こどもの Heart   作:daimon


原作:To Heart
タグ:R-15
キャラクターが東ハトとこじか

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こどものheart

 悲しみに囚われている少女、宇佐 美々。

 

 彼女の元に今日も友達からのメールが届く。

 

 差出人 九重りん。 

 

 それを開いた少女の後頭部に。

 

 

 大汗が浮かんだ。

 

 

 Subject くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

 

 

 それでも「え、衛生兵…」とか、ちゃんと突っ込んであげるあたり、彼女の性格が伺えて微笑ましい。

 

 

 「ゴ、ゴメン、わかんないよね、あの馬鹿の代わりに新しく来た先生!

 

あの人 藤田浩之先生っていうの、とても驚いたんだよ~。

 

 あの先生の初めての授業、っていうか自己紹介と出席!

 

 私達、何時もみたいにワイワイ騒いでいたの。

 

 

 彼女の脳裏に一瞬、クラスの情景が浮かぶ。

 

 

 普通の大人だったら怒るよね。

 

 でも、藤田先生は違った。

 

笑ってた。

 

しょうがねえなあって顔で、優しく、笑ってた。

 

 ねえ、そんな大人初めてでしょう?

 

 だから私たちビックリして、先生の顔を見ながら黙り込んじゃったの。

 

 そうしたら先生はね、わははっ!て感じかな?

 

 にっこり笑ったの。

 

 そのときの笑顔はね、なんだか、上手く言えないけど。

 

 とっても、真っ直ぐ笑ってた。

 

 普通の大人じゃ出来ないくらいに、真っ直ぐな笑いで。

 

 だから、みんな、あの先生に引き込まれちゃったの。

 

 私思ったよ、あの大人ならひょっとしたら………ひょっとしたらだけど、信じられるかもしれないって」

 

 

 やがて読み終わった少女は、そっと携帯を閉じて呟く。

 

 その呟きは、子供が発するべきではない、子供に言わせてはいけない言葉だった。

 

 「いつもありがとう、でも…まだ私、いやなの、まだ、怖いの…」

 

 

 

 

 今日もまた、友達からのメールが届く。

 

 今の少女にとって、外界との唯一の接触。

 

  

 subject 先生のお話っ!

 

 先生の、が、私の上で動くの。

 

 前に、後ろに、ぐりぐりって動くんだよ。

 

 私、先生のが気持ちよくって、気持ちよくって、思わず声が出ちゃったの。

 

 

 思わず想像して顔を赤らめる美々。  

 

 (り、りんちゃぁ~ん、いったいどうしちゃったの?)

 

 あはは、一体どういう想像したのかな?美々ちゃん?

 

 動いたのは先生の手、私の上って言うのは頭、つまり、なでなでされちゃったって事。

 

 

 そう、先生に褒められちゃった。

 

 私、悪い事したのにね、自分でも本当は分かってる、でも、それでも先生は、褒めてくれたのよ。

 

  

 

 

 りんの回想~~~~~~教室にて。

 

 私の便箋を見た時、先生の目の色が変わった。

 

 「九重?」

 

 …あっ?

 

 ばれた?

 

 あれだけで、分かっちゃうの?

 

 私は先生の顔を見ないで答えた。

 

 見るのが怖いから。

 

 何で見るのが怖いの?藤田先生が怒っているから?

 

 ううん。

 

 先生の。

 

 あの先生の笑顔が、消えているのを見たくないから。

 

 ああ。

 

 何でこんなに悲しいんだろう?

 

 出会ってから、こんなに少ない時間で。

 

 好き。

  

 離れたくない。  

 

 笑顔を見ていたい。

 

 悲しむ顔を見たくない。

 

 何で?

 

 

 

 私は、まくし立てた。

 

 「私ただ中村先生と同じ事しただけだもん!」

 

 そして次々に出てくる言葉。

 

 先生が美々ちゃんをいじめたから、あの子は学校に来なくなった!

 

 だから私、美々ちゃんの復讐しただけだもん!

 

 

 

 先生の手が、上がった気配がする。

 

 ぴくん!

 

 私の肩が震える。

 

 ぶたれる?

 

 

 

 次の瞬間私は、藤田先生に抱き上げられて、ひざの上に居た。

 

 なでなで、なでなで、なでなでなでなで。

 

 ええっ?

 

 先生、いいの?

 

 怒んないの?

 

 「たとえば校長に怒られたって、たとえば九重の保護者が怒ったって」

 

 「俺だけは、九重を褒めてやるよ、確かに色々間違っているけど」

 

 「それでも、胸を張って俺に褒められて良いんだ」

 

 『九重、友達のためによくやったな』

 

 

 う、ううっ、うわ~~~んっ。

 

 大好きっ!先生大好きっ!

 

 私を認めてくれた!私の黒さを知って許してくれた! 

 

 

 先生は私が泣き疲れるまでずっと抱きしめてくれていた。

 

 やがて泣き疲れて眠ってしまった私は先生におんぶされて、家に帰っていった。

 

 

 

 有難う先生、大好きだよ先生。

 

 その後藤田先生は美々ちゃんを、学校につれてきてくれたり。

 

 身を持って私を助けてくれたり。

 

  

 

 そして私は今日もまた、先生がもっと好きになるの。  

 

 こどもの時間+To heart            

     おしまい

 


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