今回はなんと申しますか、雪君が不知火理事長に毒を吐きます。勿論心の中でですけれどね。
あと、とうとう箱庭学園に入ります。
展開早っ!とかなるかもしれませんが本編どうぞ
舶宙中学校第六五期生の卒業式に僕は訪れていた。訪れていたというか、僕がその六五期生なんだけどね。
慣れ親しんだ学舎云々を我等が前生徒会長殿が答辞として言っているのをBGMに僕はこの中学での想い出に浸っていた。
・・・なーんて事はなく、ただ単純にこの後すぐに箱庭学園に向ってからの事を考えていた。
・・・え?感傷に浸ったりしないのかって?
するわけ無いよ。だって今年から登校したばっかだぜ?感傷に浸る場所が何処にあるのさ。
まあ、そんな感じで卒業式で涙することも、仲の良い学友と語らう事すらなく、僕はさっさと帰る仕度を済ませて舶宙中学校を後にした。そして向かうのは箱庭学園。いや、大変だったよ。なんせ安心院さんは夢にまで来て、話は通したから卒業式終わったらすぐに箱庭学園行ってくれよ?とか催促されたんだからね。どんだけ行って欲しいんだよ。
え?なんで僕が彼女を知っているかって?会ったからだけど。会ってちゃんとお話もしたからね。既に数えきれない回数会っているんだぜ?彼女なら数えてそうだけれども一々気にしたりはしない。だってするだけ面倒だからね。
ま、そんな事があったりなかったりしたわけで、僕はさっさと箱庭学園に向かったんだ。
ちなみにもう到着してたりする。
しかも理事長室だぜ?早すぎるだろ?だって早く行かなきゃ又催促されちゃうかもしれないからね。僕的にそれは止めて欲しい。だからまぁ今理事長室に居るんだけど。目の前に居るじいさんは僕をしっかりくっきりロックオンしちゃってる。
・・・気持ち悪いんだけど。なんでこっちをじっと見てんだよ、止めろよ。まあ、確かに僕の方が気持ち悪いけど、それなら余計に見ないで欲しいんだけど。これなら安心院さんに眺められていた方がまだましだよ。あー、気持ち悪い。コイツの頭にデカイ盥でも落ちてきて脳天ぶちまけねーかな。そしたら幾らかスッキリすんだけどなー。心の中で僕がそんな失礼きわまりない事を考えてるとは露知らず、じいさん・・・基、不知火理事長は髭を触りながら口を開いた。
「ふむ。成る程。・・・貴方が球磨川雪さんですか。いやいや、実際に会うとあの方の言った以上に無口ですね。安心しました。」
「・・・・・・はあ。」
このジジイ本当に面倒臭い。面倒臭いと言うか、実に胡散臭いし、飄々としてるしで、どうにもいけすかない。原作の時も裏表の激しい敵役の策士だとは思っちゃいたけど、実物はそれ以上だな。このジジイ死なねーかな。本当に盥で死ねば良いのに。おっと口が滑ったよ。いや、実際には口には出してないんだけど。此方の心情を知らないジジイ、不知火理事長は呑気にお茶を淹れていた。いっそコイツの湯呑みに毒でも仕込もうか。おおっとゴホン。今更だけど年寄りには優しくしないとね。
「あの方からは貴方の[異常]は、いえ[過負荷]は聞き及んではいるのですが、確認のためこのサイコロを振っていただいてもよろしいですか?」
面倒臭いジジイではあるが、ばか正直ではないのは良いことではある。とんだ古だぬきだけれども。まぁこういう奴は嫌いじゃない。寧ろ良い関係を築けそうだ。勿論、利害関係の一致だけの薄っぺらい関係の事だ。その場合は完全にジジイの方は出し渋りそうだけど。
「・・・・・・はあ。」
ただサイコロを振るとなると問題がある。幾つかあるスキルの1つが発動する可能性が出てくるんだよ。でも振ってくれと言うなら振ろうじゃないか。そう思いながら振ると、なんというかまぁ想像した通りになってしまったというか、起きてしまったというか、簡単に説明すると、サイコロがテーブルにめり込んでいた。力があるとかじゃなくて、ただ単にサイコロが凶器になっただけの事。だから僕が怪力野郎とか思われるのは心外も良いところなんだ。どう思われても良いけれど、それで面倒事が起きるのは正直に止めて欲しい。この場合の面倒事は勿論、禊の事なんだけども。
「なんと!・・・やはり、あの方のいう通りの人材でしたか。」
こんな言い方をするということは、13組入りはほぼ間違いないかな。ふぅ、これで彼女が夢に出てくる事は減るだろう。減るだけなんだけどね。
「・・・・・・何組?」
「ああそうでしたね。貴方は13組に入っていただきます。入学の残りの手続きは此方で進めますので今日はもう帰って頂いて結構ですよ。そうそう、入学式の日取りはこの日ですので、ご自由にご参加下さい。」
よし、家に帰ろう。早く用事が済んで良かったよ。家に帰ったら今日はオムライスとハンバーグを作るつもりだからね。あ、付け合わせにサラダも入れたらバランスが良くなるから帰りに材料を買わなきゃ。どうせならデザートも買っていこうか。
禊の奴はチョコレートプリンだっけ?
