KV_another_Archive 作:器具類プロジェクト
(お疲れ様ー!)
「はあ……やっと終わった。目まぐるしい一日だったわ。」
「みんなで来るなんて……騒がしいったらありゃしない。」
「人が働いているってのに、先生先生って、チヤホヤしちゃって。ホント迷惑、何なのアレ。」
「ホシノ先輩、昨日のことがあったからってわざと先生を連れてきたに違いないわ!」
「……ふざけないで。私がそう簡単に折れると思ったら大間違いなんだから。」
へる
「……。」
「あいつか?」
「……はい、そうです。アビドス対策委員会のメンバーです。」
「準備はいいか?次のブロックで捕獲するぞ。」
「……。」
「ふぅ……。」
「……そういえば、この辺も結構人がいなくなったなあ。前はここまでじゃなかったのに。」
「治安も悪くなったみたいだし……。」
「このままじゃダメだ。私たちが頑張らないと……そして学校を立て直さないと……。」
「とりあえずバイト代が入ったら、利息の返済に充てて……。」
へる 黒 赤 黒
「……!?」
「何よ、あんたたち。」
「黒見セリカ……だな?」
「……カタカタヘルメット団?あんたたち、まだこの辺をうろついてんの?」
「ちょうど良かった。虫の居所が悪かったの。二度とこの辺りに足を踏み入れられないようにしてやるわっ……!!」
掃射
「くっ、ううっ!!」
(背後にも敵!?……こいつら、最初から私を……)
「捕らえろ。」
着弾
(対空砲……?違う……この爆発音は、Flak41改……?)
(火力支援?どこから……?ち、違う、これは……まさか……)
(こっ、こいつた、ハンパじゃない……ヤバい……)
(意識が……)
(……)
倒れる
「……。」
「続けますか?」
「いや、生かさなければ意味がない。この程度でいいだろう。車に乗せろ、ランデブーポイントへ向かう。」
車が走り去る。(お疲れ様ー!)
「はあ……やっと終わった。目まぐるしい一日だったわ。」
「みんなで来るなんて……騒がしいったらありゃしない。」
「人が働いているってのに、先生先生って、チヤホヤしちゃって。ホント迷惑、何なのアレ。」
「ホシノ先輩、昨日のことがあったからってわざと先生を連れてきたに違いないわ!」
「……ふざけないで。私がそう簡単に折れると思ったら大間違いなんだから。」
そんな風に文句を言いながらプンプンと帰宅するセリカの後方に怪しい影が
着かず離れずといった距離で、追跡し続ける特徴的な人物が居た。
「……。」
「あいつか?」
「……はい、そうです。アビドス対策委員会のメンバーです。」
「準備はいいか?次のブロックで捕獲するぞ。」
彼女はその会話に気づく事は無く、すっかり暗くなった帰路をゆっくりと歩いて行く。
その帰り道は街中であるのにも関わらず、灯りも活気もまばらである事が分かる。
道路にはひび割れが目立ち、砂塵が積もった歩道は手入れする人物が暫く訪れていないのだろう。
街の光景を見て、彼女は表情を曇らせて思考を口から呟いた。
「……。」
「ふぅ……。」
「……そういえば、この辺も結構人がいなくなったなあ。前はここまでじゃなかったのに。」
「治安も悪くなったみたいだし……。」
「このままじゃダメだ。私たちが頑張らないと……そして学校を立て直さないと……。」
「とりあえずバイト代が入ったら、利息の返済に充てて……。」
顔を上げた彼女の行く手をヘルメットを被った集団が遮る様に現れた。
リーダー各と思わしき赤いヘルメットの少女を中心に黒のヘルメットが包囲網を構築する。
いきなり現れた姿に思わず彼女は一驚してしまう。
「……!?」
「何よ、あんたたち。」
「黒見セリカ……だな?」
「……カタカタヘルメット団?あんたたち、まだこの辺をうろついてんの?」
「ちょうど良かった。虫の居所が悪かったの。二度とこの辺りに足を踏み入れられないようにしてやるわっ……!!」
直ぐに臨戦態勢へと移行した彼女に対して目前の暴徒は動く素振りが無い。
そんな様子をセリカが訝しむ間もなく、背後からの衝撃に思わず呻き声を上げた。
咄嗟の痛みを堪えながら後ろを振り返ると、前方と同様のヘルメットを被った集団が確認できた。
「くっ、ううっ!!」
(背後にも敵!?……こいつら、最初から私を……)
「捕らえろ。」
リーダーが静かに号令を出すと同時に上空から彼女の目の前に飛来し、
車道の破片を巻き上げながら、彼女に致命的な衝撃を与える。
痛みが思考を支配する中で、朦朧とする意識で原因を探ろうとする。
(対空砲……?違う……この爆発音は、Flak41改……?)
