俺の二度目の人生は、魔王から先生へ   作:トラソティス

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言えなかったこと。
誤字報告、修正報告の方々、ほんと…本当に有難う御座います!!誤字ってたのここだったか!と、見落としてたな〜って悪そびれがあるのと、この言葉遣いや表現の方が確りくるよって修正もあってホント…有り難や…ありがたや……(両手さすさす、ゴマスリ)

えー、次にタイトル。
前回の転ちゃん次回予告で裸ワイシャツ確定申告があったのですが、その…ワカモさんね…余りにも一話で描ききれんな!?と思ったので、上・下という事で、二話分になることを予め報告しておきます。
作者自身もここまで長くなるとは思いませんでした。もうちょい長くなっても良いか…と思ったものの、それですと作者のスタミナ=投稿が遅れてしまうなってことで、二話分に別ける判断に致しました。なので次話投稿は案外早めになるかも?どっちにしろ次が短くてもキレイに終われるしいいよね!




9話『雨滴る乙女の熱情・上』

 

 

 

 

 

 

 

 

 深い夢を見た。

 ――人が夢だと認識できることを明晰夢と呼ぶらしい。浅い眠りをレム睡眠だとか、深い眠りをノンレム睡眠だとか…。眠りに就く際、脳の記憶や情報処理に整理から、精神性によるストレスや薬の副作用によって影響が出ると、どっかの知識で取り組んだことがある。

 学園都市キヴォトス――元の世界と異なる非現実的な、神秘溢れた世界に放り込まれ、色々なことがあった。

 なので情報を整理するために過去の記憶や情報、精神性を元に夢が構築されるのは至極当然である。自分たちが観る夢の大半は上述したケースを元に創られているのだ。

 …と、言うのが専門家やネット、一般的な学力で話されてはいるものの、例外が存在する。

 

 

 

 ――これは?

 夢だと理解しながら、真っ暗闇の世界に白い点が浮かび上がり、広がるように光景が映し出されていく。

 視認可能な方角へと足を運び、次第に空間が広がっていくのと同時に声が聞こえ、人物像が浮かび上がってきた。

 俺はその光景に思わず足を止め、息を呑む。

 

 

『何しにノコノコ来やがった、人殺し』

『否定はしない――死柄木の最期を伝えにきた』

 

 

 これは…

 質素で殺風景…何の特徴もない空間は取調室。

 キノコ頭の医師に、椅子に座り対面してるのは…連合のスピナーと、伝言を伝えに来た緑谷出久だった。

 間違いない、この夢は――俺が元いた個性溢れる、超人が蔓延る現実世界だった。

 一週間近くもキヴォトスに滞在していて尚、元いた世界が懐かしく思えてしまう。

 緑谷出久の顔には大きな傷跡があり、髪型も以前のモジャモジャ毛根壊死とは一変し、抉られたように髪が剃られていた。対するスピナーは顔に包帯を巻いており、怒りを剥き出しにする。

 

『…死体撃ちにでも来たのか?テメェ、悪趣味だな』

 

 皮肉を込めた言葉で突き放す。

 そうか…俺の遺言通り、スピナーに伝言を…。

 約束を守ってくれる辺り、律儀な奴だ。アイツが生きてるのかどうかさえ分かんなくて、不安ではあった。

 

『生きてるから、伝える』

 

 緑谷出久は死柄木弔を殺した。

 それを否定することなく真正面から受け止めて、俺の遺言を伝える緑谷出久に、俺は一瞬の迷いが生まれる。

 夢とは理解してるとして、これが本当に夢だと片付けて良いものなのか…と。

 仮にこれがもし、俺の死後――リアルタイムや過去やらで、キヴォトスの外より現実として起きてることなら、俺は観るべきなのか観ないべきなのか…。

 

 そんな俺の迷いなどお構いなしに、物語は終わりへ向かうために語っていく。

 

 

 ――死柄木弔は、全てを壊すために戦ったことを。

 

 

 一瞬、フリーズしたスピナーは「何を言ってるんだ?」と、怒りから困惑へと色を変えていく。

 そうだよな、信じられねえよな…全部壊すって決めて、アレだけヒーローを憎んでた俺が、よりによって緑谷出久に遺言なんてさ。

 

『死柄木は…俺の、希望だったんだ……笑って『全部壊そう』と言った…!!泥花で歪な地平を見せてくれた…!あいつは俺の代弁者だったんだ!!』

 

 声に震えが生じ、訴えるように言葉を投げる。

 解放戦線に喧嘩を売られて、囚われた義爛を取り返すため、全部ぶっ壊してやるって意気込んでた時が脳裏にフラッシュバックする。そうだよな…お前だけ、俺の夢を否定せず、俺の後ろを追ってくれてたよな。

 俺のような奴の夢なんて、戯言だと一蹴されるか否定されるだけ。そんななか、スピナーは希望のように楽しみにしてくれてたよな。

 

 

