球磨川雪の人間観察   作:呪壊 赤城

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初めましての方も知っている方も今日は。呪壊です。

知っている方はご存知でしょうがまだ別の作品は終わっていません。出来れば怒らないで下さいますようお願い致します。向こうはちゃんと更新致しますのでお許しくださると助かります。此方は恐らく月に1~3話程度の速度で投稿するかと思いますので暖かい目で見てやってください。

それでは本編どうぞ。


死・・・そして転生
第0審 「もう誰も信じない」


僕は前世で裏切られて死んだ。

家は大金持ちで、両親は[私]を愛してくれ、五歳上の兄は[私]を誇りだと言い、周りの友達からは慕われ、学校の教師達からは信頼され、親戚からはいつも誉められていた。

 

―事故に遭うまでは。

 

事故に遭い、両足が不自由になった[私]はその日から、兄以外の全てを失った。両親は見放し、周りの友達からは蔑まれ、学校の教師達からは軽蔑され、親戚からは侮蔑の言葉を吐かれた。兄だけは、[私]にいつも優しくしてくれた。

 

―両親が死ぬまでは。

 

両親が死んだ途端に兄は態度を変えた。それでも[私]は兄は今大変だから自分に構っていられないんだと思っていた。いや、思わなければ心が壊れそうだった。もうその時点で[私]の精神は限界に近かったから。家に帰ることすら禁じられていた[私]は、ずっと病室に閉じ込められていたから。両親が生きていたときに、お前は我が家の恥だと言われて、存在そのものを否定されていたから。

でも、そんなある日兄が外に行こうと[私]を誘ってくれた。それが罠だとも知らずに。

 

そして、[私]は死んだ。

 

兄に殺された。

死の間際、兄は言った。「今まで、お前の前でいい兄貴でいるのは大変だったんだよ。いやー、でもこれで晴れて俺が後を継げる。なんでも出来る優秀な妹を持ってしまった不幸な俺を神様は味方してくれたわけだよ。あの事故の時からさ。大変だったよ。事故に見せかけるのは。」そんな風に笑って、[私]の人生は幕を閉じた。

 

死の直前に[私]は思ったんだ。もしも生まれ変わったら、もう誰も信じないと。

 

そんな風に思って死んだ僕が、生まれ変わった先で、混沌よりも這い寄る[過負荷](マイナス)球磨川禊の弟だったのも、今思えば、偶然ではなく必然であったのかもしれない。

いや、今というか生まれ変わって少ししてからと言うのが正しい言い方かな?うん、まあ何事も初めから知っていることは無いからね。取り敢えず、僕が何故球磨川禊の弟に生まれ変わったと分かったのか順を追って思い出していこうか。

 

 

~数十分前~

 

「オギャア(生まれ変わったら、何て言って本当に生まれ変わるなんてね。)」

 

「随分と元気な双子のお子さんですね。」

 

双・・・子?ってことは僕ともう一人いるってことか。

 

「先生。この子達の名前はもう考えているんですよ。」

 

「へぇ、どんなお名前にするおつもりですか?」

 

「兄を、この子ですけど、この子を(みそぎ)。そして弟のこの子を(そそぎ)と名付けたいんです。どうでしょうかね。」

 

ふーん。僕は弟ってことか。皮肉だね、前世で兄に殺されたのに生まれ変わっても妹から弟になっただけなんてね。まあいいさ、どうせ誰も信じるつもりなんてないんだから。信じて裏切られて殺されるなんて、愚考は愚行はもうする気は無いんだし、僕には関係ない。

親だろうが兄だろうが姉だろうが弟だろうが妹だろうが友達だろうが幼馴染みだろうが親友だろうが教師だろうが恩師だろうが親戚だろうが彼女だろうが腐れ縁だろうが皆信用する気は親用する気はない。

 

そもそも、禊ってなんだよ禊って。まるで『めだかボックス』の球磨川禊じゃないか。混沌よりも這い寄る[過負荷](マイナス)と双子の兄弟なんてなんとも最高ではあるけども、そんな奇跡は週刊少年ジャンプの奇跡の生還よりもあり得ない事だよ。

 

「素敵な名前じゃありませんか。球磨川さん。・・・それじゃあ私はこれで、何かありましたらナースコールを押してください。それでは。」

 

「はい。ありがとうございます。先生。」

 

・・・あれ?奇跡が起きたよ。へぇ、禊ってあの球磨川禊か。混沌よりも這い寄る[過負荷](マイナス)、敗北の星。まあ、前の人生なんかよりは数倍も万倍もマシだね。少なくとも、誰も信用しないで済みそうだ。信用なんて真っ平御免だしね。一番最高なのは、誰にも関わらず誰にも近寄られず独り愉しく愉快に死ぬことくらいかな。

 

 

そして、今に至るわけだね。うーん、それにしても球磨川禊が僕の兄かぁ、これはもしかして、もしかしなくても原作の人達に会うことになるよね。だって、球磨川禊の弟なんだからさ。いや、めんどくさいね、実にめんどくさい。

黒神めだかになんて一番会いたくないよ。だってあの子、昔の僕みたいなんだから、会ったら心を折って逐って壊しまくりたくなるじゃないか。

そもそも、4歳になったら病院で会わなきゃならないじゃないか。あーあ、誰にも近寄られずにすまないかな。皆が僕の事忘れて知らないで近付かないでくれたら、僕の人生は最高の形で終わらせられると言うのに。

そんなスキル出来たりしないかな。いやいや、そんな都合よくスキルが出来ないのは分かっているけれどね?

 

理不尽で不条理で残酷で悲惨で悪質で粗悪で無情で冷酷で残虐で非情なのが人生だと言うのは、前世で経験済みだからね。いやいや本当に嘘じゃなくてさ。

 

兄も両親も血が繋がっている、DNAは近い、容姿が似ている、それ以外を除けば、それ以外は結局の所は赤の他人となんら変わりがないというのが前世の僕の教訓さ。

言い過ぎとかじゃなく、本心から心の底から本当に僕は思っているんだよ。いやいや本当に。

 

だってそうだろ?人間、死ぬときなんて独りなんだからさ。よくあるよね、人間独りじゃ生きていけないって言葉。あれって、利用して利用される事で互いに生きてるっていうのを美化してるだけなんだよね、所詮はさ。

結局の所、最後は自分が可愛いのが人間だろ?それで、他人の方が大事とか言える奴って、頭可笑しいだけの只の変人狂人異常人だろうさ。

あ、黒神めだかとかそうだよね。前世の僕も裏切られるまではそんなあまっちょろい事言ってたかもしれないんだけどね?

まあ、そんな自嘲は今更すぎるんだけど、そろそろ寝ようかな。赤ん坊は寝るのが仕事だしね。

 

 

それじゃあ、お休みさようなら。




ここまで読んでくださりありがとうございます。

今回はシリアスな回ですね。そもそもこの作品自体シリアス展開を多くする予定です。今後残酷な描写をする場合もあるかと思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

それではまた次の機会にお会いしましょう。
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