アリアンロッドリプレイBlue Blood   作:萩原 優

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艦これSSと同時進行で、TRPGリプレイをお届けします。未経験の方も楽しめる小説形式なので、どうぞお楽しみください。


第1章「エルーランの銃士隊」
第1話「王立銃士隊序説」


 大陸全土を巻き込んだエルーラン王家を巡る戦乱は、聖暦1006年初頭のアンナ・エルーラン王女誘拐事件を発端とする事に異論を挟む余地はないだろう。

 

 これより三年前の「魔将戦争」、前年の「薔薇の厄災」事件と並び、エルーラン激動の一年間は「英雄の時代」と呼ばれる。著名な歴史家が「あまりにも出来過ぎている」と評するほど、この短期間に優秀な人材が台頭した。

 

 王国中興の祖と言われる女王アンナをはじめ、宰相ケストナー・銃士長バジル・外務卿ユーリと言った、王国の黄金期を担う若きエリートたちが、わずか一年の間に頭角を現している。

 興味深いのは、彼らは皆義勇兵部隊『王立銃士隊』の関係者であると言う事だ。現在では誰でも憧れる青い制服も、当時は二線級の間に合わせ部隊のような扱いで、正規軍から向けられる侮りの視線に耐える日々だった。

 

 そんなあぶれ者の彼らが、何故人材の宝庫足りえたのか? 本書では銃士隊躍進のきっかけとなる王女誘拐事件にスポットを当ててみたい。

 

 執筆に当たっては、先述の外務卿ユーリ・カルマン・ブランシュが書き残した「ブランシュ家再興記」と、銃士レオンを名乗った謎の人物による手記を参考にさせて頂いた。どちらも当時を知る上で一級の史料である。

 

 志と野心を胸に秘め、王国の未来に命を懸けた若き銃士たち。そんな彼らが駆け抜けた時代の息吹を少しでも感じて頂けたら、語り手としてこれ以上の喜びはない。

 

ログレス大学国史学科准教授 アドルフ・フォン・メディチ

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

 高校時代夢中で読んだ、アレクサンドル・デュマの『三銃士』。魅力的なキャラクターが織り成す騎士物語に心躍ったのを今も憶えている。

 

 愛国心と野心を胸に秘め、国の未来に命を捧げた若者たち。時には名誉のため、時には恋人のため、そして時には仲間との絆のため、彼らは自らの青春をある組織に託す。その名は「近衛銃士隊」。継ぐ家を持たないの貴族の次男三男や、腕一本で立身出世を志す者たちが門を叩く、実力主義の精鋭部隊。

 

 自分もこんな騎士物語を創作してみたい。そんな思いから、この企画は始まった。

 

 これは若き銃士が繰り広げる冒険の物語。彼らは『三銃士』の主人公、アトス・アラミス・ポルトス。そしてあのダルタニアンのように、王国の歴史に名を残すことが出来るのか? 若者たちの活躍をとくとご覧あれ。

 

 

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 某日。根城にしている東京神田のテーブルトークカフェ、「デイドリーム」に4人のメンバーが集結した。無論その目的はこれからテーブルトークRPG『アリアンロッドRPG』を遊ぶ為である。物語を始める前に、まずはそのメンバーを紹介したい。

 私達は創作サークル「王立銃士隊」のメンバーを中心としたTRPG仲間だ。4名中3名が小説を書いていたりする。蛇足ではあるが、作品名も記載させて頂いた。

 なお名前出しOKのプレイヤーはペンネームを表示し、それ以外の参加者は「プレイヤーA」とだけ記載させて頂いた。

 

 

・萩原優

 このリプレイのGMにして作者。つまり私の事。学生時代に創作の師匠に当たる葵紺碧にTRPGを布教され、その魅力にとりつかれてしまった。

 GMとしての傾向は、ロールプレイとその場のノリ重視。多少統合性が取れなくても、リプレイにする時直せばいいと言うゆるーいスタンスである。たまにどうでもいいNPCの台詞に言霊が宿り、無駄にキャラ立ちするのが名物だ。その特性は今回もいかんなく発揮されるので、ご期待頂きたい。

 

※「ハーメルン」にて艦これ二次創作『仮免提督といじわる空母・改二』を連載予定。他にも「小説家になろう」と「カクヨム」に一次創作小説を連載中。

 

 

・葵紺碧

 はぎわらの創作の師匠で、この世界に引き入れた張本人。面倒見の良い兄貴分で普段から色々とお世話になっている。GM・PLの両方をこなすベテランゲーマーにしてサークルの知恵袋。

 知的なキャラクターを好み、チームの参謀役として活躍する。GMが事件の真相を明かしても「その計画だと○○と言う穴があるので、まだ隠された真相があるに違いない!」などとはぎわらの胃袋にダメージを与えてくれる。またルール面でも造詣が深く、慣れたルールは基本丸暗記。

