セイバートロン星復興の最中、ビッグコンボイはある男と星を眺めていた。
「いやしかし、まさかこうしてデストロンと協力して事を為すなんて、昔は考えられなかったな。そういう点じゃ、ユニクロンに感謝かね」
「縁起でもないことは言うものじゃないぞ。ロックバスター」
サイバトロン遊撃隊員、ロックバスター。
どの部隊にも属さない戦士。かつてビッグコンボイと共に戦った事もあるビッグコンボイの戦友である。
「いやいや、ユニクロンがいなけりゃこうもならなかった。良くも悪くも、あれは神だったんだな。悪神てやつだ。必要悪」
「まあ、そうとも言える。だが、母星をここまでめちゃくちゃにした相手に感謝することは無い」
「違いない」
「・・・・・・ロックバスター、お前は、あの星のことを覚えているか?」
「あの星っていうと、どれだ?」
「・・・・・・機械化惑星だ」
「ああ、あの星か。覚えてるよ。かなり強烈だったからな」
機械化惑星。セイバートロンと同じく機械で出来た惑星であり、かつてビッグコンボイとロックバスターが赴いた惑星である。
「だが急にどうしたんだ?そんな昔の事を?」
「いや、今のセイバートロンを見ると、どうにも頭をよぎってしまってな・・・・・・」
話は10年以上前に遡る。
「ここか?その、機械化惑星っていうのは」
「ああ。噂では、この星にデストロンのような生命体が確認されたらしい」
「そりゃけったいなこと」
「はあ・・・・・・呑気にしてないで、着陸出来るポイントを探してくれ。ロックバスター」
「はいはい、お?衛星にちょうど良い場所がある。ここにしないか?」
「・・・・・・ギリギリ地表まで行ける距離の場所だな。ここにしよう」
ビッグコンボイ達を乗せた船がその衛星に着陸すると、周囲の安全が確認され、出撃体勢に入る。
「行くぞ」
「ああ」
船から降りた二人は、間髪入れずに本星へと向かった。
「ロックバスター、俺達に出された任務は、この星に居るというデストロンを倒すことだ」
「わかってるよ。だが、本部も何で俺達に頼むかね。デストロンは一人なんだろ?じゃあ俺達二人でなくてもいいわけだ」
「やんごとない何かがありそうだ」
「お!もう着陸できるぞ!」
機械化惑星に降り立った二人がまず目にしたものは、母星セイバートロンと酷似した大地だった。
「巨大なビル群にそれぞれを繋ぐ鉄の橋、そんでもってこの惑星の最上層の人気の無さ、まるでセイバートロンだな」
「とにかく、下層へ降りていかなければ・・・ぐぅ!」
「どうした!ビッグコンボ・・・うぅ、これは・・・」
突如として二人の体に青白い電流が走りだした。
「これは、この星はエネルゴンの濃度が高過ぎる・・・・・・!」
「ビーストモードだ!一旦ビーストモードになるんだ!」
それぞれマンモス、蟹に変身することで事なきを得るも、事態の深刻さは深まってしまった。
「まさかここまでエネルゴン濃度の高い惑星が残っていたとは」
「デストロンが狙う理由もこれだろうな」
「・・・・・・急いで任務を済ませよう。いくらビーストモードといえど、ロボットモードが3分も保たなかったんだ。どんな影響が出るか分からん」
「ああ、そうだな」
そうして、二人は惑星の下層に向けて歩き出した。
「見ろよビッグコンボイ。こりゃエネルゴンクリスタルだ。それもかなりデカイ。まるで岩だぜ岩」
「なるほど。エネルゴンの濃度が高いのはこれが原因か。このあたり一面のエネルゴンクリスタルが」
惑星の中腹に差し掛かると、そこには数えるのが億劫になる程のエネルゴンクリスタルが存在していた。
「こりゃ絶対に変身出来ないな」
「下層はもう少しマシだと良いが」
ピピー、ガー
「「!?」」
突然背後から聞こえた音に二人が振り返ると、そこには銃を構えた謎の物体が立っていた。
「俺を打て!ビッグコンボイ!」
「応!」
ビッグコンボイはマンモスの鼻を大きく振りかぶり、軽くジャンプしたロックバスターを野球の球のように打ち飛ばした。
