あんぱんとキヴォトス   作:御厨パステル

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皆さん、お久しぶりです。

このシリーズの更新は久々となりますね…。

何かいい感じにまとまったのでクロコとのお話を書きました。

それではどうぞ。



あんぱんと黒く純白な少女。

 

 

【〜〜♪〜〜〜♪】

 

 

 

この数日間は、レッドウィンター連邦学園やハイランダー鉄道学園などの遠方に出かけていた為、久しぶりに見るこの景色に心を踊らせていた。

 

今日も沢山の人にパンを届けた彼は、鼻歌を歌いながら帰路についていた。

 

 

 

 

 

???「………いた。」

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

【〜〜♪】

 

 

 

 

ザッ……。

 

 

 

???「……。」

 

 

 

【わっ…!】

 

 

 

彼の前に、黒い服に身を包む少女が立ち塞がった。

 

 

 

 

【あの〜…僕に何か用かな?】

 

???「…………。」バッ…………。

 

 

 

 

ギュゥゥゥゥ…………。

 

 

 

少女は、彼の胸に飛び込んで抱きついてきた。*1

 

 

 

 

【えっ!ど、どうしたの…?】

 

???「……もう離さない。」ギュゥゥゥゥ…。

 

【えっ!?離さないって何!?どういう事…!?】

 

【……あれ?】

 

 

 

 

 

 

 

【シロコ…ちゃん?】

 

 

 

 

 

???「…!!」

 

???「…私が、誰か分かるの。」

 

 

 

 

 

少女が顔を上げ、目を合わせる。

 

 

 

 

 

【…ごめんだけど、君が誰かは分からない。】

 

【けど…君はシロコちゃんと同じ感じがする。】

 

???「……。」

 

【君に何があったか…良かったら僕に話してくれないかな。】

 

???「…………。」

 

シロコ?「私は砂狼シロコ…だけど、あなたの知ってるシロコじゃないと思う。」

 

シロコ?「私は、こことは違う他の世界からやって来たの。」

 

 

【(…あっ、抱きついたまま話し始めちゃった…。)】

 

 

シロコ?「…私のいたキヴォトスは、滅んでしまった。」

 

シロコ?「そして私は、この世界のキヴォトスを壊しにやって来た。」

 

シロコ?「…そんなはずだったんだけど。」

 

シロコ?「このキヴォトスに来た途端に、先生は元の姿に戻って…私も、私を動かしていた"何か"が消えていった気がして…。」

 

シロコ?「そして先生と私は、この世界の先生と私に出会ったの。」

 

シロコ?「けど、元の姿に戻った先生には残された時間は少なかった。」

 

シロコ?「多分、先生も私と同じ感じだったんだと思う。」

 

シロコ?「それで、先生は最期の時までこの世界の先生と会話をしていたの。」

 

シロコ?「…先生は、この世界の先生に私を託して…消えてしまった。」

 

シロコ?「それが数日前の話。」

 

【僕がちょっと遠くに行ってる間にそんな事があったんだ…。】

 

シロコ?「私はこの、よく似た世界を探索していたの。」

 

シロコ?「けど、ただ1人…見つからなかったの。」

 

【…それが、僕?】

 

シロコ?「あの赤く染まる全てから…貴方は、先生と私を何とか助けようとしてくれた。」

 

シロコ?「…貴方が命を落とす瞬間もこの目で見た。」

 

シロコ?「…けど、それでも貴方は…沢山の流れ星になって私達を最期まで導こうと…守ろうとしてくれていた。」

 

 

ギュゥゥゥゥ………!

 

 

 

 

 

 

シロコ?の抱きつく力が強まる。

 

 

 

 

 

シロコ?「ありがとうって…ごめんさないって…言いたかった。」

 

シロコ?「だから私はずっと貴方を探していた。」

 

シロコ?「…いま、ようやく会えた。」

 

【…ごめんね。】

 

シロコ?「…どうして謝るの。」

 

【こんなに苦しんでいる人がいたのに、僕は気付なかった。】

 

【何で…僕は気付なかったんだ。】

 

【もっと…もっと早く君に会いに行くべきだったんだ。】

 

【…ごめんね。】ギュッ……。

 

 

 

 

 

シロコ?を強く抱き返す。

 

 

 

 

 

シロコ?「…貴方はどこまでも優しい。」

 

シロコ?「あの時からずっと……。」

 

シロコ?「…まだ怖いの。」

 

