初投稿です。駄文注意。感想返信は気が向いたら……いや、多分やらない。
とある高校の下校時間。2━Aの教室では、一人の少年の周りに整った顔立ちの少女達がその少年を取り囲むように居た。
「ねえ隼人!私と一緒に帰りましょ?」
「なに言ってるの!隼人くんは私と……「いや、帰り道同じだし皆で一緒に帰ろうよ、ね?」
隼人と呼ばれた少年と美しい少女達。恐らく、いや、余程察しが悪くない限りは大抵の者は少女達が隼人に恋愛感情を向けていることがわかるだろう。
事実、隼人を取り囲む少女達は全員隼人に恋愛的な好意を向けていた。彼女達が隼人に好意を向けるようになった理由はそれぞれ違うのだが……まあ、それは置いておこう。
しかし、隼人は彼女達の恋愛感情に気がついていなかった。
「2人で帰るから意味があるのに………ほんと鈍感なんだから(ボソッ」
「………?何か言った?」
「あっ!?なんでもないわ、ただの独り言よ!」
「………そう?何かあるならハッキリ言ってくれよ、僕に出来るだけのことはするから。」
少女が顔を赤らめるが、隼人はその事に気が付かない。
その数分後に、隼人と少女達は教室を出て行った。
画面の前の紳士諸君に断っておくが、無論、帰宅しただけだ。やましいことは無い。
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……隼人と少女達が教室を出て行って、数分後。
ちらほらと2━Aの教室には生徒が残っている。その中の所謂非モテと言われる3人の男子グループが隼人に対する嫉妬からか、軽い陰口を叩いている。
しかし、その非モテグループの1人である後藤はあまり陰口に乗り気ではない。
「……なあ、どうかしたか?後藤?」
「いや、なんでも。」
後藤は3人の中でも、率先して隼人の陰口を叩いていた。そんな後藤が隼人の陰口に乗り気でないということに違和感を覚えた渡辺が後藤に尋ねたが、返事はそっけないものだった。
後藤は、数日前の出来事を思い出していた。
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とある日の昼休み。
隼人と後藤が2━Aの担任の鈴木から荷物の運搬を指示され、教室に戻る途中での出来事。
「………なあ、隼人。」
「えっなに?」
後藤が話しかけたことに不意打ちを突かれたような表情で隼人は後藤に向き直る。
「お前さ、アイツらのことどう思ってんの?」
「あの子らのこと?」
「そーだよ、可愛い子侍らしやがって。ギャルゲ主人公かよ。」
「侍らしてはないよ?精々男避けとして使われてるだけでしょ。」
「………ぃゃぃゃいやいやいや!どーっ見てもアレは全員お前に惚れてんだろがよっ!」
「……そう見えるの?」
「逆に聞くがお前はそう見えねえのかよ……」
後藤がそう尋ねるが、隼人は本気で美しい彼女達が自分に好意を持っているように思えない。
「………………………………………うん、見えない。」
「んだよ、今の間は……つーか、アイツらよくボソッとどう考えてもお前に惚れてないと出ない言葉吐いてんだろうがよ、離れてる俺らにも聞こえてんだぞ……」
「……そっ、か、そうか、そうなんだ。そうだったんだ。……なんか恥ずかしくなってきた。」
「?」
後藤は隼人の発言に違和感を感じる。そして、ふと、とあることを思い出した。
「……なあ、隼人。なんかお前ってさ、ギャルゲ主人公みたいだよな。」
「?……ああ、まあ第三者目線そんな感じになってたんだよね?多分。」
「単刀直入に聞くけどさ、お前、過去になんかあったりする?」
「……………!」
「その反応……なんかあるのかよ……」
「まあ、うん。」
「いや、ギャルゲの主人公って重い過去を持ってることなんて珍しくないからなあ。何となく、傷つけたならすまん。」
「……すまんと思うならそこの自販機前で僕の重い過去でも聞いていってもらおうか。」
冗談めかした隼人の言葉で面倒くさくなったなあと、後藤は思いつつも隼人の話を聞くことにした。
隼人の口から語られた話は、正直なところ後藤にとって愉快な話ではなかった。
隼人は3歳から5歳になるまで、実の両親から暴行を主とした虐待を受けていた事。虐待の後遺症で聴力や視力が弱くなっていること。
虐待発覚後は母方の祖父母に引き取られ、今はアパートを借りてアルバイトで生計を立てていること。
自分のように苦しむ人を出したくないという考えから人助けを続けていたら彼女達に慕われていたこと。
そんな話を聞いた後藤の感想は、
「ギャルゲ主人公って本当に難聴だったんだな。」
「おすすめのギャルゲーあるなら教えてよ。目も耳もアレだけどそんなにギャルゲギャルゲ連呼されるとやりたくなってきた。」
読んでくれてありがとうございます。非モテ3人組を出した意味はないです。後藤だけでよかったな。