・・・え?お前誰だって?ご冗談をと涙を浮かべながら呪壊は言います。
・・・流石にいませんよね?
そんなわけで本編どうぞ。
第1審 「誰も悪くない」
あれから四年後。
僕は今、禊と共に箱庭病院に来ていた。
いや、まぁ連れてこられたのは分からなくはない。僕が感情表現に乏しいからだろう。禊はついでかな?原作じゃあものすごい[過負荷]だったのに、ここじゃあ僕の[過負荷]の方が高かったみたいなんだ。
今の両親は勘違いしているかもしれないが、僕が感情表現に乏しいのには理由がある。もともと僕は前世の記憶と精神年齢でいくと、今の人生と足して25歳だからね、感情くらいは自分の意思でどうにかできるさ。
それが気持ち悪いんだろうけどね。
今の両親からは、よく禊と比べられて心配されるけど、外に出れば大人からも子供からも石を投げつけられたり、暴力を振るわれてたりするのを両親は知らない。でも仕方ない。
だって、誰も悪くないんだからさ。
自分でも気持ち悪い事はよく分かってるしね。自分が彼等の立場なら結局は同じことをするのかもしれない。そう考えると仕方ないんだからさ。そもそも、不条理なのが理不尽なのが人生だしね。禊なんかはそこら辺理解してないんだろうけど。いや、理解はしてても自分は悪くないとかそんな感じなのかな?アイツはよくわかんないや。分かりたいとも思わないんだけどね、所詮他人だし。ほら、必要以上に知ろうとするとかって気持ち悪いでしょ?ストーカーみたいでさ。
そういう意味じゃ禊はストーカー体質かもね。今だって僕に必要以上に話しかけてくるんだからさ、鬱陶しくて仕方ないんだよね。いや、子供だから仕方ないんだろうけどさ、少しは静かにしてくれないかな?そんなんだから、原作なんかで混沌よりも這い寄る[過負荷]とか言われたりするじゃないかな。僕には関係ないけども、それでも鬱陶しいの嫌なんだよね。
「『だからさ』『お兄ちゃんに』『任せなよ』『可愛い弟を』『入院なんてさせないからさ』」
コイツってやっぱり馬鹿なのかな?いや、子供ながらの配慮とかそんな感じかな?気持ち悪いんだけどね。お兄ちゃんに任せなよとか僕の前で軽々しく言わないで欲しいな。いや、口に出すんじゃねーよ。気持ち悪いから。
何、お兄ちゃんだから何だって言うんだよ?意味わかんないよ。ただ気持ち悪いだけでしょ。お兄ちゃんなんて気持ち悪くて吐き気しか込み上げないような単語を吐くとかマジで止めて欲しいんだよね。鳥肌たつから。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪くて血ヘドが出そうだ。
こんな奴と離れられるなら入院なんて苦じゃないんだけどね。寧ろ嬉しいんだけどね。
「『雪ちゃん』『大丈夫?』『又調子悪いのかな?』」
「・・・別に。」
気持ち悪いから離れて欲しいとは言わないよ。流石に大人気ないからね。無表情、無口、無関心が球磨川雪の、僕の第一印象らしいね。まあ、必要以上に話さないのが一番面倒事に巻き込まれないコツだろうしね。
ああ、ちなみに僕は禊の奴と違って括弧をつけて話したりはしないんだよね。双子だから話し方まで一緒だとは限らないでしょ?第一気持ち悪いだろ?他人と話し方が一緒だなんてさ。まあ、禊と僕の見た目はおなじなんだけどさ。原作の幼少期の姿を想像してくれると簡単だよね。あれだよあれ。
「次の方どうぞー。」
「『あ』『雪ちゃんのばんじゃない?』」
「・・・。」
禊に一々返事なんかしない。したら一日中話しかけてきやがるからね。鬱陶しいったらないよ。コイツそんなに鬱陶しかったっけ?原作はもう少し大人しくなかったか?気持ち悪いのは仕方なくてもさ、鬱陶しいのは止めて欲しいよ本当に。
まあ、そんな事考えるのは程々にして、入院しても裁縫とか出来るのかは聞きたいとこだよね。
「・・・えーっと、君が球磨川雪君で間違いないかな?あ、あたしは人吉瞳。よろしくね。」
「・・・よろしくお願いします。」
「あー、怖がらなくて良いんだよ?痛いこととかは何にもしないからね!」
別に怖がっている訳じゃないけど、そう思ってるならそれで良いや。面倒だし。彼女は知らないだろうけど、痛い思いは前世で経験済みなんだよね。なんせ車に引かれたからさ。いや、痛かったよ本当に。今でも思い出せるよ。うんうん。いやまあ、死ぬ間際に味わった痛みに比べると猫に引っ掛かれたようなもんなんだけどね。
あー、そうそう返事くらいは礼儀としてしておかないと。
「・・・はあ。」
「緊張しちゃってるかな?そういうのも全然しなくて良いんだよ?まあ、仕方ないよね。緊張しちゃうのはさ。」
「・・・あの、入院するんですよね僕。」
「え?・・・えーっと、どうしてそう思うのかな?」
「・・・自覚、してますから。」
「自覚してるって、だから緊張してるのかな?」
「・・・あの、入院しても・・・裁縫セットとか持っていっても大丈夫ですか?」
「・・・え?さ、裁縫出来るんだ!すごいね!あー、でもそういうのは危険だから・・・あたしの方ではなんとも言えないのよね。」
