抉る。
王が五人の俺に気を取られている隙に、背後にはもうタトバの俺とタジャドルのキックが待ち構えている。
「じゃあな!過ぎた時代の耄碌ジジイ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
爆発。
おそらく、今までで一番の。
突然現れた銀色のオーズが王を一方的に圧倒している。
こんな派手な攻撃…俺がガラにやったときみたいだ。
「…すごい…!」
「何見てんだ映司!まだ終わっちゃいない!」
分かってる。王の殺意がまだ残っている。
このチャンスを生かさなきゃ、今度こそ本当に終わりだ…!
「「変身!」」
『『タカ!クジャク!コンドル!タ〜ジャ〜ドル〜!』』
「ぬぅ゛ん!」
爆風の中王が現れる。
銀オーズは吃驚していた。無理もない。あそこまで怒涛の攻撃を叩き込んだんだ。普通は倒せたと思うだろう。
「これだけは…このメダルだけは使うまいと考えていたのに…」
「欲望を無に帰す、この世で最も忌むべきメダル…!」
「ガラめ、最後の置き土産で作りおって…やむを得ん…!」
王が取り出したのは、
ッ…!
「…それが!紫のメダル!」
「貴様、知っていたのか…」
「勿論、そのメダルだけは…俺の憧れ…!」
「ここまで私を苦しめた罰だ。もう楽には死なせん…!」
「変身!!」
『プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラ〜ノ!ザウル〜ス!』
「ウ゛オ゛オオオオオオオオオオ!!!!!!」
俺の感じた奇妙な違和感の正体はコレだったか…!
でも前に変身していたプトティラと違う。
ずいぶん色褪せ、仮面にはヒビが入っている。
口と思われる部分には牙が生え、まるで本当の恐竜みたいだ。
「ガァァッ…!」
銀色のオーズを弾き飛ばして超速で追いかけ、さらにメダガブリューで追撃を加える。
「っまずい!」
飛んだときにはもう遅かった。
『プ・ト・ティラ・ノ!ヒッサーツ!』
「グワァアアア!」
「があっ…!」
斧の刃が、腹に当たる。
間違いなく、致命傷だ。
「ゴーダ!」
アンクが叫ぶ。
「しくじった…!」
胸を抑えて悔しがっている。
その側に降り立ち、話しかけてみる。
「君!…大丈夫?」
「あぁ…このくらいなんてこと無い。あと俺は「君」じゃない。ゴーダだ。映司」
「ゴーダ…、!なんで、俺の名前を知ってるんだ?」
「俺はお前の欲望から生まれたグリードだからな…知らなきゃおかしいだろ?」
「そんな…いつの間に…!?まさか、鴻上会長が…」
「お前ら!いつまで油売ってんだ!来るぞ!」
アンクが声を出した方向を見ると、今度はバズーカで俺達を迎え撃つ気らしい。
「…話は後だ!避けるぞ、ゴーダ!」
「あぁ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
訳のわからない生物もどきといきなり戦うなんて予想だにしなかった。
マルガムとはまた違った奇妙な奴らだ。殴れば殴るほど変な硬貨が出てくる。
「メズール!今そっちに…!」
「ガメル駄目!そっちに集中しなさい!」
「甘いぞ…!うおおおっ!」
向こうではこちらの世界の仮面ライダーが戦っている。
今までずっと戦ってきたのだろう、洗練された戦い方をしている。
化け物に襲われそうになっていた奴らを見つけて思わず攻撃したのが事の発端だが、ここまで来たなら最後までやりきるのが俺の美学だ。
この敵も相変わらず掴みどころのない攻撃ばかりしてくる。
こちらが攻撃しようとするとすぐに地面に潜り込まれ、不発に終わってしまう。
今もまた地面に潜られている。目標が定まらずイライラしていると、
「先輩!これを!」
九堂からライドケミーカードを投げ渡された。
「バーニングネロ…?」
「それを地面に!」
…!
なるほどな…!
『ケミーライズ!バーニングネロ!』
「っ何!?これ…きゃあああっ!?辛ッ!?」
読み通り飛び出してきた。
その隙を逃すほど俺達は甘くない。
『カスタムアップ!オロチショベル』
『スリーヘッドスリーパー!ムーンケルベロス』
「うおおっっ!!」
腕に付いているオロチの首で引き寄せて、地面に叩きつける。
「そんなの…聞いてないわよ…っ!」
「言ってないからな!…九堂!」
「分かってます!」
『ムーンケルベロスノヴァ!』
『ヴァルバラドクラッシュ!』
「「はああああっっっっ!!!」」
「ああああぁぁぁっっっ!!」
そこらに硬貨が散らばり、数枚の青い硬貨が出てくる。
明らかに他のものとは違う…重厚感、というか。
九堂がそのメダルを拾う。
「それは水系の…!試す価値はある!君!そのメダルをこっちに!」
「これを…?はいっ!」
そうか、あいつも色付きの硬貨をドライバーに装着していた。
敵も味方も同じアイテムで変身する点では、こちらと一緒だな。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「メズール…!メズール!またメズールが殺された!!許さない!ぐちゃぐちゃにしてやる!!!」
ガメルが半ば半狂乱で暴れまわる。
ガメルには少々酷だが、このメダルで戦ってみるか…!
『シャチ!ウナギ!タコ!』
『ババーバ・バース!バーバーバーバース!エーックス!タウシャ!』
なるほど…?