「うおおおお!」
打ち出されたロックバスターは、大きな右腕を謎の物体に突き刺した。
ピー、シュウン
という音とともに物体は銃を落とした。
「なんだ?こいつは」
「分からない。だが、調べようにもな・・・・・・」
「むず痒いな。幾らかバラしてみるか。似たようなものが無いか警戒しておいてくれ、ビッグコンボイ」
「分かった」
そうしてハサミを器用に使い、ロックバスターは物体を解体していった。
「これは・・・・・・」
「何かあったのか?」
「ここ。この、ちょうど胸の辺りにある一際大きい・・・・・・ポンプみたいなパーツ、さっきまで動いていた形跡があるんだよ」
「それは、お前がとどめを刺したからじゃないか?」
「確かにそうだ。だがそれだけじゃない。この、ポンプの横にある空洞、どこにも繋がってないんだよ。ただあるだけ」
「・・・・・・もしかしてだが」
「いや、みなまで言うな。憶測でモノを言ってもどうにもならないぞ。とにかくこの星にいるっていうデストロンを優先しよう。調べるのはその後でも良い」
「まあ、それもそうだな」
疑問を一度捨て置いた二人は、再び惑星の最下層を目指した。
生命体が確認されたという噂があったため、道中一人くらいは話せる奴が居るだろうと踏んでいた二人だったが、どれだけ歩いても生命体が現れる事はなかった。
「なんか暇だな。しりとりでもするか?」
「気を抜くなロックバスター」
「へいへい」
ピピーピピーピピー
「・・・・・・聞こえたか?」
「ああ・・・・・・バッチリな」
突如耳に入った電子音を、二人は逃さなかった。
すぐに音の発生した方へ向かい、発生源を特定。小型のデバイスを拾い上げた。
「・・・・・・携帯端末、通信機といったところか?俺達の歩く振動で起動したか」
「動かせそうか?」
「ふむ・・・・・・お、映像が記録されてるな」
ロックバスターがボタンを押すと、空中に映像が投影された。
「ホログラムか」
「随分と進んでたんだな」
『まず自己紹介をしよう。私はハインデル。この映像が再生されることがないことを承知で記録する』
ホログラムには素体のトランスフォーマーのような姿をした男性が映っていた。
『単刀直入にいうと、この惑星に未来は無い。口で説明するよりも見てもらったほうが早いだろう。見てくれ。この街の惨状を』
カメラが動かされ、映されたものは急速に巨大化しては折れていくエネルゴンクリスタル。ハインデルに似た人々を射殺しては何処かへ連れて行く先程二人が破壊したロボットだった。
『我々は、踏み越えてはいけない一線を超えたのだ。それがこの結果だ』
「これは酷い・・・・・・」
「まるで、かつてのセイバートロンだな。伝説のコンボイ司令官がいた頃の・・・・・・」
『何故こうなったのか。それは、この惑星の歴史から話さなければならない。この惑星の誕生について詳しく分かっているわけではないが、遥か彼方のセイバートロンという惑星が出来た時、神が余ったもので作ったという神話がある』
「つまり、この星はセイバートロンの兄弟惑星ってことか?」
「神話である以上断言は出来ないが、そう言えるな」
『とにかく、もとより機械で出来ていたこの星には、我々のような機械生命体と、体に大量の節があり、百以上の足がある金属生命体の2種類の生命体が存在していた。2種類の生命体は、共にエネルギークリスタルを食べ生きていた。だが、ある時事件が起きた』
「エネルギークリスタル?」
「エネルゴンクリスタルが訛ったんだろう」