まあ、アイツは甘いデザートが大好きだしそれでいっか。二人っきりの家族なんだから盛大に卒業祝をしよう。禊の事は大嫌いだし吐き気がするくらい嫌いだけども仕方ない。
そして僕は箱庭学園を後にした。
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いやはや、球磨川雪という少年は聞いていた以上の人材のようですね。なんせ、8個あるサイコロのうち、1つは貫通して床にまで到達しているのですから。
サイコロを武器に変えるとは・・・素晴らしい。
しかしながら彼が一般生徒に危害を加えないように、この学園に登校している時は風紀委員の方には常に見張らせた方がいいでしょう。性格は凶暴な性格という訳ではありませんが温厚な人物ではありませんし、攻撃されれば必ず攻撃した相手に大ケガを負わせる実力を持っているそうですし。実際、今まで何十人も病院送りにしているような[過負荷]の持ち主です。注意深く監視するだけ損はないでしょう。なにより一番良いのは彼を攻撃しないことでしょうがね。
なんせ最悪の場合攻撃した人間が死んでしまいますからね。
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そう思いながらは不知火理事長は球磨川雪の履歴書と一緒に挟んでいた約4年前の事件で取り上げられた新聞のスクラップを手に取った。そこには名前や地名が伏せられた状態で取り上げられている事件が書かれていた。
12月24日午後6時頃、○○県のとある住宅に1人の男が押し入った。詳しいことは伏せられているがその住宅に住んでいた家族は夫婦とその夫婦の2人の子供の4人家族でうち夫婦が男に殺害。2人の子供は1人が意識不明の重体。もう1人は腕を刺されていたそうだ。押し入った男は死亡していたそうだが警察は詳しいことを公表していない。
殆どの新聞社の記事にはそう書かれていた。
しかしそんな中で文車新聞社だけは違うことを掲載していた。ただ奇妙なことに掲載された時期は去年の暮れで、しかもとても小さな1面であった。
3年前の12月24日に○○県のとある住宅で起きた事件について我々の新聞社は警察から新たな情報を得ることが出来た。当時小学5年生だった2人の子供の情報については勿論非公表だが、殺害された夫婦の死亡当時の様子と犯人の男の死亡原因についての情報を提供してくれた。
どうやら夫婦のうち、夫の方はリビングで全身をナイフで惨殺された状態で発見され、妻の方は2階の廊下で同様にナイフで惨殺された状態で発見されたようだ。ちなみに重体で病院に搬送された子供は現在は快復し退院したそうだ。もう一人の子供も同じく快復し無事退院したそうだ。又犯人の男の死亡原因はナイフで胸を一突きされその後に激しい暴行を受けたようだ。誰が男にこのようなことをしたのかはまだ不明であるとのこと。
犯人の男がこのような犯行に至った原因は私怨によるものであったようだ。今後このような事件が起きない事を願うばかりだ。
何故この記事が球磨川雪と関係しているのか。
そして何故それを不知火理事長が知ることになったのかは謎に包まれているのであった。しかし1つだけ言えるのは彼は球磨川雪という人間の一端を少しではあるが知っているということだ。それを雪自身が気付いているのか否かは不知火理事長すら預かり知らぬ所である。
そう、彼は知らないのだ。
球磨川雪の本当の恐ろしさを。
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それから約3週間後の箱庭学園入学式当日。
箱庭学園入学式に出るつもりはなかったのだけど、僕は入学式の当日に1年13組の教室に足を運んでいた。理由としては原作の生徒会戦挙でめだかちゃん達に関わりが深い日之影空洞との交流を深めるためというものなのだが。
まあ、そんな僕の思惑など知らない日之影君は僕が気付いたのを知ると結構気さくに話し掛けてきた。
「・・・宜しく。」
「・・・俺に気づいたのか。お前も13組なんだな。俺は日之影空洞だ。宜しくな。」
「・・・球磨川雪。」
「雪か。まあこれから3年間仲良くやっていこうじゃないか。」
原作では結構頼れる先輩ってイメージが強かったけど、やっぱり実際会ってみると同級生ということもあってかわりと話しやすい人物みたいだね。
まあ話しやすいに越したことはないだろうけど。
取りあえず彼とはそこそこ付き合っていこう。
深すぎず浅すぎない程度には仲良くね。
まあ彼は3年間と言っているけど、実際僕が箱庭学園に居るのってそんなに長くないと思うんだよ。だって安心院さんの頼み事を聞いたり後は個人的に行きたい所が3ヶ所はあるからね。