(火力支援?どこから……?ち、違う、これは……まさか……)
(こっ、こいつた、ハンパじゃない……ヤバい……)
(意識が……)
(……)
苦悶の表情を浮かべながら地に伏せた彼女は、何とか意識を保とうとしたが
限界を迎え、そのまま気絶してしまい抵抗する術を失う。
「……。」
「続けますか?」
「いや、生かさなければ意味がない。この程度でいいだろう。車に乗せろ、ランデブーポイントへ向かう。」
短い会話の後に意識が無い彼女を車に乗せて、そのまま走り去る。
誰も居なくなったその通りには、今起きた出来事は破壊された道路だけが痕跡として残っていた。
―――――――――――――――――――
■
セリカの部屋
ピンポーン
とある住居の扉の前で少し困った様に呼び鈴を鳴らす少女。
奥空アヤネは数時間前から連絡の着かなくなった友人宅を尋ねていた。
「セリカちゃん?セリカちゃん、いる?」
ピンポンピンポーン
「セリカちゃーん?どうしたんだろう、電話にも出ないし……。」
「スペアキー、どこだっけ……。」
何度も呼び鈴を鳴らし、呼びかけても返事がない様子に手元の端末を確認する。
SNSのチャット画面には、既読の文字は着いておらず、家に上がり込む事を思案する。
がちゃりと音を立てて開いた扉をくぐり、様子を窺いながら靴を脱ぐ。
部屋を見回すが灯りは着いておらず、帰宅した様子は無い。
「セリカちゃん……?まだ帰ってないのかな?」
「……こんなこと、今まで一度もなかったのに。」
「ま、まさか……!!」
■
夜になってもう眠ろうかという時間に、黒見さんと連絡が取れなくなったという報せを受けて
私達は帰宅路を急いでとんぼ帰りする事となった。
対策委員会の部室へと向かうと、緊張感が走っており事の重大性を窺い知れる。
扉をくぐると、こちらに気づいた十六夜さんが笑顔で迎えてくれるが
やはりその表情は硬いものであった。何時でも出動できる様に装備の確認を行う。
「電話はしてみました?」
「……はい。でも数時間前から、電源が入ってないみたいで……。」
「バイト先では定時に店を出たみたい。その後、家に帰ってないってことかな。」
「普段黒見さんって何処かに立ち寄る事はあったんですか?」
「いえ、こんな遅くまで帰らないなんてこと、これまでなかった筈です。」
そんな確認を行っていると、少し考え込んでいたシロコが何かに思い至ったのが口を開く。
「まさか……ヘルメット団の連中?」
「えっ!?ヘルメット団がセリカちゃんを……!?」
「……この間の報復ですか?」
「とりあえず待とう。ホシノ先輩と先生たちが調べてるから。」
「……。」
続報が来るまでの暫しの間に沈黙が部屋の空気を支配する。
皆が彼女を心配している事がよく理解出来る、絶対に助けるという思いが胸中に渦巻き
私の頭は焦燥感ばかりが、過ぎっては消えずに残り続ける。
「みんな、お待たせー。」
「ホシノ先輩!先生!」
『ただいま。』
「どうだった、先輩?」
「先生が持ってる権限を使って、連邦生徒会が管理するセントラルネットワークにアクセスできた。」
「セントラルネットワークに……
先生、そんな権限までお持ちなのですね……。」
「うへ~もちろんこっそりだけどね。バレたら始末書だよー?」
「ええっ!?だ、大丈夫なんですか、先生?」
▷『問題ない、セリカの安全のためなら。』
『バレなきゃオッケー。』
「先生……。」
(リンさんに気づかれたら始末書じゃ済まない気が……?)
