それでも俺は彼女が好きだ   作:じーじー

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解釈違いなら本当に申し訳ないです。
でも私は強い人が弱いとこを見せるのがどうしても好きなんです。

(追記 2024/09/01 17:06)
誤字報告感謝です。
圧倒的感謝です。


かつて、なにがあったか

 

かつて、羅浮で戦いが起こっていた時代。

 

 

「ここまでだな、女」

 

「……そのようだな」

 

 

鏡流は部隊の命を救うために、自分の部下を仲間を逃がすためにしんがりを務めていた。

たった一人で。

その数、1対60000。

 

 

「しかし、我ら相手に一人でここまで戦い抜くとは驚いたと言わざるを得ないな。まさか連れてきた私の部下を全滅させるとは。強いとは聞いていたが、ここまでとは思わなかったぞ」

 

「勝ち誇っているようだが。貴様の命は我がもらい受けるぞ」

 

「…フン、ほざけ女ァ!!!」

 

 

鏡流は60000という圧倒的な数の暴力を己の実力を持ってしてねじ伏せていった。

その力は凄まじく敵の部隊をなぎ倒し、最後の一人である大将に王手をかけるほどであった。

だが、いくら鏡流といえど体力の消耗もあり大将との一騎打ちは互角の戦いとなった。

戦いは熾烈を極め、お互い満身創痍の状態となった。

お互いがあと一撃を受ければ力尽きるかといった状況。

鏡流はたとえ、この勝負が引き分けになろうとも自分の命を捨ててでも大将の命を刈り取ろうとした。

鏡流はここで命を散らすはずだった。

だが、そうはならなかった。

 

 

「……な…ッ!?」

 

 

鏡流の剣は相手を貫き絶命させていた。

だが、相手の剣は鏡流に届くことは無かった。

敵の剣は鏡流ではなく、一人の男を貫いていたのだ。

 

 

「炎秋……!?」

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

 

 

男は、剣が体を貫いたままその場に倒れた。

 

 

「…鏡流…無事か…?」

 

「我のことなどどうでもよい!!……何故…!!」

 

「……鏡流…帰れ…。…皆の…元に…帰るんだ…」

 

「帰る…?帰るだと!?何処にだ!?何処に帰ると言うのだ!!たった一人で!!我は何かを斬ることでしか自分の生き方を貫けぬ愚か者だ!!戦いで命を散らすのならば本望だとすら思っていたような…そんな我をお前は庇った!!何故だ!?それだけに飽き足らず、皆の元へ帰れだと!?ふざけるな!!お前はなんなのだ!!弱く!!脆く!!鬱陶しいことこの上ない!!かと思えば研鑽を積み、我の隣に立てるようになるなどと言い出しはじめ!!」

 

「鏡流…」

 

「…なんだ…なんなのだお前は…!いつもいつも!!我に付きまとい!!愛しているなどと!!くだらぬ戯言ばかり口にし!!!我を庇い!!!勝手に命を捨て!!!!我らの前から居なくなろうなどと!!!!」

 

「鏡流…聞いてくれ…」

 

「我が居なくなるよりもお前がいなくなったほうが皆悲しむに決まっているだろう!!!!なのに……なのに……!!!」

 

「鏡流…!!」

 

「…ッ!?」

 

「鏡流…俺は…静かに暮らしていたかった。自分の生まれたあの星で家族と、友人と、みんなと仲良く暮らしたい。それが俺の夢だった。でもある日、大切な家族も仲の良かった友人もみんな居なくなっちまった。俺はあの時たしかに死んだんだ」

 

「その後…羅浮に拾われはしたが、あの時の俺には生きる意味なんて無かった。でもその時に羅浮で鏡流、お前を見つけた」

 

「炎秋……」

 

「美しいと、思えたんだ。絶望の中にいた俺に、その美しさは生きる希望を与えてくれた。『あの人のためになりたい』と『あの人のために生きたい』と…そう思えたんだ。俺はその時生き返ったんだ。お前は…お前は俺の生きる希望だったんだ…」

 

「生きる…希望…?我が…?この…両手を血で濡らし続けている我が…?こんな…殺戮者が…?」

 

「鏡流。お前は殺戮者なんかじゃない…怪我をすれば痛がっていいし、悲しいことがあれば泣いていいんだ。そして俺は、そんなお前が居なくなるなんて嫌なんだ。だから……。……?鏡流……?」

 

「嫌だ……嫌だ……!!…お前が死ぬなんて嫌だ…!初めてだったのだ…我を…人間として扱ってくれたのは…!我を…我をおいていかないでくれ…一人にしないでくれ…!」

 

「…お前が泣くとこなんて初めて見たよ。…なぁ鏡流、お前は一人じゃない。景元が…応星が…白珠が…丹楓が…お前には居るだろ…?」

 

「嫌だ!!逝くな!!!2人で帰るんだ!!!第一お前はどうなる!!!一人でも欠けたら意味が無いんだ!!!」

 

「……鏡流」

 

「やめろ!!!それ以上言うな!!!聞きたくない!!!」

 

「今まで本当にありがとう」

 

「炎秋!!!!」

 

「愛してる」

 

 

男は力が抜けたように目を閉じる。

動かない。

1ミリも。

少したりとも。

動かない。

もう動かないのだ。

 

 

「炎秋……?」

 

 

その日、彼女は一人の仲間を失った。

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

そして、現在。

鏡流は再び男と再び出会った。

一度死んだはずの、もう会えないと思っていた男に。

 

 

「ああ、この匂い…この感触…この息遣い…!!まさしくお前だ!!炎秋!!!ほら、どうした?お前が愛した女だぞ?お前も堪能せんか」

 

「し、知らない…俺こんな鏡流知らないぞ!?」

 

 

ちなみに鏡流は想像の数倍は重くなってます!

頑張ってね炎秋くん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こういう話が、僕は見たいです(切実)
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