幻の夢を追いかける華 作:日振
特に目的もなく、気分転換という名目で学園内をフラフラとアセビボタンが歩いていれば、道の奥、校舎裏から特徴的な叫び声が響き渡り、ボタンの耳がひょこりと動く。
一瞬驚いたものの、意識は直ぐに切り替わり何か事故でもあったのかと思ってボタンが駆け足気味に声の方へ向かってみれば、長くて綺麗な鹿毛の髪を特徴的なツインテールに結んだ娘がしゃがみ込んでいる。
その周りには誰もおらず、また、パッと見た様子から事故よりも怪我の可能性の方が高いのかもしれないとボタンは考え、相手をなるべく怖がらせない様に声を掛ける。
「あの……」
「……な、なによ!?」
ボタンの声が聞こえ、肩を揺らしながら振り向いたその娘は両目に涙を溜め、絵本で描かれる様な途中から生地が折れ、下に垂れる形になっている魔法使いの帽子を大事そうに抱えていた。
そして、声だけでは気付けなかったが、帽子を抱えるその娘はボタンもテレビのレース中継で見た事があるウマ娘だった。
「すみません、驚かせてしまって。叫び声が聞こえましたので、何かあったのかと」
「そ、それは悪かったわね……でも大丈夫なんだから」
帽子を被り直して立ち上がるその娘は、言葉だと何も起こっていないとでも言いたげな様子を装っているが、ボタンの目には帽子のある部分において不自然な箇所が映ってしまう。
「お節介で申し訳ないのですが、もしかして帽子の飾りが取れてしまったのではありませんか?」
「え……どうして、分かったの?」
「耳の横の部分、僅かではありますが不自然に解れている様に見えたのと、私がレース中継で拝見したスイープトウショウさんの帽子には可愛らしいリボンが付いていましたから」
私がそこまで言えば、彼女、スイープトウショウは迷いながら目を左右に揺らした後、静かに両手をボタンの方へ出す。
小さな可愛らしい紅葉の上に乗っている取れてしまったであろう赤いリボン。
「差し出がましくて恐縮ですが、其方の帽子を、私に直させて頂けませんか?」
「いいの?」
「えぇ。裁縫の技術なら、この学園で1番になれる自信があります」
「でも、ちゃんと直さないと許さないわよ……?」
「どんとお任せ下さい!」
ショックからほんの少し震える小さな手をボタンは支えながら目線を合わせる。
再び溢れそうになるその瞳を見れば、この帽子をどれだけの間大切にしていたのかが充分に伝わってきて、ボタンの心にも普段以上の気持ちが湧き上がる。
「この帽子、直して……お願い、します」
「はい! では、少し待っていて下さいね! 教室から急いで裁縫道具を持って来ますので!」
「い、良いわ! お願いするのはアタシだもの。アタシが貴方の教室へ行くわ。貴方……えぇと……」
「失礼、申し遅れました。私、アセビボタンです。宜しくお願いします、スイープトウショウさん。是非、ボタンと呼んで下さい」
「……ボタンさん。アタシも、スイープで良いわ」
自己紹介をしながら教室までの道すがら、スイープは最初に出会った頃と比べて暗い表情はなくなっているが、矢張り何処か不安そうな目をしながらボタンの半歩後ろを歩く。
ボタンが聞いた事のある話では、スイープトウショウというウマ娘は「わがまま」なんて形容されているが、大切な帽子が壊れてしまったからか、わがままなんて雰囲気はボタンに感じられなかった。
教室に辿り着いて直ぐ、ロッカーに入れっぱになしにしている裁縫道具をボタンは取り出すと机上に広げ、使い慣れた針に糸を通して針刺しに刺し、スイープから帽子と取れてしまったリボンを受け取り位置を確認すると、なるべく補修した跡が見えないように気を付けながら大切に縫い付けていく。
しっかりとリボンを縫い付けて、パチンと糸を切り、針刺しに針を戻してスイープの頭にボタンがそっと帽子を乗せる。
神社に狛犬がいる様に、テーマパークにメリーゴーラウンドがある様に、スイープトウショウが帽子を被った瞬間に「これだな」という納得と、帽子を被っていた方がより可愛らしいという感情に包まれる。
「はい、できましたよ」
「……有難う」
帽子の両端を持って顔を隠す様に深く被るスイープのその様子が、ボタンが実家にいる頃に面倒を見ていた妹や弟、親戚の子供達を思い出させて、ボタンは帽子の上からスイープの頭を撫でてしまった。
1:名無しが適当語り ID:aJeFVf6lc
唐突にアセビボタンのサポカをお出しされ、うひょ〜〜!とテンション上がって金に物言わせて爆速で完凸して満足。と思ったら、ストーリーの方でも高火力のボタン(推し)×スイーピー(推し)の組み合わせを見せられた皆様こんばんは。今墓です。
2:名無しが適当語り ID:uKAcFk78O
あのストーリーはオタクを絶対に殺してやるという鋼の意志を感じた
3:名無しが適当語り ID:sBy0KaAFl
鋼の意思は桐生院だけが持てるものではなかったのか!?
