Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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閑話: 兎と櫻の日本紀行 Ⅱ

京都駅前、時刻は9時半。

 

一人のダンディな男が立っている

これだけならまだいい。その男が片手でいじってるものは同社ご自慢のタンク型AC雷電のスケールモデル。もう意味が分からない

 

「はぁ、やはり早く着すぎてしまったかな」

 

だれに聞こえるわけでもなくつぶやく、本当に雷電さえなければただのダンディなオジサマである

雷電さえなければ

 

 

「おはようございます! 社長!」

 

「おお、来てくれたか!」

 

「おじさん、私も居るんだけど」

 

「もちろん、忘れてないさ、束音さん。個性的なファッションだね」

 

隆文としてはやはり女性を無碍にはできないと言葉を選んだつもりだったが

 

「やっぱりおじさんもそう思うんだね、仕方ない」

 

「社長、まずは束お姉ちゃんの服を買おうと思うので、呉服屋に連れて行って欲しいのです!」

 

「ほほう、束音さんに着物か。ふむ、いいと思うぞ、では行こうか。あと櫻ちゃん、今日はオフなのだから前みたいにおじさんと呼んでくれていいのだよ?」

 

「いや、クセでついね」

 

「社長業が板についてきたということだな、だが、オンオフの切り替えも仕事の内だ」

 

「はぁい」

 

「では、車まで案内しよう。こっちだ」

 

 

変態と天災と天才が交わるとき、一体どんな化学反応が起こるのだろうか

 

 

 

 

ところ変わって、京都某所の老舗呉服店。そこで束は櫻が選んだ着物を着付けてもらっていた

水色の生地に紫の幾何学模様がうっすらと入る、束好みのセンスだ

 

もちろん有澤社長は店の外でまちぼうけである

 

 

「さくちん、どうかな?」

 

束は元のスタイルがいいだけあって、何を着せてもそこそこ似合うのだが、やはりしっかり選んだ分、かなり似合う、のレベルに達していた

 

「超似あってるよ! やっぱ私の目に狂いはなかったね!」

 

「そ、そうかな? じゃあ、コレを頂くよ」

 

「はい、かしこまりました。お嬢様はよろしいのですか?」

 

「え、あ、私は……」

 

「じゃあ、この子に適当に見繕ってもらえますか?」

 

「かしこまりました、少々お待ちください」

 

そう言って奥に引っ込む女将さんを見て束に毒づく

 

「何言ってるの束お姉ちゃん!」

 

「いやぁ、せっかくだし、さくちんも着物着たらどうかなって」

 

「し、仕方ないから着るよ、もう」

 

「さくちんは素直じゃないねぇ」

 

戻ってきた女将さんの手には桜色の生地に、また桜が舞う柄の着物があった

 

「こちらなどいかがでしょうか?」

 

「いい! すごくいいよ! ね、さくちん!」

 

「かわいい……」

 

「じゃ、コレくださいな」

 

「かしこまりました、では着付け致しますので奥へどうぞ」

 

 

戻ってきた櫻は着物に着られてる感が拭えないが、それを含めて魅力にしてしまうほどであった

やはり、欧米人に着物は不思議な美しさがある。

 

 

「では、お会計がこちらになります」

 

「カード使えますか?」

 

「ええ、はい、一括で」

 

櫻が会計を済ませている間、束は店においてある小物に目を向けていた

和柄で彩られた扇子、色使いがシンプルで、上品な色気をもつ簪など、束の想像力を掻き立てるには十二分だった

 

 

「お姉ちゃん、行くよ。隆文おじさん待たせてるし」

 

「え、うん。今行く」

 

しばらく会ってない妹にはあんな感じの和装が似合うのだろうな、などと少し感傷に浸っていた

 

 

「これはこれは、2人共綺麗だ。これ以上の言葉が浮かばないくらいにな」

 

「相変わらず女の人を褒めるのがうまいねぇ、隆文おじさんは」

 

「ははは、櫻ちゃんはキツイなぁ」

 

「お姉ちゃん? 大丈夫?」

 

「え、うん」

 

「本当に? さっきからボーっとしちゃって」

 

「いろいろ考えてたんだよ、さっきのお店にあったもの、箒ちゃんに似合いそうだなって」

 

「あぁ……、あとでもう一回よってもらう?」

 

「いいよ、箒ちゃんにはしばらく会えないだろうし」

 

「ごめんね、なんか」

 

「さくちんは悪くないよ。ささ、美味しいもの食べに行こ。ね、おじさん!」

 

「あ、ああ。とっておきの店を紹介しよう。昼は天ぷらだ」

 

「だって、さくちん!」

 

「楽しみだね!」

 

 

 

こうして、3人の京都散策は幕を上げた

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