「うふふ」
「すごく優くんがニコニコしてる」
「残りが封印されてる人だけだからじゃない?」
優は珍しく気分が軽かった。だって自主的に動くヤバイやつらの確保が終わったから。
「ノーブルレッドは雑に確保したし、少し休み貰ってもバチは当たらないさ」
そう、ノーブルレッドの確保が完了したのだ。え、どうやってかって?知り合いにアダムなどのパヴァリア組がいるため余裕だったのである。ちなみに確保したノーブルレッドは面倒だったため、優は二課に丸投げした。
こうなって来ると問題はラスボスのシェム・ハなのだが……。シェム・ハの顕現に必要な諸々は優がどうこうして確保してガチガチに封印しているため、復活する可能性がほぼ無い状態である。
「まぁ、問題があるとしたら」
優は振り向き、
「ズゾゾゾゾゾゾゾ」
「グニグニ」
「こいつらなんよなー」
マヨネーズ山盛り温玉×3乗せ焼きそばをすするサンジェルマンとチーズマーガリンバターを齧ってるキャロルのメンタルボロボロコンビを見る。……チーズマーガリンバターってなに???
「本当に……本当にすいません……」
「エルフナインちゃんは悪くないからね」
「気にしない方がいいよ」
「悪いの全部キャロルだからな」
「そうなってるの自業自得だからなぁ」
本気で謝るエルフナインを響、未来、クリス、優が慰める。
「そういえば、何でサンジェルマンさんまで家で預かってるの?」
「それが……」
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数日前 カリオストロから連絡が入ったため、2課の用意したセーフティハウスで待っていると
「ごめん、サンジェルマン預かってちょーだい」
「なぜ??……まぁ、とりあえず中で話しましょう」
急にカリオストロがメンタル回復クッションにぐでっとしているサンジェルマンを荷車に乗せやって来たのだ。
カリオストロは家に入り席に座ると、優が持ってきた水を一気に飲み干し、ふぅと一息つく。
「で、どうしてです?」
「いや実はね……仕事多すぎて面倒みれないのよ」
「うーん、切実」
サンジェルマンがポケーっとしている状態から復活しないため、業務量が増えているのだ。
「ここ最近、下っ端共の尻拭いが終わらないの……どいつもこいつも勝手な事しやがって」
「怒りのあまり声が低い……怖い」
カリオストロの声は低かった。実家じゃ声低そうとか、そんなレベルじゃない程に低かった、
「そもそも、アダムがキチンとしてたらこんな事になってないわ!!」
「アダムさんの場合はシンプルにやる気が無いでしょ」
優の言葉が刺さったのか、カリオストロはテーブルに突っ伏す。
「何でよりにもよってアレがトップなのよ……」
「パヴァリアの設立者だからじゃないっすかね。あと実力はあるし」
そんなパヴァリアの設立者であるアダムは日本秘湯巡りの真っ最中だとさ
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「という事があってな」
「何で組織のトップが組織放っておいて温泉巡りしてるの?」
「さぁ?」
アダムだから。それ以外の理由は特に無いだろう。
「まぁ、とにかくあのマジで終わってる奴らをどうするか……」
「引き剥がせばいいんじゃね?」
クリスがごもっともな事を言い出した。まぁ、クッションのせいでバグっているのなら引き剥がせばいいのだ。……いいのだが……
「ちょっと言葉に出来ない状態になるから無理」
「「「どういうこと!?!?」」」
「トイレとかで自分から離れた場合は問題ないんだよ。無理矢理剥がしたり隠したりすると騒ぎだす。はぁ、いい年したヤツらがオギャるなよ……」
「「「えぇ……」」」
「本当に……っ!!ぼくは……っ!!情けなくて!!!情けなくて……っ!!!」
以前、優とエルフナインはクッションから引き剥がしたらどうなるか試した結果、キャロルが幼児退行したのである。エルフナインはその光景を目撃し、膝から崩れ咽び泣いた。
「そもそも、どうしてこんな事になるんだろう?」
「ぶっちゃけ、いや、あのクッション数百年のダメージ受けてるヤツの事とか考えて作ってないから。数百年分のストレスは流石に想定してないから」
「じゃあなんで座らせたんだよ」
クリスがツッコム。何が起こるか分からない物に座らすな。
「それでも普通はこうならんのよ。現にカリオストロさんはピンピンしてるし。やっぱり数百年以上のストレスだったり責任感とか覚悟とかの負荷が掛かりまくってる場合こう……なるのか?ならんだろ普通?」
「結局分からないんだねぇ」
不明なまま、今回は終わりである。