『虐げられても、俺自身が異形だしな…ッて、諦めてた…。そんな俺に夢を見せてくれた。何かデカいことが起きるかもって、何者かになれるかもって…!!』

 

 

 ――いや、考えるのをやめたんだ。考えるだけ辛くなるから。

 

 

 声に出してないスピナーの心の声までもが聞こえた。テレパシーや、心理掌握的な個性を植え付けられてるのかと錯覚するような。

 などと思いながら、次第に親友の…スピナーの躰が大きくなっていく。ギガントマキアの『巨大化』と似て非なる個性の発動…――嗚呼、俺が苦しんでる間、スピナーは一人で葛藤し悩み、その結果先生に植え付けられたのか…個性を。

 

『剛躯』――他にも『スケイルメイル』など身体に似合わない以上、改造なしに与えられれば負荷に耐えきれず脳無化現象が進むはずだが…。最近の医療はドクターと同じように進歩してるんだな、と感心してしまう。

 そう言えば何体かの脳無も捕まっていたのだから、対策として研究されててもおかしくないか、と妙に納得してしまう。

 

 

『死柄木弔は俺のヒーローだった!!!』

 

 

 嗚咽と涙を溢しながら緑谷出久に訴えるスピナーは、自責と後悔の念が混ざる漆色の影に塗り潰されている様に見えた。

 

 

『転ちゃん!オールマイトみたい!!』

 

 みっくんとともちゃんの言葉が脳裏によぎる。

 …嗚呼、そっか。

 俺、がむしゃらに…ただひたすら、痒いの治さなくちゃって、嫌いなものを壊さなきゃって……そう思って、戦ってたのに…。アイツらが笑って生きやすい世の中を創る未来ならって…思ってたのに……

 

 俺はちゃんと、アイツのヒーローでいられたんだ。

 

 

 次第に声は弱まり、ボタボタと涙を溢しながら言葉を綴らせていく。

 

 ゲームが好きだった。

 引きこもってる間、LOLとかOWとか、割と同じゲームやってるの多くて意気投合してたり。

 スマブラでディレイ反転空後をジャスガで返された時、初めて一緒の立ち位置にいる友達だって気付かされて、お互い認め合ったんだよな。

 

 異形差別のある地域で育って、友達もいなくて、世の中クソみたいだと…苦痛だらけの人生だと、諦念してたんだっけ。

 

『初めてできた、友達なんだよ…!!』

 

『アイツらのヒーローにならなきゃって、言ってた。死柄木の真ん中には敵連合がいたよ。きっと、死柄木も同じことを思ってたから、君には伝えたかったんだと思う』

 

 緑谷出久と死柄木弔は対局の存在だった。

 守るために戦い、壊すために戦った――お互い理解不可能であり、永遠の他人であったと。

 理解できず、互いが分かち合えないからこそ、ヒーローと敵なのだと。だけど…緑谷出久は俺の過去を暴き、理解し、俺が伝えたかったことを代弁して親友に想いを伝えてくれた。

 

 そんな緑谷出久を改めて、俺とお前はもう敵同士ではないのだと、現実味を浴びて再認識した。

 

 次に、スピナーの心の声が聞こえてきた。

 

 ――熱に当てられたまま、流れは止められないと、考えるのを辞めてきた。

 俺というのはつくづく、気づくのが遅すぎた。

 もう一歩前に進んでいれば、俺は…俺のヒーロー(ともだち)を救えたのだろうか?

 

 

 カメラのフィルムの様に、背景が映し出されていく。

 ステインに感化され、敵連合に加入した始まり。

 隠れアジトでのスピナーの一喝、解放軍との闘いから、先生に乗っ取られた後まで。

 そしてスター・アンドストライプとの死闘の果て、苦しみ藻掻く俺を観て、一歩前に足を踏みいれること叶わず、恐怖を感じてしまった親友の顔。

 

 あと一歩、家族でさえ届かなかった手――差し伸べる手が、ヒーローでなく、親友だったら…俺はどうなっていたのだろうか?

 心の底から安心して、スピナーは俺にとってのヒーローになってたのだろうか?

 

 

 ――痒みは、偽りの憎悪は消え去っていたのだろうか??

 

 

 親友同士の「もしも」が、鮮明に突きつけられる。

 お互い親友だからこそ、手を差し伸べる機会はあったはず。

 もしも、こうであった、過去を悔やむことで結果は変わらずとも、その過程の意味を気付けたのは、あの闘いがあったからだろう。

 

「そっか…スピナー…お前、ずっと後悔してたのか…」

 

 先生との意識が混ざり合い、己を保つことさえ叶わず、ほぼ飲み込まれていた。気にしちゃいなかったから、今まで分かんなかったけど……俺はこの夢を見るまで、アイツの苦悩にさえ気が付かなかった。

 人を救うために足を一歩踏み出す…それだけでも、勇気が必要なことを俺は初めて知った。

 助けを求められた人間は、時には恐怖やトラウマを抱えてしまう現象に陥ることも。

 そっか、だから華ちゃんも……。

 

