ユニ様に仕えます   作:Mr.♟️

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2年くらい前に更新した時に、10年後がメインとか書いてあったけど、何を書こうと思っていたのか全くわからない今日この頃。


決戦前夜

 

基地内に警報が響き渡る。うるせぇ。ってか、こんな短時間で基地の場所を突き止めたのかよ。ボンゴレの技術力も頭がおかしいが、ミルフィオーレも大概だな。

 

「──姫様、下がってください」

 

警報だけじゃない。どこぞで誰かが暴れ回っている音が近くなってきてる。こりゃあ、力技で基地をぶち壊してるバカがいるな。どんだけ姫様に執着してんだよ。協力してほしいなら、態度を考えろよ。まあ、今からは手遅れだけど。

 

「ゼブル....」

 

そんな不安気に僕の袖を掴まないでもらっていいですか。動きにくいのと、γからの視線がウザいんで。

 

 

 

壁がぶち破られた。おいおい、なんだよその姿。なんで右腕使えてるんだよ。ありえねぇだろ、僕の必殺の一撃だぞ。

 

「バーロー、見つけたぜ。ユニ様と──その守護者」

 

「リベンジマッチには早いんじゃねぇの。まあ、付き合ってやるよ」

 

少しくらい休ませろ。こっちはいきなり10年後に来てから動きっぱなしなんだ。ついさっきまで休めてたお前らとは違ぇんだよ。

 

「足手まといはさっさと逃げろ。γ、今度は姫様のこと守り抜けよ」

 

何分持つだろうか。倒せるか?いや、無理だ。さっきまでとは全然違う。時間稼ぎのための捨て石。まさか、この僕がそんな嫌な役目を自分から担うことになるなんてな。

 

うっせぇよ、ボンゴレ。ヴァリアー連中。γを見習え。こんな所で全滅させられたら、姫様を助けた意味がなくなんだろ。

 

「離してください、γ...!」

 

暴れないでくださいよ、姫様。γが可哀想じゃないですか。そいつだって、やりたくてやってるわけじゃないんですから。

 

「あ、そうだ。姫様、今は僕もジッリョネロ名乗っても良いですよね?」

 

確認しとかないと。流石にフリーのヒットマンが組織のために命かけるなんてできないし。それに──死ぬ時くらい、ジッリョネロファミリーの一員として死なせてくださいよ。

 

 

 

 

 

「ダメです...!」

 

「.....ん?」

 

え、いやいや、時間ないんですけど。普通、この場面で断ります?律儀に向こうさんが待ってくれてるんのに、姫様酷いじゃないですか。

 

「生きて戻ってきたら、その時は──あなたをジッリョネロに受け入れます!」

 

....相変わらず無理難題を言いますね。姫様、僕のこと無茶振りすればなんでもできる人間だと思ってません?あー、はいはい。そういうことですね。

 

「γ、いつまでここにいるんですか。早く姫様連れて逃げてくださいよ。これだから年寄りは動きが遅くていけない」

 

「ぶっ飛ばすぞ、クソガキ。戻ってきたら泣かせてやる──だから、絶対に戻ってこい」

 

まったく、姫様もγも人に死亡フラグかけるだけかけてきて。僕じゃなかったら乗り越えれませんよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく待ってくれたな。人は洗脳するけど、最低限の良心はあるってか?」

 

「バーロー、そんなもんねぇよ。ただの気まぐれだ」

 

そうか。なんでもいい。もし出会い方が違ったら、なんてくだらないことは言わない。姫様を洗脳していいように利用していたのは変わらない事実だから。

 

「──死ぬ覚悟は出来てるだろ?」

 

時間は充分あったんだ。神には祈ったか?

 

あいにく、こっちはここで死ぬと名無しのヒットマンが悲しくも1人で死ぬだけになるんでね。死んでも姫様の元に戻らせてもらう。

 

「バーロー!さっきの借りを返してやる!」

 


 

ああ、クソ、最悪だ。ダメだこれ。

 

「バーロー、テメェの攻撃パターンは全部知ってんだよ」

 

「気色悪いな、クソが」

 

こっちの銃撃は当たらないのに、向こうの攻撃はいいように当てられる。如何に速く引き金を引こうと回避され、接近戦に持ち込んで拳法で迎え撃っても、完璧なタイミングでカウンターを喰らう。

 

勝ち目がねぇ。

 

馬鹿みたいに速いから捉えきれねぇし、一手先を読まれている感覚が気持ち悪い。

 

姫様、すいません。生きて戻る約束、守れそうにないです。

 

 

 

でも、せめてこいつだけは──道連れにしますから。

 

