高町なのはのIS学園見聞録外伝 我こそ、戦車道極めし者 作:ピロッチ
その地位に溺れ半グレにも劣る大老害に堕ちた当主富栄が横暴の限りを尽くす古馬塚家。
しかし、束の逆鱗に触れて一族の権力と財力の源たるアジア一のスポーツ用具メーカー
薄田社を買収され一瞬で没落の憂き目に遭う。そして、彼等の受難はこれだけでは無かった。
薄田社社有 戦車道部訓練場
「たぁあああああのもおおおおおおおおう!!!」
この日、なのはの大音声が訓練場に響き渡った。
「「「「「ヒイイイイイイイイイイイイイイイ!!!」」」」」
そのド迫力に一斉に悲鳴を上げる薄田社の戦車道部員達。
特に「前」会長の嫡子で副社長兼戦車道部監督の古馬塚宗繁は腰を抜かす始末。
先日の鬼皇流旗揚げ宣言に対する事情聴取と言う名の吊し上げに
代理出席したなのは、束、千冬の三悪魔にされた事を考えれば当然だろう。
なのはの胸倉引っ掴んで凄んだのにまるで相手にされず、
逆に出席者の眼前で後頭部を踏み付けられ、頼みの
束の財力で会社の株を買い占められ、株主権限でパパを解任されて一瞬で消滅。
宗繁自身も、この試合で負けたら母で社長の杏手他
一族諸共薄田社と戦車道界から永久追放される未来が待っている。
「にににににににに逃げないでででででででよよよよよ良く来たなななななな!!
かかかか勘違い野郎のぶぶぶぶぶ分際でききき極めたと
ほほほほざきやがったたたた事をこここここ後悔させてやろう!!」
「ハッ!そんな震え上がった声で出来る訳がねーのっ!」
「おんやぁ~?恥晒しのガキ風情が偉そうに家元なんか名乗ってまちゅね~。
自分を天才と勘違いして流派なんか建てやがって…。
恥ずかしくないんでちゅか~?」
なのはが与し難いのでみほに噛みつく宗繁。本当に小物しかいない一族である。
「はぁ?人を勝手に売り飛ばそうとしたアナタ達みたいな人が
実家の本家筋って事の方がずーっと恥ずかしいんですけど?
ここを首にされたアナタのパパさんに頼んで勘当し直してくれませんか?
アナタ諸共西住家一家丸ごと。まあ私、家元から勘当されちゃったけど。」
どういう事かと言うと、例の事情聴取の後、
祖母のりほが西住流家元として以下の声明を発表したのだ。
「分不相応の野心に任せて己以外の家元の存在を認めず、
既存の全流派を無価値と断じた挙句、
戦車道の根底を書き換えて自らを古と為さんとする振る舞いは到底許されない。
西住みほは戦車道に関わるこの世全ての者に中指を立てた、最早孫では無い。」
と非難し、本邸出禁の上一族への接見禁止及び相続排除の申請を行い、
戸籍も分けると宣言し、これを以て事実上の勘当宣言であると明言した。
尤も、自分の戦車道を確立したみほにとっては大した事では無い。
「(取りあえず、お姉ちゃんは絶対にこっち側に引きずり込まないと。
自分だけの戦車道を見付けろと言ってくれたのはお姉ちゃん。
本当は庇いたかったけど、大人達に逆らえずに何も出来なかった事は分かってる。
全力で私の戦車道をやり切った所を見せれば、納得してついて来る事もね。
もう今年で成人なんだから、我を通して良いんだって背中を押してやれば、
きっとお姉ちゃんも、大人達相手に本心を言葉にしてくれる筈。
いざとなったら、お姉ちゃんに「鬼皇流に入門するから西住流を継がない」
と言わせれば、一番困るのは向こうなんだから。)」
まず、黒森峰を率いるまほの力量なら今年の全国大会で
決勝まで出てくる事は分かっている。だから、決勝戦の直接対決で破って
全国制覇を成し遂げ、その場で他流試合の名目で家元同士の直接対決に持ち込む。
衆目の前でしほごとりほを蹴散らせば、最早嫌でも
「あれだけ勝つ事を全てに優先してきた西住流とて、
創設してたった数ヶ月しかない鬼皇流の前では手も足も出なかった。
もう西住流は特別でも何でも無い、数多くある流派の一つでしかない。」
と思い知り、家族も現実に目を覚ますだろう。
それでも駄目なら看板を奪って鬼皇流と西住流双方の家元を宣言しまえば良い。
後は古馬塚への反抗心がないりほを勘当の仕返しとして強制隠居させて、
まだ古馬塚に反抗的な態度を取れるしほに家元をやらせ、
当主権限で勘当を撤回させ、その上で分家の許しを得れば全て解決するのだ。
「(お母さんはあの時の事、口ではああ言ってたけど、IS学園の織斑先生に
『西住流じゃなかったら褒めてあげたかった』って言ったと言う事は、
お祖母ちゃんや親戚に逆らえなくて仕方無く責めてただけって事は分かってる。
だから、まともに親をやれる位にはしがらみのなくなった西住流を継いで貰って
お父さんとお姉ちゃんと一緒にやり直す余地は十分にある。
でもお祖母ちゃんはアウト。こんなのから言われるままに
私を勘当しろと言われて勘当する様な人はもう要らない。
ケジメを取らせて西住流の歪みごと西住家から叩き出して隠居させないと。)」
「良かったですね、私のお祖母ちゃんがアナタのパパさんの言う事聞いてくれて。
まあ、鬼皇流は西住流なんか完封出来るんで、
適当に蹴散らしてから『勘当してごめんなさい』って土下座させて
家から叩き出すんでどうでも良いんです。
取りあえず、東日本で一番の武道の名門を名乗って、
私の家を飼い犬くらいにしか思ってない癖に
その飼い犬の教えにべったりなアナタ達如きで躓いて居られないんで、
ちゃちゃっと相手してあげますね。」
「テメェ…戦車道舐めてんのかコラァ!ガキ風情が戦車道の奥の深さ
分かってんのかあぁコラァ!!実家の伝統に唾吐いて流派建てやがった事、
どんだけ無礼かこの日本最強チームを率いる
オレ様率いる薄田社戦車道部が嫌って程分からせてやるよ!!」
「舐めてるかだって?心の底から舐めてます。
そっちこそ、競技参加資格も無いのによく戦車道の奥深さだの伝統だのと
偉っそうに語れますね。ちゃんと戦車乗って向き合ってるんですか?
