時系列はこの小説の終幕の後のお話です。
あんぱんによって平和がもたらされたキヴォトス…。
しかし、そのあんぱんによって少しだけ頭を抱える少女たちがいた…。
ここは、史実より平和なキヴォトス。
ある青年とあんぱんによって、夢と希望が満ち溢れていた。
皆が笑顔で人生を謳歌している…。
だが、幸せを過剰摂取をしてしまった者たちがいた…。
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ここは早瀬ユウカの自宅…。
どうやらお風呂あがりらしい…。
「はぁ〜サッパリした…。」
「………ん?」
ふと、部屋においている全身鏡を見つめた。
「あれ………?」
「なんか、いつもより顔が丸い気が…」
「……い、一応…体重計で…。」ピッ…
「…………っ!!!?」
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同刻、羽川ハスミの自宅…。
こちらもまた、似たようなルーティンを送ってるらしい…。
「ふぅ………」ヒタ…ヒタ…ヒタ…
いつもは通り過ぎる姿見。
しかし。
「……?」ピタッ
今日は違和感を感じた…。
「……」ヒタ…ヒタ…ヒタ……
何歩か下がり、鏡から見て右を向いた状態で見つめる。
「…何だか、お腹が少し膨れているような…。」
「……体重計乗ってみますか。」ピッ…
「………ッ!!!?」
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同刻、甘雨アコの自宅…。
彼女はルーティンである、日記を書き記していた。
…どちらかと言えばヒナに対する怪文書なのかも知れない。
「……よし、スッキリしました。」
どうやら書きなぐって、荒ぶる気持ちを解消している様だ。
「さて、ぞろぞろ寝ますか……」スッ…
アコはベッドに深く腰を置いた。
ギシッ……
「……あら?」
「なんかいつもよりベッドの軋む音が……?」
「…まさか……!」
体重計の電源を入れ、アコは上に乗った。
「……そ、そんな!!?」
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翌日………
セミナーにて………
ユウカ「……あら?」
ノア「…どうしました?」
ユウカ「また入力する所、間違えちゃった…」
ノア「うーん、この1時間でもう4回も同じセリフを聞いてますね…」
ノア「ユウカちゃん、少し疲れてるんじゃないですか?」
ユウカ「そうなのかしら……」
ノア「幸い、最近は書類も少ないですし、半日休み取ってみたらどうです?」
ユウカ「そうね…そうさせてもらうわ…。」
正義実現委員会にて………
ハスミ「…」ボーッ…
ツルギ「…おい、ハスミ。」
ハスミ「…!な、何でしょうか委員長。」
ツルギ「なんか今日、ふわふわしてないか?」
ハスミ「え!?ふくよかに見えますか!?」
ツルギ「そんな事言ってないぞ。」
ハスミ「えっ!す、すみません…。」
ツルギ「見てるこっちの気が休まらないな…。」
ツルギ「…しっかり休まないと本来の実力を発揮出来ない。」
ツルギ「今日は半日休みにするからリフレッシュしてこい。」
ハスミ「わ、分かりました。ありがとうございます…。」
ゲヘナ学園 風紀委員会にて…
アコ「……」ボーッ…
ヒナ「…あら?ちょっとアコ?」
アコ「!は、はい!何でしょうか!」
ヒナ「この書類、ハンコが上下逆さまよ?」
アコ「あっ!すみません!」
ヒナ「あと、コレも…コレも…コレも…。」
アコ「すみません!少しボーッとしてて…。」
ヒナ「何だかいつもの貴方らしくないわよ…?」
ヒナ「何かあったの?」
アコ「い、いえ!全然!何もありません!」
ヒナ「…うーん……心配ね…」
ヒナ「…よし、今日は休みなさい。」
ヒナ「分かっていないだけで人って何処かで疲れるものよ。」
アコ「は、はい…ありがとうございます…。」
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ユウカ「…」
ユウカ「(…どうしよ、誰かに相談できる事ではないし…)」
ユウカ「(というより言うのが恥ずかしいわ///)」
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ハスミ「…」
ハスミ「(いつの間に体重の数値があんな事に……)」
ハスミ「(…一刻も早くどうにかしないと…)」
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アコ「……」
アコ「(昨晩、体重を見てからざわつきが収まらないわ…)」
アコ「(もし周りに体重が増えたのがバレたら…………)」
アコ「(不真面目と思われてヒナ委員長に失望される…!?)」
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ユウカ「…あ、いつの間にこんな所まで…」
ハスミ「そんなに歩いた気がしないのですが…」
アコ「考え事をしてると一瞬に感じるわね……。」
「「「……ん?」」」
「「「………!!?」」」*1
その瞬間、3人は何故か分かってしまった。
「「「(この二人も似たような事で悩んでる気がする…!)」」」
アコ「……少し、そこのカフェでお茶でもどうですか?」
ハスミ「…奇遇ですね、私もお二方を誘おうとしてました…。」
ユウカ「…私も皆さんと話したいことがあるので喜んで…。」
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「こ、こちらご注文のコーヒーになります…!」ガタガタ…
座ってる三人の凄みに圧倒され、手が震えている店員。
アコ「ありがとうございます。」
「ご、ごゆっくりどうぞ…!」ピューン!
