一体、どうなってしまうのか…!
本編よりも文章量多くなっちゃった…。
美食研究会のメンバーの口調とか性格とかの解釈違いがあったらご指摘くださいませ。
ここはゲヘナ学園の使われていない空き教室の1つ…
いつもなら静寂に包まれているこの場所は、
今日は食いしん坊な少女たちが珍しく会議を開いていた…。
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「今日、皆さんに集まって貰ったのは他でもありません。」
「こちらを見てくださいませ。」
美食研究会の会長、黒舘ハルナがスマホに写るとある写真を見せた。
「…ねぇ?私達ってこんなに堅苦しかったっけ?」
美食研究会の中でもそれなりに常識人な赤司ジュンコが、
いつもと違う空気感にふと言葉を漏らした。
「まぁまぁ、まずは形から入るのも大事ですからね」
お姉さん気質な鰐渕アカリがそっとフォローを入れる。
「…私、何についての会議か分かっちゃったかも!」
天真爛漫な獅子堂イズミが目を輝かせている。
一同が、ハルナのスマホの写真を見る。
アカリ「…これは…?」
ジュンコ「…誰?」
イズミ「あー!やっぱりこの人だ!」
ハルナ「イズミさん、ご存知でしたか。」
イズミ「うん!風のうわさ?ってやつで聞いたよ!」
ジュンコ「…で、この人が何なのよ?」
ハルナ「次の写真をご覧ください。」
ハルナがスマホをスワイプし、別の場面を写した写真を見せる。
ジュンコ「こ、これは!」
アカリ「不良生徒の方に、何か食べ物を渡してますね…」
ハルナ「手元を拡大した写真もございますわ。」
手渡ししている物をズームした写真が出てくる。
イズミ「うーん…これは…パン?」
ハルナ「はい、パンはパンでも"あんぱん"だと思われます。」
ジュンコ「このあんぱんが何なのよ?」
ハルナ「このあんぱんがとても美味しいと巷で有名なのです。」
アカリ「へぇ〜…けど、この形のパンは始めてみましたね。」
アカリ「一体どこのお店のパンなのですか?」
ハルナ「いえ、この方はお店の人ではないです。」
ハルナ「どうやら、お腹を空かせた人に無償で提供してるとか。」
ジュンコ「ホントに美味しいの?パンだしそんなに他のと味の差は無いと思うけど?」
ハルナ「それを今から確かめにいきます。」
ハルナ「本当に無償で配るだけの価値の物なのか。」
ハルナ「それとも正当な価格で売るべき代物なのか。」
イズミ「美味しかったら、もっと色んな人に食べて貰うべきだからね!」
ハルナ「その通りです、私達はその食べ物を真に見極める使命を持っているのです!」
ハルナ「このパンが不当な扱いを受けてないか!我々がこの目で!この舌で!確かめるのです!」
ジュンコ「い、いきなり熱くなりすぎ…!」
アカリ「ハルナちゃん、抑えて抑えて〜」
ハルナ「…失礼しましたわ。それでは彼を探しに行きましょう。」
ジュンコ「ところで何処にいるとか分かるの?」
ハルナ「………………」
ジュンコ「…え?もしかしなくても……」
ハルナ「…この辺りにいる人に聞いたら教えてくれますよ、多分。」
ジュンコ「…本当に見つかるかなぁ………?」
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トコトコ…トコトコ…
【…困っていたり、お腹の空いている人はいないかな〜】
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|ω・)ω・)ω・)ω・)スッ…
「「「「……」」」」
ジュンコ「…案外あっさり見つけられた…」
ハルナ「はい、彼が私達が探していた人ですね。」
アカリ「もうこの辺りはブラックマーケットになるんでしょうか?」
イズミ「あの紙袋の中にあんぱんが…!」キラキラ
ハルナ「落ち着いてください、イズミさn」
「「「……」」」ジッ…
イズミ「ご、ごめん…!つい…!」
【あの〜】
「「「「!!!」」」」バッ!