ソカビとは一転、火野の変身していたコンボの様な青色にバースが染まる。
「メズールの形見…!ふざけるなァアアッ!」
こちらに向かってくる。
さて、お手並み拝見だ!
『タコキャノン!』
「なんだこれ…?」
8つの足が広がった形のようなアタッチメントが腕に装着された。その足一つ一つには吸盤のようなものが付いている。確かにタコモチーフだ。
その瞬間ものすごい噴射音と同時に、ガメルに向かって吸盤から黒いものが飛び出してくる。
…?タコの墨?
「う、うぐぐぐぐぐ…!?まえが…みえない…」
今だ!
「はあぁっ!」
8つの足がドリルのように畳まれ、その腕のまま胴体に殴りかかる。
「ぐぼぁっ!」
もう一度…喰らえ!
ジェットポンプのように墨が押し出され、遠くにガメルが吹き飛ばされる。
「ぐええっ!」
ものすごい噴射量だ…
すっかり真っ黒になったガメルは、周りが見えずパニックに陥っている。
「あぁああっ!卑怯者!どこだ!どこだ!」
「終わりだ…ガメル!」
『タウシャ!コアバースト!』
「たぁぁぁぁっ!」
「ぐおおおあっっ!…メズー…ル…俺が…もっと…ちからを…」
そう言ってただのメダルの塊になり、堕ちる。
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「よーっし、バッタ対決だ!」
背中に付けられているブースターで飛び回る!
相手も付いてこれてないみたいだ…!このまま倒してやる!
「はあぁっ!」
…っ!?ファイヤーガッチャードの蹴りが効かない!?
「甘いんだよ!」
「どいつもこいつも俺を見くびりやがって…!痛い目に遭わなきゃわからねえのか!」
敵の頭から雷撃が飛んできた。
出来るだけ避けようとするが、全範囲攻撃を避けるのにも限りがある。
何発か食らっただけなのに、そのすべてが大ダメージだ。
「くっ…!」
「一ノ瀬!」
「こっちは大丈夫だ九堂!そっちに集中して!」
「まだわからないのか…!大丈夫なんて言葉、今に吐けなくなるぞ!」
相手がいろいろ怪物を生み出してくる…
こんなのアリ!?流石に限りってものがあるでしょ!
「卑怯だぞ!」
「フハハ…知ったことか!勝てれば良いんだよ!」
「そんなに言うなら…こっちだってガチで行かせてもらう!」
『エクストラ!スペシャル!』
『ガッチャ&ゴー!レインボーガッチャード!ガッチャード!!ガッチャード!!!』
『スチームホッパー!バーニングゴリラ!アントレスラー!ヒアウィーゴー!!』
「皆行くよ!」
「ホッパー!/スチーム!」
「その力…!人体錬成か?」
「さぁ?どうかな…?」
みんなで怪物たちを薙ぎ倒し、一気に距離を詰める。
「…まずい!」
「行っくぞーっ!」
『ゴン!』
『レインボーフィーバー!』
バーニングゴリラとアントレスラーが俺達を投げ飛ばしてくれ、その威力のままスチームライナーとWキックだ!!
「はあああああっっっ!」「ホッパァーーッ!/スチィィィーム!」
「ぐっ…!あああああっっ!!」
大爆発!
よ〜っしゃあ!
「ガッチ…」
人の気配…!
!
「お前…!グリオン!」
「ここにいたの…!」
「君たちはあいつを知っているのか?…誰なんだ?」
「一言でいうとすっごい悪いやつです!そりゃあもう言い表せないくらい…!」
「手厚い歓迎ありがとう。仮面ライダー達よ…」
「こいつらは、私が作った割には脆いものだったな。」
「ならばせめて、最後に面白いものを見せてみろ」
グリオンが落ちていたメダルを拾う。
「何をする気だ…!」
「それはこれから分かるさ…金色に、染まれ」
いつの間にかあいつの手に持っていた三枚のレプリケミー。
ブリザモス、カマンティス、マックラーケン。
それを吸収させ、新たな何かを生み出す。
「う、うごごごごご…があ」
「ほう…メダルとケミーを合わせるとこのようなマルガムに…」
さっき皆で戦っていたやつらの顔を溶かして無理やり引っ付けたみたいな顔が全面に出ていた。
「気味が悪い…!行くぞお前ら、これで最後だ!」
「あぁ!」「うん!」「分かった!」
スパナの言葉に背中を押され、マルガムに立ち向かう!