『お前たちは、これからも戦い続けるんだろう?』

 

 取調面会が終わり、伝えることを言い終えた緑谷出久が部屋を後にしようとするのを、スピナーが呼び止める様に言葉を投げる。

 

『そして、死柄木弔も敵連合も忘れて…お前らは笑うんだろう?』

 

 スピナーの言葉は、珍しく俺の心臓を射るかのように深く突き刺した。

 それは俺が嘗て、緑谷出久に言い放った『救えなかった人間などいなかったかのように』と重なる部分があった。

 言葉の意味合いは違えど、どこかしら通じるものがあるのは、矢張り似た類なのだろう、俺もお前も…。

 

 何よりスピナーにとっては、あの闘いを経た後、自分たちが何事もなかったかのように忘れ去られていくのが、許せないのだろう。

 例え自分たちが悪者だったとしても、自分たちの過去が忘れ去られ、何事もなくヘラヘラ笑っていられるのが許せない――スピナーはどこまでいっても小市民に過ぎないのだ。

 

『…本を書く』

 

 だからこそ、刑務所で暮らすスピナーは、誰かに悟られることも熱意に当てられることもなく、初めて自分の意志で選択肢を作り、宣言した。

 

『死柄木弔という恐怖の象徴を――敵連合は壊すために生きたのだと永劫ヒーロー(お前たち)に突きつけてやる』

 

 親友のことを一番理解しているのはスピナーだけなのだから。親友だからこそ、亡き親友にしてやれることは、記録として歴史に残すこと。

 …確か、異能開放軍指導者デストロが書籍化されたケースもあったなと。転弧はふとあの大流行した書籍を思い出した。

 …となると、向こうの俺は、デストロ的な扱いを受けるのだろうか。ハゲ社長としてはどんな心境だろうか。

 それに…空っぽで、全てが虚しくて苦痛だらけな俺の人生を、こうしてアイツが紡いでくれるのが、心があったまるように嬉しくなってしまう。

 

 義憤を燃やした瞳を向けながら、スピナーは緑谷出久に宣言する。

 

 

『過去は消えない――俺が死柄木弔を紡ぐ』

 

 

 嘗てヒーロー殺しステインの意志を紡ぐ者としての始まりが、死柄木弔を紡ぐ者として敵連合に終わりを告げるスピナーは、初めの頃とはえらい違いだ。

 初期、俺の意志は従わない…但しステインの意志の下でなら協力はすると、ブローカーからの紹介で出逢ったというのに…。

 ほんと…人間の出逢い、不思議な縁もあれば変化もある。

 

 親友にしてやれることが、大切な友達を忘れずに後継として語り継いで、敵から新たな道へ歩んでいく。スピナーにとっての救いになるのか、将又未練が残ったまま本を書くことに、今でも後悔を背負いながら生きてるのだろうか。……まあ、あんだけ暴れたんだし…都合の良すぎることなんて起きないよな。世間じゃ悪いこと…その綺麗事で全部終わっちまう。

 

『コミックだと良いな…』

『あァ!?』

 

 

『心配しなくても良いよ――一生忘れない』

 

 

 緑谷出久の真剣な眼差しは、言葉の重みは、俺が最期を迎えた時に放った遺言を思い出した。

 

 

『それは…明日のお前ら次第だな――精々頑張れ、緑谷出久』

 

 

 俺の気持ちが届いていたのだろう。俺と緑谷出久との決着――俺たちが闘いを通して遺した傷痕…あの最後がもたらした結果、あっちの世界が今後どうなっていくのだろうか。

 第二第三の俺が生まれるか、ヒーローが暇を持て余し、誰もが手を差し伸べる報われる世界になるか…。

 それは、勝ち取ったアイツらが未来を築き上げていくんだろう。敗者である俺がそんな世界の結末を見届ける資格も、未来なんて要らないと一蹴した俺が知る権利などないにせよ、奴等にとってあの世界に生きる者達にとっては良くも悪くも明日は平等にやってくるのだ。

 

「そっか…じゃあ、俺も頑張らないとな……」

 

 だが良くも悪くも明日は平等にやってくるのはこの学園都市キヴォトスでも同じこと。――神秘と不理解、先生と生徒の繋がりを重んじた不思議な箱庭は、俺を優しく肯定する。

 

 

 

 こうして、視界は急激に狭まり閉じていく。

 元の世界の空間は暗闇へと…それこそワープゲートが閉じていくように、視界が急変し景色は漆色へと塗り潰されてしまうのだった。

 

 

 

 

 

「………」

 

 深い眠りから覚め、朧気な視界が少しずつ鮮明に景色を取り戻す。

 見慣れた天井は、シャーレ内に設立された先生の個室。汚れやシミ模様一つもない…俺だけの寝室。

 

「あ〜…スピナー……俺…」

 

