短いですが、さくっとどうぞ
「なるほど、量産化を前提として簡素化そしてデバイス設計の第一段階として選んだのは悪くない、こっちの後続も多かれ少なかれその思想を継いで作られている訳だからね、そしてその応用としてこちらがある訳か…確かに一つ一つ詰めて作っていった方が良さそうだ」
「一つ一つに特性があるし混乱しかねないが試作品を一つでも作らないと少なくともこれに取り掛かるのは危険かなと思ったんですが」
「資金面で問題が出ますね、資材でもですが…しかし、ドクター、この武装案は私たちの固定武装にも応用が利きます量産するのはありかと」
夕食後、ウーノを交えて設計図の検討が行われていた。
「戦闘記録の伝承は?」
「目立った是と言うのはない。が、多数の騎士たちが様々なものを使用している」
「私は機体の装備について聞きたいのですが…」
次第に議題は加熱していく。
「ふはははは、一撃にかけるその浪漫、素晴らしい、そのサテライトバンカーぜひとも再現したい!続きは!?」
実は有るかどうかは別として過熱して行く、なんだかんだで詳しく話をすることでデバイスの開発は加速され。
寝静まる深夜に二人の男が向き合っていた。
「さて、一段落ついたところで質問をしてもいいかい?」
「何なりと」
「先ほども聞いたが君は、君を何が其処まで駆り立てる?これが、君の父、ヴェルヘイムなら理解も出来る。君の母、ニナなら分からなくもない。現に幼い被害者達は復讐を忘れ、正義に胸を躍らせ、年老いた者は犯罪が起きぬよう更新の育成に努め、残されたのは君と同じような年頃の者だけだ」
その通りだ。
同期で被害にあった連中の殆どはもう、復讐の言葉を口にすることはない。
寧ろ、復讐を掲げ動く俺を殆どが許そうと諭す。
ある意味当たり前なのだ。
幼少のはっきりとした記憶がない者にとっては育ての親こそが親となる。
まだ復讐をしようとする者は俺と年が近いかそれ以上の者しかいないが上の行きすぎれば今度は折り合いを付けて行った。
そして、今回の闇の書殲滅の報を受け同盟は解散となり、それでも闇の書の生存を確信して動く俺は今の段階に置いては異質以外の何者ではない。
今は良い、『仲間』はまだ、『仲間』になっていない。
そもそも、仲間になるかどうかさえ分からないのだが…いや、何よりスカリエッティが訝しんでいるのは消えたと言われながらその存在を信じ、言葉にしないまでも存在を確信した行動に含められている。
「Dr.スカリエッティ、私は、いや、俺は闇の書が姿を変えて生きていると確信している。あれが死ぬはずがない、あれは必ず俺の前に現れる、その時に戦う力が欲しい」
「その結果、一人で死ぬことになってもかい?」
その目は、狂気に濁っているのだろう。
今更なのだ。
暗い闇から抜けたと思えば、待っていたのはまた失う絶望、それを家族だからと言う理由だけで秘密裏に隠し通す?
痛みを受け入れずに?
そんなものを受け入れるぐらいなら死んだ方がマシだ。
「当たり前だ。今行っても犬死にはおろか生温い情を絆して許しを請われるだけ、襲撃の償いと称して保護扱いの実験動物扱いされる位なら殺された方がマシだ。なら、裏だろうが闇だろうが力を得る為に動くだけだ」
「いや、愚問だった聖王を神格化する教会と袂を分かったヴェルヘイムと姉と姪を管理局の名を汚さないか為に消された姉を持つニナが親でいる以上は当然か」
「やはり、知ってるんですね」
当然と頷くスカリエッティは漸く納得した。
彼は管理局の危険性を理解している。
事実、彼が暴走した場合、こちらの研究素体としてどこかの研究施設に送られることになっていたし、Fの残滓も同じだ。
最高評議会も陸海空の上層も変わらない。
だから、彼等の依頼をこなしながら力を貯めている。
犠牲に謝罪をするつもりはない、恨んでくれて構わない、それでも生きたいし終わらせるなら終わらせたい。
「君は後悔しないのか」
「何を?殺す事に?それとも家族を奪う事に?目には目を、歯には歯を、盛者必衰の理を表し、積もり積もった咎は己の身に返る。正義は正義に潰され、それは全てに適用される。無論、俺にもだ」
理解しているのだろう。
自分のやろうとしている事に救いがない事ぐらい。
「君に依頼がある。何れ来る我々の祭りに参加して欲しい」
願わくば、僅かでもこれが救いとならない事を―――
これが、彼との契約。
投稿再開します~。ちとリアルの都合で投稿が不安定になりますがよろしくお願いします。