一通り挨拶回りは終えた俺はエルジヴィア大公国行きの馬車の運行時間を調べていた。
こちらもアイルミロク王国と同様に朝イチの鐘が鳴ったら出発らしい。
そして料金もアイルミロク王国とは変わらないみたいだ。
今回の魔術開発で臨時収入も得たしアイルミロク王国の時に受け取った報酬もまだあるから前回と同様の金貨15枚必要なランクAのコースをお願いした。
馬車の予約が終わり、残すはキールさんとルイン君とネビちゃんに挨拶して出国するだけとなった。
◇◆◇◆◇◆
宿に戻るとルイン君とキールさんがロビーで何らかの設計図を広げていた。
「ただいま帰りました。キールさ…何これ?」
「ん?あぁ、ジェイルか。いやちょっとこれからルインの技術をテストしようと思ってな。そっちこそ何か用でもあったのか?」
どうやらルイン君のテストは定期的に行っているらしい。
その証拠にルイン君は設計図を見続け、色々と呟いている。
「実は明日でこの国を出てエルジヴィア大公国に行こうと思いまして挨拶回りをしてました」
「なんだ。もう出て行くのか。ま、冒険者は自由でフットワークが軽いのが売りだからな。帰りたくなったらまた来な」
「はい。ありがとうございます」
俺は礼を言って部屋に戻ろうとしたその時だった。
とある1本の剣が飾られてる壁の前で立ち止まった。
ある意味、この国をイメージした剣と言えよう。
大きさは柄も含めて俺の身長より少し低い程度。
直剣と言うよりかは大剣に近く、その峰や鎬には細長いパイプが張り巡らされていて峰には何かしらの吹き出し口と延長された柄の一部が、柄には鍔付近にトリガーの様な物があって柄頭からはチューブが延び、ベルトの付いたウエストポーチ位の黒い箱に繋がっていた。
「気になるか?」
「え?」
気が付くとキールさんが横にいた。
「こいつも売り物なんだがちょっとした規定であまり売れなくてな」
聞く所によるとこの剣はキールさんが初めて作った剣らしいが魔術を使うラテゼ魔工皇国の人達にはあまり好評でな無かったようだ。
「あの…売り物ならこれ…売ってくれます?」
「え?欲しいのか?」
実を言うとアイルミロクでも龍魔水晶剣を買ったからこの国でも何かしらの剣を買ってみたくなったのだ。
ほら、あれよ。
お土産コーナーの金色の剣のストラップ。
ああいう感じ。
キールさんが、うーん。と考えていたが、よし!と何かを決めてくれた。
「よし、売ってやる。ちょっと待ってな調整を…「キールさん!」…どしたルイン?」
2人で話してる最中にルインが割って入ってきた。
「その…その剣の調整…俺もやっていいか?」
「お前が?」
突然どうした?とルインに向き直る。
「さっきの話聞いてた。ジェイルさん、この国出て行くんだろ?俺はジェイルさんの紹介でこの宿で生活出来たけど俺はまだ何も返せてない…」
だから何かしらでその礼がしたい。という事らしい。
俺自身そこはやってくれてもいいがキールさんがどういうか…
フム…とキールさんが考え始める。
「メインの調整はまだダメだ…がある程度のサポートならそうだな。やってみろ」
「は、はい!」
そうと決まれば…と2人は工房に剣を持って消えていったのだった。
まだ二次抽選もあるみたいなので諦めねぇ!
またお越し下さいm(_ _)m