要素は取り入れつつ、ストーリーを大幅に改変しています。
暗闇で、男は語る。
800年前の王、圧倒的な力を持っていた彼であっても、コアメダルに秘められたる欲望に器は耐えられなかった。その結果オーズドライバーの制御装置が働き、全てのグリードを封印した石棺が誕生した。
では、王の身体はどこに消えてしまったのか……。私はそれがどうしても知りたかった。真木博士が離反する前、棺を調べてもらった結果がこうだ。
セルメダルと石棺に王の身体は変質した。これが結論だった。私はそれを聞いて胸が弾むような思いがした!
棺は封印が消えた時に全て消えてしまったが、王の身体から生み出されたセルメダルはまだ残っている!かつての欲望の王から生み出されたセルメダルには、どんな欲望が詰まっているのか……。
明かりと暖簾の下からもう一人の男は尋ねる。
「や、そういう話は聞いてやるからさ。折角おでん食いに来てんだから、早く座りなさいよ会長も」
「煮卵3つ、どうぞ」と屋台の主が言ったのを聞いて屋台前のイスに座る鴻上。
「で、なんだっけ?昔のオーズのセルメダルの話だっけ?それが結局なんなのよ」
「グリードが現代に復活した当初、棺にはセルメダルの一枚も残されず、彼らの身体の一部となっていた。そのため、私は王のセルメダルを手元に置くことができていなかったのだが……」
鴻上は胸元から一枚のタカセルメダルを取り出す。
「グリードが火野映司くんとアンクくんや、君と後藤くんたちによって倒された際に散らばったセルメダルの中に、残っていたのだよ。王のセルメダルがね」
「ふうん……それがその王セルってことね」
「このセルメダルを君の持つプロトバースの装備に用いると、装備の方が耐えられない。更に言うならば、バースでも、オーズにプレゼントしたオーキャリバーでもそれは同じだ」
伊達はその言葉に目を見開く。足元に置いていたミルク缶からバッタセルメダルを手に取り、鴻上の持つタカメダルを摘み取り見比べる。
うーんと何度か唸った後、一つ頷いた。
「何も分かんない!」
「見た目上の変化はほとんどないに等しい。しかし、内包するエネルギー……欲望は、コアメダルとそう変わりはしない」
「そりゃバースじゃ耐えられんわけだ……あのさ、結局何が言いたいわけよ」
伊達は、タカセルメダルを指で弾いて鴻上に返却する。
鴻上はそれを受け取った後、どこからか取り出した蝋燭を煮卵に突き立てながら話を続ける。
「欲望とは力であり、生命活動そのものだ。だからこそ、欲望を内包するメダルであったコアメダルを主軸にしたグリードたちは、疑似的な生命として活動ができていた……。それに近しいエネルギーを備えたセルメダル、それも古代の王から出来たセルメダルに、何かしらのグリードの成り立ちと同じようなキッカケを与えたら、一体何が誕生するだろうね。伊達くん」
またもやどこからか取り出したマッチで、蝋燭に火をつける。
これは私の願望に近しいが、と胸中で独白し、誕生、否、再誕を願うのだ。
「Happy birth day to you……800年前の王よ」