 

 

「あ?おい、何離れてんだよ。こっち来いよ」

 

さっきまでみたいに、接近して攻撃してこいよ。何離れたところから、中距離でチマチマと死ぬ気の炎を撃ってきてんだ。

 

「その手には乗らねぇよ。お前の自爆技に巻き込まれたくねぇし」

 

「──それも知ってんのか」

 

全力で炎を放出し、意図的にコントロールを放棄する僕の奥の手。自分を含めた周囲を根こそぎ巻き込む、死ぬ気の炎の暴走。アリアさんから『銃なしで炎を使うな』ときつく言われていた理由。

 

「有効範囲は最大で半径10m。この世界線のお前がいちばん強いって言葉を信じて、その二倍の半径20m。俺はそれよりも内側には絶対に行かねぇぞ。バーロー」

 

なんだ、こいつ。頭使ってくんなよ。お前みたいなどっからどう見ても脳筋な感情型人間は、もっと熱くなって突っ込んでこいよ。クレイバーに戦うな、クソが。

 

 

 

 

 

「やってやるよ」

 

──並行世界の僕なんて関係ねぇ。勝手に納得して、勝手に理解した気になるな。

 

他の世界の僕がどうだったかなんて知るか。今、ここで死ぬ気で炎を灯してんのは僕だ。僕自身さえ知らない領域を、外野のテメェが知ってるはずがねぇだろ。

 

やってやるよ。今ここで、お前らが見てきたデータとやらが無意味だって教えてやる。

 

『静謐の炎・暴走』

 

僕の青い死ぬ気の炎が爆発的な速度で膨張していく。

 

ザクロが豪語していた半径10m、20mなんて境界線は、一瞬で飲み込み、通り過ぎていった。

 

ザクロは僕が炎を放つ直前に距離を取っていたおかげで、かろうじて外側に踏みとどまっている。

 

 

 

 

 

 

 

ああ、全然苦しくない。どうしてだ?

 

意識は驚くほどクリアだ。余裕すらある。以前は炎に拒絶されるような感覚があったのに、今は──この空間が、たまらなく心地いい。

 

 

 

「──っ!おいおい!ふざけんじゃねぇぞ!バーロー!」

 

ザクロの悲鳴のような罵倒が遠くで聞こえる。

 

(情報はどうなってんだ!半径10mなんてレベルじゃねぇ!このままだと、一瞬で飲み込まれる!)

 

 

 

 

「と、止まった......のか?バーロー」

 

ザクロが冷や汗を流しながら、眼前に迫る青い炎の壁を凝視している。

 

(ふざけんなよ、おい。こりゃあ──半径100mは飲み込んでるだろこれ)

 

「チッ、こんな化け物とタイマン張ってられるか。バーロー、タイマンにこだわる理由はねぇんだよ!」

 

捨て台詞を残し、ザクロが全速力で撤退していく。

 

 

 

 

 

「....炎が完全に制御できてる?なんで?」

 

結局、ザクロを倒すまでには至らなかった。でも、時間稼ぎとしては十分すぎる成果だ。

 

これなら、僕も姫様のところへ戻れる。

 

ひとまずは、これで良しとしよう。

 

 

 

 

──あれ、おかしい。

 

身体が重たい。

 

嘘だろ。嘘だって言ってくれ。自滅の末誰も倒せないなんて、そんなの笑えねぇ。

 


 

夜になっても戻ってこない。こりゃあ、間違いなく死んだな。

 

(──お前でも、真六弔花を倒すことはできねぇのか)

 

なにやってんだ。お前が居ないと、お前が生きてないと姫が笑えねぇだろ。

 

10年前のお前も、今の時代のお前と同じだ。いつまでも成長しねぇ大人ぶったガキだ。

 

お前が『アリアさんとの約束が〜』とかほざいてファミリーを抜けた10年間。マーレリングを返したあの日から、姫は心の底から笑っていなかった。お前が過去にアホほど送ってきた、あの眩しいほどの笑顔とは全くの別物だ。

 

手紙もよこさねぇ、電話にもでねぇ。そのくせ──姫が白蘭に洗脳された時は単独でミルフィオーレに乗り込む馬鹿なガキがお前だ。

 

未来のお前が守りたかった姫が、ここにいるんだ。今だって、お前のことを心配して──いや、お前の死と向き合うことができなくて上の空。

 

(....俺が残るべきだった)

 

お前だけは死んだらダメだった。お前がいれば、お前さえ生きていれば....姫様は今もきっと、笑顔を浮かべることができたはずだ。

 

