【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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久しぶりなので初投稿です。


というか久しぶり過ぎて文体変わりすぎてる……直さねば。

あとウォルフラムが好きな方はすみません。元々決めていた路線通り消し炭になってもらいます。科学に犠牲は付き物。


科学者たちの夜

私、グウェンと発目明、奥田宮乙葉(ドクター・オクトパス)、デヴィット・シールド、そしてその娘であるメリッサ・シールドとあと一人…いや、うん。簡単に言うと『この世界のトニー』がビルの最上階の一つ下の研究室で顔を突き合わせていた。 というか私とメリッサ以外、もうすんごいテンションでこの世界の最新鋭を最速で塗り替えていた。 ヤバいかもしれない。スパイダーとミゲルが知ったら………やめとこ。

 

「デヴィット、Ms.発目、オットー。 ボクは天才だがキミ達もなかなかだと改めて認識させてもらったよ。 キミ達なら十二分に助手としてやって行ける。いい給料も出そう」

「ありがとうスターク。 オールマイトから色々聞いて私も憑き物が落ちた気がしていた。休憩がてら片手間でいいなら働いても構わないさ」

「スタークインダストリーの技術力を私のドっ可愛いベイビーに? それはそれは…フフフフフフフフ!!!!」

「フンッ、私が助手だと!? 逆ならば考えてやらんでもない」

 

ぶっちゃけ、私では四人が何を作ってるか分からなかったけども。多分ろくでもないものであるのは確実である。

 

「あの、スパイダー。 パパたちがごめんなさい…」

「あぁ、ううん。いいの気にしないで。 元はと言えばこっちが連れてきた発目明のアイデアが原因なんだし…ドクター・オクトパスもなにをやってるのやら…」

 

窓から下を見ていると黒い鞭のようなものを振るうって動き回る緑谷出久が見える、どうやら多少なりとも制御が効き始めたようだ。 昨夜、あの殴り合いのあと感覚を忘れないうちにとかなんだとかで特訓を始めていた。 嬉しい誤算は爆発の子がそれに付き合っている事だろうか。

 

「ま、あの子達も今夜のパーティーには出てくるように言っておくからメリッサもパーティーの時くらいは小難しいことを考えるのはやめましょ」

 

そう。パーティーである。

スパイダーの宿命というか『ピーターラック』というべきか。そういう大きなことがある際は基本的になにか良くない事が起きる。 この世界における『スパイダーマン』の彼はまだ『スパイダーマン』になるには数年早く、カノンイベントも起きていない。今はまだ雄英高校のヒーローの卵たちよりも若く、前途ある少年だ。 ちょっと、小さい頃の彼は可愛らしいとか思ってしまったけど。

 

さて、元はと言えばこの研究室でやっていることはヒーロー『インゲニウム』の下半身不随をサポート出来るアイテムの開発だった筈だ。そして、この世界のトニーはまだ…そうまだ『鉄人(アイアンマン)』にはなって居ない。 アメリカヒーローのサポートアイテムを作成し、軍や国防に関わっている。このまま一人の男として生きていくのか、他のユニバースと同じようになってしまうかは分からない。 ただ"個性"が多くあるこの世界で無個性であるトニーはその知恵と技術で多くの人間を黙らせてきたのだ。そして、"個性"という力はあれど兵器は兵器。 インゲニウムが個性を使われていたとはいえ刃物でやられたように、無個性でも使い方によっては容易に武器で相手を殺してしまうことが出来る。 己の命を脅かすであろうモノを開発するトニーが無事で居られるとは到底思えない。

 

「ままならないわね」

 

下手をしたら死んでしまうと分かってても、あまり関わることは良しと出来ないのが辛いところだ。と思っていたら科学者共が声を上げている様子に胃が痛くなるばかりであった。

 

 

 

 

 

さて来たる夜。

珍しい正装へと身を包んだ生徒達がパーティー会場へと足を運んだ。 敵連合に襲われた生徒を世間から引き離すためのモノではあるがメンタルケアの面も兼ね、オールマイトがデヴィッドに頼んだものでもあり、それにトニー・スタークが恩を売れるならと出資した面もある。

 

そんなことは露知らず、出久と爆豪は並んで会場に入り食事や会話を楽しんでいるクラスメイト達へと近寄る。

 

「なしたんデクくん!? 傷だらけだよ!?」

「爆豪くんもだ! まさか二人で喧嘩したわけでもあるまいな!?」

「い、いやいや! そんなこと……あったりなかったり…」

「ケッ! ちゃんと許可を取った模擬戦の結果だクソが。 テメェも曖昧な答え出してんじゃねぇデクぅ!」

「ご、ごめんかっちゃん!?」

 

『黒鞭』が発動してしまった出久が昨夜気を失い、オールマイト、相澤、連絡を受けてすっ飛んできたグラン・トリノの監視下の元、秘密を知った爆豪と共に新たな力の試運転を朝から行ってきた。 発動事態は任意にできるようになったものの使いこなせるか?と言われれば依然として否である。 『OFA(ワンフォーオール)』の様に常時発動し使うのとは全く別。 どちらかと言えば爆豪勝己の個性のように『使う』と意識しての『黒鞭』の使用は出久にとって慣れているものではなく、また同時に使っている『OFA』の制御にも響いて暴発に次ぐ暴発を繰り返していた。 毎度の如く巻き込まれて爆豪までボロボロになっている。