「がぁあっ!」
自我が完全に消滅してしまっているようで、攻撃の焦点はブレブレだ。
それに比べて俺達は息のあったコンビネーションで相手をどんどん追い詰めていく。
「もう一度こいつで…!」
『ババーバ・バース!バーバーバーバース!エーックス!ソカビ!』
『サソリキャノン!』
「皆離れて!」
俺達の退いた道の前には仮面ライダーの人が立ってて、腕には砲台を構えていた。
「消し…飛べ!!」
「ぐぼおぁあああっっ!!」
「今だ!行くぞ九堂、スパナ!」
『ゴン!ゴン!ゴゴゴゴン!』
『ガッチャーレインボーフィーバー!!』
『ヴァルバラドクラッシュ!』
『ムーンケルベロスノヴァ!』
『ソカビ!コアバースト!』
「「「「はあああああああああああっっっっ!!!」」」」
「ぐぎゃああああああっっっっっっっ!!!!」
化け物の体を皆で完全に貫いた。
今度こそ正真正銘…
「ガッ、チャーーーッッ!!」
爆発した相手を後ろに、精一杯叫ぶ。
「失敗作はどこまで行っても失敗作か…まあいい、まだ楽しみは残っている」
「アンクたちか…!」
「その通り。どちらが死ぬか…フハハハ…見ものだな。」
「趣味の悪い…!」
九堂が怒りに満ちた顔で呟く。
「…何!?コアメダルが壊れている!そんな馬鹿なことが…!」
「言ったはずだ、脆いと。そもそもそれは本物のグリードではなかったのだ。」
「どういう意味だ…」
「それは今の人間たちが作った800年前の錬金術の複製に過ぎない。弱くて当たり前…興冷めだ。」
「だが、王だけは違う。彼だけはずっと封印されていた本物…欲望はどこまで大きくなるだろうか?…一つ、見物するとしよう。」
「あっ、おい待て!」
「また会おう錬金術師たちよ。今度は私達の世界で。…いや、遥か遠くの未来かな…」
グリオンは消えてしまった。
「…あいつ…どういう意味だ…」
「考えてもしょうがないよスパナ。それに…」
アンク達の目を見たからわかる。
あの二人、お互いを信頼し合っているいいコンビだった。
…まるで俺とホッパー1みたいに。ね!(ほっぱほー!)
二人ならどんな試練だって、王だって乗り越えられるはず。
だから!
「アンク達なら、大丈夫!」
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最終章 追憶のコアメダル
「はぁ、はぁ…っ」
ずいぶん王が暴れまわっている。
ここら一帯はもう文明の欠片すら感じられない。一ヶ月前までは人が住んでいたのが嘘みたいだ。
「グギュォアア…」
王は自分の力を抑えることができていない。暴走だ。
ゴーダが叫ぶ。
「埒が明かない!一気に攻めるぞ映司!アンク!」
あまりに考えのない作戦。たまらず叫ぶ。
「何言ってやがる!プトティラは正真正銘最強のコンボ、一撃でこっちがやられるのがオチだ!」
「じゃあパワーだけでも追いついてやるよ…!」
『サイ・ギン!ゴリラ・ギン!ゾウ・ギン!サゴーゾ…サッゴーゾ!シルバー!』
「当たれっ!」
パンチを飛ばす。正直言ってギャンブルだろう。
その時、爆音が轟いた。
王にパンチが当たったのだ。
「ごがぁあが…っ」
「当たっ…た?」
映司が驚く。
「だから言ったろ?一気に攻めるぞってな!」
『ライオン・ギン!トラ・ギン!チーター・ギン!ラタラター!ラトラーター!シルバー!』
ゴーダがさらに攻める。
「ぜあっ!」
「ぐぶぅっ…!」
明らかに王の動きが鈍くなる。
そうか、あれほどフルパワーで稼働したら王の体が持たない。
スタミナ切れだ。
異常なほどに強欲で強力だったが、王も所詮は人間。
そうと分かれば話は別だ。
「映司!コレ使え!」
「わかった!」
『クワガタ!カマキリ!バッタ!ガータ!ガタガタキリバ!ガタキリバ!』
「今度こそ!」
無数に増えたオーズが襲いかかる。
『スキャニングチャージ!』
「「「「「「「セイヤーーーーーッッ!!!!」」」」」」」
強大な威力で打ち上げられた王に焦点を定め、足に全力の力を込める。
「そのまま宇宙にでも行ってしまえ…!」
『スキャニングチャージ!』
「だああっっ!!」
「ぐあああああああっっっっ!」
どさりと、大きな音がする。
王が落下した。変身解除せずにまだ生きているのは、さすが王のしぶとさと言ったところか。
指が、かすかに動いた。
「う──あぁっ!はぁっ!はぁっ…!」
目を覚ましやがった。今度は自我もあるようだ。
「貴様らは十分に強い…だが、この力の制御は完了した。もうこの力は我が物だ…!」
「無理だね。」
どこからかゴーダの声がする。
いつの間にか、あいつがいない。
正確には、そこには憑依元の研究員しか存在していなかった。
まさか…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「さぁ…いよいよ開戦だ!行ってきたまえゴーダ…!キミの力を古代の有象無象に見せつける時だ!」
「なぁ…一つ聞きたいことがある」
「?」
「この…ニューセルドライバーはコアメダルを使えんのか?」
「コアメダル…無論だな。それはもともとオーズドライバーのコピー。それにセルメダルの使用も可能にしたのがニューセルドライバーなのだ。」
「コアメダルを使えないようにするなど、いちいち劣化版を作るような真似はせんよ。」
「なるほどな…これでも、俺はプトティラに…」
「なにか言ったかい?」
「いや…なにも。」
つまりプトティラになりたきゃ、奪えば良い。
俺自身の力で。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
王の背後にいたのは、手だけのゴーダ。
素早く紫メダルを奪い、研究員にまた憑依する。
王はタトバに戻る。
「何…貴様!無礼な真似を!」
「奪われたお前が悪い。」