 気怠い寝起きの声。

 夢から醒め現実へと返った青年は、眠たげな眼を擦りながら周りを見渡す。

 いつもと変わらない自分の寝室部屋。

 散らかった部屋は、ゲームの機材やら空いたペットボトル、雑誌や漫画…乱雑に放り散らかした汚部屋は、ユウカが見たら発狂するだろう。

 

「……夢、だったか…」

 

 それにしてはかなりリアリティを浴びており、夢だったの一言では片付けられない内容だった。

 改めて現実を突き付けられた俺の心境は、

 気分転換しようと寝室を後にして、シッテムの箱を肌身離さず持ち抱えながらシャーレの部室へ足を運べば…

 

「……雨かよ」

 

 ザァ、ザァ――雨の音を背景に、空色も悪く雨雲が真っ黒だ。昼間だというのにこうも天気が悪いと朝なのか昼なのか判別がつかない。流石に夜だと外が真っ暗になるので、言われずとも…といった感じだ。

 晴れの日に気分がいいのは、太陽が射す光にはセロトニンと言う幸せホルモンが分泌される効果があるんだっけ。ストレス軽減、睡眠向上、精神疾患に対する予防、抗鬱としても医学で立証されてると聞く。

 

「ったく…雨の日の湿気なんざ、崩壊持ちの時は特に酷かったよな…」

 

 個性と身体が似合わず不適格だった為、肌荒れによる乾燥肌や湿気による痒みが酷かったものだ。

 …アレも、自分の憎悪が痒みとして身体に信号を発してると、嘘の情報を植え付けられていたのだ。全くもって笑えない話である。とはいえ個性が身体に合わない以上、副作用で働く痒みは外の湿気や環境によって痒みが増すという事実も否定できやしないのだ。

 

「……ん?誰かいるな?ありゃあ……」

 

 大きな窓から外を眺めながら、気分的に良くないな…なんて悪態を吐いていると、人影がぽつりと立っているのを目撃した。

 連邦捜査部シャーレの建物の前でずっと待機しているかのように、動じず棒立ちのままだ。

 こんな大雨なのに傘を刺していないというのが余計に異質さを感じさせる。……ちょっと斬新なホラーを感じてしまう。かといって怖くはないのだが、流石に気にしないと言ったら嘘になる。

 

「……待てよ?あれって……」

 

 目を細めてジッと見つめると、どこか見覚えのある顔が…

 

「…ッ!おいおい、まじかよ」

 

 その人物に気が付いた俺は、急いで外へ飛び出した。

 

 

 

 

 

 春が差しかかる季節頃に移ろっても、雨に打たれて濡れてしまえば肌寒くなってしまう。

 雨が降り始めてから何時間程経ったのだろうか…。否、そんな些細なことはどうでもいい。

 雨に打たれる不快な冷たさも、肌寒い感覚も、漆色の浴衣がずぶ濡れになっていくのも、そんなのどうでもいい。

 ただ…ただ、この手を握ってくれた、あのお方と逢いたい。

 あのお方に害意を齎す不埒な輩がいれば、相応なる罰を与えねば。

 シャーレの先生として、仕事をこなす先生の神聖なる領域を守らねば。

 

 

 然し、必ずしも災厄の狐(自分)を受け入れられるとは限らない。

 何故なら私は、あのお方との最初の邂逅――大変 無礼を働いてしまったのだから。銃口を向け、汚く罵り、見下してしまった。今思い返せば腑が煮えたくり、過去の自分にへと射撃したくなる。

 それでも…私の手を優しく握ってくれた彼の、あの方の温もりは…私の心臓を熱く脈打たせてくれた。

 あのお方に改めて謝罪と…再び血肉が滾り熱く昂るあの瞬間を…。

 

 

「嗚呼…それでも貴方様が……」

「おい、お前なにしてる…!」

「!」

 

 シャーレの入り口扉が思いっきり開き、雨に打たれてる少女の元へ急いで駆け寄る人物が一人。

 手には数枚のバスタオルを脇に抱え、走ってくる。

 

「雨に打たれる千年修行でもしてんのか…ッ。こんな大雨の時にシャーレの前で棒立ちする指名手配犯なんて聞いたことねェぞ…。後にも先にもお前だけだッ――ワカモ」

「嗚呼…ッ!貴方様…!!」

 

 駆け付けに来た転弧を見るや否や、嘗てないほどの歓喜たる嬉しそうな声色が仮面越から聞こえた。

 ――…貴方様?

 転弧に対するワカモの呼び方に、思わず困惑の顔色を浮かべてしまう。

 初めて言われたぞ、貴方様なんて。

 

「嗚呼…貴方様。このワカモ…貴方様との再会をずっとお待ちしておりました…♪貴方様を付け狙う不届者がいないか…貴方様が不在の根城に侵入者が居るか否か、ずっと見張りをしておりました…♪」

 

 Huh?まさかこんな大雨が降ってる最中にただ見張りでもしていたと?然もワカモのヤツ…俺がシャーレ内に居たことも、部屋で寝ていたことも知らなかったのに?マキアかコイツ??

