山吹乙女の息子に転生し、狐に呪われた青年の物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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百物語組編とか言いつつ、時系列がちょっとね…?

まぁオリ主がいるのが悪いな


『カミサマ』

ー奴良組ー

 

鯉零が晴明に操られ、鯉伴を殺し、リクオは苦渋の決断で兄を倒す

 

兄と父を失いつつも、リクオは歩き続けなければならなかった

 

「…リクオ様…あの言葉を信じて良かったのでしょうか…?」

 

つららの言葉に戦いによって荒れた場所を見ながらそう聞かれる。

 

「…信じるしかないよ、どうなるかは分からないけど…」

 

兄を倒してすぐやって来たのは山吹乙女の依代の羽衣狐だった。

 

次の敵に青田坊達は警戒していたが、羽衣狐は降りしきる雨の中、兄を抱き上げ呟くように言った

 

「鯉零は死なせはせん。そなたの兄は妾に任せてくれぬか?」と

 

それから羽衣狐は話した『奴良鯉伴は燃やすな』と

 

何をしようとしているのか分からなかったが、あの時、羽衣狐の目を見て敵ではない、こちらを助けようとしてくれているのは分かった。

 

「リクオ様、総会の準備が整いました」

 

黒田坊に呼ばれ、総会の場に向かう

 

会議の場では今後の奴良組と百物語組・安倍晴明達との戦いに関してだった。

 

「二代目と三代目が同時に倒れちまった状態でなんとか凌ぐしかねぇが…お前らは信用して良いモンかね」

 

一つ目が前を向き言う

 

前に座わっていた鬼楼丸は頬杖をつき

 

「信用するもしないものテメェらに任せる」

 

「そもそも、三代目は何故鬼を配下に?」「何故我々に言わず…」

 

そう口々に言う幹部達

 

鬼楼丸は興味なさそうにしていたが

 

「……どうして、僕たちの味方をしてくれるの?鬼楼丸さん」

 

リクオのことばに静まり返る

 

「夜鷺さんは羽衣狐に着いて行った。でも貴方はここに残って、僕達に力を貸してくれている」

 

まっすぐな目に鬼楼丸はため息をつき

 

「別に理由なんざねぇ、アイツがいない間、組になんかあったら目覚めが悪いだろ」

 

「…戻って来ると信じてるのか?ああなっちまったんだぞ」

 

一つ目の言葉に鬼楼丸は腕を組み

 

「アレに関しては止められなかった俺にも非がある。それに、アイツは死なない限り戻って来る」

 

その言葉にリクオは

 

「自信があるんだ」

 

「ハッ、なんせ、アイツは神様とやらに愛されてるからな」

 

「神様に愛されてる?」

 

ざわめく妖怪達に鬼楼丸は笑う

 

 

 

 

目が覚めた場所は桜の木の下で、あたりは湖だった。

 

どこまでも暗い景色に辺りを見渡す。

 

すると、桜の木の下に青年がいた。黙って座っていた

 

真っ黒い髪の青年

 

人間の自分だろう。

 

辺りに漂う呪詛、陰陽師がよく唱える呪言が聞こえて来る。

 

「…今更苦言を言いに来たのか?」

 

俺そっくりの声、俺とは違って前世なんてない、純粋な『奴良鯉零』がいた。

 

本来生まれるはずのなかった命

 

「苦言というかクレームというか、せっかく助けられたのに親父を…奴良鯉伴を殺したことに関する罵倒はしたいよ」

 

「奴良鯉伴は、山吹乙女よりも奴良若菜を取った。ぬらりひょんは恋なんかで羽衣狐を倒した」

 

「あぁ」

 

「ぬらりひょんが羽衣狐を倒さなかったら俺は普通に生まれられた」

 

七芒星が人間の俺の背中に浮いていた。

 

「お前が俺に憑依して来たのが悪い」

 

ひとしきり罵倒を受け入れ

 

「俺だって前世の記憶なんて無くしてフツーに生まれたかったぜ?なんだそもそも、この世界は漫画の世界でどうなるかの結末まで知ってしまう退屈さ、キミに分かる?」

 

そう言って人間の俺の前に座るとビクつく

 

「………」

 

「でもまぁ、悪いとはおもってる」

 

「は?」

 

「俺なんていう異分子は本来生まれちゃいけなかった。だからこそ、人間の俺が不満に思う気持ちも分かる。だけどな?」

 

ニコリと笑い

 

「ぬらりひょんが羽衣狐を倒さなきゃ鯉伴は生まれなかった、狐の呪いがあった上で母さんが抗ったから俺たちが生まれた」

 

山吹乙女が命を掛けなければ俺たちは生まれられなかった。

 

「これからの人生はお前に全部任せてもいい」

 

「……は?」

 

「だけど、約束しろ、必ず親父を助けるって、リクオや奴良組に害はなさないって」

 

「……」

 

屈んでいた体勢から起き上がり、人間の俺の首根っこを掴み

 

「さて、まずはこの呪いとその七芒星を何とかしようぜ」

 