「この力が、ずっっと欲しかった…!」
「変身!」
『プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラ〜ノ!ザウル〜ス!』
「俺ならこの力を扱える…!」
「何だと…?すぐに順応するなど、あり得ないはず」
「俺はグリードだぜ?人間の壁を超えられないお前ごときが敵うわけがないんだよ」
「行くぞ」
紫の悪魔が地を駆ける。
誰の目にも止まらぬ速さで、前に照準を合わせている。
「がはっ…」
変身解除すると同時に、王の体からコアメダルが落ちる。
一つや二つではない。グリードたちから奪っていた分も、一気になだれ落ちる。
「このコアメダル達…鬱陶しいな。砕いてやるよ」
そう言ってメダガブリューを振り下ろした…
「さ、せ、る、かああああああああっっ!」
王が紫の悪魔に向かって体当りする。
「痛っ…」
「はぁっ!はあっ!」
床を這いずり回り、コアメダルをかき集める。
そこにはもはや、王の貫禄は存在しなかった。
身の丈に合わず溢れ出した欲望をかき集める、無様な子羊の様だった。
「お前…」
ゴーダが失望したような声を上げる。
「これで!これで私は!完全な存在になれる筈なんだっ!お前らごときがっ!逆らって良い相手でないことを思い知らせてやるっ!」
息も絶え絶え、俺達にコアメダルを見せつける。
「それが何だって言うんだ」
「見ていろ…私の進化を」
王がまた、コアメダルを飲み込んだ。
その最中に吐き出してしまっても、残さずすべて口に入れた。
「は?お前…コアメダルを…?何…?」
王の背中から、翼が生える。
腕から、甲羅や鎌が伸びる。
拳には、異常なほどの筋肉がつく。
足には、爪と触手が。
もはやオーズドライバーは体の一部のように接着されており、二度と人間には戻れないようだった。
「…王は、負けてハならない」
形が歪になりながらも、ゴーダを殴り飛ばす。
「おっ…と」
ゴーダにはさほど効いていない様子で、かつて人間だった何かを見る。
「王ハ、屈シてはなラない」
足を屈める。力を溜めているようだ。
「王ハ、常に最強デなケればなラナい」
こちらに飛んでくる。
「映司!」
「くっ…」
ギリギリでタジャスピナーを構え、王の攻撃を防ぐ。
「我ノ名はオーズ ディグニティ。さァ、こコに居る”誰”ガ王に相応シイダろう?」
「─答えは、明確ダ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ごはっ!」「うぐっ!」
急にゴーダが俺達の腹を殴ってくる。
予測していない痛みに、思わず屈む。
「おっ…い!何すんだよ!」
息も絶え絶えに、映司が叫ぶ。
「お前らは一旦出しゃばんな。あいつは俺にやらせろ。」
やけに自信満々のゴーダの思惑が読めず、思わず口に出る。
「あいつはもはや人間じゃない。グリードですら無い。何者にもなれなかった化け物だ。お前一人でどうこうできんのか」
「さっきあいつの攻撃を受けた時、そうでもなかった。何せこの恐竜のメダルはコアメダルを無に帰す力だ。あいつには都合がいい。」
「俺はあいつと戦い足りないんだ。俺が遅れた時間分寄越せ」
返事も待たずに先に飛んでいく。
「っおい!ゴーダ!」
「好きにさせろ。どっちに転んでもいつかはゴーダがあいつのスタミナ位は消耗させる。そこを叩けばいい。」
「…でも!」
「無理に行って、死なれるよりマシだ」
「それは…そうなんだろうけど!」
「分かったら黙って見てろ。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「貴様一人ダけ向かっテくルか…二人のオーズはしョせん負ケ犬だな」
「うるせえな。お前に映司の何が分かるってんだ」
「分かるサ…弱さがナ」
鍔迫り合いになる。
気を抜いたほうが死ぬ、そんなのは見ても明らかだった。
「あ゛あ゛あ゛っ!!!」
力を振り絞って斧を振り下ろす。
肩から脇腹にかけて亀裂が入る。
入った、はずだった。
その直後にセルメダルが傷を埋め、何もなかったかのようになる。
文字通り、細胞のようにセルメダルが王の体の中では動いていた。
「なっ…!」
「つカまエタ」
しまった…!
腕をあり得ない強さで掴まれ、後ろに投げ飛ばされる。
なんとか空中で持ち堪え、もう一度臨戦態勢に入る。
「今度はこいつだ!」
自分の体の中にメダガブリューを突っ込み、セルメダルを入れる。
『プ・ト・ティラ〜ノ!ヒッサ〜ツ!』
「いっけえええええっっっっっ!!」
巨大光線がディグニティを包む。
「ア、あぁ…」
腕が取れ、足が捻れたあまりにも悲惨な姿が見えた。
だが、切断された面からセルメダルが漏れ出てそれを頼りに腕が繋がれ、また元通りの体になる。
「こいつ…不死身か」
「ふフふふハ…そノトヲり。王ハ負ケなイ。」
「じゃあそのセルメダル全部枯らせばいいんだろ!やってやるよ!!」
俄然やる気が出てきた。
こいつを殺せれば俺の力が証明される!
絶対に殺
ん?
なんだこれ
胸が痛い
「がっ…」
まさか
嫌だ
そんなはずじゃ
「どウシタ?もう終ワりか」
気がつけば眼の前にディグニティが立っていた。
頭が一瞬真っ白になった隙を狙われた。
まずい…
「…って、普通は思うよな」
「何ヲ…?」
「拝借するぜ、お前の無限にも等しいセルをよ」
肩の角で腹部を貫く。
やはりその先からセルメダルが回復しようとするが、そこでメダガブリューを展開する。
するとこいつの体から共鳴したかのように無数のメダルが溢れ出してくる。
この光景に似たような記憶を俺は知っている。
真木を殺すため、映司が自分の体のセルメダルを使ってこの技を打った。
だが、今はこいつの方があのときよりセルメダルの数が多いはずだ。
尚更、利用させてもらうには好都合。
さらに…!