 

「お前は俺のボディーガードかッ。――雇った覚えはない……ッてか、選りによって今日じゃなくても良かったろ。それと俺はずっとシャーレにいたぞ………ああ、もう!言いたいことは山程ある!取り敢えず話は後だ、シャーレん中入れッ」

 

 謎の罪悪感、申し訳なさ、不器用な彼女、風邪を引いてしまうだろうという様々な懸念から、彼女の手首を掴んで強引に引っ張りながらシャーレへ連れていく。

 

「あッ…!いえっ、貴方様!私はただ、貴方様が大雨の中出張してるのではないかと考え、不埒な輩がいないかお守りを……」

 

「だったらなんで昨日来なかったんだ。俺は昨日、シャーレの仕事がてら、アユムとモモカ(ガキ)んところに行ってた。天気も良かったからな、席は外してはいたが…昨日よかマシだろ」

 

 アユムは俺を「せ、せせせ先生!?初めまして…!ほ、本日は宜しくお願いします!」と山程の書類を抱えながら指定された部署へと運んでおり、片や一方は明太子ポテチを食べていたモモカは「んぁー?よろしくゥ 」と無気力ながら言っていた。取り敢えず初めましての頃、俺らがせっせと苦労してシャーレ奪還戦を強いられていた頃、優雅にデリバリーの飯を堪能していたので嫌がらせとは言わないが明太子ポテチを横取り( 奪う形 )で摘み食いしてやった。そうしたら想定通り、猛烈に食いつきやがった。

 ガキと大人が喧嘩する絵面に、リンが喧嘩両成敗と言った形で割り込んだんだよな。

 

 なんて昨日の阿呆みたいな仕事の日常が頭の中で過っていく。

 シャーレの玄関入り口扉を開け、中に入りながらホレッ――と、ふかふかのバスタオルをワカモの頭に被し、ワシャワシャワと頭を拭くように。

 濡れた髪、雨水をタオルが吸収し、失われていた体温を取り戻すように、温もりを与えていく。

 

「わふッ!?わ、私は別に…!この程度、瑣末な問題…!!これくらい、大したこと御座いません…!」

 

「お前にとって大したことなくても、雨でずぶ濡れになったお前を見て見ぬフリはできんだろ。と言うか、大したことないってことはやっぱ寒いんじゃねえか。変なところで気を遣うなッ」

 

 背負い込む人間の大半は「大したことない」「平気だ」「大丈夫」など、偽りの言葉を吐いてしまう。

 頼れる人間がおらず、自身で何かと解決しなければいけない人種か、弱音を見せないプライド的な問題か、どちらにせよ風邪を引かれたりしたら困るのはこっちだ。

 それに…

 

 

『誰も君を助けてくれなかったね…辛かったね、苦しかったね――志村転弧くん』

 

 

 雨の日――全てに絶望していた日に、手を差し伸べてくれた。嘗ての記憶が重なり想起する。

 先生に拾われた、全ての始まりだ。

 

「それに…こんな雨ん中……一人で突っ立ってたら、悪い大人に利用されちまうぞ」

 

「?返り討ちにしてみせますわ」

 

 そっか…そう言う奴だったなお前…――と、彼女の凶暴な感性につい納得してしまう。

 

「で?ワカモ……お前なんであんな所で突っ立ってたんだ?俺に用があったんだろ」

 

「そ、それは……」

 

「…あ〜…なんだ。取り敢えず一階だとソラの奴に目撃されちまう。取り敢えずシャーレの部室にこいッ。今日は非番で誰も来ないし、特に外出する予定もないオフだから。それに濡れたまんまで立ち話もアレだろ」

 

 シャーレの書類仕事が溜まってたり、終わりが見えないためオフとは言い難いが、それでもワカモと先生が誰かに目撃されるというケースも、他校の生徒や連邦生徒会の生徒と衝突する場面もないので、トラブルになる危険性は極めて低い。その点に於ける視点では、案外今日はついてるのかもしれない。

 第一、ワカモは矯正局を抜け出した…所謂ダツゴクに当たる生徒なのだ。七囚人とも呼ばれてる筋金入りの大物。連邦生徒会長代理であるリンにすら、接触してることを避けるように伏せている。

 

「……本当に、お優しい殿方ですこと……♡」

 

 バスタオルを被せられ、転弧先生の気遣いに、心を許してしまう。

 揺らぎ、ときめき、放つ言葉一つに心に温もりが感じられる。

 初対面の時とは全く別だ。

 キュッ…と、バスタオルを掴んでる指に力を入れて、俯いてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、シャーレの部室……つまり、貴方様が仕事する神聖たる居場所…」

「散らかってるが気にすんな。乱雑に放ってるのは適当に蹴っていいから」

 