4:名無しが適当語り ID:OwVNYvu4f
皆の心に一つは持っているもの、それが鋼の意志
5:名無しが適当語り ID:KSSJGcIoM
久し振りにボタンのサポカ出すで←有能
それに伴ってボタンの新しい一面を見せたい←有能
史実でアセビの祖だしいつも以上にお姉さん要素でも出してみるか←有能
せや、スイーピーと絡ませたろ!←!?!?!?
6:名無しが適当語り ID:w0Niwqebl
血統とか勝ち鞍とか時代とか何も関わりのないスイーピーがなんでと思ったけど、スイーピーの性格って末っ子とかで普通にいそうなのが凄い納得感ある
7:名無しが適当語り ID:gi57MnrD1
我儘だけど、皆から可愛がられてるのが完全に末っ子
8:名無しが適当語り ID:kxsoXHSdu
末っ子スイーピーが困ってたらボタンのお姉さんムーブがトップギアで入りますわ
9:名無しが適当語り ID:88IxrqLPB
唐突なお姉さんムーブだったのに、クリークと違って爽やかさを感じた
10:名無しが適当語り ID:BSiDDzvwG
>>9
クリークとボタンはほら、ママとお姉ちゃんという部分で全く違うから……
11:名無しが適当語り ID:fEu7IO6KQ
>>9
クリークは自分から積極的に出す。ボタンはふとした瞬間に無意識に出る。
この違いはデカい
12:名無しが適当語り ID:IEWUjaoiQ
サポカストーリーを見てきたけど、アセビボタンがナチュラルにソーイングセットを持っている事実が凄い解釈一致だった
13:名無しが適当語り ID:ftFMEie/K
>>12
分かる
14:名無しが適当語り ID:kXfe2vJln
話題に出ないんで自分で言っちゃうんですけど、スイーピーとボタンの身長差良くないですか?
15:名無しが適当語り ID:hKg+FU8li
公式設定を見比べると170cmと139cmで大体頭1個分ある身長差ええよな
16:名無しが適当語り ID:iKB3P63E1
マジでスイープが妹になってしまう
17:名無しが適当語り ID:U/i1FVrhv
「スイープ、君もアセビ冠にならないか?」
18:名無しが適当語り ID:MAyyDqJXH
アセビスイープはちょっと語呂が悪いので……
19:名無しが適当語り ID:pH0iLCK1e
スイープがアセビ冠になる事は無いが、帽子の件の後はボタンへ滅茶苦茶懐くのがほんまに可愛い
20:名無しが適当語り ID:AugAil6Ep
スイーピーに仲良しの知り合いが出来てトレーナーは草葉の陰でにっこりしてるよ
21:名無しが適当語り ID:vYbOkKUQF
>>20
勝手に殺すな
22:名無しが適当語り ID:U4aNfNh9e
今後この縁をキッカケに新衣装とかでお揃いが来たり、イベストとかで絡んだりする未来ありますか?
23:名無しが適当語り ID:JmKaIgFwg
>>22
あるかどうかは分からないけど、分からないを理由に諦めるものでもないよ
24:名無しが適当語り ID:MZ3Hxt2rA
えぇ!?俺もルンルンで待っていて良いんですか!?
25:名無しが適当語り ID:MFNjXdl0T
>>24
良いぞ。いっぱい希望しろ
26:名無しが適当語り ID:8yQUpjnUt
>>24
もしこなくても自分で生み出せばええんやで
27:名無しが適当語り ID:1HKi3p+HT
絵はどう頑張っても無理だったからなぁ。来なかったら書くかぁ。
28:名無しが適当語り ID:Ld0nrTWX0
>>27
口座教えろ
29:名無しが適当語り ID:ruKVgPTlz
早えって!!!!!!!!
30:名無しが適当語り ID:61IHsH0xL
時期尚早過ぎる