『スキャニングチャージ!』
「ぶっつぶしてやる…!」
体を何百回も斬りつける。
その先からセルメダルが溢れ出してくるが、それすらもメダガブリューのパワーに利用する。
『プ・ト・ティラ〜ノ!ヒッサ〜ツ!』
「うおらああああああっっっっっっっ!!!!」
腰に斧が当たる。
さすが元王様、ここは強靭だ。
てことは逆に、この部分をぶち斬れば再生は不可能だろう。
不意に、斧が紫色に淡く光った。
その光はどんどん濃くなり、やがて一つの命を刈り取る刃へと形を変えた。
「バかナ…ッッ!」
「俺の勝ちだああああああああああああああああっ!」
勢いのまま、斧を振り抜く。
ディグニティの体が真っ二つに割れ、地面に堕ちる。
「は、ははっ…やった…」
…あれ?
手に持ってたはずの斧が無い。
どこに行った…?
ふと王の死体を見ると、右手にはまさにその斧が握られていた。
「は…?どうして…」
さらに左手がおもむろに口の方に移動し…
「おえ」
『プ・ト・ティラ〜ノ!ヒッサ〜ツ!』
「コアメダルをエネルギーに…!」
っこいつ…真っ二つに分かれてもまだ動けやがるのか!
砲口がこちらに向いた。
あ、死───
体が浮き上がる。
間一髪、即死攻撃は免れることができた。
俺を持ち上げてくれたのは、映司とアンクだった。
安全な地面に降り立ち、二人が変身解除する。
「お前ら…なんで」
映司が当然だと言うような笑みを浮かべ、言った。
「だって、ライダーは助け合いでしょ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…本当は、ずっと前から分かっていた。
こいつはそういう奴だったと。
驚くほどに無鉄砲で、考えなしに動きやがる。
だから、あんな明日が訪れた。
でも…その明日がもう来ない方法を今の俺は知っている。
「…映司」
「何だよ、今のはお前もゴーダを助けたからノーカウントだろ?」
「あぁ、そうだな」
「?…アンク、何が言いたいんだよ」
「もうお前が勝手に死なないように隣で見ててやる。お前に死なれちゃ困るからな…ヘマしたり、足引っ張んじゃねえぞ。」
「…!うん…うん!分かった!ありがとう!」
映司が笑った。その目には涙が浮かんでいた。
「映司、メソメソすんのは後だ」
「!」
王の真っ二つに分かれていたはずの胴体が再びくっつき、立ち上がる。
「ゴガぁ…まダまだ」
涙を拭き、映司が言う。
「アンク。…いつかの明日、俺はずっと来ると信じて生きてきた。」
「…俺もだ」
「いつかの明日、俺は正真正銘今日だと思う」
「それは、あいつを倒してから決まる。…映司」
「分かってる。…アンク」
「「二人で居られる”いつかの明日”を、二人で切り開くぞ」」
その時、俺の手元が光る。
鴻上に渡された色落ちメダルと、もう一つ。
「これは…」
光が止み、現れたのは鮮やかな色彩のコアメダルと、俺達の奇跡のメダル。
「これは…前にミハルくんからもらった未来のメダル?…もう一つは知らないけど」
「なんだ、こっちのメダル知ってんのか」
「うん…随分前に、友達がね」
「へぇ。ほらよ、映司。」
メダルを投げる。
「アンク…」
「今が「いざという時」だ。」
「…あぁ!」
「俺達の本当にやりたいこと…!」
「俺達の願い…!」
「全部叶えてやる!」
「「行くよ/ぞ、アンク/映司!!」」
「「変身!!」」
『スーパー!スーパー!スーパー!スーパータカ!スーパートラ!スーパーバッタ!ス・ー・パー!タトバ!タ・ト・バ!スーパー!!!』
「タカ!クジャク!コンドル!タ〜ジャ〜ドル〜!エーターニティー!!!」
「「はあああっ!」」
まずゴーダが仕掛ける。
地面からもう一度メダガブリューを取り出した。
そして一飛びで王の間合いに入り、メダガブリューを当てる。
「もう、油断はしない…!」
そのままトリガーを引いて砲弾が王を貫き、体に穴が開く。
「ヨクも…!」
だが、すぐに修復される。
「アンク!」
映司の合図で俺達も近づき、同時にパンチを食らわせる。
「んグっ…!」
「こいつは耐久力は凄まじいが、攻撃力はてんで無い!限界が来るまでひたすらボコれ!」
「うん!」「あぁ!」
ゴーダの言葉通り、これでもかと攻撃を叩き込む。
「これ使って!」
映司からメダジャリバーを投げられた。
「うおおおっ!」
更に斬りつける。
映司自身も応戦して、トラクローを出して斬りつける。
切られた先から次々に、王の体からセルメダルがこぼれ落ちる。
それを利用して必殺技を繰り出す。
『トリプルスキャニングチャージ!』
「黙っテ見ていルだけト思ッたカ!」
王自身も剣を出して斬撃を弾く。
「ぐぅ…あっ」
苦しそうな声を上げる割に、傷がすぐ修復されていく。
「今度は俺が!」
目にも止まらぬ速さで、映司が飛び出す。
「はああああっ!」
王は四方八方から傷つけられ、為す術も無い様だ。
セルメダルに次ぎ、コアメダルも落ちてくる。
「こいつ…使えるな。おい、ゴーダ!」
「なんだアンク!」
「こいつら使え!一気に決めるぞ!」
「…!ほ〜ん、お返ししろって訳か…!」
『プ・ト・ティラ〜ノ!ヒッサ〜ツ!』
『ライオン!クワガタ!ゴリラ!シャチ!ゾウ!コンドル!ギガスキャン!』
「うおりゃあああああああっっっ!!」
腹にメダガブリューとスピナーをぶち込む。
