『「よし!3000字ぐらい書いたんじゃないか!?」
とか思ってたら約2000字だけだった』
みたいなことが起きるんです。
しかも2000字書くのにかかる時間にムラがあったりします。
30分の時もあれば1時間や2時間かかることもあります。
なんでだろうなって考えてみたんですが、あらかじめ構想を想定している時の度合いと言いますか。どれだけ鮮明に先の話を考えていられてるのか。
そういうものが時間に関わるんじゃないのかなと思います。
何が言いたいのかといえば、俺は絶対に3000字は書いたということです。
しばらくの間、軽い雑談をしつつ周辺を歩いていた炎秋と白珠だったが『そろそろ戻ろうか』という炎秋の言葉により鏡流達の待つ場所に戻りつつあった。
そんな中、炎秋は隣を歩く白珠を見て何かを感じたように彼女に話しかけ始めた。
「やっぱり、まだ思うところが?」
その言葉を聞いて、白珠は足を止めた。
少し動揺しつつも、必死に笑うように言葉を返そうとする。
蛇足ではあるが、苦笑いになっていることを炎秋はあえて指摘しなかった。
「…まぁね、変かな?」
「まさか。
さっきの今で、すぐに立ち直れるやつなんていない」
「…そっか」
煮え切らないような彼女を見て炎秋はなんとなく察する。
彼女は今、迷っている。
自分一人で解決しようとしている。
炎秋にはそう見えた。
だから、
「…今から少し、難しいことを言うかもしれないけど」
炎秋自身が考えた、一つの選択肢を与えてみることにした。
「話してみるのはどうだ。
思ってることを、全部。
周りの目が邪魔なら二人の時間を作れるようにするから。
いやまぁ、それが出来れば苦労しないって話なのはわかる。
今じゃなくてもいい。
いずれやる目標でもいい。
そうやって行動してみるのは駄目か?
あぁ、いや別に一つの例として言ってるだけなんだ。
強制ってわけじゃない。」
白珠ぽかんとしながら炎秋を見ていた。
変なことを言ったかと炎秋が目に見えて焦っていると、少しだけ笑いながら白珠は一言だけ返した。
「変な人」
だが、何処か曇っていた部分が晴れたような表情になっていた。
「戻ったらすぐ話してみるね」
「…すぐか?
別に、急がなくても」
「ううん。今、話すよ」
「そうか」
そうして、2人は鏡流達の待つ家にたどり着いた。
______________________
家に着いてからの行動は早かった。
鏡流のもとに向かう白珠を確認してから霊砂に『少しだけ外に』と一言だけ伝えて、とっとと2人で家の外に出る。
白珠と鏡流の二人きりのほうが良いと思っての判断だった。
そうしていると、霊砂がため息をつきながらこっちを見ていた。
「人の顔を見てため息をつかないでもらえないか?」
「自覚なし…重症ですね、貴方も」
「…?」
「私はその道のプロですよ?
平気そうな顔して誤魔化す人を見破るのは得意なんです」
「…ハァ」
「ほら、聞いてあげますからとっととゲロってください。
貴方は回りくどい言い方をしているとズルズルいくタイプですから」
「…フクザツだ」
そういいつつも、必死に自分の気持ちを言語化しようと思考する。
その様子を見慣れたように待つ霊砂。
「どの立場で、そんなアドバイスをしたのか」
「と、いいうと?」
「白珠さんが言っていた。
『正直、鏡流と会って何話せばいいのか分かんない。
もう会えないって思ってた。
きっと、いっぱい悲しませたから。
でも、会わなかったら後からきっと後悔する』と。
そんな葛藤を抱えていた。
だから言ったんだ。
『思ってることを全部ぶちまけてみればいい』と。
持ってる選択肢が少ないだろうから、色んな選択肢を持ってほしいと思って」
「あなたらしいやり方ですね」
「彼女はすぐに行動に移したよ。
まったく凄いったりゃない」
「良いことではないですか。少なくとも、悪いアドバイスではないように思えますが」
「まぁな。
でも、同時に思ったこともあった。
俺はこう見えて自分のことをある程度なら理解しているつもりだ。
そう、例えば…鏡流に対して思っている気持ちを全部ぶちまけた…あの時の言葉。
どんなことを言ったのかは話さないが、その時言った言葉は…鏡流がその場にいなかったからこそ打ち明けることのできた本音だった。
まぁ、盗聴器のおかげで全部景元と鏡流には筒抜けだったがな。
でも…結果的に鏡流に聞かれただけで、本人の前では話すつもりなんて一切なかった。
何故か。
本人を前に、言える気がしなかった。
そんなこと、話せる気がしなかった。
あえて言うなら、覚悟がなかった。
まだ、それを言う覚悟が足りていなかった。
人に『本音で話してみろ』なんてアドバイスしといて、自分は『まだ覚悟も出来てないし怖くて本音で話せない』なんて、馬鹿げてる話だろ。
だから思ったんだ。
『どの立場で、そんなことを言ったのか』と。
…バカバカしいだろ?」
話し終えて、自分に呆れながら霊砂のほうを向いた炎秋は霊砂の顔を見て驚いた。
「まったく思いません」
呆れも、ふざけた雰囲気も、怒ってもいない。
真剣にこちらを見ている霊砂がそこには居た。
「そうですね…あなたの気持ちを整えるよりも、もっと効果的なことを言いましょう」
「…なんだ?」
「白珠さんを、見本にしてみれば良いんです」
「…えっ?」
「白珠さんを手本として、貴方もやってみるんです」
「…出来るだろうか、俺にも」
「出来ますよ」
「気軽に言ってくれちゃって」
「いえ、確信もっての発言です」
霊砂の言葉は、
「今のあなたは、一人ではないでしょう?」
少しだけ、炎秋の体を軽くしたのかもしれない。
「…そうだな」
「あ、あと私は白珠さんの担当になったんであなたの担当は別な人になりました」
「なぁ、今?今言わなきゃいけないことか、それは」