あんぱんとキヴォトス   作:御厨パステル

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最近、小話しか書いてない…。
けどこれも本編に繋がる感じにするから許して…!
便利屋たちの性格とかの解釈違いがあったらご了承くださいませ。


小話 アウトローとあんぱん

 

リリリリン!リリリリン!リリリリン!リリリリン!

 

あまり現代社会で聞かないような小気味よいベルの音が鳴る。  

 

ワインレッドにゴールドの装飾が入った受話器を誰かが取った。

 

ガチャッ…

 

「はい、便利屋68…陸八魔です。」

 

「ご依頼ですね、要件をお聞きします…。」

 

受話器を取って応答しているのは、便利屋68の社長。

陸八魔アルだ。

 

「…なるほど、概ね内容は把握いたしました。」

 

「その依頼、受けさせていただきます。」

 

「はい…はい、それでは失礼します。」

 

チリーン…(受話器を置く)

 

アル「(よし、カッコよく応答できたわね!)」

 

アル「みんな!今日も依頼が来たわよ!」バッ!

 

「今月はいつもと違って何か忙しいね。」

 

スマホを弄りながら横目でアルを見つめているのは

最年長で課長の鬼方カヨコ。

 

アル「ええ!ついに私達の時代が来たって事よ!」

 

「流石です!アル様!」

 

目を輝かせてアルに尊貌の眼差しを向けているのは、

最年少の平社員、伊草ハルカ。

 

「けど、そんなに大掛かりな依頼はしてないよね〜」小声

 

ふと、小声で本音を零してしまったのは、

室長の浅黄ムツキ。

 

アル「ちょっと!聞こえてるわよ!ムツキ!」

 

アル「ちっちゃい事でも油断は出来ないわ!」

 

アル「このままいったら今月は依頼達成率100%なんだから!」

 

アル「気合い入れてくわよー!」

 

ハルカ「はい!アル様!」

 

カヨコ「で、内容はどんななの?」

 

アル「最近、ブラックマーケットであんぱんを配ってる人がいるらしくて、その人の住んでる場所を突き止めるのが今回の依頼よ!」

 

ムツキ「あ〜何だかその人知ってるかも、美食研究会の公式アカウントで紹介されてた気がするよ〜?」

 

アル「あら、結構有名人なのね?」

 

カヨコ「どういう経緯で美食研究会と知り合ったのよ…ソイツ。」

 

ハルカ「美食研究会ってあのテロリスト集団ですよね?」

 

アル「あんまり悪く言っちゃ駄目よ?ハルカ?」

 

ハルカ「す、すみません!」

 

カヨコ「…うちらも似たようなものよ」ボソッ

 

アル「聞こえてるわよ!カヨコ課長!」

 

カヨコ「名前の後に役職名付けるのやめてって…」

 

アル「ふぅ…まぁいいわ、それより早速そいつを探しに行くわよ!」

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

【こんにちは!】

 

 

スケバン「…またアンタか…」

 

スケバン「何でうちがちょうど腹を空かせたタイミングで来るかね…。ちょっと怖いくらいまであるぞ?」

 

【だって声が聞こえるからね!】

 

スケバン「ふぅーん、まぁ貰えるなら貰うわ…」

 

スケバン「その…ありがとな///」

 

【うん!美味しく食べてね!】

 

 

|

 

|ω・)ω・)ω・)スッ……

 

アル「あ、あの人、ヘイローも持ってないのに平気で銃を持ってる相手に話しかけてるわ…!」

 

カヨコ「平和ボケしてるのか、それとも…」

 

ムツキ「クフフ〜やっぱり面白そうな人ね〜♪」

 

アル「よ、よし!あの人を今から追うわよ!」

 

アル「…あら?ハルカは……?」

 

ハルカ「ここです!アル様!」小声

 

アル「…え?」

 

ハルカ「ここにいます!」inダンボール

(今のハルカは某スニーキングゲームの有名なアレの状態)

 

 

アル「……い、いつの間に調達してきたのぉぉ!?」白目

 

 

カヨコ「ほんと、行動力だけはイカれてるわね…」

 

