鏡流がこんなことするのかと聞かれればものすごく悩みますし、諸説あるのは間違いなく、おそらく審議に入るかもしれません。
ですがもう出力しちゃったものは戻せないので修正して投稿してしまおうと思います。
「検査の結果が出ました。
間違いなく、貴方には歩離人の血が流れています」
「そうか…」
丹鼎司にて、炎秋は霊砂と向かい合うように座っていた。
とある一室で。
何故か?
言うなれば検査である。
自分の体のこと。
歩離人としての自分のこと。
これからのこと。
それを考えたらまずやるべきことは自分のことを知ることだと炎秋は考えた。
そして、元々景元達から言われていた検査をするために丹鼎司に訪れていた。
しかし、炎秋の誤算が一つだけあった。
対応してくれた人物だ。
新任とはいえ仙舟「羅浮」にて丹鼎司の司鼎という立場である人物。
彼女の名は霊砂。
羅浮に来て日も浅い炎秋だったが、彼女のことはしっかりと把握していた。
それ故に丹鼎司に訪れて真っ先に出てきたのが彼女だった時、炎秋は流石に驚いていた。
霊砂曰く『先日、丹鼎司が襲撃にあった際に助けていただいたためその礼に』ということらしい。
なんと検査の代金すら要らないと言うのだ。
いつもならば『そこまでしてもらわなくてもいい』と言う炎秋だったが、かつて景元から『何でも断れば良いというものではない。断ることで相手の面目をつぶすようなことにもなり得る』と言われたことを思い出し仕方なくその礼を受け取ることにした。
そんな炎秋だったが、出された検査結果は先ほど霊砂が言った通りのことだった。
細かい数値や検査内容を流し見していた炎秋だったが、
「アイツが言ってたことは…間違ってなかったわけだ…」
小さくそう呟いた。
誰も聞こえないような小さい声は、霊砂の耳には届いていた。
だが、霊砂はそのことには触れずに一つだけ質問してみることにした。
「それで…自分の体の事が分かって、一体どうするのですか?」
それは、興味からの質問だった。
そして、診断を出した責任を持つものとしての質問だった。
何かに対しての行き場のない怒りや憎しみ。
それを取り除くことも治療の一つと考えていたからこその質問だった。
だが、返ってきた答えは霊砂の思っていたものとは違った。
「別に、どうもしないさ」
それを聞いて、霊砂は思わず呆けてしまった。
そんな霊砂に気付かずに、何処かここじゃない場所を見ながら炎秋は続けた。
「俺は守りたいモノを守り続けるだけだ。
たしかに歩離人って聞くと良いイメージなんてねぇけど…歩離人には歩離人だけの力があるだろ?
力の良し悪しなんて使う人次第だ。
どんな強大な力も何かを襲えば人から幸せを奪うし、何かを助けたら人に幸せを与えることが出来る。
まぁ、このことが周りにバレたら仙舟の人達からの風当たりが強くなるかもしれないから正直『俺には歩離人の血が流れてる』なんてあんまり言えないことかもしれないけど…」
「それでも俺は、考えを変えるつもりはないんだ」
炎秋は変わらない。
成長はするが、変わっては行かないのだろう。
本質的な所は何も。
炎秋はこれからも生き続けると誓った。
変わることのないこの平和な時間を守るために。
それを見た霊砂は一言だけ「…そうですか」と告げると片付けを始めた。
今のところはもう、何も聞く必要など無いと判断した。
出来る治療はもう既に終わっていた。
こうして検査を済ませた炎秋は帰っていった。
彼が守りたい帰れる場所へ。
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「舐められたものだな、まさか女と会っていたなどと…」
平和な時間は残念ながら終わった。
「いや、鏡流…だからそれは違うんだって…」
「ほう?我を呼び捨てとは貴様も偉くなったな?」
「なっ…!いつもは『さん付けで呼ぶな』って言うのにこういう時だけ…!!」
「それも口答えするとは」