 シャーレの部室へと案内する転弧に、後ろから着いてくるワカモは部屋を興味深そうに仮面越から眺める。相変わらず転弧が使う部屋は、当たり前の様に汚れている。

 乱雑に放り出された菓子パン類の袋、カップ麺、割り箸、使い切ったハンドクリームなど、適当に放り散らかしている。どうやらシャーレの当番――非番続きがあればゴミを溜めてしまうらしい。

 ユウカがきては掃除もしてくれるのだが、その度に言い争いになっている。

 それでもユウカの説得もあってか、ゴミ袋にはちゃんと捨ててあるのは彼なりに第一歩成長してる証だろう。

 因みにアロナが「先生!掃除は毎日しないとダメですよ!」なんて言われた後「分かった、じゃあゴミはこれからシッテムの箱に捨てておくわ」と反論してから、アロナは二度とゴミ掃除に口を出さなくなったのである。シッテムの箱をゴミ箱代わりにするのはどんな世界軸を探しても後にも先にも転弧先生だけである。

 連邦生徒会長も考えれない選択をするのだから、矢張りこの大人はどこか抜けまくってる。

 

「ワカモ――シャーレのシャワー使っていいから浴びてこい。その間濡れたのは洗濯して乾かしておくから」

 

「えッ!?あ、貴方様のシャワーを!?!」

 

「その言い方だと変態みたいに思えるからやめろ」

 

 先生の仕事する神聖なる場所…素敵な殿方が苦悩を乗り越え、汗水垂らしながら労働に励む部室…なんて、先生が働いてる姿を妄想していたら、突然シャワーを浴びてこいと言われたワカモ。

 ――先生がいつも使用しているシャワー…身体を清め、水滴る先生が毎日使うシャワー…。シャンプーもリンスも、ボディーソープも…――転弧先生が裸体でシャワーを浴びてる姿を想像するだけでも熱暴走してしまうのに、より意識してしまえば頭がショートしてしまう。

 

「よ、宜しいのですか!?そんな、何からなにまで…!!」

 

「いいよ別に…つか風邪引かれたら後味悪いし、お前にも迷惑かけちまうだろ。話は後からでもできる…優先順位、ちゃんとしてからで良いから」

 

「で、ですが……私…そんな…あの時のこともまだ……」

 

「?――…ああ、そっか。あの時のこと気にしてんのか。そりゃあ…出逢ってから再会するまで長いようで実際には短いもんな。もしお前にまだ敵意があったら、外で射殺なり襲撃で爆殺食らうなり、とっくに息してないだろ。それに…雨の中、見張りしてたのだって外部からの侵入を守る為だろ?お願いしてもないのにそこまでするお前を警戒する必要もないしな」

 

 今言ってて思ったが、シャーレの警備強化しておいた方がいいのではないだろうか?

 神野区でオールマイト率いるプロヒーロー達に襲撃された嫌な思い出が蘇る。それ抜きに無個性マンである俺には超再生も備わってないので、テロなんて起こされては簡単に死ねるのである。

 そう考えると、ワカモに命を狙われていたらとっくの昔に死んでただろうな、と殊更思い知らされる。

 

「私のことを…許して、下さるのですか??銃口を向けた私を…!その、あの時の謝罪がまだ…」

 

「許すもなにも、俺は生きてるしお前は俺を撃たなかった。それで良いだろ……それで罪悪感を覚えてんなら、ちゃんと反省してる証拠だろ。そんなお前を許さないなんて否定、俺がすると思うか?」

 

 昔ならいざ知らず――こうして罪悪感を背負い、悪びれながら雨の中一人でシャーレの前に立ち、彼女には謝りたい気持ちもあったのだ。

 子供の謝罪を受け入れるのも、大人の務めであり、向き合うことが重要だから…。

 ワカモからすれば、初対面であんな事があった後に、自分に優しくして貰えるだけでも有難いのに、何からなにまでここまで手厚くして貰うと申し訳なさが優ってしまうのだろう。

 

「分かったらシャワー浴びてきな。服は……あーっと、確かシャワーを出た後の、使ってない部屋の箪笥にあったはずだ」

 

 捜索していた時に、服はどうすれば良い?と思っていたら普通に予備の服が何着もあった。ただ自分は黒が好きなので、それ以外の白色のシャツは触れてすらいない。

 

「あッ、ああ……有難う御座います貴方様…!!この御恩、一生忘れません…!!!」

 

 そんなに感激か?と、大袈裟すぎる言い方に髪をくしゃくしゃ掻きながら、背を向ける。

 ドタドタと大急ぎでシャワーへ走るワカモを他所に、転弧は適当にゴミを掃除する。

 乱雑に床へ捨てられたゴミを袋へと入れてく中、ふと脳裏に過ったことがある。

 

 

 ――…もし、またワカモと会ったら、その時は話がてら寿司でも食わせてやるか。

 

 

 キヴォトスに転送されたシャーレ奪還日の地下室。ワカモが背を向けて撤退した後のこと――彼女の目的を聞きそびれてしまった際に、寿司でも食いながら話でもするかと考えてたんだっけ。

