極夜に囚われたセリカ   作:時空未知

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長引いた☆(n回目)


side present 狩人、又はカイザーPMC(1)

 

 

砂煙のたつ広大な砂漠、アビドス砂漠。

 

 

かつて、そこは砂漠だというのに活気にあふれ、

特にその中に位置する広大なオアシスでは、

学園内外からたくさんの人が訪れるアビドス砂祭りが開催されていたのだという。

……砂漠化が進行し、オアシスが干上がった今ではその活気は見る影もなく、

ただそこにかつて人がいたことを示す廃墟が、ポツリポツリと立ち並ぶのみ。

 

 

……けれど、その砂漠の一画を、確かに進み続ける一団があった。

 

 

 

「"ノノミ、十時の方向、ドローン部隊に掃射!!

シロコはホシノのカバーを!!セリカ、後方のオートマタをお願いっ!!"」

 

 

 

先生の鋭い指示が飛ぶ。

その指示に従い、

少女たちが敵の壊れかけのオートマタとドローンの部隊を殲滅してゆく。

ふよふよと照準をつけようとしたドローンは

ノノミのミニガンの掃射によって鉄くずに変えられ、

ホシノとシロコの連携により

前衛のシールドとショットガンを装備したオートマタも陣形を崩されてゆく。

その隙をつくように相手の後衛に滑り込んだセリカが、

敵のロケットランチャーの照準が付けられるより早くそれらを殲滅する。

 

数こそあちらの方は多いが所詮は壊れかけのオートマタ部隊。

すぐに壊滅するかに思われたが……

 

[先生、12時の方向に新たなはぐれオートマタ部隊です!]

「"了解!ありがと、アヤネ!"」

 

アヤネから敵の増援の存在が伝わってくる。

そちらの方を見れば、

確かに小高い砂山の奥から同じぐらいの規模の増援がやってきている。

 

「……はぁ」

 

それを見取ったセリカはため息をつくと、

頭部の重要な電装系を貫かれスパークしているオートマタからレイテルパラッシュを引き抜き、そのまま敵に向けて駆けだす。

 

「……!!」

「あー、やっぱりセリカちゃんは早いね……ってシロコちゃん!?」

 

セリカが走り出すのを見てホシノが吞気にそんなことを言っていたが、

シロコの方は違った。

セリカの姿を見る否や、その背中を追いかけて自身も敵部隊へと向かう。

当然、その姿を見取ったオートマタ達は、シロコとセリカ両方へ銃口を向ける。

 

「っ、邪魔……!」

 

シロコはまず、正面に手榴弾を投擲してオートマタの一機を戦闘不能すると、

続けざまにドローンに向けて射撃。その内数台を叩き落とす。

だが、その背後にライフルを構えたオートマタが迫る。

 

「!!」

 

深く相手の部隊に突っ込みすぎたのだ。

シロコが慌てて振り向くももう遅い。そして……

 

 

ガキャンッ!!!

 

 

スパークが迸る。

飛来した数発の赤い血液の弾丸が、

そのライフルを、腕の関節部を、駆動系の集中している腰部分を打ち砕いたのだ。

 

「シロコ先輩突っ込みすぎ。

私は慣れてるからいいけど先輩はそうでもないでしょ?」

 

その弾丸を放ったのは無論、セリカだ。

呆れたようにそう言いながら近づいてくる彼女の背後には、

死屍累々と転がるオートマタとドローン。

……シロコより先に敵部隊にたどり着いていたとはいえ、

もうほとんど殲滅してしまったようだった。

そんな彼女の言葉に、少しシロコは不満そうな表情になる。

 

「でも……」

「……」

 

言いよどむシロコ。

その様子に、彼女が何を思っているかセリカは察しがついたようだ。

 

「……取り敢えず、今は目の前の敵に集中しよう?」

「……ん」

 

セリカの言葉に、シロコはこくりと頷くともう僅かに残るばかりの敵へと視線を向けた。

 

 

 

その後、遅れて先生らが合流してきたこともあり、敵はあっけなく壊滅した。

また敵の増援が来ることもなく、一先ず状況は落ち着く。

 