何処とは言わないけど。
まあそんな事は置いておいて上手いこと日之影君と浅い関係の第一歩を築けた僕はなんというか第一の試練にぶち当たった・・・まあ会話をしようと言うだけなのだけれど。
こんな時に会話スキルが必要だなんて。
「・・・そうだね。」
「そういえば雪、お前よく俺に気づいたな?今まであまり気付かれたりしなかったから少し驚いてしまってな。よければ教えてくれないか?」
「・・・普通だよ。」
うーん。普通に気付いただけなんだよな。というよりも日之影君がいるの前提で来てたから普通に探したらいたんだけど。これって普通とか答えたらダメな感じだったかな?人とあんまり会話したくないからなんて話すべきかわからないのだけども、と言うか前世の会話スキルを失うと結構痛いということに今更気付いたけど・・・まあ良いか。友好関係築いとけば後々楽になるかもしれないと思っただけだし、駄目なら他の方法を考えればいいだけの事かな。そう思っていた僕は意外にも日之影君が嬉しそうにしているのに気が付くのに少し遅れてしまった。
「普通・・・か。そう言ったのはお前が初めてだよ。なんか俺はお前と上手くやっていけそうな気がするよ。改めてこれから宜しくな雪。」
ん?え?いやいやなんでそこからこんな上手く進んでるんだ?というよりもどこをどう受け取ったら日之影君に好意的な態度に聞こえたのかな?どう考えても苛つく感じなんじゃないのかな僕の言い方って。いや、今更改める気なんて無いけども、というよりも自覚はしているけども、他人に敵意を向けられてる方が楽だと思っている僕としてはそっちの方が対応しやすくて良いんだけども、だからこういった態度をとられると次の行動をどうするべきか悩んでしまう。
やっぱり、最近めだかちゃんに会って好意的な態度を向けられる事を忘れてたからかな?
おおっと、いけない挨拶にはちゃんと挨拶で応えるのが最低限の礼儀だったね。
「・・・僕の方こそ。」
よしよし、結構思っていた計算よりも良い方にずれてくれたようだ。このあとは彼の話に適当に相槌を打ったりして友好関係を深めようじゃないか。適当に相槌打つくらいならそんなに話す量も多くないし僕にぴったりだからね。
・・・あれ?もしかして聞き上手ってことかな?
めだかちゃんや禊には結構話を聞いてくれるから話しやすいとか言われてた気がするけども、僕が彼らの立場なら自分みたいな奴にそこまで話したいとか思わないのだけども。
だって何考えてるかわからないし、口数少ないし、なんか裏切りそうだしとか思うじゃん。
なのになんでか・・・っていやいや日之影君の話を無視してしまうところだった。
全く気を付けなきゃいけないよ。
聞き流しながら頷いてはいるけどね?
「それで、そのラーメン屋の大将がえらく器量のいい人でな。なんと言うか漢!!って感じなんだよ。まあ女性なんだけどな。 」
・・・女性に漢ってどうなんだろうか。
いや・・・まぁ可愛いよりも格好いい人だってことは判るんだけど、漢!!っていう感じって言うのをイメージしたらなんか筋肉ムキムキのマッチョな人ってイメージになってしまうんだけど。
多分強そうとは言ってないから、男勝りな性格なのだろうという前提で話を聞いていこうか。
それじゃないと筋骨隆々の厳つい女性が営むラーメン屋をイメージしながら話を聞かなきゃいけなくなるからね。正直それは勘弁して欲しい。
まぁそんなわけで僕の脳内はタオルを巻いたいかにも姉御って感じの若い女性を想像しながら話を進めていると思って欲しい。
「・・・すごいね。」
「ああ、この前も学校が箱庭学園に決まったと報告しに行った時にもわざわざ報告しに来たんだからと奢ってくれたりしてな。そうそう、これから食いにいくんだが雪も来るか?俺はお前が気に入ったからな。今日は俺の奢りだ。」
日之影君の話を聞いていたらなんだか彼女は僕がいても何だかんだで今日は入学祝いでアタシからの奢りだとか言いそうなのだけど。まぁラーメンなんて最近食べていないしたまには良いかな。
禊の昼御飯はお弁当だし。
そうして僕は学校帰りに日之影君とラーメンを食べに向かった。それ以降あまりの美味しさに度々禊をそのラーメン屋に連れていったりするようになったのはまた別の話だったりする。
うニャ・・・。
とかうたた寝したくなる季節ですね。
いえいえ、それはさておき不知火理事長と日之影さんと随分態度が違いますよね雪君。いや、まぁあれですよ。不知火理事長はもう出てこないかもしれませんね。
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