 死柄木弔(俺)や連合の一味と似た、社会のルールや秩序に当てられず、皆と同じレールに交えず平行線を辿った少女。仔細は不明、破壊と略奪――嘗ての俺と同じ生き方をしたアイツにシンパシーが生まれた。そんなアイツが常に一人…どことなく放っておけないアイツに寿司でも食わせてやるかってのは、連合のアイツらを想起させるからだろう。

 

 

「…そいや、まだ飯食ってなかったし…雨、止みそうにねぇな…」

 

 外の天気も悪くなり、風も強く一向に雨が止む気配もない。

 …仕方ない、今日は遅くなっても良いからデリバリー頼むか、とネットで注文する。

 本当なら特上寿司とか注文したいのだが、流石に金が底を尽きてしまうので渋々並みのにする。

 

「あー…でもあれか、ワカモ寿司食えるか?」

 

 注文した後、既に遅し。

 ふと気付いたのが好みである。

 異能解放軍との抗争に勝利した後、解放軍(アイツら)の経費で高級寿司を注文したんだが、荼毘が魚が嫌いという理由で食わなかったんだっけ――今思えばアイツにだけマトモに飯食わせてやれなかったなと申し訳なさが湧く分、まあ大丈夫だろという思考も働き、プラマイゼロに至ったのである。

 

「まあいいや……最悪、カップ麺もある。備蓄用に買い溜めてあって正解だったぜ」

 

 ここで篭城生活の為に買い溜めてた意味が役立つというもの。

 普段なら災害時用や水災など、外出不可能――食料調達が困難の際にインスタント食品の価値は大きく発揮する。

 嵐…まではいかないが、大雨と風の強い外の時こそ買い溜めて良かったと殊更思い知る。

 

『転弧先生!ユウカさんからメールが届いてます!』

 

「んぁ?どれ…」

 

 アロナの通告により直様端末を開けば、モモトークなるものにメッセージが表示された。

 

『転弧先生、外は悪天候とのことなんですが。大丈夫でしょうか?』

『私は丁度、セミナーの会議が終わったのですが…書類整理、お手伝いしに行きましょうか?』

 

「おいオイ待て待てまてまて、ユウカがきたらワカモと衝突してこの部屋がブッ壊される」

 

 ユウカのメッセージを読んで、最悪な未来を予測してしまう。

 壊すことに愉悦を感じていた自分が、壊されることに拒否反応を起こしてしまうなど笑えない。

 仮に話し合いをするにせよ、リスクが高すぎる。

 こんな破滅的なギャンブルがあって堪るかって話だ。

 

『悪い、今日シャーレは一時閉鎖する。また日にちを改めて手伝いに来てくれ』

 

『なんですか、シャーレは一時閉鎖って…こんな悪天候の日に用事でもあるんですか?』

 

『大有りだ、頼む。終わったら日頃の礼にシャーレの部室でサイ・レンやらしてやるから』

 

『あれホラーゲームですよね!?!絶対やりませんからね?!!もうちょっとマシなお礼にして下さいよ!いえ、見返りを求めてるわけではないですけど…』

『んんっ、まあ…そこまで言うなら…分かりました。その代わり、ちゃんと書類整理サボらないで下さいね?』

 

『多分サボる』

 

『はい!?そこは嘘でも頷きましょうよ!?てか、先生の多分って絶対やらないじゃないですか!!』

 

『俺のこと大分理解してきたじゃんか。その代わり今度ミレニアムに足運んでやる。その時に埋め合わせするから、それで良いだろ』

 

 とのことで、なんとか阻止することができた。

 モモトーク…端末でのやり取り自体、連合の定期連絡以来だ。

 

「…これサプライズでやってきたらヤバかったかもな。アロナ、通告サンキュー」

 

『いえいえ!この前、ハスミさんから貰ったドーナツのお返しです!!』

 

「菓子関係なく報連相は確りしてくれ…俺の秘書だろうが」

 

 とはいえもし通知に気が付かなければ、危うく大惨事になっていただろう。外でのエンカウンターならいざ知らず、部室で争われては困るのはこっちの方だ。

 

「貴方様!!シャワーの拝借、誠に感謝致しますわ…!ああ…このワカモ…身も心も火照り、胸の内に秘めたる高揚が止まりません…」

 

「ああ、終わったのか。丁度お前の分の…飯……を…?」

 

 背後からシャワーを浴び終えたワカモがご機嫌よい

 後ろを振り向けば、仮面の下に隠してた素顔が露わとなった状態――金色の瞳、透き通る柔肌、乙女の美貌。

 初めて見せる彼女の顔は、災厄の狐とは程遠い。

 それだけならまだしも、まだ息を呑むだけでいいものを。

 今彼女の姿は

 

 白いワイシャツを羽織り、ボタンを止めてる状態の…つまり、俗に言う、裸ワイシャツなのである。

 

「は?……お前、なにしてる???」

 