「"ふう……みんなお疲れ。アヤネもありがとね"」

[いえいえ、私は通信でみんなをサポートすることしか出来ませんし……]

「まあまあ、2人ともお疲れさんだよ~」

 

先生がそう声をかける。

ホシノは、それに返答しつつも、

先程敵にかなり危なっかしい方法で攻撃しようとしたシロコの方を向いた。

 

「それにしてもどしたのシロコちゃん。

あの時、無理矢理相手に突撃するなんて……シロコちゃんらしくないよ~?」

「そうですよ!セリカちゃんはその、

私達よりもずっと強いのであんなことができますけど……」

「……ごめん。でもやっぱり心配だったから」

 

2人の言葉に、シロコは少しうつむいたままそう言う。

そんな彼女に、緊急補充を終え、

自分の血で満々と満たされたシリンジを懐にしまいつつセリカが声をかける。

 

「シロコ先輩」

「あ、セリカ……」

 

シロコの心配そうな視線が、自分の眼前に揺れる。

そのせいで一瞬、言葉に窮したものの、やがてセリカはぽつりと言った。

 

「……そこまで気にしなくて大丈夫。

心配するようなことはそうそう起こらないから」

「……ん」

 

セリカの言葉に、シロコは辛うじてそう答える。

……シロコ(・・・)の懐で、輸血液の小瓶が揺れる。

そんな彼女たちのやり取りを、

先生と、通信越しではあるがアヤネは、心配そうに窺っていた。

 

________________________________________

 

 

 

「……その大切な人を殺したのはね……」

 

 

 

 

 

「他でもない、私なの」

 

 

セリカは、掠れた小さな声で、だが、確かにそう言った。

先生とシロコはただ、立ち尽くしていた。

……何を言われたかわからなかった。

セリカが、人を殺めた経験があることは知っている。

同じように、殺された経験があることも聞いた。

けれど、これは……

 

 

「狩人はね、血に酔うの。

精神的に人の形を保てなくなった時に、血への渇望が欠けた心の隙間から滑り込んで、本質的にそれを人ではないものに、獣……獣に近いものに変えて、ゆく」

 

 

セリカは言葉を続ける。

けれど、様子がおかしい。

上手く呼吸できていないのか吐息が荒い。瞳が、震える。

 

「私は、あの時……獣になりかけた大切な人を、

リリーちゃんを殺したことに耐えられなくて、血に呑まれて、

他のみんなも……オドン教会のみんなをこ、殺して、それで、それで……!」

「!!」

「"セリカっ!?"」

 

何かが溢れ出したかのように、

最早強迫観念に近いそれに押されるように、

言葉にならない声がセリカの口から発せられる。

今にも崩れ落ちそうなその身体を、シロコが辛うじて抱き留めた。

 

「うあ、ああぁ、私が、私が、……あ」

「"セリカ、大丈夫、大丈夫だから!"」

「私も先生もいる、だから落ち着いて深呼吸して……!」

 

ぽたぽたと涙をこぼしながら、うわ言のように繰り返し続けるセリカに、

先生とシロコが必死でそう呼びかける。

……そんな中、セリカの手がまるで彼女の意識から独立しているかのように

がさがさと懐を乱雑に漁る。

そしてその手が、輸血液の小瓶を探し当てるが早いか

ほとんど反射のそれに近い動作でその針を露出させた。

 

 

ドスッ

 

 

その針が、セリカの太ももに吸い込まれるように突き立てられる。

その瞬間、恐怖で見開かれていた

セリカの瞳孔がとろりと蕩けたように歪む。

彼女はそのままぺたりと床に膝をつくと、

ぼんやりとしたまま息を少しずつ、少しずつ息を整えてゆく。

 

「はぁ……はぁ……うぅ……ごめん。

理性は保ってたつもりなのに、やっぱりこうなった」

「そんなこと……!」

 

何故か謝るセリカに、シロコはそう声を上げる。

……先生とシロコからすれば、

今にも壊れてしまいそうなほど錯乱したセリカが、

それを薬で無理やり落ち着けたようにしか見えないし、事実、その通りだ。

けれど、セリカはその言葉には答えず、

酔って少し虚ろになった瞳で先生とシロコのことを見上げる。

 