【もしかして、お腹が空いてるのかい?】
ハルナ「(いつの間に後ろに…!)」
ジュンコ「(15mくらい離れた位置から見てた筈なのに!)」
アカリ「(音もなく、一瞬で…!)」
イズミ「そうなの〜!もうペッコペコで〜!」
「「「!?」」」
ハルナ「イ、イズミさん!?アプローチが早すぎませんこと!?」
イズミ「えーでももう我慢できない!」
【そうなんだ!そんなにお腹が空いてたんだね!】
【はい!あんぱんどうぞ!美味しいよ!】
イズミ「わーい!ありがとー!」ピョンピョン
ハルナ「っ!わ、私にもくださいませ!」
ジュンコ「あ、私も!」
アカリ「私にも1つ〜!」
【はい!皆で美味しく食べてね!】
ジュンコ「これが…あんぱん!」
アカリ「見たところ、特に特徴的ではないですね…」
ハルナ「普通…すぎる…」
「「「…」」」ジーッ
【あ、あの〜食べないの?】
ハルナ「!ああ、すみません…では………あれ?」
ジュンコ「私達、ちゃんと貰ったよね?」
アカリ「はい、手渡しで貰いました…はずですが…」
「「「…」」」チラッ
イズミ「…」モグモグモグモグモグモグモグモグ
ハルナ「…イズミさん!?」
ジュンコ「ちょ、ちょっと!しれっと奪って食べないで!」
アカリ「いつもは皆で分けて食べようとするのに…!」
イズミ「……足りない」ボソッ
「「「…え?」」」
イズミ「もっとちょうだい!」クワッ!
【えっ!?】
イズミ「もっとその中にいっぱい入ってるはず!」
イズミ「ちょうだい!」
【け、けどこれ以上は他の人にあげる分が…】
イズミ「やだ!ちょうだい!」
ハルナ「…あのイズミさんが…!」
ジュンコ「独り占めしようとするなんて…」
アカリ「何だかついでに、幼児退行してるみたい…」
イズミ「ちょうだい!ちょうだい!ちょうだい!」シュッ!
【わ、わわっ!危ないよ!】シュッ!
【…!あ…な、何だか誰かが呼んでる気がするなー!】(棒)
【僕行かなきゃ!じ、じゃあね!】ダッ!
イズミ「!!あんぱんっっ!!」ダッ!
ジュンコ「は、速い!?いつものイズミさんじゃないよ!?」
ハルナ「あんな機敏に動けたのですね…」
アカリ「とにかく追いかけましょう!」
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【…!!まだ追いかけてきてる!?】ダッダッダッダッ!
イズミ「待てーー!あんぱーーん!!!!」ダッダッダッダッ!
ハルナ「イズミさーん!待ちなさーい!」ダッダッダッ!
ジュンコ「はぁ…はぁ…!あんなに体力あったっけ!?」ダッダッダッ!
アカリ「何だか足もいつもより速いですし…!」ダッダッダッ!
イズミ「…!いっそあの袋だけでも!」カチャッ!
ジュンコ「ヘ、ヘイローを持ってない相手に発砲!?」
ハルナ「恐らく、あんぱん欲しさに自我を失っています!」
アカリ「あのあんぱん、恐ろしい魔力を秘めてますね…!」
【!?】シュパパパパパパ!
「「「…!?」」」
ジュンコ「ほぼノールックで避けたぁ!?」
アカリ「あの人も只者では無いということですね!」
ハルナ「このままだと、他の人にも被害が出ます!」
イズミ「あんぱぁぁぁぁん!!!!!」ドドドドドド!
【…こうなったら仕方ないか!】
ハルナ「っ!振り返った!」
ジュンコ「何か止める手段でもあるって言うの!?」
アカリ「けどイズミちゃんはまだ撃ち続けてます!」
ジュンコ「っていうか!あんなスピードで走りながら撃ってる!」
ジュンコ「ホ、ホントにどうしちゃったのよ!」
【……】
グッ……!
今一度、拳を握り直す…!
【(…もう少し近づいてから…!)】
イズミ「あんぱん!!!!」ガガガガガガガガッ!
ジュンコ「ま、まさか殴るつもり!?」
ハルナ「殴ったとしても止められはしないはずですわ!」
イズミ「あんぱぁぁん!!!!」グワッ!
【…今っ!!!】
到底、拳では届かない距離で力強く振りぬいた。
もちろん、悪人ではない人を直接殴るわけにはいかない。
しかし…彼は、空気を殴りぬいたッ!!!!
