「これ、乗り込む系のロボット出てきてもいんじゃね?」
そう思い立ったが吉日。リリカルなのは無印を視聴して履修、こうして書き書き。そうして出来上がったのがこの劇物です。やりたいことやってます。好き放題しています。ってかオリ主の性格が受け付けない人出てくると思います。でも大丈夫、オリ主って多分そんなもんだと思ってます。万人受けするキャラなんて作れるわけねぇだろこの野郎!! ってなスタンスで書いてます。開き直りです。
ただ、他にも書くSSもあるので、こちらは序盤だけ……ゲームでいうところのβ版みたいな感じです。評判よかったら続き書きます。つまり先が読みたかったら読者の皆様次第……いや『異世界空手部』も書かなきゃだからこっち後回しになりますね。すんません。
長々とすいません。とゆーわけで、ほれ(本文を投げつける)
プロローグ
そこは、辺り一面真っ白の空間。景色も何も無い、ただしく“無”と呼べるような場所。
「なので、あなたは死んでしまいました。全て私の責任です。申し訳ありませんでした」
そこにポツリと浮かんでいるかのように佇み、深く頭を下げるのは、純白の衣に身を包んだ、美しいブロンドの髪を靡かせた妙齢の女性。
「……は?」
女性と対面するのは、黒い髪をした青年。中肉中背の、どこにでもいるような青年だった。
「死んだ……? お、俺が……?」
「……はい」
青年が唖然とする中、女性は沈痛な面持ちで肯定した。
女性の口から語られたのは、青年にとって信じがたい話だった。今ここにいる自分は、道を歩いていたら大型トラックにはねられ、死に、そして魂だけがこの空間……あの世へ行く直前の特殊な空間だという。
そして青年の前に立っている女性こそが、青年がここに来るきっかけとなった存在———神であるということも語られた。
女性こと神は、あまりの展開に理解が追い付いていない様子の青年の反応を待った。やがて青年は頭を掻き、ため息を一つついた。
「……そっか、俺死んじまったのか……じゃあしょうがないな」
「……怒らないのですか?
呆気らかんと、死んだことを認める青年に、神は問いかける。その声色は疑問に満ちていた。
「だって、死んじゃったもんはしょうがないだろ? ならアンタに生き返らせてくれってお願いしたら生き返らせてくれるのか?」
「いえ、申し訳ありませんが、それは不可能です」
「だろ? なら受け入れるしかないじゃん。で、俺はどうなるんだ? あの世に行くのか?」
肩を竦めながら話を進める青年。悲嘆も怒りもなく、どこか友人に話しかけるように軽い感じで話す青年に対し、神もまた戸惑うことなく答えた。
「いいえ、今回は私の不注意が原因による死。いわばあなたはイレギュラー……なので、私の権限を使って転生していただきます」
「え? マジ!?」
「ただし、代償として元の世界ではあなたに関する記憶は全て消えます。あなたの家族も、友人も、あなたという存在はなかったことになります……よろしいですか?」
親しい人から、自分の存在が消える。それがどれだけ悲しく、辛いことか、普通の感性を持つ人間ならば理解できるはずだ。
だが、青年は違った。
「ああ、予想してた。しょうがないよな、大きな力には大きな代償が伴うもんだ」
「……そうですか」
悲しむどころか、平然としている。寧ろ、神の話に、今度は嬉々として食いついている様子すら見せる青年。まるでこうなることを予想し、その予想が当たったことに歓喜しているかのよう。
「では、それにあたって、あなたの希望する世界への転生と、転生特典を授けます。どの世界へ赴きたいですか?」
ニコリと、神は聞く。それを気にすることなく、青年は破顔しつつ言う。
「じゃあ『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生してくれ!!」
「わかりました。では、転生特典で希望はありますか?」
「そうだなぁ……じゃあまずは、魔導士ランクSSS、いや、EXランクの保有魔力。それとそれに見合った俺専用のデバイス。それといろんなゲームやアニメの能力や魔法を無制限に使えるようにして欲しい。それから身体能力の限界突破、オマケとして容姿を変えてイケメンにしてくれ」
「いいでしょう。全て叶えましょう」
青年の無茶な要求にも嫌な顔一つすることなく、神は頷いてトントン拍子に決まっていく。やがて神は手を差し出すと、青年の足元に幾何学模様の魔法陣が展開された。
「先ほどのあなたの願いは、転生した先で新しいあなたの人生を謳歌してください」
「ああ、ありがとな神様!」
慈愛に満ちた笑みを青年に向ける神に対し、青年もニッと笑いながら手を挙げて神に礼を言い……一瞬光ったかと思うと、その姿を消した。
青年が消え、魔法陣も消えた。青年が消えた場所をしばし眺めていた神は———その笑みを消した。
「……転生、ね……何がそんなに嬉しいのでしょうね」
無機質な、感情など無いに等しい冷たい声で一人ごちる。