「……それで、わかってくれた?私が、何をしたのか」

「"……まだ完全に飲み込めてはないけど、わかった……けど……"」

 

セリカの問いかけに、

先生は辛うじてそう答えるもやがて続く言葉は消えてゆく。

シロコも、先ほどから、何も声をかけることができない様子だった。

 

……どう言い表せばいいのかわからない。

目の前の少女が感じた苦痛が、経験した地獄が、

理解したくても、寄り添いたくても、叶わないような、

それを見せつけられたような気がして……

 

……酩酊でも未だ消えることのない苦痛に、セリカは諦観の表情をこぼす。

 

「正直、あの時も危ない状況だったの。

もう少し私が獣性に傾いていれば、

もしシロコ先輩を見た時に現れた幻覚が少し違ったら……

私、また取り返しもつかないことをしてた。

……今回も、もしかしたら似たようなことが起こるかもしれない」

 

あの時、というのはゲヘナの風紀委員会との戦闘の件だろう。

……柴大将が傷つけられ、

更には先生の身まで侵されそうになった結果起こったセリカの暴走。

 

彼女自身の言う通り、カイザーの企みを暴く過程で、似たようなことが起こらないとは、先生とシロコは言い切ることができなかった。

他の少女たちがここにいたとしても、それは同じだろう。

だから、セリカはそれを言う。二度と過去の悲劇を再現しないために。

もう二度と、大切なものを失わないために。

彼女はゆっくりと立ち上がると、2人のことをあらためて見据えた。

 

「だから……先生とシロコ先輩には、

万が一(・・・)を起こさないための道具を持っててほしい。

今から説明するからよく聞いてて」

 

セリカはそういうと、まずシロコに小瓶を一つ手渡した。

……狩人が持つ道具の中でも最早必須と呼べるものであり、

先ほども彼女が使用していた薬品……輸血液だ。

 

「これって……」

「輸血液。本当は即効性の回復薬みたいなものだけど、

私にとっては意識を保っておくための物でもある」

 

セリカのその言葉につられて、シロコはその輸血液の小瓶をまじまじと見つめた。

……先程までセリカの懐に入っていたはずだというのに、

それは不気味な冷たさを持っていて、中では鮮やかな血が揺れている。

 

「コルクの所を軽くなでれば中身を入れるための針が出てくるから。

まだ、私が暴走寸前だったらそれを打ち込んでくれれば踏みとどまれるはず。

……あくまで暴走寸前だったら、だけど」

「……わかっ、た……けど、どうして私に……?」

 

尚も、しばらく手の中のそれを見ていたシロコだったが、

やがて辛うじて頷くとそれを懐にしまう。

けれど、それと同時にセリカにそう問いかけた。

それに対し、セリカは迷ったように一瞬目を逸らしたものの、答える。

 

「……前衛で素早く動けるから、かな。

本当ならホシノ先輩にも頼みたかったんだけど、

何か別のこと抱え込んでるみたいだったし……あまり負担はかけたくなくて」

「……ん、わかった。任された」

「あと、何があっても、絶対に私以外の人にそれは使わないで。

……ただの便利な薬ってわけじゃないから」

「…………ん」

 

シロコのセリカの最後の言葉への返答が遅れた。

どこか迷ったように、一瞬視線を泳がせるシロコ。

 

「……シロコ先輩」

 

そんな彼女の様子に、セリカはポツリとそう呟く。

……けれどやがて、寂しそうに微笑んだ。

 

「……任せた、からね?」

「……!」

 

確認するように、懇願するように、セリカはシロコに言った。

目を見開いた彼女の返答を待たず、

セリカは今度は先生の方を向いた。

 

「……先生。先生には別のものを渡したい」

「"別の、物……?"」

 

オウム返しにその言葉を呟く先生。

そんな彼女に、セリカはコクリと頷くと、懐から何かを取り出した。

 

「"……鈴?"」

 

それは古びた小さな鈴だった。形状的には鐘といったほうが近いかもしれない。セリカはそれを一瞥した後、先生へと差し出す。

 