 

「テメェのアレ、早く使いこなせるようになれや」

「う、うん。 かっちゃんみたくタイミングを掴めば僕の機動力とかも上げれそうだから頑張るよ…」

「二人とも身体は大丈夫?」

 

普段より剣呑な雰囲気ではない二人に近づくのはドレス姿……なのにいつも通りスパイダースーツを着たグウェン。 皆が皆、あ、それは脱がないんだ……と思ったのは言うまでもない。

 

「アンタも、あのスパイダーマンみてぇに強ぇのか」

「ン? まぁ、そうね。 互角とは言わないけどほぼ同じじゃない? 戦闘経験の差はあるけど」

「……ちっ、そォかよ」

 

ミゲルはやる事があるらしく本土の方へと行った。 これもオールマイトのコネだけど。 スパイダーマンは要安静だから…とは言っても彼のことだ。すぐに事件に首を突っ込んでいるだろう。金銭的な関係で契約をしているヴィラン達や理由をつけて手を貸してきてるヴィランも、まぁ与えられるものさえあれば元の世界に戻るために手を貸してくれてるから大丈夫だろうし……まさかライノとかがヒーロー達との模擬戦に手を貸すとは思わなかったけど。

 

終始、和やかな雰囲気で進むパーティーには科学者組が参加してない。オールマイトもキョロキョロとデヴィッドを探しているが見つかるはずもなくグウェンの方へと寄ってきた。

 

「やぁ、改めて色々とありがとうスパイダー……あー、ウーマン?」

「グウェンでいい。 昨日は昨日で二人の喧嘩を見てたししっかり話してなかったねオールマイト」

「うん、キミも別世界のスパイダーなんだって? 彼から聞いたマルチバース……ふふ、年甲斐もなくワクワクしてしまったよ」

「そんな最高なもんじゃないけど……今回だってマルチバースに穴を開けまくったヴィランのせいでこんなことになって…実際、この世界にめちゃくちゃ迷惑をかけてるわけだし」

「それでも、私やこの世界のヒーロー以外にも……沢山の世界に沢山のヒーローが居ることを知ることが出来た。 これは、大きな財産になるさ」

 

何処までも前向きなんだな。と思うと同時に余計な心労を掛けることに申し訳なくなってしまう…

 

「最も、この世界の危機は……必ず来るんだろう?」

「……まぁそう。 多分…というか間違いなく宇宙からの侵略はある。 その時に力になれる人が多ければ多いほど良いのは確かよ」

 

非常に残念ながら、この世界の敵は『AFO』だけではない。その先を見据えると(ロキ)宇宙人(サノス)なんかが居るのはほぼ間違いない。 自分のところにもその二つはやってきたのだから。

 

不意に、会場の電気がチカチカと点滅し突如爆発音が響いた。

やっぱり来たか、敵が…。と窓から外を眺めると向かいのビルの屋上が消し飛んでいた…あれって研究室があったところじゃない!?

 

「オールマイト、生徒たちとここにいて! 私が見てくる!」

「わかった…、相澤くん。皆を会場の中心に集めるんだ」

 

冷静に対処をしていく姿を後目に窓を殴って砕き飛び出す。 あの科学者たちに何かあったら不味い。 ウェブを貼り付け一気に飛び上がるとどうやら吹き飛んだのは研究室より真上だったようで、科学者(バカ共)は尻もちをつき煤けた状態になっていた。

 

「げほっ……ごほ…、いや、ボク達は運がいい。 あれ程のエネルギー放出が真上に向いてくれて皆無傷なんだから」

「そうだな……ごほっ…、いや本当に。メリッサを一人残して逝くところだって」

「エネルギーを無理に凝縮しすぎましたね! 小型化はまだ先の話……いえ、何かを見直さないと無理でしょうか」

「ふむ……私もアレに詳しくないとはいえいい線いったと思ったが」

 

各々が爆発し吹き飛んだ研究室で呟いている姿を見て怒りよりも先に呆れが来てしまうグウェン。

 

「…………あのね、アンタ達なにをしようとしたらこうなる訳?」

「やぁ、グウェン。 ウチの会社で作ったアークリアクターを小型化しようとしてね。 気がついたら臨界点を超えて強制放出したってわけさ」

 

絶句である。

トニーの言い分にフリーズしていると吹き飛び穴の空いた天井部分から何かの破片が落ちてくる。

 

「む、ヘリ? 屋上にヘリなんて止まっていたか?」

「さぁ? まぁ我々に被害がなかったからいいじゃないか。 原因の洗い直しをするぞ」

「そうですね。アークリアクターなんて素晴らしいエネルギー! 小型化しない手はないですから!」

 

 

 

 

人知れず、消し飛んだヘリコプター(ナニカ)なんてまるでなかったかのように……彼らは先を進んでいくのだ。

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