今は緊急事態であり、黒見さんの安全には代えられないが
それでも、もしリンさんを始め連邦生徒会の方々に露呈してしまったら
確実に3時間近い説教もセットで着いてくるであろう事は予想できる。
「連絡が途絶える直前のセリカちゃんの端末の場所、ここだったよー。」
「ここは……砂漠化が進んでいる市街地の端の方ですね?」
「住民もいないし、廃墟になったエリア……
治安が維持できなくて、チンピラばかりが集まってる場所だね。」
「このエリア、以前危険要素の分析をした際に
カタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認できた場所です。」
「ということは……やはりカタカタヘルメット団の仕業……!!」
「なるほどねー、帰宅途中のセリカちゃんを拉致して、自分たちのアジトに連れて行ったってことかー。」
「学校を襲うくらいじゃ物足りなくて、人質を取って脅迫しようってことかな。」
「となると計画的な犯行なんでしょうか。」
「考えていても仕方ありません!急いでセリカちゃんを助けに行きましょう!」
「うん、もちろん。」
「よっしゃー、そんじゃ行ってみよー!」
『出発!』
私達は一丸となって黒見さんを救出するために部室を後にした。
大規模な戦闘に備えて各自準備を終えてから、移動の為に車両に乗り込んだ。
私達を乗せたバギーは夜のアビドスを砂埃を上げながら駆け抜ける。
―――――――――――――――――――
「う、うーん……。」
ガタガタと音を立てながら暗い車内にて件の少女、黒見セリカは意識を取り戻した。
「……へ?」
「!?」
起き上がり周囲の状況が異常な事に気づくと、意識を失う直前までの出来事を思い出す。
寝心地が到底良いとは言えない揺れる車内で、まだ痛む身体に鞭を打って脳を回転させる。
「こ、ここは!?私、さらわれた!?」
「あ、う……頭が……。」
不定期的に揺れるこの空間には彼女以外の姿は無く、見張りも存在していない。
手探りで感触を確かめ、その他の情報から現在の状況を把握したセリカは
自らを陥れた怨敵の行動の意図が掴めずに、訝しむ言葉が口から洩れる。
「ここ……トラックの荷台……?」
「ヘルメット団め……私をどこに連れて行くつもりなの……。」
「暗い……けど、隙間から少し光が漏れてる。」
「外……見えるかな。」
「……砂漠……線路!?」
「線路がある場所って……ま、まさかここ、アビドス郊外の砂漠!?」
「……そ、そんな。ここからじゃ、どこにも連絡が取れない!
もし脱出できたとしても、対策委員会のみんなにどうやって知らせれば……。」
「どうしよう、みんな心配してるだろうな……。」
「……。」
「……このままどこかに埋められちゃうのかな。
誰にも気づかないように……。」
「連絡も途絶えて……私も他の子たちみたいに、街を去ったって思われるんだろうな……。」
「裏切って思われるかな……。」
「誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて……。」
「そんなの……ヤダよ……。」
「……。」
「う……うぐぅ……。」
「うっ、ううっ……。」
そんな彼女の涙は突如として大きな爆発音に掻き消される。
「う、うわあああっ!?」
衝突音と共に悲鳴を上げる間もなく、
―――――――――――――――――――
■
爆炎を上げて崩壊するトラックを眺めながらも急いで運転席の方へと向かう。
もうすっかり日が出る時間になってしまったが、移動中に幾ばくかの仮眠時間のお陰で作成に支障は無い。
砂に埋もれかけている周囲一帯には今しがた散らばったトラックだったものの他にも様々な物が落ちている。
古い電車だろうか、半分近く埋没しており利用されなくなってからどれだけの時が経ったのだろうか。
そんな事を考えながらも、割れた窓から運転席を覗き込むと完全に伸びてしまっているが、命に別条がなさそうな事が確認できた。流石に車両内に放置すると爆発に巻き込まれて死んでしまうかもしれないので、外へと引っ張り出す。だが起き上がっても面倒なので軒並み武装は解除させて貰う。気の毒に思わないでも無いが、誘拐犯に情けは無用なのだ。
「カハッ、ケホッ……ケホッ……。」
「な、何っ!?爆発!?トラックが爆発した!?」
「砲台にでも当たったのかな……一体どこから?」
「セリカちゃん発見!生存確認しました!」
「……あっ、アヤネちゃん?!」
「こちらも確認した、半泣きのセリカ発見!」
「!?」
「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いてただと!
