リリカルブレイク   作:玄狐

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嘆きの傍観者 ~狂気への切符~

 その後、すぐに俺は時空管理局に入り力をつけることにした。

 なにせ、いくら父さん達の保険金が下りるとはいえ、いつかはなくなる。

 何より、力が欲しかった。

 最新の技術が集まりのは軍なのはどこの世界でも変わらないだろう。

 今後、彼女らを助ける管理局の手を借りると言うのも微妙な思いがあったが、それ以上に時間がなかった。

 原作開始までおおよそ後十年、それまでにS-クラスに到達しなくてはならない。

 うろ覚えでは在るもののA'sは分からないがStsの時の彼女達のランクは大まかにS-~AAAぐらいだったはずだ。

 闇の所に身を落とし、力も存分に震えなかったのは希望的観測ではなく間違いないと考えて良いだろう。

 そもそも、ランクがそこまで高くなってしまえばAAA+のクロノがギリギリ、AAAである二人もフェイトなら何とか、なのはは経験の差から確実に負ける。

 あくまで、ガチで勝負をした場合の話だ。

 如何に単体での性能が高かろうと打ち崩すための策がない訳ではないし、黒幕が茶々を入れなければ討ち取ることも可能なはず、と目論見はつけている。

 最悪、あちらの手が出せないようにしてしまえばよいだけの話だ。

 奇襲は奇襲だからこそ、その価値を現す。

 それが知っていた上に対策を練られるとなれば、それは既に下策と成り下がる。

 ただ、これを行うに当たり条件がいくつかある。

 1つに俺の魔導師ランク、現在Bランクだがこれでは話にならない。

 彼女達は最低でもAAクラスであると認識したほうがいい以上は強化は急務と言える。

 これから資質を伸ばせばいいので重大とも言えないが軽視していいものではない。

 2つに俺があの現場にいなければいけない。

 これは、原作開始時には『アースラ』にいなければ成らない、更に言うなら相応の発言力がなければ奇襲対策を練ることはできず、迂闊に動けば無効に筒抜けになる。

 3つに闇の書の処理の仕方だ。

 再生能力なんてものを持っている代物に倒す傍から再構成されたのでは堪ったものではない。

 原作では本体を何とかし、管理者権限とやらでシステムを切り離し彼女達を生き残らせていた筈だ。

 美談ではあるが遺族からすれば納得できる事ではない。

 1は、何とか成らない訳ではないはずだ。

 クロノも修行に明け暮れてAAAと言う高ランクを取得してる以上、他者にも不可能と言うわけではないだろう。

 彼女達から才能がないことを保障されている。

 こちらは父さんの欲目があったとしても才能があると言われている、伸びる可能性にかけてひたすらやるしかない。

 2は、何が何でもアースラに所属しなければならない、その上で発言力を手にしなければならないが保有制限の問題がある以上、意図的にリミッターをかけて動くか外部から応援で動けるようにしなければならないが、管理局に入って改めて実感した。

 リミッターを個人的にかけて配置してもらうと言うのは不可能だ。

 そもそも、リミッターなどやろうとすれば直ぐにばれる訳で、闇の書レベルの相手に対処できる局員を遊ばせておく理由はない。

 そして、最大の問題は3にある。

 詳しくは覚えていないが確か、リィンフォースははやての為にあの4人を遺した。

 後継となった八神はやてに怨みはないが、ヴォルケンリッターには吐いて捨てるほどの憎悪がある。

 とはいえ、はやてのヴォルケンリッターへの愛情からどうやっても守ろうとする。

 そこからどうやって、事を成すか…それが最大の問題だった。

 少なくとも、A'sの時期が終わればそうやすやすと手は出せないだろう、一転して黒幕が保護に回り、ハラオウンから他への繋がりも馬鹿にできたものではないだろう。

 なんとも、問題の多いことだ。

 人知れず、静かに彼はため息を吐いた。

 管理局員になるに当たって最優先されたのは、まぁ、当然だがリンカーコアの再生治療である。

 このままでは訓練に参加さえできない。

 リンカーコアの治療を行うにあたり詳細な検査を受けたところ、思わぬ誤算が生まれた。

 突然変異と言うべきか?

 魔力を抜かれ極度に衰弱したリンカーコアを再生するのと同時に新しいリンカーコアが体内に形成され、それに伴い体の魔力容量と変換効率などが大幅に上がりつつあるとの事だった。

 タンクが二つできただけ、それほど無いだろうと考えていたのだがこれがとんでもない誤算だった。

 確かに出力はあがっているが出来なくなった事の方が多いのだ。

 まず、継続的な魔力の放出が出来なくなった。

 分かりやすく言うなら砲撃はできる。

 フォトンランサー・ファランクスシフトのように小出しで大量と言うのはできるのだが、長時間の射撃…つまり、スターライトブレイカーのような長時間の収束攻撃ができないのだ。

 一度放出すると構成が解かれていき、霧散してしまう。

 つまりは放出の才能はないと言う生易しいものではなく、マイナスを突っ切っている。

 ターゲットを追尾するようにセットしたところで一度、避けられてしまえば構築は解けコントロールが行えず終わり、アクセルシューターのような芸当は不可能、一撃の攻撃力が上がったとしても戦術の組み直しは急務だ。

 しかし、悪いことだけではない。

 加速や一撃の攻撃力が上がっている。

 伝達速度の向上は魔法構築の速度を上げ、今までできなかった動きを可能とし、それ以上に有難いのが爆発的な攻撃力、つまりは出力とそのコントロール性能の爆発的な上昇だ。

 飛行は不可能だが、飛跳なら可能。

 随時の操作は不可能だが、予めセットした範疇であれば多少は可能。

 長時間の魔力射出は不可能だが、一撃に魔力を込めた一撃は可能。

 どうあれ、ヴォルケンリッターを討ち取れればそれ以上は求めない。

 手に入ったのだ、可能性を、力を、だ。

 拒む必要は無くなった。

「ふ、ふふふ、くははははは。あははははははは」

 目的が果たせるなら、復讐の業火に自分と言う燃料を焼べてみせよう。

 

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