今も昔も、いつだってお前だ。ファミリーにお前が必要なのは、誰がどう考えたって明らかだったろうが。

 

ああ、クソ。考えがまとまらねぇ。こんなんじゃあ、明日の決戦に響いちまう。

 

 

安心しろ、ゼブル。姫は──俺たちが必ず守る。姫の心の整理がいつになるかはわかんねぇが、お前の墓を作ってお参りしてやるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこにいるかわかんねぇよ。この場所を見つけた僕、すごすぎないか?──姫様、ゼブル・ファビオただいま戻りました。一時的ではありますが、これでファミリーに出戻りしていいですよね?」

 

「──こりゃあ、たまげた。生きてやがったのか」

 

ところどころ傷を負っているが、致命傷は一切ない。まさか、勝ったのか?

 

ハッ!そりゃあそうだ。あたりめぇだろ。真六弔花程度ぶちのめしてくれなきゃ困る。そうだ、それがお前だ。俺たちにできないことを、涼しい顔でやるのがお前だ。生意気でムカつくのがお前だ。

 

「ゼブル!」

 

姫様がゼブルに飛びつく。え、いつ移動した。ついさっきまで、入江と揉めてた野猿を注意しにいってたよな?瞬間移動でもしたか?

 

「あらら、赤ちゃん返りしちゃったんですか?人の顔見るやいなや飛びついてきて。ほーら、ばぶばぶ言えまちゅか〜?」

 

「あとγ、人の事勝手に殺すなよ。泣かせるぞ」

「ハッ、言ってくれるじゃねぇが。やってみろ、クソガキ.....後でな」

 

姫様の邪魔はしねぇよ。後でお前は泣かせてやる。

 

「.......ゼブル。私はこのままあなたを痴漢として警察に突き出すことができるんですよ?」

 

「当たり屋すぎません?いや、ヒットマンが警察を怖がるわけないでしょ。頭まで赤ちゃんになっちゃったんですか?」

 

イキイキしてんなぁ。10年前までは2人でこの仲良し茶番を毎日やってたのか。そう考えれば、姫があれだけ落ち込んでいたのも腑に落ちる。

 

「.........私があなたと一緒に暮らしていた期間に起きた出来事を、私は脚色して広めることができるんですよ?ねぇ、ゼブル」

 

「僕は脚色しない事実だけで姫様のイメージを壊すことができますよ。姫様は脚色しないと僕にダメージを与えれない時点で...ねぇ?」

 

「殴りますよ?」

 

「わぁ、姫様が暴力的になった。γ、これもあんたの悪影響でしょ。まったく、これだからDV男モラハラはダメなんだ」

 

「お前は昔から俺のイメージを下げることに使命でも感じてんのか?ぶっ飛ばすぞ」

 

なんで唐突に俺に流れ弾飛ばしてんだ。姫様の相手してやれよ。10年間も待ち続けてたんだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼブル........よく戻ってきてくれました。ですが、ファミリーに一時的に戻ることは許可しません」

 

「──ジッリョネロファミリーは去るものを追います。あなたに限っては。1度入ったら脱退することは許可しません」

 

ハッ、さすが姫。ゼブルのやつが鳩が豆鉄砲くらったみたいな面してやがる。いい加減観念しろよ。

 

アリアが自分が死ぬまでお前を姫の護衛にするってのは、万が一お前が嫌になった時逃げれるようにしただけなんだから。それ以上の理由はねぇよ。

 

「受けてくれますね、ゼブル・ファビオ」

 

「.....謹んでお受けいたします、姫様」

 

「ジッリョネロファミリー──()()()()()()の名に恥じぬよう心がけてください」

 

「姫様の守護者であることを常々意識し、恥じぬ守護者であることを誓います」

 

姫様の、じゃなくてジッリョネロファミリーのな。指摘するだけ野暮か。なにはともあれ──これで本当に帰ってきたんだ。クソ生意気なガキ、ゼブル・ファビオが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....なんか、向こう側盛り上がってる?」

 

「邪魔すんなよ、ツナ。あいつらなりの、ファミリーの感動の合流だ」

 


 

笑顔なユニ様

 

 

【挿絵表示】

 

 

ムスッとユニ様

 

 

【挿絵表示】

 

 




・並行世界のゼブルはリングを返しているため死ぬ気の炎がこの世界線のぜブルより弱かった。

・リングがあることで高出力かつ、炎のコントロールが可能に。アリアに見られた時はリング所持前。

・戦闘シーンは別にそこまで書きたくないから、早く10年前に戻ってくれ。

・大空・大地があるなら海もあっていいじゃないか。
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