「ヤ、め…ろ…おおおおおああああっっっ!!!!」
今までとは違う、王の雄叫び。
ゴーダがたまらず口に漏らす。
「うるっせ…ぇ!」
「ぼふぉおああっっ!!!…危ナかっタ…!」
まさか…
「お前ら、来い!」
「あいつはおそらく幾ら体に攻撃を加えても無駄だ…本当の弱点はあのドライバーだ」
「ドライバー…?」
「あぁ。あいつの体に付いているヤツはおそらくもうただのアイテムという枠を超えて体の一部になっている。せめてもの人の形を保つ為にな。」
王が近づいてくる。
「貴様ラ!まだ戦イの途中ダぞ!」
殴りかかってくるのをゴーダが受け止めながら話す。
「なるほどな…ああ見えて体をかろうじて保っている、ギリギリの状態ってわけか。」
「無数のメダルを受ける器…それがあいつの変わり果てたドライバーの正体!」
映司が気付いた。
「そういうことだ。あいつ自身の身体じゃ耐えきれなかったものを肩代わりさせているに過ぎない。」
「だから…狙うならドライバーだ。」
「何ヲ話しテいる!お前らはモウ終ワりだ!」
「馬鹿の一つ覚えみたいにペチャクチャとうるせえな…さっさとケリを付ける!」
「ここで決める!」
「俺達の未来は…明日は!誰にも奪わせない!!」
『『『スキャニングチャージ!!』』』
「う゛お゛お゛お゛お゛おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
地面が王の足とともに凍る。
「飛べ!」
俺達が飛び立ち、力を精一杯、足に溜める。
「「はぁぁぁぁっっっ…!!」」
「「セイヤーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!!!!」」
ドライバー目掛けてキックを放つ。
狙い通り命中し、どんどんヒビが入る。
「!?マズイ…!このまマではッ!」
王の振りかざした手を、2つの角が突き刺す。
「させるかよおおおっっっ!!!」
「き…キ…き…」
「貴様らあああああああっっっっっっっ!!!よくもおおおおあああああっっっっっっっ!!!!」
ドライバーが完全に破壊され、王の体が弾け飛ぶ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「欲望が溢れ、遂には壊れる…果てのない欲望の行く先は、これか」
「納得は少々行かないが…それもまた人生。」
「私は、あんなふうにはならない」
「
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
セルメダルもコアメダルも、そこら中に散らばって雨のように降りしきる。
「はぁ、はぁ、はぁ…全部、終わった…」
「やっと…やっとだ…!」
「俺の…俺達の勝ちだ…ぐぅっ!」
「ゴーダ!?」
映司が駆け寄る。
「はぁ、はぁ…やっぱりあの時、ヒビが入ってたか…」
おそらく王が変身したプトティラの攻撃を受けた時。
あいつ自身は気丈に振る舞っていたが、体はそうではなかったようだ。
「そんな…せっかく会えたのに!」
「そんな顔すんなよ…映司。せっかく勝ったのによ。」
「お前が…ゴーダが居ないと、勝てなかった」
「ハハ…知ってるよ」
「俺は力を証明できた。満足したよ…グリードにとって欲望を満たすことは本望だ。なぁアンク?」
「…どうだかな」
「それに俺は人造のグリードだ。お前たちが望むなら、鴻上がなんとかするだろ。」
「…また、お前と会える明日。待ってるよ」
映司が言う。
「おう。お前らと戦えて、楽しかったぜ」
そう言葉を残して、ゴーダは消えた。
割れたコアメダルが地面に落ちる。
それを握りしめ、映司が言う。
「本当に…ありがとう」
居ても立っても居られなくなり、映司の頭を引っ叩く。
「いたっ!?アンクなにすんだよ!」
「帰るぞ。俺達の居場所に」
「…!うん、帰ろう!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
エピローグ
「火野たちだ!」
「!アンク!!」
後藤や宝太郎達が一斉にこちらを向く。
「宝太郎。…お前の言うガッチャ、掴めたぞ」
「ってことは、もしかして…!!」
「王に勝ったのか!」
「やっ、たあああああ!!よかったアンク〜!」
宝太郎がこちらに近づき、抱きつこうとしてくる。
「おい、やめろ!そういうのはガラじゃねえ!」
「えぇ〜?アンク冷たい〜!後藤さんからもなんか言ってくださいよ〜!」
「ふふ、こういうやつだからな。許してやってくれ」
「そんな事言わずに〜!」
こいつ、後藤ともう仲良くなってんのか。
「良いことばかりじゃない。」
「うん…先輩の言う通り。」
「え?スパナと九堂…急にどうしたんだよ」
「アンクは過去を大きく変えた、そうだな?」
「あぁ。」
「このまま本来は未来に居るべき人が過去に居るのはだめなの。わたしたちと一緒に、アンクも帰らなきゃ。」
「そんな…!」
「分かってたさ、大体そうなるだろうことは。一つ聞きたいことがある。スパナ」
「何だ」
「変わった過去の影響で、俺の元いた未来も変わるよな?」
「それは…わからない。」
「俺たちの世界は過去を変えるともう一つの未来が生まれる。…だが、ここはそもそも世界線が違う。どうなるのか…検討もつかない」