『金属生命体が、我々機械生命体を捕食したのだ。どうやら奴らにとって、我々はエネルギークリスタル以上のご馳走だったようで、それ以来金属生命体は我々機械生命体を餌として認識するようになった。もちろん我々は反撃した。武器を取り、金属生命体達を絶滅させんと戦った。そして、他の金属生命体よりも3倍ほどの大きさを持っていた一体を討伐したことにより、戦いは終わった。この星から金属生命体が駆逐されたのだ。だがしかし、誕生からずっと共生していた存在を失うことは、確実に星の寿命を削る行為だったのだ。戦いによってほとんどのエネルギークリスタルは星の最下層にまで降らなければ手に入らないほど消失し、上層に行くに連れて金属生命体の死骸で溢れかえった。その状態が1000年程続いた。そして、悲劇は起こった。ある科学者が金属生命体の亡骸を使い、エネルギークリスタルの収集ロボットを作り上げた。初めは問題無く稼働していたが、その科学者が、エネルギークリスタルの成長を促進させる薬を作った。それがいけなかった。薬を散布した途端、地下深くのエネルギークリスタルが、大地を割って大きくなり続けたのだ。それに不幸が重なった。収集ロボットが自我を持ち出したんだ。自我を持った収集ロボットは、武装し、我々機械生命体を改造して数を増やしていった。エネルギークリスタルは割れると爆発を起こす。侵攻する収集ロボットと、大きくなり続け互いに接触することで割れ爆発するエネルギークリスタル。もう地獄絵図だ。この星はいずれ滅びる。もしこの映像を見られているとすれば、警告しなければならない。この星は危険だ。今すぐ逃げてくれ。以上。保安官ハインデル』
「映像はここまでだ。ビッグコンボイ、こいつはどうすればいいと思う?」
「・・・・・・一応、本部に届けるべきだろう。貴重な史料になるかもしれない」
「そうか。じゃ、先を急ごうぜ」
端末を収納し、二人は下層へ急いだ。
道中は不気味な程の静寂に包まれ、上層よりも二人の精神を擦り減らさんとしているとも感じられた。
「お、行き止まりか」
「ここまで歩いてきたが、デストロンもあのロボットも出てきやしなかった。どうなっている?」
「一旦上に戻るか?」
「いや、それはよそう。この星のエネルゴン濃度は高過ぎる。時間をかける事はできない」
「じゃあ、もう手段は一つしか無いな?」
「やむを得まい・・・・・・変身!・・・・・・グゥゥ・・・・・・」
そう言うとビッグコンボイはロボットモードに変身し全身を走る痛みに耐えながら構える。
「変身・・・・・・!・・・・・・これは、応えるな・・・・・・よし。吹き飛ぶなよ・・・・・・ビッグコンボイ」
ビッグコンボイに次いで変身したロックバスターは左手のハサミから愛銃、”クローバスター”を構える。
「行くぞ・・・・・・」
ロックバスターはクローバスターを四方八方に撃ち放つ。
「そこだ!右斜め下!」
「マンモスハーケン!」
ロックバスターの指示の下、ビッグコンボイは足からハーケンを発射した。
「当たりだな。ビーストモード」
「ビーストモード。待ってろ。今お前が通れるよう瓦礫を退かす」
そして、二人はさらに惑星の深部へ進んだ。
仄暗い通路を進むうちに、ロックバスターは何かに気づいた。
「なあ、ビッグコンボイ。気づいてるか? ここいらの結晶、不自然に壊された形跡がある」
「確かに。まるで、強い力でへし折られたような・・・・・・」
「近いかもな」
「ああ・・・・・・」
カシャン・・・・・・カシャン・・・・・・
「何者だ!」
不自然に破壊されたエネルゴンクリスタルに気を取られていた二人は、背後からの気配に気づくのが遅れてしまった。
「■■■■■■■■」
「■■■■■■■■」
「■■■■■■■■」
そこには、惑星の中腹で遭遇したロボットが十体程。銃で武装し二人を狙っていた。
「・・・・・・行けるか?」
「ロボットモード、いつまで保つかね。ロックバスター!変身!」
「ビッグコンボイ!変身!」
ロボットモードに変身した二人を前に、ロボット達は攻撃を開始。狭い通路での交戦であることが幸いしてか、陣形を組み、最前列のロボットだけが発砲する。
「マンモストンファアアアアアアアッ!」
「ウオオオオオオッ!」