ムツキ「ハルカちゃんすごーい!その道のプロみたいだよ!」

 

アル「凄いわ!じゃあハルカを先頭にして追いましょう!」

 

ハルカ「は、はい!アル様の為に頑張ります!」

 

 

 

 

______________________

 

 

【……1回、あんぱんを取りに帰ろうかな…?】

 

 

カヨコ「………」コソコソ

 

ムツキ「………」コソコソ

 

アル「…………」コソコソ

 

ハルカ「………」コソコソ

 

 

カヨコ「…ねぇ、1ついい?」

 

ムツキ「…私も思った事がある…」

 

アル「奇遇ね、私もよ…」

 

 

 

「「「いや、ハルカ(ちゃん)近すぎでしょ!!」」」小声

 

 

 

 

アル「2~3m位しか離れてないわよね!?何でバレてないの!?」小声

 

カヨコ「アイツも鈍感にもほどがある……」

 

ムツキ「ハルカちゃんの新たな才能が芽生えちゃったかな?」

 

カヨコ「というかここらへんってもうアビドスの自治区に近いね…」

 

ムツキ「この辺りは大体廃墟なはずなんだけどね〜」

 

アル「一体どこまで行くつもりかしら…?」

 

 

 

 

アル「あ、あれじゃないかしら…?」

 

ムツキ「確かに1軒だけきれいな工房…?があるね〜」

 

カヨコ「煙突があるからあそこでパンを作ってるんでしょ」

 

 

【着いた〜】

 

ハルカ「…………」

 

 

アル「やっぱりここで正解よ!現在地を記録しなきゃ!」小声

 

カヨコ「大丈夫、もうしてある」

 

ムツキ「さっすが〜仕事が早いね〜」

 

【…】ガチャッ

 

ハルカ「…………」サササッ…

 

 

「「「……ん?」」」

 

 

バタン……

 

 

 

「「「……一緒に入っていったぁぁぁ!?」」」

 

 

アル「あ、余りにもスムーズすぎてつい見惚れてたわ!」

 

カヨコ「流石にバレるよ!?」

 

ムツキ「けどどうやって伝えたら…!」

 

アル「ま、窓から中の様子を確認しましょ!」

 

 

______________________

 

【えーっと、何処にあったかな〜?】

 

ハルカ「…………」

 

 

 

アル「す、凄い!まだバレていないわ!?」

 

カヨコ「もうツッコミ疲れた…」

 

ムツキ「このままだと何も出来ないし、待つしかないね〜」

 

アル「そうね……」

 

【…あれ?こんなダンボール置いたっけ?】

 

ハルカ「!」ビクッ

 

 

「「「!?!?!?」」」

 

アル「不味いわ!ハルカがバレちゃう!」

 

カヨコ「やっぱり室内まで行ったから…!」

 

ムツキ「どうする〜?スモーク炊いてパッと救出する?」

 

アル「最悪、そうするしかないわね…!」

 

ペリペリペリ…

 

パカッ…

 

「「「あ」」」

 

【……ん?】

 

ハルカ「ヒッ…!」

 

 

 

______________________

 

 

 

【あの〜君は誰かな?】

 

ハルカ「あ、あの、そそ、その…」しどろもどろ

 

 

グゥゥ~

 

 

「「「!?」」」

 

 

アル「な、何てタイミングでお腹を鳴らしてるの!?」白目

 

カヨコ「あぁ…終わった…」

 

ムツキ「わぁ…ハルカちゃんトマトみたいになってる…」

 

ハルカ「…」カァァァ!

 

 

【…もしかして、お腹が空いてたけど話すタイミングを伺っててここまで付いてきちゃったのかな?】

 

 

 

「「「す、すごい拡大解釈…!」」」

 

 

ハルカ「…!」コクコク!コクコク!

 

 

【そっかぁ…気づかなくてごめんね〜!】

 

【何個欲しいとかあるかな?】

 

ハルカ「…!」指を4本あげる

 

【4つね!分かった…はい、どうぞ!】

 

ハルカ「!」ペコペコ!ペコペコ!

