オンレート対人ゲーム。アングラな匂いがぷんぷんするこの単語。良識のあるあなたなら一笑に伏してしまうかもしれないが、もし真面目に、大真面目にオンレート対人ゲームに取り組んでしまう君にとってはどんな匂いを感じるのか。そんな君に送るフィクション。

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オンレート対人ゲーム

 オンレートの対人ゲームと聞くと何やら違法な雰囲気がしてくるが私がこれから話すのはオンレートが認められた国の中での出来事であり、私たちが住んでいる日本とは何ら関係のないことであると先に断っておく。

 

 

 

 その国を仮にギャンブル国、略してG国とする。

 

 G国に住んでいる善良な市民は当然彼らに認められた権利である賭博と言う娯楽を日常的に行なっている。もし君がG国で生まれれば当然のように周囲が熱中している賭博を行うことは言うまでもないだろう。

 

 もちろん賭博をすればそこには勝った負けたがついて回る。競馬でもバカラでもスポーツベットでも、どんな種目を君が選ぼうがそこは変わらない。

 

 

 当たり前だが賭博を行うためには賭博に乗ってくれる相手が必要だ。賭博が日常的に手軽に行いたい。そう考えたG国民の中で賭博を行うための場所、賭場を開くものが現れそこで賭博に興じることは想像に難くない。

 

 賭場を開く者は当然善意で賭場を運営しているわけではない。寺銭、場所代、レーキ、などそこで動く巨額の金の一部をそういった形で徴収することで賭場は運営される。

 

 

 

 ここまでは当然公営ギャンブルが認められているが賭博は認められていな国、日本に在住している皆様の多くが知っている話だろう。

 これから話すのはそんな素晴らしい国、日本に住んでいる皆様には体験できない日常的に賭博行為と繰り返すG国でのお話だ。

 

 

 G国で生まれ育った君は日常的にギャンブルを行う。

 

 

 君は、周囲の多くの人はギャンブルのトータル収支がマイナスになっており、賭場の人間の羽振りがいい事に気がつくかもしてない。

 君は次第に、彼らの頭にはギャンブルと言う悪性腫瘍が詰まっており、まとな感性を投げ捨てているように感じるかもしれない。

 

 

 ギャンブルをするものは負ける。胴元が勝つ。そんな当たり前の事実に気がついた君はしかし、もうすでに賭博の沼に肩まで浸かっている。

 

 賭博には強いニオイがある。ハマった人にしか嗅げないどこか甘く、辛く、苦くそして酷く魅力的なニオイ。

 

 

 君の頭の中にあるのは賭博が発する魔性の匂いと理性的な静止信号。

 

 

 君はギャンブルをやめられない。もう抜け出せないわけだ。

 

 

 幾らか冷静な君だからこそ、自分がやめられないことは分かっているだろう。

 

 

 理性的に狂った君の発想を言い当てるのは実に簡単だ。

 

 

 君の結論はこうだ。

 

 

 

 

 

 ギャンブルで勝つ。

 

 

 

 

 

 

 

 とても理性的な判断には思えないが、どうせ辞められないなら下手に遠ざけるよりは身を投げてしまった方がずっといい。

 

 真剣に君が賭博で勝とうとした時、すぐに幾つの方法論を思いつく。

 

 一つは店のイベントに乗っかる方法だ。

 

 前述した胴元が勝つ理屈は賭場にくる人のギャンブルの期待値が場所代を下回るからだ。だから当然、店がイベントを行った結果ギャンブルの期待値が場所代を上回ったら君はギャンブルで勝てるわけだ。

 

 

 二つ目はこの理論を発展させる。要は君が勝つのに必要なものはレーキを上回る期待値だ。「どうにか」して君が寺銭を越える期待値を積む事ができる時、君はギャンブルで勝てるだろう。「どうにか」すれば店のイベントを待たずして日常的にギャンブルで勝てるわけだ。

 

 

 

 君は何をして「どうにか」するのか。

 

 

 

 ここでタイトルの「オンレート対人ゲーム」となる訳だ。

 

 

「どうにか」する方法はそれこそ無数にあるだろうが今の君の手の届くところにある方法となると数える程しかないだろう。

 

 君は「どうにか」するために対人オンレートゲームを選んだ。

 

 

 オンレート対人ゲームとその他のゲームとの違いはその競争相手にある。つまり君は誰から金をふんだくるつもりなのかと言うことだ。

 

 オンレート対人ゲームはその言葉の通りに目の前の人から金をむしる。

 

 一方賭場で行われる他のギャンブルは胴元から金をむしろうとする。

 