シロコ?「また、消えてしまうんじゃないかって。」

 

シロコ?「…だから___。」

 

 

 

 

【僕はここにいるよ。】

 

 

 

 

【君がいる限り、僕は消えない。】

 

 

 

 

【君を忘れない。】

 

 

 

 

 

 

 

シロコ?「…!!」

 

 

 

 

シロコ?「…怖かった…怖かったの…!」

 

 

 

 

シロコ?「流れ星が1つずつ消えていく度に、貴方がこの世界から消えていくのが痛いほど感じれた…!」

 

 

 

 

シロコ?「貴方の…命が…っ!」

 

 

 

 

 

【……。】ギュッ……。

 

 

 

 

 

シロコ?「いかないで、って………!」

 

 

 

 

 

 

【………。】ナデ…ナデ…。

 

 

 

 

 

 

シロコ?「…っ…!……っっ……!」グスッ…グスッ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

【……大丈夫?】

 

シロコ?「……うん、ありがとう。」

 

【…それで、君はこれからどうするの。】

 

シロコ?「貴方と生活する。」

 

【…えっ?】

 

シロコ?「…もう離さないって言った。」

 

【あ〜……君が良ければ全然いいよ?】

 

シロコ?「…ん!…ん!!」スリスリスリスリ……。

 

 

 

 

はちゃめちゃに頭を胸に擦りつけてくるシロコ?。

 

 

 

 

【(こういうの…マーキングって言うんだっけ…。)】

 

【…じゃあ、パン工場に行こっか。】

 

シロコ?「………。」ジーッ。

 

【…どうしたの?】

 

シロコ?「ここまで歩いて疲れたから、お姫様だっこしてほしい。」

 

【…。】

 

シロコ?「ん…私を心配させた分、ねぎらうべき。」パッ…。

 

【……ふふっ。】スッ……。

 

 

 

 

 

フワッ……。

 

 

 

 

 

シロコ?「…!」

 

 

 

 

 

【じゃあ、帰ろう。】

 

 

 

 

 

 

 

シロコ?「…んっ!」フンス…。

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

翌日 パン工場 早朝………。

 

 

 

 

パンの仕込みのために、シロコ?と一緒に作業台の前で準備をしていた。

 

シロコ?「…どう、似合ってる?」*2

 

【うん、よく似合ってると思うよ!シロコちゃん!】

 

シロコ?「シロコって呼ぶと色々こんがらがる気がする。」

 

【えっ…じゃあどう呼んだらいいかな?】

 

シロコ「ん………。」

 

 

 

 

ガチャッ……。

 

 

 

サオリ「…失礼する。」

 

ヒヨリ「おはようございます〜!」

 

アツコ「〇〇さん、おはよう〜。」

 

ミサキ「…おはようございます。」

 

 

 

 

その時、"あんぱんスクワッド"のメンバーがパン工場にやってきた。

 

 

 

 

 

【あっ、みんなおはよう!】

 

 

 

サオリ「…?そちらの人は誰だ?」

 

【あっ、この人はね…。】

 

ミサキ「あれ、何かシロコさんに似てない…?」

 

アツコ「髪の色とかそっくり…!」

 

【あ〜…え、ええと…。】アセアセ…。

 

シロコ?「……ん、私の名前は…シロ…。」

 

ヒヨリ「……シロ?」

 

シロコ?「………。」チラッ。

 

 

 

 

 

 

 

シロコ?の視界の端に、バターの箱が映る。

 

 

 

 

 

 

 

 

シロコ?「…私の名前はバタコ。」

 

 

 

 

 

シロコ?「今日からここでお手伝いする事になった。」

 

 

 

 

 

シロコ?「…よろしく。」

 

 

 

*1
少女より、彼の方が頭一個分背が高いです。

*2
白シャツ×ネイビーのチノパンの上にデニム生地のエプロンをしています。(バタコさんの服をちょっと現代風にした感じ

を想像してください。)





如何でしたでしょうか。

ちなみにサオリ達は偽名だと言うことに一発で気づきましたが、何か事情があると思って暖かい目で見てくれています。

結構前からクロコが"バタコ"と名乗ると言う構想はできていたんですが、どうもその前の邂逅をどうするかが浮かばなかったんですよね…。

…バタコって結構ストレートな名前だなと思いました…。

多分これで、このシリーズで書く事はもう無いかもです。

良ければ現在更新中の新シリーズもご覧になってくださいませ。


それではまた。
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