 

【そんなに緊張しないでいいよ?気をつけて帰ってね!】

 

【ばいば〜い!】

 

 

ガチャッ…バタン…

 

 

アル「……ピンチを乗り切った…って言っていいのかしら。」

 

カヨコ「アイツが底抜けに優しいやつで助かったね…」

 

ムツキ「見てるこっちが緊張して疲れた〜」

 

ハルカ「…!あ、アル様!」

 

アル「ハルカ〜!大丈夫だった!?」

 

ハルカ「はい!あんぱん4つ貰ってきました!」

 

「「「………」」」

 

 

「「「いや目的がすり替わってる…!!!!」」」

 

 

 

 

______________________

 

 

 

アル「ふぅ…何とか依頼は成功したわね…!」

 

カヨコ「ここ最近で1番体力使ったわよ…」

 

ムツキ「尾行してるだけでこんなにもドキドキするとはね〜♪」

 

ハルカ「す、すみません!私のせいで!」アセアセ

 

アル「ハルカのせいじゃないわ、ちゃんと依頼は成功したんだし、良くやってくれたわ…!」ナデナデ

 

ハルカ「えへへへへ…」テレテレ

 

カヨコ「…住所なんか知って依頼主はどうするんだろうね。」

 

アル「確かに…まぁ私達が気にすることじゃ無いわよ!」

 

ハルカ「…………」

 

 

 

 

______________________

 

翌日

 

 

 

ハルカ「…」

 

ハルカ「(何か気になってまたあの人の場所に来ちゃった…!)」

 

ハルカ「…?あれって…」

 

ゾロゾロゾロゾロ……

 

ハルカ「…!」|彡サッ

 

ハルカ「(すごい数の怖そうな人が向かっていった…!)」

 

ハルカ「…大変なことになるかも…!」

 

 

 

 

コンコン

 

【…?誰だろう…】

 

 

ガチャッ

 

【はい、どちら様ですか…?】

 

 

半グレロボットA「やぁこんにちは、君が最近ここらへんであんぱんを配っている人かい?」

 

【はい、確かに配ってはいますけど…】

 

半グレロボットB「困るんだよ〜勝手なことされちゃ〜」

 

半グレロボットA「商売を始める時はまず俺らに連絡してもらわないとね?」

 

【けど僕は金銭を使っての商売はしていませんよ?】

 

半グレロボットB「冗談はよしなよ…無償で配ってる訳がねぇだろ?」

 

【…無償なんですけど?】

 

半グレロボットA「しらばっくれる気ならこっちも強硬手段に出るかな…。」

 

半グレロボットB「はっきり言うけど、俺達はみかじめ料が欲しいわけ、それがここでのルールでね。」

 

半グレロボットA「見たところ、お前は武器も持ってない…大人しく従ったほうが身のためだぜ?俺ら以外にも仲間は沢山来てるんだ。」

 

 

 

 

ハルカ「た、大変…!!」

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

プルルルル…プルルルル…

 

 

アル「あら…ハルカから…?もしもし?」

 

 

『アル様ですか!大変なんです!』

 

アル「大変って何の事?」

 

『昨日、住所を特定した人の所に悪そうな人が沢山来てそれで…』

 

 

アル「………」

 

 

 

アル「な、なんですってーーーー!!!!!」

 

 

カヨコ「!」ビクッ

 

ムツキ「!」ビクッ

 

 

アル「わ、分かったわ!すぐに向かう…!!」

 

ピッ…

 

ムツキ「どうしたのアルちゃん、いきなり大声出して…?」

 

アル「話は後!便利屋68出動よ!」

 

 

 

 

カヨコ「…つまり私達は犯罪の片棒を担がされてたって訳ね。」

 

ムツキ「随分な事をしてくれたね〜、ね〜アルちゃん」

 

アル「ええ!元を言えば私達が情報を売ったのよ…見捨てるなんて…そんなのアウトローじゃないわ…!」 

 

ムツキ「クフフ〜久しぶりに暴れちゃおうかな〜♪」

 

 

 

______________________

 

 

半グレロボットA「…で、どうするよ?払うか払わないか?」

 

半グレロボットB「黙ってねぇでさっさと決めなよ〜?」

 

【…………】

 

 

ハルカ「……」

 

 

アル「ハルカ!」

 

ハルカ「っ!アル様!!」

 

カヨコ「間に合ったね。」

 

ムツキ「もう準備は出来てるよ〜アルちゃん!」

 

アル「よし、みんな行くわよ!」

 

 

………………

 

 

半グレロボットA「はーっ…もういいわ!表出ろや!」

 

半グレロボットB「強引にでもむしり取ってやるよ…!」

 

 

 

『ハルカ!やってしまいなさい!!』

 

『はい!!アル様!!』

 

 

ブワッッ!!!

