Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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閑話: こちらオーメルIS研究部ドイツ派出所!

風が肌寒いドイツ、ミュンヘンの町にその会社はあった

ローゼンタール

重工業で名を馳せ、企業連の大グループを形成することも過去にあったが、いまでは 傘下企業オーメルに下克上され、オーメルグループの中枢としてドイツを中心にEU圏でISのシェアをフランス、イギリスと競っている

 

 

「ふぁぁ、アルベルト主任、これから何します?」

 

「そうだなぁ、基礎研究も終わって、応用のはずだが、オーメルに全部持ってかれちまったしなぁ」

 

「いっその事俺らの考えた最強のISってやっちゃいます?」

 

「そうだな、それが面白い! エルヴィン、今すぐ全員呼んでこい! 社長と直接話しを付けて開発許可もらうぞ!」

 

「Ja!」

 

 

 

これはそんな大企業の中で、ISに魂を賭けた男たちの物語

 

 

 

「シオンさん! 我々に独自のIS開発をやらせてください!」

 

「「「「「「「お願いします!」」」」」」

 

 

社長室に乗り込むと男たちは 社長紫苑におもいっきり頭を下げた

一体何事かと困惑する紫苑だったが、主任によれば

”俺らで最強のISを考えよう、やることも無いし、何より最強と言うのは男のロマンだ!”とか何とか

 

さすがにISコアを扱う以上紫苑一人の判断でハイそうですか、頑張ってね。とは言えない

 

 

「プレジデントに確認を取ります、少し待ってね」

 

「はぁ……」

 

オーメルグループ代表企業、オーメル・サイエンス・テクノロジー社は企業連を代表する企業の1つであり、オーメルの社長は企業連の代表を意味する

交代時の会見にも姿を見せず、公の場に一切出てこないフュルステンベルク代表はその存在自体を疑われることもあるが、オッツダルヴァとは明らかに違うやり方に、好感を覚えるものも多い

 

そんな姿も知らない代表に確認を取る、と言われ男たちの夢はここで終わってしまうのかと思った矢先のことだ

 

 

「許可が降りました、その代わり、ローゼンタールらしいものを作れ、とのことです。やりましたねアルベルト」

 

「「「「「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」」」」」

 

 

男たちは燃え上がった、自分達の手で、世界最高の最強のISを作り上げ、ローゼンタールの名を再び世界に轟かせるのだ!

 

 

「で、主任、ローゼンタールらしいISってどんなのだと思いますか?」

 

「質実剛健、高い汎用性、そして、カッコ良い。これだろ」

 

「「「「「…………」」」」」

 

研究室に沈黙が訪れた

だが、それも長くは続かない

 

「ですよね! 一点特化なんてインテリオルにやらせればいいんですよね!」

 

「そうだ! なんでも出来てこそのローゼンタールだ!」

 

「ならば名前はもう決まりだな!」

 

その名はもちろん

 

「「「「「「HOGIRE(オーギル)!!」」」」」」

 

 

 

そして、男たちの戦いは始まった

過去のACの傾向を洗い、世界のISの傾向を洗い、企業連の中で使える技術は片っ端から使った

 

 

そして9ヶ月の月日を経て完成したドイツ、ローゼンタール社、第二世代IS HOGIRE

大容量の拡張領域、そこからくる高い汎用性、ブースターとスラスターの交換を容易にし、あらゆる場面に対応できるようにしたことも魅力だ

また、燃費の良さも売りだった、これはエネルギー兵器の使用を想定してのことだったが、実弾兵装を積めば、世界の第二世代より1.5倍は動けた

 

基本性能を高レベルでまとめ上げた男たちの自信作だった

 

 

「シオンさん、出来ました! 俺らのISが!」

 

社長室に飛び込んだアルベルトは真っ先にISの完成を報告した

 

「おめでとう、それはもう飛んだの?」

 

そして思い出したのだ、まだ実際に稼働試験してねぇや、と

 

「しまったぁぁっぁぁあ!!」

 

あらあらうふふと笑う紫苑の前で、男たちのボスは叫びを上げた

 

 

そして迎えた稼働試験、パイロットはまさかの紫苑である

社長自ら自社の機体を試すということで、男たちも必死だった

あの(美人で人気のある)社長に怪我でもさせれば社内に居所はない

 

男たちが固唾を呑んで見守る中、稼働試験が始まった

 

「では、まずPICを入れてください」

 

一瞬ブースターを噴かして高度を取ると、地面から数十cmのところで浮いた

 

「PIC、グリーン」

 

「了解です、では高度を保って動いてみてください、適当で構いません」

 

「了解」

 

ブースターが火を噴き、自動車並みのスピードでグラウンドを縦横無尽に駆けまわる

 

「いいわ、サイドスラスターも問題なしね」

 

「了解、では飛んでください」

 

ついにこの瞬間が来た、男たちの夢と希望の塊、オーギルが飛び立つのだ

 

メインブースターに光が集まり、火を噴いた

一気に高度を取るモスグリーンの機体

そして空を翔ける

 

「PICもブースターもすべて問題なし、やったわね」

 

紫苑のOKが出ると、テストフィールドは歓声に包まれた

 

 

 

そして、世界からオーギルモデルと呼ばれる第二世代ISはドイツ軍のコンペティションに懸けられ、無事にドイツ軍主力モデルの座を手に入れた

 

社長自らデモンストレーションを行ったのが効いたとか、ドイツ人の気心に合った機体だったから、など様々な憶測が飛び交う中、オーギルは日本製の打鉄モデルとシェアを二分するまでに成長していった

 

 

そして男たちはその功績を讃えられ、晴れて独立。部署名称がローゼンタールIS開発部に変わった。

と言っても、変わったのは名前と成り立ちくらいで、今までどおりの部屋で、今までどおりのメンバーが、今までどおりのボスの元、和気あいあいとオーギルの追加装備や、機体のアップデートの開発につとめている

 

強いて言うなら、開発部にテストパイロットが加わった程度だろうか。それもとびきり美人のパイロットが

 

 

 

「おら、ビールとソーセージ買ってきたぞ! 祝いの宴を開くぞ!」

 

「主任!」

 

「アルベルト主任!」

 

「っしゃぁ! 飲むぜ食うぜ!」

 

 

今日もローゼンタール社内は平和である

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