「…っ!!!…というか!!元々俺の体のことを調べたほうが良いだろうって話はしてただろ…!?それで、一応自分の体の状態を調べに行ったら対応してくれたのが女性だったっていうだけで……!!!」
「それがたまたま丹鼎司の司鼎だったと?」
「そんなふうに言われても本当にそうだったんだって…!!」
「そうか。
…しかし、炎秋よ」
鏡流からの言葉に、必死に弁明する炎秋だったが…。
スッと炎秋の首元に突きつけられる氷の剣。
残念ながら、これは話し合いではない。
「誰が口を開いて良いと言った?」
一方的な蹂躙だ。
「…黙ります」
「しかし、残念でならないな。
我にあそこまでの言葉を伝えておいてまさかこんなことをするとは…」
「……いや…というか…!!そもそもあの時の言葉は勝手に鏡流さんが…!!」
「2度も言わせるか?」
「………。」
酷いものである。
例の件で生き返り、好きに暴れ、挙句の果てに愛を宣言した男の姿がこれとは。
まるで飼い主に怒られている子犬のようではないか。
「さて、炎秋よ」
「………。」
「返事をせぬか」
「いやだって喋るなって…」
「口答えか?」
「どうしろっていうんだよ!?」
……2度目であるが、本当に酷いものだ。
「ハァ…炎秋よ、お前には挽回の機会を与えよう」
「『右腕一本で手を打つ』とかでしょうか」
「両腕にされたいか?」
「……義手を探してからで良いでしょうか」
「ハァ…腕は要らぬ…。
炎秋、最近思うが気を緩めすぎでは無いか?
今のお前にはあまりにも隙がありすぎる」
炎秋には意外だった。
今まで鏡流と話していく中で、『気が抜けている』と怒られることはあっても心配される事など無かった。
「隙…?そんなにあるか…?」
「…少し、立ち上がってみろ」
「……?」
そう言われて、なんの疑いも無く立ち上がる炎秋。
「………フンッ!」
立ち上がった炎秋の脚、主に脛に対して何処からともなく取り出した警棒のようなものを何のためらいもなく振り抜く鏡流。
「ヴゥ゙ッッッッッ!!!!!!!」
クリーンヒットする炎秋。
「見たことか。油断しているではないか」
「これが…ッ!!油断に…ッ!!なるのかよ…ッ!!」
倒れ込み、脛を抑えながらもがき苦しむ炎秋。
仙舟人には見せられぬ光景が、そこにはあった。
「とにかく、お前は油断が過ぎる。
そこでだ」
それをなんてことないように無視しながら鏡流は先日炎秋のために購入した物を取り出した。
「これをつけてもらう」
「つけてもらうって…ッ!!!…いったい何……を………」
鏡流が取り出した物。
それは材質的に人につけても問題ない首輪。
それは位置情報から今何処にいるのかを確認できる首輪。
そう、ペット用の首輪であった。
それを見た炎秋は一端深呼吸をしてから落ち着いて鏡流に質問した。
「……拒否したら?」
鏡流は質問には答えなかった。
変わりに炎秋が見たものは静かに笑みを浮かべ、こちらを見る鏡流の姿。
「「………。」」
両者何も言わずに見つめ合う。
自然と炎秋も笑みを返していた。
2人の間に温かな時間が流れる。
しかし、世の中には『嵐の前の静けさ』ということわざがある。
それは『大きな出来事が起こる前は、不気味なほど静かである』という意味を持つ。
つまるところ…。
「覚悟を!決めるのだ!炎秋!!」
「ふっざけんな!俺は負けねぇぞ!鏡流!!」
試合開始のゴングが鳴る事を意味する。
今日も羅浮は平和である。
「黙ってつけぬか!!!」
「つけられてたまるか!!!」
とある2人が騒がしく暴れることがほどに。
……暴れるというより一人が襲い、一人が抵抗しているという事実には目をつむるとしよう。
実は書きたい内容があるんですが、
『それを書き始めるとあと20話くらい書く必要があるんじゃないのか』
っていう部分と
『そもそも元スターレイルのストーリーから乖離しすぎるんじゃないのか』
っていう部分があるんですよね。
モチベーションが持つのかっていうところと、かすかに残っているようなきがしなくもない整合性を完全に断ち切るぐらいの勢いがあるのか…。
悩みます。