俺が撃った火炎放射の魔術は俺自身を仰け反らせる事無く的を焼いていた。
「「「「おおおおっ!!!!!!!!」」」」
「フゥ…」
どうやら俺の考えた策は当たりだったようだ。
すると見ていたユリウスさんが駆け寄ってきた。
「ジェイル殿!?今のは!?」
「はい、今のは火炎放射の魔術を使う時に仰け反るので、以前に私が開発した飛行魔術を火炎放射を使う時に反動を支える使い方に応用してみました」
そう、俺が使ったのは前に自分で開発した飛行魔術。
それを火炎放射を使う時に仰け反る反動を支える為に使ってみたのだ。
ユリウスさんも「なるほど…そんな使い方が…」と何やらブツブツ言って考えている。
「ジェイル殿!これは素晴らしい事ですぞ!今まさに新たな魔術が開発され、その対策のやり方も同時に開発なさったのですから!」
ズイ!と興奮気味にユリウスさんが語り始めた。
あ、これ、アイルミロク王国のダンジョン研究家のギールさんと同じ類の人の気配がする…
「あの…一旦落ち着いて…」
俺の一言で我に返ったのか、ハッとしていた。
「いや、お恥ずかしい所をお見せしました…」
まぁ、うん…分からなくはないよね…
というかやはりどの世界にもこういうオタク気質は少なからずいるという事はよく分かった。
だがユリウスさんはすぐに真剣な顔付きになる。
「そうですな…どうでしょうジェイル殿。ここはこの魔術の名付け親になられてはいかがでしょう?」
……ん?これはまさか……
俺が内心困惑しているとレリウスさんが提案をしてきた。
「提案が思い浮かばないようでしたらジ──」
「さすがに私の名前は使わないで下さい」
俺はとある事を提案し、この開発された魔術は【バーナー】と名付けられた。
開発もひと段落したので俺はこの開発課を後にした。
◆◇◆◇◆◇
石レンガの道を歩く中、ふと脇道を見るとそこには泥だらけで座っていたり、寝ていたり、行き交う人を眺めてる人が少なからずいた。
これがある意味この国の裏側なのだろう。
技術が発達したがその分金銭のインフレも起きる。
そして税金を払えなくなったら即さようなら。
その上元からここで産まれ、低ランクの依頼しか受けられない人は尚更追い詰められる。
そういった人達が非行に走り、酷い様なら国外追放の可能性だってある。
…あまり長居はすべきでは無いのかもしれない…
この国に来たのは元々は魔術を習う為だ。
その魔術は既に習得済み。
ならそろそろ次の国にでも行った方がいいのかもしれないな。
そうなれば次はどこがいいだろう?
そう思っていると綺麗な装飾の施された鎧が目に付いた。
「装飾…芸術か…」
確か芸術的な観点を持った人達はエルジヴィア大公国という国を建国したんだったか。
芸術の国、エルジヴィア大公国───いいかもしれない…
「よし、次はエルジヴィア大公国に行ってみるか」
俺は新しい行き先を決め、宿に帰った。
さてとそろそろラテゼ魔工皇国編も終わりが近くなってきたから3章目も急いで書かないと…
またお越し下さいm(_ _)m