あんぱんとキヴォトス   作:御厨パステル

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小話なのに文字数が本編よりも多いぞ!
教えはどうなってるんだ!教えは!()
…許して☆(懇願)

ちなみに、次あたりから本編に戻って、エデン条約とアリウス組を救済します。

キャラクターの性格とか喋り方とかの解釈違いがあったらご了承くださいませ。



小話 多方面からマークされているあんぱん

 

自由と混沌を掲げているゲヘナ学園とその自治区。

 

いつもなら自治区内で幾つもの通報案件が飛び交ってるはずだが、ここ最近は何故かとても穏やかだそうな…

 

ヒナ「…最近、書類少なくない?」

 

アコ「いえ!今までがおかしかったんですよ!」

 

チナツ「そうですよ!本来、倒れるまで仕事をする事が異常なんです!」

 

ヒナ「何か体が慣れないわ…」

 

アコ「あぁ…ヒナ委員長がワーカーホリックに……」

 

コンコン

 

ヒナ「どうぞ。」

 

ガチャッ

 

イオリ「失礼します。定時報告に来ました。」

 

ヒナ「ご苦労様……あら?報告書は?」

 

イオリ「それが……今日は1件も通報が無かったんです。」

 

ヒナ・アコ・チナツ「「「……は?」」」

 

 

______________________

 

アコ「…おかしい…絶対におかしい!」

 

チナツ「確かに…ここから見える範囲でも、煙も上がってない、爆発音もしない…。」

 

イオリ「ここまでいきなり沈静化すると逆に怖いな…」

 

ヒナ「……第三勢力に潰されてるとか無いわよね…」

 

「「「!?」」」

 

ヒナ「私達が確認できてないだけで、このゲヘナの自治区に何者かが入り込んで来ていて、じわじわと勢力を広げてるとか…」

 

アコ「そんな…いや…ありえるかも…?」

 

イオリ「…ちょっとブラックリスト入りしてる奴らの近況を探ってみます…」

 

チナツ「あっ!リストアップされた書類はこちらです!」

 

 

………………

 

 

イオリ「何!?美食研究会の奴らがブラックマーケット近郊に入り浸っている!?」

 

風紀モブ「は、はい!直近の目撃情報はこの辺りに集中しています。」

 

ヒナ「この辺りは…廃墟しかないはずだけど…」

 

アコ「何か大きな犯罪に加担してるとか!?」

 

チナツ「…美食研究会に……一体何が…?」

 

 

______________________

 

翌日

 

 

 

ヒナ「…今日も今日とて暇ね…」

 

アコ「本当は嬉しい事なんですけど…」

 

チナツ「色々勘ぐってしまいます…。」

 

バーン!

 

アコ「ちょ、ちょっと!ノックくらい…!」

 

イオリ「委員長!美食研究会の奴らに接触できました!」

 

ヒナ「…それで?どうだったの…?」

 

イオリ「それが…………」

 

 

 

アコ「…え?パンを作ってる?」

 

ヒナ「どういう事なの…?」

 

チナツ「食べてるんじゃなくて、作ってるんですか?」

 

イオリ「はい、あの廃墟群の辺りに最近、パン工場が出来たらしくそこに居ました。」

 

イオリ「確認できた後に、数人の部下と一緒に突入したのですが……」

 

イオリ「な、何かすごい楽しそうにパンをこねてました…」

 

イオリ「一応、そのパン工場の責任者となる男にも話を聞きましたが、どうも悪い人には見えず…お手伝いという形でよく来てくれていると言ってました。」

 

ヒナ「余計、こんがらがってきたわね…」

 

イオリ「その男がコイツです。」サッ(写真を見せる)

 

アコ「…何だか写真越しでも善人っぽさが凄い…」

 

チナツ「ヘイローが無いなんてキヴォトスでは珍しいですね」

 

アコ「もしかしたら性別は違うけど先生と一緒で外の世界の出身なのかも…」

 

ヒナ「……」

 

アコ「…?ヒナ委員長…どうされました?」

 

ヒナ「…カッコいい」ボソッ

 

アコ「え?今なんと?」

 

ヒナ「…何でもないわ、まぁ今の所被害を出してないだけでこれから厄介事になるかも知れないから監視をしておくように…」

 

イオリ「了解しました!」

 

ヒナ「それとこの写真、預かってもいいかしら?」

 

イオリ「え、えぇ…問題ありません、大丈夫です。」

 

 

イオリ「後、ゲヘナの不良が沈静化した理由としましては、彼が作ったあんぱんを食べると争う気が起きなくなるらしいです。」

 