 どちらが現実的なのかは君でも分かったようだ。

 

 実際に君はオンレート対人ゲームが行われている卓に座ってみると、目の前には興奮した猿、泥酔した猿、眠そうな猿、頭の悪そうな猿。

 

 いる。確実にカモがいる。

 

 君はそのゲームのルールすら知らないかもしれないが、すぐに目の前の魚に気がつくだろう。

 

 こいつらに俺が負けるわけがない。

 

 君の確信には多分に若者ゆえの短絡さが含まれているが、今回は大いに正しい。

 

 

 実はオンレート対人ゲームで人に勝つ。有象無象を負かすことは決して難しくない。

 

 ルールを覚えてある程度の練習をすれば人に勝つことは容易なのだ。

 

 「オンレート対人ゲームの極論」は賭場で勝ちたかったらオンレート対人ゲームをやれと言うことだ。

 

 もちろんそんな訳はない。

 

 早合点が過ぎている。

 

 君は一つ大切な要素を見落としてしまっている。それはオンレート対人ゲームは賭場で行われると言うことだ。

 

 当然だが前述の通り賭場で行われるギャンブルである以上レーキを支払う必要が生まれてくる。

 

 当たり前の事をもう一度言うが君がギャンブルで勝つためには支払うレーキ以上の期待値をむしり取る必要がある訳だ。

 

 ここでレーキとレートの関係性について解説させていただく。

 

 解説と言っても簡易なものであくまで私の妄想上の経験からくる極めて稚拙な解説であることをご留意いただきたい。

 

 基本的にレーキ、いわゆる場代には、メジャーなゲームの場合は相場が決まっていることが多い。そして場代はレートの上昇に伴って上がっていく事が多い。

 

 またもう一つの事実として動く金額に対するレーキの割合。つまり控除率はレートが上がれば上がるほど下がっていく事が多い。

 

 

 少しイメージが湧きづらいと思うので例を出して説明してみよう。

 

 

 例えばここにサイコロを振って大きな目を出した方が勝ちと言うゲームがあったとしよう。

 

 一回勝てば100pが貰え、負ければ100p失う。そしてレーキとして10p勝った方が支払うと言うAゲーム。

 

一回勝てば1000pが貰え、負けたら1000p失う。そしてレーキとして50p勝った方が支払うBゲーム。

 

 

 この場合控除率はAゲームで10%,Bゲームで5%となり、当然レートが上がっているBゲームの方が払うレーキは高く、Aゲームで勝った時に得られるポイントの半分も支払うことになるのに、控除率はAゲームの半分となる。

 

 この控除率と場代の関係は広く知られているものであり、私が愛する国Japanの風営法でも一時間あたりに客から取れる場所代の上限は決まっており、実質的にレートの上限が決められていると言っても過言ではない。

 

 

 賭博が禁止されているはずの国Japanの司法もこの関係性をよく知っているようだ。尚そもそもギャンブルが禁止されているはずの国で出来るギャンブルの上限を決めることの意味はよくわからない。

 

 

 また余談ではあるが世の中には一時間あたりに取れる場所代の上限を超えて場所代を確保する裏技としてある程度終わるまでに時間が掛かるゲームと言うことで申告しておいて、実際に行われているゲームは超特殊条件下のみある程度時間がかかるだけで、実際は申告した一回あたりにかかる時間の半分以下の時間でゲームが終わるようにルールを調節しているお店があるとかないとか。

 

 長くなったがまとめるとレーキとレートの関係性はレートが上がればレーキも上がるが、その上昇速度はレートの上昇速度よりも緩やかであり、高レートであればあるほど控除率は下がると言う事だ。

 

 

 当然非常にニッチなゲームに関して言えばその限りではないためこの話も無意味なものになることもある事をご理解いただきたい。

 

 

 閑話休題

 

 

 

 では君がギャンブルで勝つためには一体いくら程の控除率が望ましいのか。5%?10%?それとも1%?