神にはわかっていた。青年が、トラックにしかれた時点で歓喜していたことを。それを隠していたようだが、アニメ作品『魔法少女リリカルなのは』の世界に行けると思った瞬間、有頂天となり、脳内では最強主人公として派手に無双し、登場人物たちと関係を持ちたいと願っていたことを。人間の考えていることなど読み取ることなど、神にとっては容易いことだった。
神から見た彼の人間性は、典型的な自己愛、承認欲求の塊、神でいうところの俗物な、愚かな人間そのものだった。
第一、神は己のミスで青年を死なせたと伝えたが、それは真実ではない。彼があそこで死ぬは運命であり、必然であった。つまり彼の不運だ。神が彼の魂をここに呼び込んだのも、偶然に過ぎない。この姿も、彼が理想とする神の姿に合わせてやっただけだ。
「まぁ、願いを叶えてやっただけありがたく思って欲しいものですね……それだけ、ですが」
神は笑いもせず、ただ冷たく言う。確かに願いは叶えた……が、青年の願いの一つ、口にしなかった願いは、あえて叶えなかった。
「あなたのような人間がその世界の『主人公』になれるなどと、思わないことです」
青年の『物語の主人公になりたい』という願いは、神は聞き届けなかった。聞くつもりもなかった。
「せいぜい道化に徹することです……けど、そうですねぇ……」
と、ここで顎に手を添え考え込む神。そしておもむろに右手を上げると、その手に一冊の、辞書よりも分厚い本が光と共に現れ、勝手にページが捲れていく。
「純粋な少女が魔法という力を通し、戦い、傷つきながら、様々な人物たちと関わり絆を育んでいく友情の物語……そんな世界にあんな異物を放り込むだけでは、あまり面白みがありませんからねぇ……」
ペラペラと、空間にページが捲れていく音だけが聞こえる。それが一分ほど続いた。
「……よっと」
ぴっと、本に人差し指を突き出すと、ページは止まった。神は止まったページを読み始める。
「ふむ、ふむ……ほほぉ、これはこれは……」
しばし、没頭する神。やがて神は、無表情だった顔を僅かに崩し、愉快そうに笑い、ページに手を翳した。
「それなら、ここをこうして、こうすると……」
翳した手を円を描くように動かすと、どういう原理か、ページに綴られていた文字が浮かび上がっていく。文字は神の手の先で踊るように渦を巻くと、再びページへと戻っていく。
「これで……うん、いい感じですね」
一つ、先ほどと内容がガラリと変わったページを読んで、神は満足気に頷いた。
「さて……これであの世界には異物が“二つ”、現れるようになったわけですが……」
パタリと、愉快そうな笑みのまま本を閉じる神。
その本は神しか開くことを許されない物。そこに綴られていたのは、神が管理する世界のありとあらゆる存在……人間だけではない、動植物、果ては無機物、ありとあらゆる存在の運命が記されていた。
その中の一つの運命。青年を送り込んだ世界で生きる一人の人間の運命を、神は弄れるだけ弄った。
「あの世界の主人公は、果たして誰になるのでしょうね……本来の世界線通りの彼女か、それともあの愚鈍な奴か……或いは」
笑う神。軽い感じに青年を殺して転生させ、青年の一番叶えたい願いを聞き届けず、そして面白半分に一人の人間の運命を弄った、笑う神。
「本来、交じり合うことなく無関係に生きていけるはずだった“彼”か……見物ですね」
全ては、気まぐれ、暇つぶし……アニメという媒体を元にして生まれた平行世界がどんな道筋を辿るのか、神は嬉々として観覧するのだった。
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とある町にて、一人の少年は生活していた。優しい両親、仲のいい友達、何不自由のない生活……そのまま生きていけば、順風満帆とはいかずとも、人並の幸せを享受し、年老いていくことが、運命によって定められていた。
「あれ? なんだこれ?」
この日、この時までは。
それは、ほんの些細な切っ掛け。少年が、いつも通学路に使っている道端に光る何かが落ちていることに気付いた。少年は好奇心の赴くままに“それ”を拾い上げ、そして何の気なしに持ち帰ってしまう。
大きく運命が動き出す。少年を取り巻く環境が変わり、人並の幸せを享受する筈だった少年の人生は、やがて世界を揺るがす大きな事件に巻き込まれ、そこで出会う筈のなかった人々と出会い、絆を育んでいくこととなる。
その先に待つのは、絶望の未来か、希望に満ち溢れた未来か……神は知らない。知ろうともしない。何故ならその方が楽しいからだ。
本来であれば、一人の少女が魔法という奇跡と出会い、強敵と戦い、友を得て、世界を救う物語。その物語は、神の気まぐれによって様変わりする。
これは、一人の“青年”が魔法と、少女たちと出会い、困難の嵐吹き荒れる中で相棒を駆って戦い抜く物語だ。
最初に出てきたテンプレ転生者くんが出てくるのはもっと先でごんす。