「狩人呼びの鐘。今の先生なら一回ぐらいは鳴らせると思う」

「"……一回?"」

「……詳しい説明は省くけど、

先生は不思議な道具を一回だけ使える魔力みたいなものが宿ってるとでも思っといて」

「"な、なるほど……?"」

 

先生はそう返答しつつ、セリカからそれを受け取る。

……鐘はずっしりと重く、黒く錆びついている質感がする。

けれど、くるりとそれを裏返してみると、

本来あるべき音を鳴らすための振り子がついていない。

……しかし、なぜだろうか。

鳴るべき時が来れば、自ずと鳴るようになる。

そんな不思議な感覚がその鐘には宿っているようだった。

 

「……本当に、私が手遅れになったときに鳴らして。

先生ならきっと正しい決断を下してくれるはずだって信じてるから」

「"……手遅れって"」

「……見ればわかると思う」

 

どこか不穏な響きのあるそれに先生が思わず聞き返すが、

セリカはただ一言だけ言葉を返すのみ。

……3人の間に、それっきり沈黙が訪れる。

 

 

「……でも、それが使われたときは」

 

 

その時、突然ポツリと、セリカが声を上げる。

 

「"セリカ?"」

「?」

「……いや、何でもない」

 

俯いていた先生らが思わず彼女の方を見る。

けれど、セリカは結局何も言わぬままだった。

 

 

 

____________________________________________________________

 

 

 

「それにしても、

何でさっきから壊れかけのオートマタにドローンばっかり」

「いや~、おじさんもさっぱりだけど何でかこの辺こんなのばっかり集まるんだよ」

「……そっか」

 

……すぐ目の前では、ホシノとセリカが軽く会話している。

この光景だけ切り取れば、仲のいい先輩と後輩の何気ない日常の風景でしかない。

けれど、彼女のセリカの秘密を知ってしまい、

ホシノの隠し事の一端を見てしまった先生には

それが正常なものだとして受け取ることは到底できなかった。

自分でもそれを隠していられているか微妙であるのに、

突拍子もないことを言ったりするものの根は普通の少女である

シロコが動揺するのは無理もないだろう。

 

……今からでも、せめてアヤネにだけでもあの事を伝えるべきだろうか。

 

そんな考えがふと脳裏に浮ぶ。

けれど先生はその思考をすぐに打ち消した。

 

セリカと幼馴染であるアヤネは彼女のことを特に心配している。

……それなのに、あの事を知らされればきっとシロコ以上に動揺するだろう。

冷徹かもしれないが、今の状況でそれはよくない。

 

先生がそう思いなおしたその時だった。

 

[……っ!?皆さん、前方に何かあります!]

「"えっ!?"」

 

そのアヤネから、切迫した声で報告が入った。

……こちらからは何も見えない。

けれど、アヤネは確かにそれを捉えたらしく、報告を続ける。

 

[砂ぼこりでまだよくは見えないのですが……!

巨大な町……いえ、工場、或いは駐屯地?

とにかくものすごい大きな施設のようなものが……?]

「"……わかった。ありがとう、アヤネ"」

 

先生は通信先のアヤネに礼を言うと、ホシノたちに向き直る。

彼女たちも、既に何をするか、心は決まっているようだった。

 

「"それじゃあみんな、行こっか"」

 

その先生の言葉に、生徒たちはこくりと頷いた。

 

 

幸いなことに、アヤネの言った謎の建造物はそれほどしないうちに

彼女らの視界にとらえられた。

工場とも、石油ボーリング施設とも似つかぬ建物が幾重にも立ち並び、

その広大な建造物を囲うように何kmにもわたってコンクリート製の外壁が、

更にそれを囲って有刺鉄線が張り巡らされている。

その有刺鉄線の波を超えながら先生達は慎重に慎重にそれの入り口へと近づいてゆく。

 

 

「人気はないみたいだけど」

 

 

入り口の付近に丁度よくあった砂山から様子を見ていたシロコがそう呟く。

その言葉通り、監視塔も敷設され、

本来鉄製の扉があるはずの入り口は中途半端に開け放たれ、誰もいないように見える。

 

[私の方からも何も……というか先ほどから通信が少し不安定で]

「廃墟……なのでしょうか?」

「いや、昔はこんなのなかった」

 

シロコとアヤネの言葉を受け、

ノノミがそんな声を溢すがそれをホシノが否定する。

 

[……ということは、

つい最近作られたカイザーの施設がなんらかの理由で放棄された……とか?]