二人は自分達に向かってくる銃弾をものともせず、ビッグコンボイはトンファーでロボットを吹き飛ばし、ロックバスターはロボット達の後ろに飛び、背後からクラッシュクローを炸裂。ロボット達を切り刻む。
「これで!」
「最後だ!」
ビッグコンボイのマンモストンファー、ロックバスターのクラッシュクロー。
二つの武器が同時に最後のロボットに叩き込まれ、ロボットは紙切れのように引き裂かれた。
「終わったな」
「・・・・・・ロックバスター、体に不調は無いか?」
「うん?・・・・・・ああ、なんとも無いな」
「俺もだ。どうやらこの星は、下層のエネルゴン濃度が低いらしい。それに、、この辺りのエネルゴンクリスタルの数が少ない」
「デストロンの仕業か、はたまたあの映像の映っていないところで何かがあったのか・・・・・・まあ、気にしても仕方がない。ロボットモードで問題無いなら、それに越したことはないからな」
二人は再び歩き出した。
しばらく進んで行くと、半開きの扉を発見した。
「ふ・・・・・・んっ!」
扉をビッグコンボイがこじ開けると、研究室のような様相が目に映る。
いたるところに散乱した試験管、切れかけた電灯は、廃墟を演出するには上出来だった。
「どう思う、ビッグコンボイ?これ、明らかに人の手が加わってる」
「・・・・・・思うこと、か。いるかもな」
試験管を拾い上げ、見てみる。
何の変哲も無いものだが、少し、濡れている。
「そこだ!」
手に持つ試験管をダーツの要領で投げる。
「ぐうっ!?」
「ビンゴ、だ」
「さて、鬼が出るか蛇が出るか」
部屋の隅に投げられた試験管は、そこにいた者に声を上げさせた。
「ぐ、ううう・・・・・・」
「こりゃひどい」
「・・・・・・不要だったか」
ビッグコンボイが投げた試験管は、そこにいた者の胸に深々と突き刺さっていた。だが、二人の目はそこ以外に向けられる。
「く、うう・・・・・・」
二人の前にいる者は、片腕を失い、体中の装甲が剥がれ、頭部はおよそ四分の一が失われているという、あまりにも痛々しい姿をしていた。
「で、どうする?」
「うむ・・・・・・捕まえようにもすでに瀕死。これでは少し動かしただけでくたばるかもな・・・・・・」
「う・・・・・・お前・・・・・・達は・・・・・・」
これからどうするかを話し込んでいると、話の中心であるデストロン兵が声を発した。
「サイ・・・・・・バ、トロン、か?」
「そうだ。俺はビッグコンボイ。こっちは」
「ロックバスター」
「ん・・・・・・大方、私が・・・・・・目的か・・・・・・?」
「まあ、そうなるな」
「あき、らめろ・・・・・・見ての通り、もう、限界だ。限界、なんだ」
「せめて聞いておこう。なにがあった?」
「始まりは・・・・・・些細なことだ・・・・・・この星のエネルギー・・・・・・それを、欲した・・・・・・ただ、それだけ・・・・・・」
「それでどうしてそうなる?」
「増やそうと、した。この星はエネルゴン濃度が高い・・・・・・だが、もう、死んでいる・・・・・・エネルゴンクリスタルは、もう、なんの、意味も、持たない・・・・・・私は、フラクティル・・・・・・エネルギーを研究し、このザマだ・・・・・・」
「フラクティル、聞いたことがある。デストロンの研究者の名前だ。研究分野のことでサイバトロンに協力を持ちかけた、デストロンの鼻つまみ者だと」
ロックバスターは思い出したように言い放った。
「もう、私に救援は来ない。そう、思っていた。ははは、まさか、最後に見るのが、最後の来訪者が、サイバトロンとは・・・・・・私にも、この星にも・・・・・・」
「待て、どういうことだ?」
「最後の来訪者、だと?」
フラクティルの言葉に、二人は疑問を抱く。
この星にも最後の来訪者。という最後の言葉に、ただならぬものを感じたのだ。
「・・・・・・なんの音だ?」
「地下から、何かがせり上がってくる・・・・・・?」
ゴゴゴゴゴ・・・・・・という低い音が徐々に大きくなり、会話を遮る程にまで達する。