 情報量の暴力とはこの事を指すのだろうか。

 転弧の白ワイシャツのサイズ的に、なんとか下半身の方は隠れてるのだが、明らかにアウトだ。

 なにより言いたいことが多すぎる。

 

「あ、貴方様?一体、どうなされましたか…?」

 

「天然なのか媚び売ってるのか知らんが、なんで白いワイシャツだけなんだよ。下着もちゃんと着ろ、目の遣り様に困る…ッ」

 

 直視しない様にと、顔を背ける転弧。

 女性に対する免疫――特に肌の露出が多い類とはほぼ無縁の生活を送っていた転弧からすれば、刺激が強いのだろう。

 露出といえば、トガヒミコの個性――変身が解けた後、裸になることがあるので女性の裸体だけ取り上げれば見慣れているのだが…それでも極力、女性の裸体は見ないようにしている。

 その点、衣類を纏う狐耳の少女は裸よりかはマシだが、マシなだけであって問題が解決するわけではない。

 

「その…下着も濡れておりましたので洗濯に…。それに、女性用の下着は幾ら探しても見当たらず……それでも、転弧先生の前だけでなら、私は何も問題ございません…♪」

 

 大有りだよこっちは。

 どうしてワカモはこうも俺に対する感情が好意的且つ献身的なのだろう。

 ――いや、それより…。そうか、下着…女性用のは無かったか!!

 ここで初めて己の失態に、手で目を覆い隠す。

 クッソ…いや、だがこれどう考えても詰みだろ。

 下着があるにしろ無いにしろ、この悪天候で帰すのも悪いし、かと言って濡れたやつをもう一度着ろとかバカの極みだ。シャワーの意味がないし本末転倒である。

 

「……いや、待てよ?」

 

 この前、エンジェル24で下着が販売されていたのを思い返す。当時、商品を見回ってた時、漠然と「弾倉売ってるやべぇ」と、価値観の相違に洗礼を受けていたが、女性用の下着を売っていたのを思い出した。

 ………つまり、買えと???

 

「…ソラのやつに変態としか思われないんだが…。いや、背に腹は変えられねえ…」

 

「貴方様…?その、私のことは問題ありませんよ…?確かに、殿方の前に佇む私が一衣のみというのは…恥じらいこそは致しますが…それでも、貴方様にだけですから…♡」

 

「風邪引くだろうが…何の為にシャワー浴びたんだ。お前が問題なくとも俺が困る」

 

 改めてトガヒミコの時、よくカバーに回れたなと過去の苦労を実感する。

 いや、アイツの生存スキルと服の略奪…個性のメリットを上手く活かしてたからか、服の変えは幾らでも効いたんだよな。

 

(ワカモに行かしても良いが…いや、通報ものだな。どっちにしろ選択肢は俺しか選べんか…)

 

 仮に裸ワイシャツのワカモにエンジェル24へ行かし 下着を購入したとして、中等部のソラに対して刺激が強い( 変な誤解を植え付けてしまう ) 為、ここは俺が行った方が幾分かマシだろうと判断した。

 小銭を握り、ワカモに待機を促しながら部室を出て、エンジェル24へと向かったのだった。

 

 後々――このワカモの件でシャーレに女性を連れ込んでるという( 悪い意味で )都市伝説が、現実味を帯びた確定の日となり、風評被害の原点にもなり得たのだった。

 

 








ふと思ったのが、とある自傷癖生徒の「死んだ後は何も残らないじゃん…虚しいだけだよ」を、意外にもスピナーが本を書くでアンサーしてる件。
スピナーと緑谷出久の伝言の流れ。これいるか?って思う方々もいるかもしれませんが、実は後々重要になってくるので悪しからず。


狐坂ワカモの誕生日が、4月3日。
志村転弧の誕生日が4月4日。

あばばばば!!ワカモと転弧はこんなところまで密接な仲に!?

そしてツクヨが4月5日。
あばばばばば!!!??

て言うかね、4月4日って幸せの日らしいですね。
男の子と女の子が歩み合って幸せと。えー…あの…ですね。たすけあえる兄妹は必要ですよと顔梅干しに言われ、幸せの日に生まれたのに家庭崩壊(精神と物理)で生まれてきてはいけなかった存在とか、改めて見るとこの先生シリアスの中ではダントツレベルなんだけど…。
そんな転弧先生にワカモは言うんですよ。

通常ワカモ「貴方様がお生まれになった日…こんなにも喜ばしい日にご一緒できるなんて、夢のようです♡」
水着ワカモ「先生が生まれた今日という日があったからこそ、私は貴方様と巡り会えました…。そう考えると、今日この日がどれだけ素晴らしいものが。お誕生日、心よりおめでとう御座います。貴方様…♡」

……過去を見せたら大号泣しちゃうだろ。
そして転弧からすると違う意味での「言って欲しかった言葉になる」。やっぱり顔梅干し先生の言う「誰もが誰も、最高のヒーローになれるんだ!!」


「次回、ワカモの尻尾がモフモフ。モンちゃんかよ乞うご期待」
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