「そんなのひどいよ…アンクはいっぱい頑張ったのに!」
「大丈夫。」
映司が一歩前に出る。
「あなたは…」
「俺達で掴んだ明日は、もう必ず離さない。また少し先の未来で会おう!」
映司が言う通り、俺も不思議と会える気がする。
「…宝太郎、頼む。」
「分かった。タイムロード、もう一回お願いできる?」
『タイム!』
「…あ。」
「どうしたのアンク?」
「いや…なんでもない」
こいつ、持ち主のもとに戻ってただけだったのか。
…完全に忘れてた。危ねえな。
「おい、その取り憑いている人間から抜けろ。」
スパナが釘を刺す。
手だけになり、信吾の体を後藤に預ける。
「そいつは頼んだぞ」
「分かっていたことだが…人使いが荒いな。」
「じゃあ…みんなさよなら!」
宝太郎が消えかかりながら映司たちに手を振る。
「うん!みんなありがとう!」
映司も手を振り返す。
「アンク!いつか…絶対!会おう!」
「あぁ、絶対だ!」
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「ここが、3年後の未来?なんでこんな辺境の地に…?」
スパナが呟く。
「アンク、何かここに心当たりがあるの?」
「あぁ。俺はここから、お前たちの世界に飛んだんだ。」
「どうやって…?」
「こっちだ。」
タイムロードが俺をまた財団Xに連れ戻したらしい。
また研究員たちが道を塞ぐ。
「またお前か…人数を増やしてきやがって!」
「チッ…面倒だ」
「ちょっと…?この人たち誰…?」
九堂が困惑する。
仕方がないので強行突破しようとすると…その時。
「あ〜、ちょっと待ち給え!彼らは私の親友だよ!此処に呼んだんだ!すまないね誤解させて!」
いつぞやの研究員が顔を見せる。
「…いつの間に…勝手な行動は控えろと言っているだろう」
「知らないね。…ほら君たち、こっちだ」
入ったことのある研究室に案内される。
「泉君のことだろう?ほら、ここに。…それにしても早かったね…3日しか経ってないよ」
「そんな馬鹿な…あっちの世界で一ヶ月は過ごしたぞ」
「…じゃあタイムスリップしたときに此処が到達点だったわけだ。こっちの計算ではもっと掛かると思ってたけど、時間を自由に移動できるならそうするよね。私としたことが盲点だった。」
「まあいい。こいつは返して貰う」
「どうぞ。持っていってくれ」
「お前、どんだけそいつの体好きなんだ…」
「じゃあ俺達も帰ろ…ってああああああ!!!!!」
「一ノ瀬どうしたの!?」
「俺達はどうやって帰るの!?グリオンも多分帰っちゃったからあの穴塞がってるよ!」
「確かに…!」
あからさまに三人が焦り始める。
「…それは大丈夫だ。」
「ど…どうして?」
宝太郎が困惑した様子でこちらを見る。
「おい、あいつらにあれ出してやってくれ」
「もちろんさ。君たち、こちらにおいで」
「これは…?おっきなドア…?」
「時空移動装置だ。ここをくぐり抜ければ君たちの世界に行けるはず。…今までこれをくぐった者の安否は分からなかった…が」
「あぁ、ちゃんと機能した」
「…ということで、安心してくぐってくれ。ドアノブがスイッチだよ」
宝太郎がノブを捻る。
「じゃあ…アンク、またね!」
「ハン。…またな、宝太郎、スパナ、九堂。」
「…もう勝手な行動は起こすなよ。」
「これからもなるべく元気で…!」
「ばいばーい!!」
そう言い残して、ドアの向こうに三人が消えていった。
「さて…その顔だと、未来を変えたみたいだね」
「…分かるもんか?」
「分かるさ。君、見るからに嬉しい顔してるじゃん。」
「…さ、はやく彼らに会いたいんだろう?そこの裏口から出ていきな。誰からも見つからないはずだ。必要なら地図も渡すが…」
「いや、必要ない。…お前にも世話になったな」
「よしてくれ。そういうの君のガラじゃないだろう?それに言ったはずさ、私はオーズのファン。」
「欲望を満たした君の顔、見れて嬉しいよ。」
俺はまずクスクシエに行くことにした。
どこに行けば映司達がいるかは分からなかったが、ここなら会える気がした。
ドアを開ける。
「いらっしゃ〜…」
知世子が陽気に飛び出て俺の顔を見た瞬間、目を見開く。
「あ、アンクちゃん…?…久しぶり!」
その言葉に反応して、座っていた奴らが全員こちらを向く。
映司、比奈、後藤、伊達、そしてゴーダ。
どうやら未来は変わったらしい。
「アンク…!」
映司が笑顔で近づいてくる。
「やっと言える…おかえり。」
その言葉に、笑みで返す。
その様子を男共は笑って見ていたが、一人だけは違った。
「アンク…?」
「比奈ちゃん、そういえばあの時アンクとは会ってなかったから…」
「私、おかしいの」
「え?…何が?」
映司を含め、クスクシエに居る全員が困惑する。
「少し前から私の中には2つ記憶があって…ひとつは今までの映司君が居るけどアンクがいない世界で…もうひとつはアンクは居るけど映司くんが…」
急に比奈が泣き始める。
驚いた。記憶の断片が残るパターンもあるんだな。
状況が飲み込めないようで、映司が慌てる。
「え!?っあ、あ〜…!ちょっと…どうしよっか…」
「もう知らない!二人のばかっっ!ふんにゅ〜〜っっ…」
比奈がすぐ側にあったテーブルを持ち上げ、力任せに粉砕する。
…力任せに粉砕する!?