 

 

取り巻き「な、なんだ!?ありゃぁ!?」

 

半グレロボットB「た、大量のバッグが…!」

 

 

 

ドカァァァァン!!!!

 

 

半グレロボットB「ぐわぁぁぁ!!!」

 

 

半グレロボットA「ゴホッ…ゴホッ…一体何だ!?」

 

アル「あら忘れてもらっては困るわ!」

 

半グレロボットA「!?便利屋ァ!?」

 

アル「そうよ!あなた達!自分の手を汚さずに私達に探らせるなんて、冗談じゃないわ!」

 

カヨコ「いいように使われて黙ってる訳にはいかない…!」

 

ムツキ「さぁ!ぶっ飛ばしてあげるよ〜!」

 

ハルカ「あの方の為に…死んでくださいッ!!」

 

 

ババババババババ!

 

 

半グレロボットA「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

______________________

 

 

 

カヨコ「…ふぅ、こんなとこかな…」

 

ムツキ「そんなに手応え無かったね〜」

 

アル「私達を舐めるからこういう目にあうのよ!」

 

ハルカ「そうです!アル様を舐めないでください!」

 

【ありがとう、助かったよ!】

 

アル「いいえ…元を言えば私達が悪かったのよ…」 

 

ハルカ「す、すみません!私があなたを尾行したせいでこんな目に会わせてしまって…!!」

 

【ううん、気にしないで!こうやって助けてくれたんだし!】

 

半グレロボットA「……」

 

半グレロボットA「!」スチャッ!

 

カヨコ「!?」

 

ムツキ「こいつ、まだ生きて!」

 

半グレロボットA「死ねやぁぁ!!」

 

バン!

 

アル「…!危ない!」

 

ハルカ「…!!!!」

 

【…】

 

【ふんっ!!!】

 

バキッ!!!!

 

「「「「!!?」」」」

 

半グレロボットA「…は?」

 

 

アル「飛んでくる銃弾を殴り抜いて壊したぁぁ!!?」白目

 

 

ザッ…!

 

半グレロボットA「ヒッ…!!」

 

【……】ガシッ

 

半グレロボットA「え?」

 

【そおぉぉぉぉい!!】ブンッッ!

 

半グレロボットA「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

…………キラーン☆

 

 

アル「ぶ、ぶん投げたぁぁ!?」白目

 

カヨコ「…もしかしたらあの委員長より強いかもね…。」

 

ムツキ「もしかして私達がいなくてもどうにかなったのかな?」

 

ハルカ「か…カッコいい!」キラキラ

 

 

______________________

 

 

アル「改めて、謝罪させてもらうわ…ごめんなさい。」

 

【いやいや…大丈夫だよ!】

 

アル「でもこのままじゃ気がすまないわ…!」

 

【と言っても僕としての被害は無いし…】

 

アル「…そうよ!」

 

アル「何かあったらいつでも私達を呼びなさい!」

 

アル「必ず力になるわ!」

 

カヨコ「…」

 

ムツキ「そんな軽く言っちゃっていいの?アルちゃん?」

 

アル「…ええ!二言はないわ!(言っちゃったー!)」

 

ハルカ「……」

 

アル「…?ハルカ…どうしたの?」

 

ハルカ「…決めました!」

 

アル「決めたって何を?」

 

ハルカ「私、ここに就職します!!」

 

ハルカ「色々巻き込んでしまったお詫びとしてここで働かせてください!」

 

 

 

「な、何ですってーーー!!!!!?」

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。
ちなみにアルが全力で止めたのでパン工場での就職の話は無しになりました。
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