チナツ「絶対、何か入ってますよそれ…そのあんぱんのサンプルを救急医学の方に回してもらってもいいですか?」

 

イオリ「手に入り次第、渡しておきます。」

 

 

 

______________________

 

その後…………

 

チナツ「あ、セナさん…!」

 

セナ「!チナツ…」

 

チナツ「あれから例のあんぱん、何か出ましたか?」

 

セナ「そうね…細かいアレはまだ出来てないけど。」

 

セナ「今の所の結論は…」

 

チナツ「……」

 

セナ「ただの美味しいあんぱんね。」

 

チナツ「そうですか……」

 

セナ「後、お願いがあるんだけど。」

 

チナツ「はい!何でしょうか?」

 

セナ「あのあんぱんのサンプル、もう何個かちょうだい。」

 

チナツ「え、既に結構渡してますけど…?」

 

セナ「正確に測るにはもっと数がいるのよ。」

 

チナツ「あの………食べてませんよね?」

 

セナ「……………………食べてないわよ。」

 

チナツ「……あ!口の端にあんこが付いてる!」

 

セナ「!」ビクッ

 

チナツ「その反応、やっぱり食べてますよね!?」

 

セナ「…私、用事を思い出したから行くわ…」ダッ!

 

チナツ「ちょっ…しっかりとした弁解を望みます!」ダッ!

 

 

 

 

______________________

 

このキヴォトスにおける警察機関、法的な執行が出来る唯一の学園、それがヴァルキューレ警察学校。

 

 

連邦生徒会長が失踪し、シャーレが権限を新たに持つまでは事後処理などでとても忙しかったが、今は程よく落ち着いてるそうな…。

 

 

否、ここも余りにも平和すぎている。

 

 

 

カンナ「…」カタカタカタカタ……

 

カンナ「…」カタッ……

 

カンナ「今は…13時か…もう書類が終わってしまった…」

 

コノカ「いいんじゃないっすか?暇って大事っすよ?」

 

カンナ「…ここ最近はずっとこんな調子だ。」

 

カンナ「…やる事がないと何だかムズムズするな…」

 

コノカ「いい息抜きの仕方教えましょうか?」

 

カンナ「いや、今はいい……」

 

 

 

 

______________________

 

一方、街中では……

 

 

フブキ「……暇〜…」モグモグ…

 

キリノ「確かに最近は銃声もしないですし、通報もありませんね…ってまたドーナツ食べてるじゃないですか!」

 

フブキ「…いーじゃん、どうせ今日も何も起きずに終わるよ。食べる?」

 

キリノ「ほ、本官は職務中ですから!…ってあなたもですよ!?」

 

フブキ「…なんでいきなりこんな平和になったんだろうね。」

 

キリノ「平和…すぎるのでしょうか…?」

 

フブキ「…ん?あれって……」

 

キリノ「あっ!カンナ局長!」

 

カンナ「ん?あぁ、2人とも巡回ご苦労。」

 

キリノ「はい!ありがとうございます!」

 

フブキ「所で、なんで今日は街中の方にいるんですか?」

 

カンナ「あぁ、特にこれ言った理由は無くてな。」

 

カンナ「つまるところ、やる事が無くて暇になったんだ…」

 

フブキ「あーやっぱ、公安局の方も暇なんだ〜」

 

キリノ「うーん、本当にここ最近は平和ですよね…」

 

カンナ「普通なら矯正局に行った生徒がもう一度犯罪を犯して出戻りすると言うのもあるんだが…」

 

カンナ「ここ最近は再犯率も全くと言っていいほど無い。」

 

カンナ「平和なのは有り難いんだが、不気味に思う部分もあってな…」

 

キリノ「…それなら一緒に街を散策して見ませんか!」

 

キリノ「もしかしたら何か原因が分かるかも知れないですし!」

 

カンナ「…確かに、たまにはフィールドワークもアリか…」

 

カンナ「よし、私も巡回に参加しよう。」

 

キリノ「はい!お供します!」

 

フブキ「今日もサボれなかったかぁ……」小声

 

 

 

 

______________________

 

街中はキリノ達に任せて、カンナは1人、入り組んだ裏路地の方に入っていった…。

 

 

カンナ「…時々、矯正局で見かけるやつもいるが、何だか纏っている雰囲気がらしくないな……。」

 

カンナ「…?あれは……」

 

 

 

スケバンA「相変わらず美味いなコレ…」

 

スケバンB「ほんと、見た目はただのパンなのに他のと何が違うんだ?」

 

カンナ「おい。」

 

