作者の異世界旅行譚   作:JAIL

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明けましておめでとうございます
今年も宜しく御願いします


色んなクエストを受けよう(回復薬造り編)

歴史を学んだ翌日。

俺はギルドに来ていた。

まぁ来る理由は依頼を受けるのもそうなんだけど今回は薬草採取以外の依頼を受けるつもりだ。

なにせようやく文字が分かるようになったんだ。

今までは字が分からなかったから薬草採取を選んでただけで本当はもっと色んな依頼を受けてみたかったんだ。

 

「っと、そうと決まったら探してみるか」

 

アイアンランクのクエストボードに依頼票が所狭しと画鋲で留られている。

 

「えーっと、出来る限り練習以外ではあまり戦わないやつにしたいんだよなぁ…」

 

そしてその裏で狩猟の自主練、これを普段のサイクルにしようと考えている。

するとある依頼書を見付けた。

 

【回復薬作りのサポート】

 

依頼主は街の北側にある古い民家の人らしい。

ちなみに報酬は銀貨5枚だが出来た回復薬の量によって追加報酬も得られるようだ。

…これ受けるのアリなんじゃないか?

回復薬は難易度の高い依頼にはほぼ必須だ。

初心者なんか特に。

その回復薬は基本ギルドで買う必要がある。

値段は1本銅貨1枚…つまり100円相当だ。

ならここで必要な材料と作り方を知っておけばわざわざ買わなくても自分で賄える。

それにこういう依頼は基本報酬が安いからという理由で人気も少ない。

 

(…やってみるか)

 

俺はボードから紙を外し、受付に持っていく。

 

「すみません、こちらの依頼を受けたいのですが」

「はい、えーっと回復薬作りのサポートですね。こちらは回復薬をここに納品するまでが依頼ですのでお忘れなきようお願いします」

 

俺は、分かりました。と伝えて受付の人から教わった住所に向かった。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

「ここ…でいいんだよな?」

 

歩く事数十分。

辿り着いたのは1件の家屋だった。

周りの壁にはツタが絡み付き、正直最初に見付けた時は人が住んでる感じには見えなかった。

 

「入ってみるか」

 

俺はドアのノックし、扉を開ける。

 

「すみませーん、ギルドからの依頼で回復薬作りのサポートをしに来ました」

 

俺が呼び掛けると黄土色のベレー帽を被った老婆が出て来た。

 

「おや珍しいね。あの依頼を受けるなんて」

 

さ、こっちに来て。とカーテンの奥に促される。

それに着いて行くとそこは正しく仕事場というような感じだった。

ラーメン屋でも使いそうな巨大な寸胴、様々な薬草が入った瓶が所狭しと並べられた棚、何かを刻む為の台と包丁。

 

「ま、一旦座んな。何か飲むかい?」

「いいのでしたらそちらに任せます」

 

俺は椅子に座り、老婆を待った。

少しして老婆は茶菓子と紅茶を持ってきた。

 

「それじゃあ飲みながら説明しようか。といっても今日は孫娘がいなかったから私が代わりに作ってるんだけどね」

「え?じゃあ普段はこの仕事は依頼してないんですか?」

「そりゃそうさ、回復薬は確かに作るのは簡単さ。ま、簡単ゆえ単価が安いから誰でもやれるけど誰もやりたがらないんだがね」

 

単価が安いゆえにやりたがらない。

 

確かに冒険者は大きい依頼を受けて多額の報酬を貰い、人生の一発逆転も狙える。

けどそれはそれに見合った実力と経験からなる事で最初から高難易度なんて受けられない。

そのほとんどが初心者の頃からの積み重ねから来ている。

だからこそ夢の無い事はやりたがらないのだ。

 

「…まぁ報酬が安いからってのは理由は分かりますけど、その回復薬が無ければ殆どの冒険者は困りますよね」

「その通りさね、なのに大した事を成し遂げても無い下級の冒険者は下積み出来る事をしたがらないんだよ」

 

…なんとなく分かるなぁ…

学生時代は様々な事を学んだのにも関わらずいざ社会に出てみると学生時代の経験なんか無意味だったのか?と思える程の事を周りはやってるから下積みってのは大事なんだよな…

 

「そういえばなんであんたはこの依頼を受けたのさ?」

「いや、仮に狩猟する依頼を受けた時に回復薬が無くなっても知識さえあればその場で作れるんじゃないかと思いまして」

「ほう、中々いい考え方をするね」

「…そうですかね?」

 

お互いに紅茶を飲む。

 

「あんたみたいなのは初めてだ。さ、切り替えて回復薬を作るかの」

「はい、宜しくお願いします」

 

さ、回復薬作りの始まりだ。

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