人魚島と自衛隊   作:蟹アンテナ

1 / 10
不死の妙薬

幾層にも連なる次元と、無限大に等しく横たわる広大な宇宙、その空間の本の端っこに位置する恒星系に地球とよく似た環境の天体が存在した。惑星エルメチス、その星は知的生命体が発生し、文明を発展させ黎明期を迎えていた。

 

ガルチェア大陸、中央ガルチェア、その地には大陸有数の領土を持つネフィリア帝国と言う国が存在する。

元々は魔物に住処を追われて安住の地を求めた幾つもの流浪の民の集団が合流し、比較的魔物が少ない土地に集落を築いた国であったが、その領土から一歩外に踏み出せば強大な魔獣たちの襲撃を受けてしまう出ることも入ることも命の危険を犯さねばならない閉じた土地であった。

逆にその魔物の生息域に囲まれたことで外部からの侵略を受けずに済んだ事もあって、安定的に文明を発展させることが出来、周辺の過酷な環境に適応するだけの余裕があったことで、独自の狩猟技術が発展していった。

そして、卵の殻のように領土を覆っていた魔物の生息域を切り開き、危険な魔物も逆に糧とする事ができるようになると、途端に狩猟技術は人間相手に転用され、次々と周辺国を侵略していった。

遠い昔に捨てた土地、争いの絶えない旧世界、しかし長き時を経て魔獣の生息域の壁に隔離されていた文明には開拓するべき新しき世界に映った。

やがて、その文明は自らを天から降臨して魔物も人間も喰らい尽くした巨神の神話にちなんで、争いの絶えない世界に滅浄の裁きを下し全てを飲み干し平定する国、ネフィリア帝国と名乗る事にした。

 

ネフィリア帝国が建国されてから数世代ほど進んだ時代、その代の皇帝は病に冒されていた。

既に世継ぎは生まれており、成人も間近で世代交代の時期が近づいていた。

そう思われていた。

 

『この世界のありとあらゆる秘薬を我のもとに集めるのだ』

 

しかし、皇帝は生にしがみついた。

ネフィリア帝国皇帝の命によって、周辺諸国は次々と侵略され、侵略下に置かれた国の技術…特に医療技術を重点的に吸収していった。

 

それ故に、ネフィリア帝国は大陸有数の医療大国となっていったが、皇帝の病を癒す治療薬は結局見つからず、狂ったかの様に覇権主義を過激化して行った。

 

ガルチェア大陸・東ガルチェア方面

大陸沿岸部に首都となる港町を構える国、コロポニア王国。

豊かな海に育まれた海産物が名産品であり、港町であるが故に大陸各地の交易品が集まる交通の要所でこの世で手に入らぬものは無いと言われるほど大規模な市場が開かれている。

 

『人魚の肉…ねぇ』

 

そんな市場ですら出回ることのない不老長寿の妙薬として歌われる人魚の肉を求める帝国の使者がコロポニア王国を訪れていた。

 

『我が帝国の皇帝陛下は人魚の肉を所望だ。もし不老不死の妙薬を献上した者は子孫代々まで続く繁栄と栄光が約束されるであろう』

 

『大変興味深い話だがそれは漁師に語り継がれる噂話、いや御伽噺の類だ。まともに信じてる奴は漁師でもほんの僅かだ』

 

『ふむ、だが皇帝陛下は隠し立てする者を好まない、人魚の肉を秘匿するならばどうなるかは分かるか?』

 

『そもそも本当に人魚なんて奴が居るのかどうかも不明だ、大体不老不死になる薬なんて使った奴が居たら明らかに浮いた存在になるだろう、眉唾ものだそんな話』

 

『まぁ、良い。そう簡単に手に入る物ではなかろう』

 

ガルチェア大陸・東ガルチェア方面、オキノ海に人魚島と言う小さな島がある。

岩地が広がり農地に向かず、暗礁が多く船が近づけない利用価値の薄い島であるが、その近辺に住まう漁師にはとある伝説があった。

「その小島に海の民の住居有り、その血肉に癒やしと不老長寿の力有り」と。





1死に至る病に侵された帝国の皇帝が治療薬を求めて周辺国を好き放題→
2技術力に優れた国をガンガン取り込み医学知識も蓄積されるが治療薬見つからず→
3人魚の肉が不老不死の効果あり(とされてる)→イマココ!
4日本列島まるごと異世界転移→
5日本海側に人魚島があり人魚達が亡命することで日本領土に編入される→
6沿岸部のまだ帝国に侵略されてない国に接触、異世界の大陸の橋頭堡として沿岸部の国と国交を結ぶ、海の向こうから島国が接触してきたという噂→
7交渉中に人魚島関連で領土問題に、沿岸部の国々が実効支配出来ていないことから正式に日本領土と認められる→
8人魚島と日本の噂が流れ帝国に察知される→
9恫喝めいた領土交渉と生殺与奪の権を侵害する気満々の態度で交渉決裂→
10帝国が戦争ふっかけてくるも返り討ちに→
11帝国撃破、皇帝陛下しにたくなーい!(絶叫)→
12結局皇帝は末期がんで死亡、普通に国交結んでいたら手術が間に合ったかも知れない→
13大陸の国々や人魚を初めとした亜人達と交流を結び、共に発展していく(完)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。