スケバンA「ん…!?ってお前はヴァルキューレの狂犬!?」

 

スケバンB「あーしら何もしてないけど?」

 

カンナ「別に捕まえに来たわけじゃない…」

 

カンナ「その食べているものは何だ?」

 

スケバンA「ん?ああコレか、何か物好きな奴に貰ったんだよ」

 

カンナ「物好きな奴?」

 

スケバンB「そうそう、お腹を空かせていると何処からともなくやってきて、このあんぱんをくれるのよ。」

 

スケバンB「結構、その界隈では有名人だよね?」

 

カンナ「そうなのか、全く知らなかったな…」

 

スケバンA「あー何かそいつ、ブラックマーケット近辺に基本いるらしいから知らなくてもしょうがねぇよ。」

 

スケバンB「基本あっこはあーし達でも近寄らないしね〜」

 

カンナ「それ…美味しいのか?」

 

スケバンA「お、なんか面白れぇ反応だな!」

 

スケバンA「やっぱ、狂犬も気になるもんはあるんだな?」

 

カンナ「うるさい、逮捕するぞ。」

 

スケバンA「おっと怖い怖い…ほら1個やるよ、あいつ結構余分にくれるんだよ。」

 

スケバンB「めっちゃ美味しいよ〜」

 

カンナ「…じゃあ頂く…」パクッ

 

カンナ「…!美味しいっ!」

 

スケバンA「はっはっは!そんな乙女みたいな反応するんだな!」

 

スケバンB「何か意外〜」

 

カンナ「……///」モグモグ(顔真っ赤)

 

 

 

…………………

 

カンナ「確かに美味しかった、こんなに美味しいパンは初めてだ…。」

 

スケバンA「だろ?なーんかこれ食べてると領分争いとかどうでも良くなるのよ」

 

スケバンB「なんかちょっと優しくなれる…みたいな感じ?」

 

カンナ「…これを食べてるから最近は争いごとが起きてないのか…!」

 

カンナ「貴重な情報、助かった。失礼する…。」

 

スケバンA「お?狂犬に感謝されるとか、明日は空から札束でも降ってくるかな?」

 

スケバンB「次会ったときは見逃してね〜」

 

カンナ「……………」

 

 

 

 

 

______________________

 

 

カンナ「……と言う事があった。」

 

コノカ「…何か情報量すごいっすね。」

 

コノカ「つまり、そのあんぱん男が間接的にキヴォトス全体を平和にしてるってわけっすね。」

 

カンナ「そうなるな、出来ればソイツの素性も知りたいんだがな…」

 

コノカ「あー…ミレニアムにでも相談したらどうっすか?」

 

コノカ「何か監視カメラとかで特定してくれそうだし。」

 

カンナ「なるほど、明日ちょっと問い合わせてみるか…」

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

翌日、ミレニアムサイエンススクール セミナー

 

 

ユウカ「……ふぅ、あら?また今日も書類が午前中に終わっちゃった…。」

 

ノア「どの部活動も最近は問題を起こしてないですし、平和ですね〜」

 

コユキ「ほんと、平和が何よりですね」ポリポリ…

 

ユウカ「…またなんか食べながら業務してるし…」

 

プルルルル!プルルルル!

 

ユウカ「?誰かしら…」

 

ガチャッ

 

ユウカ「はい、ミレニアムサイエンススクール、セミナー所属の早瀬ユウカです。」

 

カンナ「あ、ユウカさんですか、お疲れ様です。」

 

ユウカ「あれ…ヴァルキューレのカンナさんですか!?」

 

カンナ「はい、カンナです。」

 

ユウカ「何か御用ですか?」

 

カンナ「はい、ちょっとお願いしたい事が……」

 

 

 

 

時間は飛び、セミナー内の会議室……

 

 

ユウカ「なるほど、最近静かなのはそのあんぱんが原因なんですね…」

 

カンナ「はい、多分そうかと、」

 

ノア「食べるだけで喧嘩しなくなるって信じがたいですね…」

 

コユキ「よほど美味しいんですかね…?」

 

カンナ「えぇ、美味しいですよ。」

 

コユキ「って!食べたんですか!?」

 

カンナ「はい、情報提供者からツテで頂きました。」

 

カンナ「確かにあれは、そんな効力があってもおかしくない味です…」

 

ノア「…余計、どんな人が作ってるのか気になりますね…」

 

ユウカ「…わかりました、その依頼、お受けします!」

 

カンナ「ありがとうございます。」

 

ユウカ「分かり次第そちらにまとめたデータをお送りしますね。」

 

