15年振りの陳情に挑め!

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陳情! 真・仮面ライダー第1章! Part2!

 キッチンいちのせ。

 4人席のスペースでりんね、スパナ、カグヤの3人は大富豪に興じていた。

 

 

「はい、6ね」

 

「ならば飛んで10だ」

 

「フッ……ゴージャスにJバックだ」

 

「Jバック? なんだそれは」

 

「私も知らない。何処かのローカルルール?」

 

「何? 最初に擦り合わせるべきだったか。

 カグヤ様の住んでいる地域では普通だったが……」

 

「そもそもお前、どこ出身なんだ」

 

「カグヤ様は静お……」

 

 

 そこに慌てた様子で飛び込んできたのは、我らが主人公一ノ瀬宝太郎! 

 何やらフィギュアのようなものを抱えた宝太郎は肩で息を切らしながら、前のめりにカグヤに迫る。

 

 

「カグヤ! 聞きたいことがあるんだけど!」

 

 

 対し、いきなり立ち上がりゴージャスに語り始める鳳桜・カグヤ・クォーツ! 

 そう、あまねく世界を見てきたカグヤ様に分からないことなど! 

 

 

「尾びれが丸いのがマナティ、魚のように三角なのがジュゴンだ」

 

「昔、ジュゴーン・マナッティっていなかった? あれは?」

 

「…………?」

 

 

 たまにはあるようだ。

 

 さて、ともかく宝太郎は落ち着かない様子だった。

 手に持ったフィギュア、ソフトビニール製のいわゆる『ソフビ』を見せながら聴きたかったことを改めて話し始めた。

 

 

「じゃなくて! カグヤに聞きたいのは、ほらこの仮面ライダーのこと!」

 

 

 ソフビは確かに仮面ライダーのようだった。

 だがガッチャードやレジェンドとは異なる何処か生物的な見た目をしている。

 それを見たカグヤはふむ、と顎に手を当てる。

 

 

「『仮面ライダーシン』か。我ら令和ライダーから見れば大先達に当たるゴージャスな昭和ライダーの1人だ」

 

 

 と、ここで驚くべきことにソフビは宝太郎の手を勝手に離れ、机の上に降り立ったではないか。

 さらに肩のロールしか無い稼働を駆使して、何かを訴えかけるように動いている。

 

 

「え!? 何!?」

 

「新種のケミーか……!?」

 

「慌てるな。仮面ライダーシンのスーツは今、動かせる状態にないのだ」

 

 

 一方、カグヤの世界。

 こちらの解説席にいるバトラーとミナト先生がカグヤの言葉を補足する。

 

 

「仮面ライダーシン。『真・仮面ライダー序章』の主人公になりますが、かつての映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』時点で人の装用に耐えられるような状態ではなくなってしまったのでございます」

 

「経年劣化にはどうしても勝てませんからね。……ところで私は何故こちらの世界に?」

 

「今回はそういう感じなのでございます」

 

「なるほど……」

 

 

 遠くから聞こえてきたバトラー達の解説を聞き納得した面々は、改めてソフビの仮面ライダーシンと向き合う。

 

 

「で、動かせないからソフビにしたって事?」

 

「笑えないジョークだ。ソフビのヒーローが動いている絵面など、約10年前の他社だぞ」

 

「仮面ライダーギンガの声優を思い返してみろ。

 既にネット版スピンオフや関係各所でお互いネタにしあっている。気にするな」

 

 

 暗に色んな意味で心配だと口にするスパナだが、カグヤは意に介さない。

 シンは必死に何かを訴えかけるように動き続けている。

 その言葉を理解しているのか、宝太郎は何度も頷いた。

 

 

「15年前にもお願いしたんだけど、第1章制作の音沙汰がない。

 シン・仮面ライダーなんて名前を聞いた時は遂に来たかとも思ったのに、だって」

 

「スーツも動かないなんてあんまりよね……。なんとかならないの?」

 

「となれば……ディケイドに倣い、やるしかないようだな」

 

「やるって……何を?」

 

 

 そうしてカグヤは何処からともなく金色の花弁のバラを取り出し、優雅に、ゴージャスに口に咥えて。

 

 

「陳情……だな」

 

 

 ちなみに大富豪はりんねが勝った。

 

 

 

 

 都内某所。具体的にいうと銀座のあたりの某本社。

 レジェンドに変身したカグヤと仮面ライダーシンのソフビを持った宝太郎は気合十分に仮面ライダーの責任者を訪ねようとしていた。

 

 

「ここだね……! 行こうカグヤ!」

 

「ああ。なお、この場所は2025年夏頃を目処に移転が予定されている。

 今後陳情する場合は気をつけろ。カグヤ様とのゴージャスな約束だ」

 

「何の話?」

 

 

 エレベーターを待つこと数分。

 目的の階に辿り着いた2人とソフビ1体は社長室を前にした。

 さしものカグヤ様といえど、相手は重役。気は抜けない相手だ。

 

 

「では行くぞ。覚悟を決めろ」

 

「ガッチャ……! シンさんも、頑張ろうね!」

 

 

 カタカタと動くシンも気合十分。

 意を決したレジェンドが社長室の扉を開けると────! 

 

 

 

 

 真・仮面ライダー終章まで作製決定!! 

 

 紙面の表紙を飾る仮面ライダーシン!! 

 

 全国各地で仮面ライダーシンショーが開催!! 

 

 ガヴの客演に仮面ライダーシンが登場!! 

 

 

 布団を跳ね除け目覚めたシンは、それが15年ぶりの夢オチであることに気づき、酷く落ち込むのであった。

 

 

 

「ねぇカグヤ、やっぱり何とかできないのかな?」

 

「二次創作ではどうともできん。だが、ファンのゴージャスな想いが届けばあるいは……それを願うしかないな」




令和のゴージャス運動会の報を見て書かないといけない気がしました。

凄いどうでもいい話なのですが、私は静岡出身で高校時代に大富豪が流行っていた時期がありました。
カグヤ様の大富豪描写はそんな筆者の実体験と、ネット版ディケイドで何故か陳情の時に毎回大富豪をしていたのと、カグヤ様を演じられた永田聖一朗様が静岡出身であることを踏まえたネタです。
他にも7渡しや8切りや10捨てもありましたが、皆さんはどんなローカルルールでしたか?

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