アコ「…さて、みなまでも言いません。」
アコ「どこの誰が聞いてるか分かりませんので…。」
アコ「つまり、私が皆さんに聞きたい事は…」
アコ「……やっぱり、あんぱんが原因ですよね?」
ハスミ「認めたくは無いですが……」
ユウカ「それ以外に心当たりがないのも事実……」
アコ「くっ!あの時、もっと自制していれば…!」
ハスミ「もう後の祭りですよ…。」
ユウカ「突きつけられた数字が己を攻め立てて来ます……!」
アコ「…確かにハスミさんの言うとおり、後の祭りです…」
アコ「私達にできる事は、いかにして戻すか…!」
アコ「何か良い意見はありますか…?」
ハスミ「そうですね……」
ユウカ「1日3食のうちの1食をカロリーの低いものに置き換えると良いとは何処かで聞きました。」
ハスミ「なるほど…。」
ハスミ「私は体重が増えにくい食べ合わせと言うのを聞きました。」
アコ「…やはり、皆さんに相談して良かったです…!」
ユウカ「同じ苦しみにいる人を見捨てられませんよ!」
ハスミ「3人揃えばなんとやらです!」
アコ「…後でグループチャット作りません?」
アコ「これら以外にも有効的な方法を見つけ次第、報告し合いましょう…!」
ユウカ「よろこんで!」
ハスミ「私からもよろしくお願いします!」
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『またのお越しをお待ちしております!』
「「「ありがとうございます。」」」
ウィーン…
アコ「…さて!グループチャットも作りましたし、」
アコ「明日から頑張りましょう!」
ユウカ「はい!仲間がいると心強いですね!」
ハスミ「いつもより、気合が入りますね…!」
【……あれ?みんな!こんにちは!】
「「「……あ。」」」
ユウカ「(…と、とんでもないタイミング…!)」
ハスミ「(これは、何かの試練ですか…!?)」
アコ「(諸悪の根源が来ましたね……!)」
【3人でなにしてたの?】
アコ「え!あ、あの少しお茶してただけですよ!」
ハスミ「そうです!たまたまお二方と会って…!」
ユウカ「だから特にやましい事はしてないです!」
【そうなんだね!そうだ、あんぱん食べる?】
「「「!?」」」
ユウカ「(き、来た!)」
ハスミ「(早速、私達を惑わしに来ました…!)」
アコ「(けど、その手には乗りませんよ…!?)」
ユウカ「い、いえ!今はそんなにお腹が空いてないので!」
アコ「えぇ!ま、また今度、ごちそうになります!」
ハスミ「は、はい!私も大丈夫です!」
【そっかぁ…大丈夫?無理してない?】ゴソゴソ…
【食べたいときに食べるのがおいしいよ?】
スッ……
「「「!!?」」」
ハスミ「(あぁ!駄目です!)」
ユウカ「(今!私達の前に!)」
アコ「(あんぱんを見せないでください!)」
【…?何でそんなに怖そうな顔をしてるの?】
アコ「(だ、誰のせいだと!!)」
ユウカ「(くっ!私の中の天使と悪魔が…!!)」
ハスミ「………」
ハスミ「や、やっぱり、いただきます!」
「「!?」」
【そっか!はい、どうぞ!】
ハスミ「ありがとうございます!」
アコ「(ハ、ハスミさん!?さっき私達、相談しあったんですよね!?)」
ユウカ「(グループチャットまで作って、明日から頑張ろうって感じで溢れてましたよ!?)」
ハスミ「い、いただきます!」パクッ
アコ・ユウカ「(躊躇わず食べた…!!)」
ハスミ「…」モグモグ
ハスミ「…」ニマァ…!
アコ「(くっ!この上なく幸せそうな顔してます!)」
ユウカ「(そんな気は無いでしょうが、見せびらかす様にしか見えません!!)」
ハスミ「(あぁ、これが胃袋を掴まれるって事ですね…)」
ハスミ「とっても美味しいです!」
【良かった!】
アコ「(ハスミさんはもう陥落しています…!せめてユウカさんだけでも…!)」
ユウカ「……」
ユウカ「やっぱり私にもください!」
アコ「!!?」
【はい!ユウカちゃんもどうぞ!】
ユウカ「で、では!いただきます!」パクッ
ユウカ「……」モグモグ…
ユウカ「…」ニッコォォ…!
アコ「(あぁ…ユウカさんが幼児退行したような笑顔で食べてます…!)」
アコ「(なんて恐ろしいあんぱんなんですか…!)」
ユウカ「(もーいいや!明日からやるから、今はこれを美味しく食べるわ!)」
ユウカ「やっぱり最高です!」
【ありがとう!とってもうれしいよ!】
アコ「(ま、不味いです…!2人とも完全にあちらのペースに飲まれてます…!)」
アコ「(このままでは私も巻き込まれるっ…!)」
【アコちゃんは食べないの?】
アコ「え!?」
アコ「い、いえ!大丈夫ですから!」
【そう?じゃあ半分だけでも食べてみて!】
アコ「ええっ!?」
アコ「(半分…半分ですか……半分だけなら……)」
アコ「……じゃあ半分いただきます…」
【はい!半分どうぞ!】
アコ「ありがとうございます…」パクッ…
アコ「…」モグモグ…
アコ「…」モグモグ…
プチッ…
アコ「…すみません…」
【…?どうしたの?】
アコ「……あと、8つほどください!」
【うん!いいよ〜!どうぞ!】
アコ「ありがとうございます!」モグモグモグモグモグモグ
アコ「(止まらない!止まらないです!)」モグモグモグモグ
アコ「(もう完全にこのあんぱんの虜になってます…!)」
アコ「(あぁ、委員長…!こんな私を止めないでください…!)」
【おかわりいる?】
「「「はい!くださいっ!」」」
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彼女らが差し出されたあんぱんを我慢できた時間。
約1分。
いかがでしたでしょうか?
こんな感じで短いお話をちょくちょく投稿していくと思います。
次の更新は気長にお待ちくださいませ…。
それでは……。