「ひ、比奈ちゃん!?!ちょっとお店のもの壊すのはだめなんじゃない…?」
「いいわよ〜!溜まってる思い、ガツンとぶつけちゃいなさい!」
「良いんですか!?」
「ふんにゅ〜っ!」
一つテーブルを壊すだけに飽き足らず、顔をぐしゃぐしゃにしながら二つ目に手を伸ばす。
今度は持ち上げて、俺と映司の方へ向かってくる。
「ちょっと!比奈ちゃん落ち着いて!」
映司が必死に呼びかける。
…が、届いていないみたいだ。
いや、これは俺もマズイ!また死にかけてたまるかよ!!
「ぶわっはっは!いいね〜!いつもの日常が戻ってきた気がするぜ!なあ後藤ちゃん!」
「ちょっと伊達さん!笑ってる場合じゃないでしょ!止めなきゃ!」
「あいつ、王より強いんじゃないか…?やるな…!」
「ゴーダも真面目に見てないで止めろ!」
「比奈ちゃんお願い!止まって!」
「落ち着け比奈!全部説明してやるから!」
「ふんにゅ〜っ!!」
「「うわああああ〜っ!」」
終
此処まで見ていただき、ありがとうございました。
鉄火丼です。
ここからはあとがきと称しながら、本編には直接絡んでこないけど説明できなかった部分をいくつか書いていこうと思います。
○時系列
ガッチャード
42話
↓
本編
↓
ザ・フューチャー・デイブレイク
オーズ
復活のコアメダル(以下復コア)
↓
映司の葬式
↓3年後
アンクがタイムロードの影響で復コア直前の過去に戻る
↓
本編
○王の性格、グリードの記憶
最初に、小説版との王の性格の乖離について話したいと思います。
結論から言うと、王は封印から解かれたのではありません。
ミイラとなって存在していた細胞を、グリオンが再錬成して限りなく王に近いものを創造したのです。早い話、小説版の王と本編の王は全くの別物です。
グリオン本人は「王はずっと封印されていた本物」と言っていますが、正確には「グリードより800年前に近い」だけです。
因みに、グリオンが王を復活させた理由は「欲望の果てを見てみたい」からだったので、再錬成する際には王の「欲望のためなら手段は選ばない」部分を強調し、他の鴻上に似た陽気な部分は排斥されています。逆に手段を選ばない部分を強調されているので、力を得るためならばコアメダルを飲み込むことも厭わない様になっています。
グリードの記憶が最初は曖昧だった理由は、グリオンも言っていた「元のコアメダルが財団Xの作った模造品に過ぎなかった」からです。逆に記憶が復活した理由は、ガラが作ったメダルは800年前当時と変わらない性能のため、グリードの記憶回路に刺激を与えて復活した…という感じです。
○本編に登場するオーズドライバー
映司(元から所持しているオリジナル)
アンク(復コアで喪った映司の形見)
王(ガラの製造したスペア)
ゴーダ(オーズドライバーでは無いが、アンクの持つドライバーを元にして作られたニューセルドライバー)
○グリオンが拾ったセルメダルの正体
ひらパーでアンクが戦った時に、攻撃を受けて少し散らばってしまった物です。
○なぜアンクがガッチャード世界に飛べたのか
上記したセルメダルとアンク自身のメダルが共鳴したものです。
○オーズ ディグニティについて
王が大量のセル・コアメダルを飲み込んで変化した姿です。
王がこの姿になる際「変身」と言っていないように、これは仮面ライダーではありません。かと言ってグリードでもない。
力を追い求め続けた結果、中途半端な存在へ変わり果ててしまった…というのがオチです。
○どこまで復コアと同じ時空?
基本的にアンクサイドは全部未来は変わっていますが、王サイドはグリードを復活させるまでは復コアと同じだと思っています。(私が作った二次創作の中では)
グリオンが介入してるのはあまりにも無茶だとは思いますが、夏映画で別ライダーが先行登場するなら、悪サイドも別世界の悪が登場してもいいじゃないか…?という思いつきです。気に食わない方はすみません。
○章ごとのタイトルについて
ガッチャードのメンバーが絡んでくる章タイトル(最終章を除く)は、ガッチャードのサブタイトルと同じようにケミーの名前をもじって入れています。
第二章 次元の歪みとガッチャと
第五章 新型バースと
○スーパータトバ
メガマックスではミハルが40年後の未来から映司に渡していますが、ここで出てきたスーパーメダルはメガマックスのものとは違い一時的に変身できるタイプです。
今では短時間しか使えないメダルですが、ミハルが生きている未来で改良され長時間運用にできているということです。
他にもなにか説明が足りないところがあれば気軽にコメントしていただけると嬉しいです。
それでは、ここまで見てくださり本当にありがとうございました!