 キャラクターは常識人の突っ込み役が多いが、何処かずれている事も。

 

※小説家になろう及びノベルアッププラスで『「真秀ろばの国」導く、異世界新秩序』を連載中。

 

 

·真枝雅清

 はぎわらの大学時代からの友人。現在は諸般の事情で創作からは離れているが、サポーターとして貴重なアイデアや意見を提供してくれる。はぎわら共にTRPGを布教され、一緒にテーブルトークをやってきた朋友。

 性格は温厚にして天然。座右の銘は「まったりと楽しむ」。演じるキャラクターはいつも根っからの善人であるが天然でもある。感受性が高く、頭脳労働よりキャラロールを志向する。

 

 

・プレイヤーA

 今回のゲスト枠で雅清の実弟。兄の紹介で当サークルに参加。以来兄弟でテーブルトーク三昧の日々を送っている。コンセプトに特化したキャラクターを好み、それらを巧みに演じる。特に凛とした女性キャラクターが好みのようだ。

 真に恐ろしいのはその出目で、ありえない頻度でクリティカルを連発しGMを苦しめる。苦労してデータを組んだエネミーが、彼のクリティカルによって鎧袖一触で葬ってしまう。

 ロールプレイは割とフリーダムである。

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

はぎわら:それではアリアンロッドセッションを始めたいと思います。宜しくお願いします。

 

一同:宜しくお願いします!

 

はぎわら:なお今回のキャンペーンは、アリアンロッド公式の設定を少しばかりいじくって、『アニメ三銃士』風の世界をアリアンロッドでやってしまおうという企画です。ところで皆さん。『三銃士』はどのくらい知ってますか?

 

紺碧:デュマの原作は読みました。アニメも直撃世代です。

 

はぎわら:お、それは頼もしいですね。他のお2人は?

 

雅清:原作もアニメも知りません。

 

プレイヤーA:自分もです。大丈夫ですか?

 

はぎわら:大丈夫ですよ。じゃあ軽く解説しておきましょう。

 

 

 『三銃士』はアレクサンドル・デュマが送り出した、名作小説である。

 主人公ダルタニアンと仲間のアトス・アラミス・ポルトスの三銃士が、王妃の飾り紐を巡る陰謀に巻き込まれてゆく冒険活劇だ。

 

 銃士の「銃」は、マスケット銃を指す。戦国時代に使われた火縄銃もマスケットの一種だ。それまでの軍隊は重い鎧をまとい、巨大な槍を持って騎馬で突撃したが、マスケット銃の登場で鎧は役に立たなくなり、鎧を付けずに銃と軽量の剣を振るうスタイルが主流になってゆく。『三銃士』は、そんな時代の物語だ。重量級の騎士ではなく青いカソック法衣を身にまとい、颯爽とレイピアを振るう銃士たちは映像映えするため、数々の映像作品が作られた。

 

 日本でお馴染みなのはNHKで放映された『アニメ三銃士』で、少年銃士ダルタニアンの活躍は主題歌『夢冒険』と共に語り草だ。

 主役の4人はフランス軍が保有する最新式のマスケット銃を装備しているが、これはアリアンロッドのルールで容易に再現可能である為、はぎわらはこの企画を思いついたのだ。

 もちろん本リプレイは『三銃士』を知らなくても楽しめるが、もし興味をお持ちなら原作を読んでみるか、アニメや洋画を鑑賞してみる事をお勧めする。マジで面白いから!

 

 

紺碧:と言う事は、今回の舞台は史実のフランスだったりするんでしょうか?

 

雅清:え? 大丈夫かな?

 

プレイヤーA:私も近世のヨーロッパとかあまり詳しくは……。

 

はぎわら:あ。誤解を与えたようですみません。舞台はちゃんと『アリアンロッドRPG』公式の舞台であるエリンディル西方です。東南に位置するエルーランと言う国は、国情がフランスっぽいのです。少々設定を弄って『三銃士』の様なキャラクターが活躍できるような舞台にしました。

 

雅清:それは楽しみです!

 

はぎわら:あと作中の銃士隊は、マスケット銃を主力とした部隊ですが、例外も少なからずいますので、全員が銃を持つ必要は無いです。

 

プレイヤーA:いえ! 是非銃を持たせて下さい!(←ガンマニア)

 

はぎわら:その心意気や良し! 私もPLやってたら銃を持たせましたとも!(←右にに同じ)

 

紺碧:お2人とも、少し落ち着きましょう(笑)

 

雅清:(苦笑)

 

はぎわら:これは失礼。では今回はレベル1でのキャラメイクでお願いします。分からない事ややりたい事があれば随時相談に乗ります。

 

一同:はーい。

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