 

ホシノのその言葉を受け、通信の先でアヤネがそう推測する。

……砂漠化の進むアビドス。案外その推論が正しいのかもしれない。

けれど、外観だけでは何が何だか分からないだろう。

 

「"……とりあえず入ってみる?"」

 

カイザーの施設であっても廃墟ならば特段入っても問題ないだろう。

そう推論を立てた先生が少女たちにそう提案する。

最初に答えたのは、シロコだった。

 

「……私は賛成だけど、みんなはどう?」

「そうですね……私もシロコちゃんと同じです」

「おじさんも賛成かな。本当のところは調べてみないとわからないしね~」

[私も異存はありません]

 

その後、ノノミ、ホシノ、アヤネと次々と賛成してゆく。

……そんな中、セリカだけがじっとその開け放たれた入り口の方を見ていた。

 

「……セリカちゃん?」

「……いや、何でも。私も賛成」

 

そんな彼女にホシノが声をかける。

それに気が付いたセリカは、それでも尚しばらくの間、

その入り口の方に視線を送っていたがやがて視線を外すと短くそう言った。

 

 

……自分が気にしすぎなのだ。

ヤーナムの人気のない場所では常に獣や強大な何かが隠れ潜んでいた。

だから、この遠征に出発した時からついて回る嫌な予感は気のせいなのだ……

 

 

セリカはそう、自分に言い聞かせた。

 

 

________________________________________

 

 

 

身を隠せる砂山の奥から出て、先生らは更にその建物に接近してゆく。

……建物の方はというと相変わらず不気味に静まり返ったまま。

それは先生らが門をくぐった時も変わることはなかった。

 

けれど、いざ建物の内部に入ったからといって

それほど奥に進んでいないこともありよくわからないことには変わりない。

特に、中央にそびえ立つ圧力すら感じる高層ビルがそれを加速させていた。

 

「……本当に、何の施設なんでしょうね。

カイザーの関連企業ならどこかにロゴがあるはずですけど……」

 

辺りをきょろきょろと見回しながら、ノノミがそう呟く。

周囲の警戒をしながら先生らに追従していたセリカもその言葉を受け取った。

 

「……ロゴ、ね」

 

その言葉を頼りに、セリカは警戒もかねてもう一度周囲を見回す。

……そのロゴらしいものは案外早く見つかった。

振り返った先の閉まった鉄製の扉。

その中心にタコを思わせる紋様の入ったマークが……

 

 

「……は?」

 

 

待て、閉まった?

 

 

その事実に、セリカの動きが固まる。

……瞬間、

 

 

ウウウウウウウウウウウウウウウウ

 

 

辺り一帯にサイレンの音が鳴り響く。

明らかな侵入者の存在を告げる警戒音。

 

 

嵌められた……!

 

 

その事実に気が付くも、既にすべてが遅かった。

 

 

「侵入者だ!」

「捕らえろ、逃がすな!?」

 

「"え、し、侵入者っ!?私たちがっ!?"」

 

正面では迷彩の施された無数のオートマタ、

それに交じって迷彩服の少女たちが正面に展開してゆく。

……少なくとも確実に、友好的な雰囲気ではない。

 

「よくわからないけど、歓迎のあいさつなら返してあげたほうがよさそうだね?」

 

そんな敵を見て、ホシノは冗談を言いながらも

シールドとショットガンを構える。

それに続き、シロコがアサルトライフルを、

ノノミがミニガンを、

セリカがレイテルパラッシュとシンシアリティを構える。

 

「……先生はアヤネちゃんと門を開ける手段を探して。時間は稼ぐ」

 

セリカは短く言うと、懐から取り出した丸薬をかみ砕いた。

 




どもー、時空未知です。
ということで今回の作品はいかがだったでしょうか?

……さて、お察しの通り状況はかなり悪化しています。
次回は……まあ、あれです。

セリカちゃんのメンタルが擦り切れるまであと少し……あと少し……
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