「なんだ・・・・・・どういうことだ!フラクティル!」
壁にもたれ掛かるフラクティルに掴みかかるロックバスターだったが、フラクティルはなんの反応も示さなかった。
「・・・・・・駄目だ、くぅっ!」
「ロックバスター!何をしている!離れるな!」
「ああ、くそっ!」
ビッグコンボイと背中を合わせ、部屋の中央に立つ。
すると、床を、地面を突き破るようにエネルゴンクリスタルが飛び出した。
「うおおおおおおおお!?」
「これは、あの映像の!?」
つき上がり、巨大化を続けるクリスタルを目にし、ビッグコンボイは道中拾った映像データを思い出した。
「そうか、そういうことか!フラクティル!」
「なんだ?どういうことだ!?ビッグコンボイ!」
クリスタルの勢いによって空中に投げ出されたビッグコンボイは、同じく投げ出されたロックバスターに向かって叫ぶ。
「奴は、奴も見たんだ!あの映像を!」
「んな!?じゃあ、奴はあれを再現したと!?」
「しようとした、だ!だが無理だった!奴一人では、薬ができても、それ止まりだった!」
「すると、俺達が来なければいけなかった、俺達出なければ薬の効果が出ない理由があったということか!?」
「ああ!それは、おそらく衝撃だ!」
「何が衝撃だって!?」
「違う!そっちの衝撃じゃない!」
「じゃあ、俺達の攻撃の、あの部屋までの行動の全てが!?」
「そうとしか考えられん!あの映像で言及されていたエネルゴンクリスタルの成長促進薬、撒いた途端に巨大化したと言っていた!ああ、その場にいた者ならばそう考えたろう!だが、この星は、かつて有人惑星だった!あったんだよ、常に!衝撃が!」
「・・・・・・生活か!」
「あの映像の保安官は事の顛末を知っていた!それはつまり、薬品散布の場所にいたということ!だが、それ以外は!?ただの一般市民は!?その事を知っていたのか!?おそらく、実験だったんだ!正式発表ではない、公職の者を集めたプレゼン!そこで起きたんだ!」
「なるほど!説明になってるな!フラクティルの薬が完全に再現されたものでないにしても!研究者ならば、一度、同じ物を作る!改良はその後にするはず!」
「ああ!そうだ!奴の体がボロボロだったのも、おそらく研究!エネルゴンを摂取し、分解できるトランスフォーマーの体なら、使えると判断したんだ!きっと!」
「自己犠牲か酔狂か、わからんもんだな!」
「とにかく今は船に戻るぞ!」
「分かってる!」
巨大化し続けるクリスタルにより、貫かれ、破壊されていく星の残骸を足場にし、二人はひたすら上を目指した。
衛星にある自分達の船に乗るために。
「・・・・・・!」
ふと振り返ると、そこには形を保てずに崩れ行く星があった。
恒星の光に照らされたクリスタルと、その反射光で煌めくかつての大地は、二人の体と二人の船を、眩いものに変えていた。
全方位から注がれる光は、二人の記憶に強く焼き付き、その後の記憶をかき消すほどだった。
「まあ確かに、思い出してみれば、セイバートロンはああなりかけてた訳だもんな」
「あの星との違いは、中からか外からか、だからな。どんな経験も教訓。活かすこと、広く教え伝えることが出来てこそ・・・・・・柄にもなく、感傷に浸ってしまうな。また私らしくないことを言ってしまった」
「なんだそれ」
「おーい!ビッグコンボーイ!ロックバスター!」
「この声は」
「ブレイクだな」
サイバトロン極地工作員、ブレイク。
ビッグコンボイの教え子にして、ユニクロンと戦った戦士の一人。
「どうした!ブレイク!」
「へへ、ちょっと手伝ってほしいトコがあってさ。結構デカイ瓦礫でさ〜」
「なるほど。ビッグコンボイが運んで、俺が小さくする。ということか?」
「そう!そういうこと!」
「ふ、行くか」
「そうだな。ここでずっと駄弁るわけにもいかないしな」
そう言うと、二人はブレイクの案内に従い作業に向かった。