 

 

 正解はプレイするゲームのゲーム性による。

 

 

 

 例えば囲碁や将棋、チェスなどの二人零和有限確定完全情報ゲームと言われるゲームはプレイヤーの実力次第で勝敗が決まり、一般に運の要素が介在しないとされるため、理論上は99.9%の控除率であったとしても勝ち越すプレーヤーが存在するはずである。

 

 

 これらのゲームのプロと言われている人からすれば勝ち越すことは控除率が50%を越えるような場合でも、そこまで非現実的なことではないようにも思われる。

 

 

 

一方先ほど例で挙げたサイコロを振って大きな目を出した方が勝ちと言うゲームの場合であれば勝ち越すための適正な控除率など存在しない。

 

 強いて言えばこの手のゲームのルールによくある知っていれば誰でも回避できるが知らないと罰金させられると言う初心者や泥酔者から金を巻き上げる罠のようなルールによって多少の期待値が積めるため、1%などの非常に低い控除率なら勝ち越しうるプレイヤーがいるかもしれない。

 

 

 これらの中間的な存在のゲームとして麻雀やポーカーなどの不完全情報ゲームと言われるものがある。これらのゲームの特徴を一言で表すと「初心者がプロにまあまあの確率で勝つ事がある」である。

 まず初心者がプロに勝てるくらいに運の要素が大きいゲームなんだと言うところに注目が集まると思うが、それはとても正しい。これらのゲームは所詮運ゲーと言われる事が多い。

 そしてもう一点気にしていただきたいのが所詮運ゲーと言われるゲームでプロがいる。この点である。

 

 プロ資格を発行する機関があって、実際にプロ資格を所有している人がいる。これが何を示すのか。

 

 

 ここから導き出される推論はこうだ。一見運ゲーに見えるこれらのゲームには実力介入要素がある。

 

 ではこれらのゲームの適正レーキはいくらか。実力介入要素があるとはいえ運ゲーであることに変わりはない。

 

 正直な話これらのゲームはその区別こそ似ているが内情が大きく異なってしまっている。例えば実力介入要素という観点で見れば、各ゲームによって結果に与える実力の影響は大きく異なってしまう。そのため一括りに大体何%とは断言できない。

 

 

 賭場でプレーできるゲームは千差万別ではあるが多くのゲームは今紹介した3つの種類のゲームのうちのどれか。特に後半二つのいわゆる完全運ゲーと実力介入要素がある運ゲーに分類できる事が多い。

 

 

 

 そうなると君はもう不完全情報ゲームを選ばざるを得なくなる訳だ。

 

 

 君は真面目な男で、よくルールを理解し、よく仲間内で練習し準備万端で一番低いレートの卓に座る。

 

 

 バンクロールをしっかり管理し、自分が破滅しなくて尚且つチャレンジングなレートを適正に選び卓に座る。君が自分の成長それ自体が楽しく、時間を忘れてゲームに熱中し出すのに時間は掛からないだろう。

 

 

 

 しかし、何事もスムーズにいく訳ではない。いつか停滞期が訪れる。あんなに楽しかった成長を一切感じなくなってくる。いわゆる形になった状態。そこから這い上がるのは並大抵のことではない。

 

 

 

 俯瞰して見れば自分はもうある程度の実力を持っている。上の上という訳ではないが中の上程度のそれこそ駆け出しの初心者に対して赤子の手をひねるが如く勝てる実力を持っている。

 

 

 

 君はもうすでに選んだ種目によってはここでギャンブルで勝つという当初の目標をクリアしているかもしれない。

 

 

 が、人間は欲深いものでもっと勝ちたいという願望が芽生え始める。

 

 

 ここで君が選ぶ選択肢は大きく二つに分けられる。

 

 

 一つがもっと強くなって今勝てない人に勝つ、今勝っている人相手により大きく勝つ。という選択肢。

 

 

 そしてもう一つが美味しいテーブルを見つける。という選択肢。

 

 

 ここに来るまで君はその持ち前の生真面目さで自己研鑽に励んできた訳だが途中でどうしても気がついてしまっているだろう。

 

 

 ある程度というか大体の人には勝てるようになってきた君がこれ以上強くなるのはとても長く苦しい道のりだろうが、金を持っている男に調子のいいことを言いながら金を巻き上げるといった事にコミットすれば自分が苦しんで成長するよりも多くの金を簡単に楽に勝ててしまう。という事実だ。

 

 

 

 これは残酷な事なのかはわからないがもうある程度強くなってしまったプレイヤーの多くにとって手っ取り早く、そして大きくお金を得るにはお金持ちと仲良くなってそこからぶんどる、もしくは自分より弱いプレイヤーばかりの集団に目をつけむしり取る。その為の情報網の構築に力をいれる方が遥かに収入をあげてしまう。

 

 

 つまり私の結論はこうだオンレート対人ゲームで勝つにはある程度強くなる事と自分より弱い相手とだけ戦う為の努力をする事。この2点が大切であり、君を熱中させたあのゲームはいつかくだらないゲームに成り下がってしまう。

 

 

 オンレート対人ゲームはくだらない。

 

 

 


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