「……何でお前はそんな前向きなんだ」

 

「え?なんて言ったって前世の記憶があるからな!」

 

 

湖の中、羽衣狐は鯉零に意識が戻ったのを確認し、岸辺に寝かせ湖から上がる

 

「…三代目は…」

 

不安そうにしつつもそばから離れない夜鷺に

 

「今意識が戻った」

 

「!」

 

「だが、まだ戦っておるようだ。まだ先になるかもしれんが、この調子なら大丈夫だろう」

 

羽衣狐はバックを持ち上げ

 

「そなたはなんであろうと誰であろうと、鯉零を慕っているのだろう?」

 

「あぁ、勿論だ」

 

羽衣狐はハッキリと言う夜鷺に笑い

 

「ならば共に参れ、妾は先に京都へ行く、狂骨達を回収せねばな」

 

そう言って歩いて行く

 

羽衣狐の姿が見えなくなった後、湖の中にいる鯉零を見る。

 

 

 

 

ー東京ー

 

奴良組と百物語組の戦いは熾烈を極めた。

 

リクオ達は圓潮を追い詰め、青行燈を撃ち倒す

 

「黒!!竜二!!」

 

「踏み込むな!奴良リクオ!」

 

七芒星の中に入らず、足を止める

 

「安倍晴明の子孫だ」

 

「!!」

 

「あれ?生きてたんだ、君」

 

有行は七芒星を回しながらそう話す。

 

「……何?」

 

「でも奴良鯉伴は倒せたようですよ」

 

圓潮の言葉に有行は『及第点かなぁ』と呟く

 

「…テメェ、まさか」

 

「君はお兄さんを倒したのかな?まぁ、何はともあれ、あんまり役に立たなかったねー彼」

 

「奴良リクオ。冷静になれ」

 

「………」

 

竜二に諭される。

 

「お前の兄貴を操ったのは高確率でアイツらって話は付いてただろう」

 

リクオは刀を圓潮に向け

 

「人々を闇に落とすテメェらに、朝を迎える資格はねぇ!」

 

圓朝に斬りかかろうとした時、山本五郎左衛門が動き始める

 

「アレ…!さっき倒した怪物…!」

 

リクオ達は外に退避する

 

「水をさされちゃったね。どうする?」

 

「流石に一筋縄じゃ行かないか…裏切りの代償は体半分。強欲な親父だね」

 

 

 

 

山本五郎左衛門を倒した後、奴良組は屋敷の修理と共に竜二から祢祢切丸を取りに行く話になる。

 

その前に大怪我を負い奴良組で休息を取っていたリオンが目を覚ましたと言われ、リクオとイタクは離れへ向かう

 

「いや、悪かったな部屋を貸してもらって」

 

「ううん、怪我が治って良かったです」

 

リクオがイタクの横に座る

 

「安倍晴明の子孫か…少なくとも3人はいたな、内一人は倒せたが…」

 

リオンから話を聞いていた。

 

「それより、親父さんは?」

 

その言葉にリクオは一瞬固まるが首を振る

 

「…そうか」

 

「…兄さんを殺した、と思ったけど、あの後、羽衣狐がやって来て兄さんを連れて何処かに行ったんだ。敵対していないのは思いたいけど…何で復活したのか分からなくて…」

 

その言葉にリオンは考え込み

 

「ぬらりひょんが関係してるとかないのか?」

 

「おじいちゃん?聞いてないけど…」

 

「んー…じゃあ、京妖怪の残党がなんかしたか?鬼楼丸、聞きにいけね?」

 

離れた所にいた鬼楼丸に聞くと

 

「殺し合いになるが」

 

嫌な顔をされる

 

「それよりも…テメェらは奴良鯉零が帰って来るとばっかり言う上、なんだ『神様に愛されてる』って教えろ」

 

竜二の言葉に『言ったの?』と鬼楼丸を見るとプイッと顔を逸らす

 

「んー、鯉零が言わないのに言うのもなんだなと思ったんだが、平たく言えばアイツは特定の未来が見えてる!」

 

「「「未来!?」」」

 

その場にいた全員がハッとなる

 

「何というか、生まれついた時からこの世界のことを知っていたって言ってたぜ、未来というより世界のこと?らしいけど、200年前くらいにアイツはこう言ったんだ『リクオが生まれるまで頑張る』ってな」

 

「…200年前…」

 

「リクオ様は生まれていないどころか、二代目もまだ誰とも結婚していないのでは…」

 

「詰まる所なんだ?奴良鯉零は世界のことを知っていたと?なんで一介の妖怪にそんなことが出来る?」

 

「知らんって、俺が聞いたのは部分的にだし、アイツの記憶の中でも俺や鬼楼丸、夜鷺は知らなかったみたいだし、世界を知ってるつっても理云々のことは知らないんじゃないか?その点を安倍晴明達に利用されちまった可能性が高いが…」

 

リオンはリクオをまっすぐ見て

 

「羽衣狐が連れて行ったんなら絶対に帰って来る」

 

そう言ってリクオをワシワシ撫でる

 

 

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