「・・・そうですか。」
「で、でも入院するかどうかはまだきちんと診断してないからわからないよ?」
「・・・いや、わかってます。」
「さっきから思ってるんだけど、・・・どうしてそう思うのかな?」
「・・・僕、気持ち悪いんで。」
「どうして自分をそんな風に・・・客観的に言えるのかな?」
「・・・ほら、それが答えなんじゃないですか?」
「・・・君、本当に4歳?」
「・・・肯定も否定もしません。」
「入院についてはご両親にお話ししておくわ。・・・それで良いのね?」
「・・・はい。それじゃあ失礼します。」
さてと、これで僕はこの先入院生活が決まった。後は禊が余計な真似さえしやがらなければ、僕の今後の人生はアイツと離れて過ごせる事になる。・・・まあ、余計な真似するよね、アイツはさ。余計な真似して兄貴ぶりやがるんだ禊はさ。気持ち悪いなぁ。診察室から出て、僕と入れ違いに禊が入って行ったんだけど、僕が嫌がらせに送った継ぎ接ぎ兎の縫いぐるみを大事そうに持って入っていった。ついでに入り際、僕に笑いながら、気持ち悪い台詞を吐いて入っていった。
「『大丈夫』『雪ちゃんを』『入院なんてさせないからさ』」
いやいや、止めてよ。僕は入院したいんだからさ。何邪魔しようとしてんだよお前。鬱陶しい気持ち悪い吐き気がする鳥肌たつ虫酸が走る。いっそう、安心院さんに消されねーかな禊の奴。待合室に戻ると黒神めだかがぶつぶつ呟いていた。まあ、興味ないや。無視しよう無視。そしたら、黒神めだかが話しかけてきた。
「人間は無価値なのか?なら私は一体なんのために生まれたんだ?なぁ、私はどうすれば良いんだ?教えてくれ!」
いや、僕に聞くなよ。なんのために生まれたって?知るか!寧ろ僕が教えてほしいくらいだよ。何の為に生まれ変わったのかをさ。・・・いや、こんな子供に感情的になるのは違うよね。大人げなかったね。ちょっと落ち着こうか。・・・仕方ない、子供相手にむきになってしまったお詫びに気休め程度には話してあげようか。
「・・・何の為になんて分かるものじゃない。」
「なら、私はどうすれば!」
「・・・生きる意味を見つければいいんじゃない?」
「意味を、見つける?」
「・・・うん。」
「そうか!分からないなら、見つければいいんだな!!ありがとう!私は黒神めだかだ。お前は何て言うんだ?」
子供って単純でいいよね。まあ、僕も今は子供なんだけどね。
「・・・球磨川雪。」
「雪か!教えてくれてありがとう!」
「・・・別に。」
戯言を一々信じない方がいいと思うけどね。簡単に騙されちゃうよそんで殺されちゃうよ?そういう人間は。
「そういえば、さっきの人とそっくりだな。」
「・・・アイツは禊。」
「兄弟か?」
「・・・世間一般ではそう。」
「兄弟なのだな?実は私にも上に二人兄と姉がいるぞ!」
「・・・ふぅん。」
知ってるけどね。原作読んでたからさ。真黒とくじらでしょ?マグロ、くじら、めだか、普通一番上にくじらって付けるべきでしょ。くじらの方がでかいじゃん。いや、父親がかじきだから流れでマグロにしたのかな?かじきマグロ・・・面白くもないんだけど。
まあ、僕の名前も言えた義理じゃないけどね。なんだよ雪って、禊と雪って神道関係の奴じゃん。穢れ云々の奴だよね。そういう意味じゃ、須木奈佐木咲と人吉瞳と人吉善吉は名前としてはマトモな部類だよね。あと、阿久根高貴くらいか?他の人って名前が特徴的すぎるよね。
まあ、そんなことは置いといて、確か黒神めだかって動物に嫌われてるんだよね、強すぎてさ。それはそれで悲しい特技だろうから気休め程度にでも縫いぐるみをあげようか?丁度2つもあることだしね。しかも、禊が診察室から出て来ちゃったしね。
「・・・これあげる。・・・じゃあ。」
「え?うむ、ありがとう!またな!」
「『あれ』『雪ちゃんが』『女の子と』『お話ししてるなんて』『僕は嬉しいよ!』」
「・・・禊黙れ。」
「『いや』『雪ちゃんは』『素直じゃないよね』『そうそう』『入院しなくても』『問題ないって』『よかったよね』『それじゃあ帰ろうか』『めだかちゃんも』『バイバイ』」
うるさいなぁ。しかも、余計な真似しやがったのか禊の奴。本当迷惑な奴。いや、僕に対して害以外の何者でもないのが、兄貴という奴なんだけども、仕方のないことなんだけどもさ。仕方ないか。やっぱり、人生はそんなもんだよね。理不尽、不条理、冷酷、残虐、無情、非情のオンパレードだからね。
仕方がないから家に帰ったら寝ようかな。
球磨川禊がブラコンに見えた方。先生は怒らないので素直に手を挙げてください。
「「「「さあ?」」」」」
そんな茶番劇に興じる駄作者赤城です。
・・・というかなんで4歳で裁縫してるんだよ。とか4歳引いたら21じゃね?とか突っ込んだら負けですよ?
ちなみに今回の出会いは今後原作を少しずつ変える分岐点的な感じになっていると嬉しいですね。
そんなわけで皆さままた次の機会にお会いしましょう。