瞬間、生まれる衝撃波…!!
それはイズミの脳を揺らしたッ!!!!
イズミ「…!」ピタッ…
ハルナ「と、止まった…!」
ジュンコ「いきなり直立したよ!?」
アカリ「一体、何が起こって…?」
イズミ「…」フワァッ…
脳を揺らされたことにより、意識が飛んで体の力が抜けきってしまった。
「「「あっ!!」」」
トサッ……
しっかりと首の後ろに手を回し、お姫様だっこの様な体勢で地面に倒れるのを防いだ…。
【……もっと穏便に済ましたかったなぁ…】
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イズミ「…うーん…うーん…あんぱん……」
イズミ「…はっ!」バッ!
イズミ「あれっ…?ここどこ?」
ガチャッ
ハルナ「気がつきましたか?」
イズミ「あっ、ハルナちゃん…!」
ジュンコ「案外、早く目を覚ましたね…」
アカリ「イズミちゃん、これ何本に見えますか?」
イズミ「3本?」
アカリ「ふぅ…まぁ特に障害は残ってなさそうですね。」
イズミ「うん…一応元気だよ!と言うかここは何処?」
ハルナ「ここはあの方のパン工房です。」
イズミ「え!そうなの!?」
ハルナ「下にいらっしゃいますから、顔を見せに行きましょう。」
トットットットッ…
【…!あ、大丈夫だったかい!?】
イズミ「うん!大丈夫だよ!」
【良かった…僕がやったとはいえ、何かあったらどうしようかと…】
ハルナ「あの状況では仕方ありませんわ。」
ジュンコ「そうね…逆に止めれたのが怖いわよ…!」
アカリ「今、特にはこれといった症状も無いですし、本当に凄いです…」
「「「…」」」
イズミ「…えへっ☆」
【…お腹、空いたかい?】
イズミ「うん!何だかいっぱい運動した気がするし!」
【分かった!じゃあ今から目一杯作るからどんどん食べて!】
イズミ「わーい!」
ハルナ「…さっきみたいにならないと良いですわね。」
ジュンコ「お腹いっぱい食べたら多分大丈夫よ…」
アカリ「そうですね〜」
【よし!さぁ沢山お食べ!】
「「「「いただきまーす!」」」」
ハルナ「…!これは確かに我を忘れてしまいそうな美味しさ!」パァァァ
ジュンコ「…何だか独り占めしたくなるのも分かる気がする…」モグモグ
アカリ「こんなに味に飽きないパンは初めて食べました!」キラキラ
イズミ「美味しい〜!」パクパクパクパク
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ハルナ「そういえばお聞きしたいのですが、」
【?なんだい?】
ハルナ「こちら、商品化して販売しないのですか?」
ハルナ「こんな美味しさならすぐに有名になって、莫大な売上になりますよ?」
【うーん…そう言うのは考えてないかな…】
ハルナ「…!それは何故ですか?」
【僕は皆に喜んでもらいたくて作っているんだ。】
【お金がほしい訳では無いんだよ。】
ハルナ「…そうですか、残念ですね。」
【…けど】
ハルナ「?」
【もっと皆に喜んでもらいたいから、色んな人には食べてほしいかも…】
ハルナ「…!それなら!」
ハルナ「…SNSに投稿できました!」
ジュンコ「これで色んな人がこのあんぱんの事を知るね!」
アカリ「皆が笑顔になりますね!」
イズミ「やっぱり皆で分けて食べないとね!」
【ありがとう!とっても嬉しいよ!】
【よし!もっと多くの人を笑顔にするぞー!】
「「「「おー!」」」」
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その後、美食研究会の破壊活動は沈静化した。
ハルナ「私達は作った物を食べてもらう喜びに気づきました。」だそうな…。
おかげでゲヘナ近郊の治安がほんのり良くなった。
その代わりにブラックマーケットの何処かにある
パン工場に入り浸っているとか………
そのパン工場はいつも楽しげに歌っている声が聞こえてくるらしい…。
ゲヘナよし!(現場猫)
これで委員長のシナシナ具合も軽度になるはず…!
ちなみに彼の住むパン工場の見た目は、まんまあのジャムのパン工場とそっくりです。