とりあえず一安心…
ジェイルが呼んだルインという少年は私の宿で雇う事になった。
一応合格という事で雇う為の手続きが必要になるといいジェイルの事は泊まってる部屋に帰らせた。
正直最初のトーチの所で躓くと思ったがその引っ掛けを見事に乗り越えて課題もこなしていた。
技術はまだ荒削りだがそれは日々の仕事で慣れさせていけばいい。
だが年齢的に雇える訳では無いのでルインとその妹には"見習い"として私がこの2人の保護者になる事になった。
保護者になったのはいいが私はとある事が気になっていた。
「ルイン、お前さん、どこで暮らしてた?」
「えっと…バリウス男爵の領地…です」
バリウス────その名を聞いて私はやはり…となった。
バリウスという男爵は自営でこの国の蒸気を運用してる貴族の1人だが数年前から妙に羽振りが良かった。
最初は蒸気運用がいいのだろうと思っていたが今回のルインの件を見て"違う"という確信を得た。
恐らくバリウスは密かに蒸気の税金を上げている。
それも国民が許容するであろうレベルで少しずつ。
そして払えなくなった家族に対しては税金滞納とみなして財産を没収してタダ働きさせているのだろう。
それにこの2人の両親は犠牲になってしまった。
確かに蒸気の税金は貴族によって異なるが上限は設定してある。
それでも法の抜け道を探し、値段を引き上げる貴族は少なくない。
私はルインが話してる内容を聞いて紙にまとめていた。
私もギルド役員の1人。
こういった貴族の不正も逃してはならないのだ。
話の内容をまとめた紙を封筒の中に入れてガラスで出来た筒の中に入れ金属の蓋で閉じる。
そして横にあるパイプの中にセットして装置を起動した。
このパイプはギルドに繋がっていて蒸気の力でパイプの中にセットした筒を滑らせて届ける装置だ。
バシュッ!!!!
装置の中に溜め込まれた蒸気が解放されてパイプの中にセットされた筒がギルドに飛んでいく。
恐らく近い内に仕事が舞い込んで来るだろう…
「さて、ルイン、ネビ。お前ら2人は正式に私が預かる事になった。で、2人にやってもらいたいのがあるんだが───」
ルインにはしばらくは周辺の補強を、妹のネビには掃除や私の手伝いをさせ、給金の代わりにまずは衣住食を安定させる。
まぁ多少のお小遣いは渡すつもりだが。
就職出来る年齢になるまではこのやり方で通し、就職してある程度稼ぎも出たら独り立ちするかどうかを決める。
私の中で予定は決まった。
するとガシャン!と金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。
そっちを見ると手紙を送ったパイプの中にギルドから返信の手紙が入っていた。
私は早速それを取って中を見る。
「…」
一通り確認した所でルインとネビが住む所に2人を案内して私自身も業務を終えたのでそのまま就寝する事にした。
本人も終活をやってるとの事だからそろそろ色々な準備も必要になるのかな…
またお越し下さいm(_ _)m