ユウカ「一応こちらでも情報は保管しますが、大丈夫ですか?」

 

カンナ「えぇ、構いません。」

 

ユウカ「じゃあまた後ほど………」

 

 

 

……………………………

 

 

翌日、ミレニアム 特異現象捜査部…

 

ユウカ「て言う事があったんです。」

 

ヒマリ「…つまり私の力が必要って事ですね?」

 

ユウカ「はい…お願いできますか?」

 

ヒマリ「勿論、最近は刺激が少なかったのでありがたいまでありますわ。」

 

ヒマリ「早速、取り掛かりましょうか…」

 

ヒマリ「一応、今日はお手伝いとしてここにいてくださる?」

 

ユウカ「はい、わかりました!」

 

 

 

______________________

 

数日後………………

 

ヒマリ「…これで提出してもおかしくないくらいの情報量はまとめられましたね…」

 

ヒマリ「確かに、調べれば調べるほど不思議な人って事が分かりますね……」

 

ヒマリ「ヘイローが無い男性、しかし、身体能力は私達以上…どうやらゲヘナの方々も彼を監視しているらしいですね…。」

 

ヒマリ「確かにこんな人物、放ってはおけないですからね…」

 

ヒマリ「まぁ私は今現在も監視してるんですけどね…」

 

【…………】トコトコトコトコ…

 

ヒマリ「…顔は結構、整ってますよね…」

 

【……】チラッ

 

ヒマリ「!?」ビクッ

 

ヒマリ「今、監視カメラの方を見た…!?」

 

ヒマリ「いや、まさか……」

 

ヒマリ「…疲れてるのかもしれませんね、今日はもう切り上げましょう…まとめた書類は…明日提出しましょ…」

 

 

 

 

翌日…………

 

 

ガチャッ

 

 

ヒマリ「……さて、ユウカさんに書類…を……?」

 

ヒマリ「この紙袋は……?エイミさんの差し入れ…?」

 

ガサガサ…

 

ヒマリ「…手紙……っ!?!?!?!?」ガタッ

 

 

お仕事、おつかれさま。

疲れたときには甘いものを食べるといいらしいから、あんぱんを差し入れしとくね。

 

 

 

ヒマリ「………ま、まさか…気づいていた…!?」

 

ヒマリ「この数日、自身が監視されている事に…!」

 

ヒマリ「……な、何だか立ってないのに立ちくらみが…。」

 

ヒマリ「…………」パクッ…

 

ヒマリ「あ、あんぱんは美味しいですね……」

 

 

 

______________________

 

数刻後、セミナー……

 

 

コンコン…ガチャッ…

 

エイミ「お疲れ様です。」

 

エイミ「ヒマリさんから書類を預かってます。」

 

ユウカ「あ、わざわざありがとうございますね…」

 

ユウカ「ところで、ヒマリさんご本人は…?」

 

エイミ「いまちょっとあんぱんが怖くて外に出たくないらしいので代わりにお使いを頼まれました。」

 

 

 

 

 

 

ユウカ「ちょっと何言ってるか分からない」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒマリ「あんぱん怖い…けど美味しい……」ハムハム…

 

 

______________________

 

ちなみに正義実現委員会の委員長と副委員長が、

あんぱんの密かなファンという噂が流れたり、流れなかったりしたとさ…

 

 

以下、正義実現委員会所属のT・Kさん、H・Hさんの

あんぱんに対する感想です。

 

「最初は危険な薬物が入っていると思い、救護騎士団に調査してもらったんだが、蓋を開けてみればただのパンだった。」

「一応、私も食べてみたんだがあれは劇薬だ。」

「美味しすぎる。一口目食べたときに何か変な笑いが出てしまうくらいには美味しい。」

「副委員長には内緒だが、そのうちあのあんぱんをトリニティ専売で売ってもらおうかと考えている…。」

 

「私はよくスイーツを食べる方なので、甘味の味には少しうるさいと自負していました。」

「しかし、あれは私の中のスイーツという概念をひっくり返しましたね。」

「何処かのおしゃれなケーキみたいに飾られている訳でも無く、何か高級な物を使っている訳でもない。」

「言ってしまえば、何の変哲もないパン…なのに美味しすぎる。」

「委員長には内緒ですけど、あのあんぱんをトリニティ専売で売ってもらおうかと考えていますね。」

 

 

 

 




はい、超人がバッドステータス、[あんぱん怖い]を獲得しました。()
多分時間経過で治りますよ、きっと…(適当)

次回投稿は未定です。

気長にお待ちくださいませ。
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