そんなに寂しかったの?
ママが悪かったわ、ごめんねー!!」
「う、うわああ!?う、うるさいっ!!な、泣いてなんか!!」
身包みを剥ぎ終わって安否を確認しに行くと、どうやら黒見さんを無事発見出来たようで
眼に入ったやり取りから疲労は感じられるが、衰弱している様子は無い。
無傷とは言えずとも五体満足で連れ戻せたことに心から安堵した。
「嘘!この目でしっかり見た!」
「泣かないでください、セリカちゃん!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」
「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!!黙れーっ!!」
照れ隠しも大いにあるだろうか、皆も彼女が無事と分かって少し余裕が出てきたらしい。
うがー!と声を荒げて悪ふざけしている先輩達を制そうと試みているがあまり効果は無い。
そんな彼女の元へ辿り着く頃には、先生もすぐ傍へと駆け寄っていた。
「黒見さん…!無事で良かった……!」
▷『安心したと伝える。』
「な、何で先生たちまで!?どうやってここまで来たの!?」
▷『ダテにストーカーじゃない。』
『さらわれたお姫様を助けるのは勇者の役目!』
相変わらずセクハラぎりぎりの発言をかます先生は本当に嬉しそうな顔をしている。
いつも頼りになる先生だが如何せん黒見さんの前では気持ち悪くなる傾向があるようで
もしかして先生は黒見さんの様なタイプが好きなのだろうか?
「ふ、ふざけないでよ!この変態教師!!」
「うへ、元気そうじゃーん?無事確保完了ー。」
「よかった……セリカちゃん……私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって……。」
「アヤネちゃん……。」
「まだ油断は禁物。戦術サポートシステムを使ってトラックは制圧したけど、
まだここは敵陣のど真ん中だから。」
通信越しではあるが、それでも友人との無事の再会を喜んでいる2人を遮る様に
シロコと小鳥遊委員長は警戒を促す。確かに目的を達成して気が緩んでいたが
ここは依然としてヘルメット団のテリトリーであるのは間違いない。
「だねー。人質を乗せた車両が破壊されたって知ったら、敵さん怒り狂って攻撃してくるよー。」
「前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!!」
「さらに巨大な銃火器も多数確認しました!
徐々に包囲網を構築しています!」
「敵ながらあっぱれ……
それじゃー、せっかくだから包囲網を突破して帰りますかねー。」
奥空さんから監視網に引っ掛かった敵方の連絡が入り、相手の本気度合いが測り知れる。
感嘆した様に呟いた委員長は、何の気なしに交戦の意志を見せる。
少し静かになっていた黒見さんが、苦虫を噛んだ様な顔で忠告した。
「……気を付けて。奴ら、改造した重戦車を持ってるわよ。」
「知ってる、Flak41改良型。」
▷『こっちにも対抗策があるよ。』
『大丈夫、ばっちり準備してきたからね。』
「えっ!?……M15でも持ってきたの?」
「あ、いえそういう訳では無いんですが。」
困惑する黒見さんに対して委員長はまあまあと宥め、とっておきはその時になってからと
その場を収めるが、まだ彼女の顔には困惑の表情が滲んでいる。
先生の方を見ても人差し指を立てて、こちらにウインクしている。
これから大規模な戦闘は確実だというのに皆リラックスしたものである。
「それじゃ……。」
「行こうか?」
その委員長の号令を皮切りに遠くに砂煙を立ち上げている首謀者達へと
仲間へと手出しした代償を払わせる為に私達は走り出した。
モンハンの新作が発売されたので失踪します。