あっ、乗れないんでしたっけ、腰抜けだから。良く監督務まりますね!
まあ良いや、私、アナタに用はないので、指咥えて見てて下さい。
その誇らし~い社会人最強戦車道チームが鬼皇流の前に轢き潰される所を。」
あのマニュアルを読破して自分の戦車道を見出したみほは、
一流派の家元としてそれらしい所を見せなければという意識も有り、
最早そこら辺のヤクザ者程度のちょっとやそっとの威圧など物ともせず、
逆に言い負かす位に精神的に成長していた。
尚、ここで両チームの使用車両を明示する。
大洗・IS学園連合チーム(鬼皇流)VS 薄田社戦車道チーム
ISー4×2
44M イシュトヴァーン×3
44M タシュ×5
「それでは、大洗女子学園・IS学園連合チーム…基、
鬼皇流対薄田社戦車道部の試合を始めます!一同、礼!」
「いいかお前等ぁ!この試合に負けたら古馬塚一族は薄田社から首だぁ!
『古馬塚王朝』はお終いだぁ!
自分を天才だと勘違いしたメスガキのなんちゃって流派の
10輛如きを潰すくらいできるよなぁ?オレ様の為に死ぬ気で戦え!」
「お任せ下さい監督、あんな勘違い小娘など、
徹底的に叩き潰してやるざます!…この
薄田社戦車道チームの隊長の
その後ろに控えるは黒森峰のOGにして
薄田社戦車道チームの二枚看板の
「撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心…
所詮落ちこぼれ風情の素人流派が西住流に噛みつくなど無謀も無謀、
ましてや3倍の数を相手に自ら殲滅戦ルールで乗り込むなど正気ではないざんす!
正々堂々、突撃して分からせてあげましょう!オーホッホッホッホッホッホ!!」
一方、鬼皇流は…
「では、作戦を説明する!」
隊長のみほが東雲特車から寄贈されたホログラム投影装置で
訓練場の地図を表示させる。
「敵部隊の内、まず二枚看板の茂武姉妹を挑発しおびき出す!
その為、
狙撃を仕掛ける!
さて…この茂武姉妹は責任感多き人。我が母しほが母校黒森峰を卒業した後、
戦車道部の隊長と副長を任され、長じて西住流に入門し、
姉妹とも師範の免状を与えられた人物故、誇りも有り、意地もある。
西住流門下ならざる頃に自分を信頼して後継者に任じてくれた女の
実子であり裏切り者である私と戦うとあって、意気軒昂間違い無し!
砲撃の挑発を受ければ率先して間合いを詰める事は疑う余地なく、
この姉妹をおびき寄せれば、エースをやらせまいと他の車輌も必ず動く。
戦とはそういった物である!!」
家元を名乗りだしてからは、戦車道に関わっている時だけは
口調も平常時とは打って変わって凜々しくなったみほ。
実家のまほやしほが見たら、その変容振りに総毛立った事だろう。
「そして、聖王小隊の狙撃で数を減らしつつ、本隊の立て籠もり予定地点に
できるだけ引きつけ…一斉射撃にて討って取る!
敵が怯んだ隙を見て…鉄人小隊で側面を衝き、トドメを刺す!」
「「分かったの/
「皆、コレが鬼皇の初陣…心して、轢き潰してやろう!」
「ここで私から知らせがあるの!
皆の車輌には束さんが日戦連許諾済みの『とある改装』を施したの!
これで完全版となったから、心置きなく戦えるの!
相手は西住流の流れを汲むみたいだけど、丁度良いカモなの!さあ…やるよ。」
「「「「「応!!!」」」」」
そして…鬼皇伝説の幕開けとなる「薄田社殲滅戦」の号砲が訓練場に響き渡った。
「Panzer For!」「者共、散れ!!」
みほが今後の予定を纏めていたら、尺が潰れてしまった…残念。
原作未登場のAFV紹介 その11
ヤークトパンターⅡ
ドイツ製駆逐戦車ヤークトパンターへの128㎜砲搭載計画に基づいた計画案。
史実ヤークトパンターと違い、戦闘室が後方に移設された。
※下記の数値は作中世界でのみ通用する数値で、史実と同一とは限りません。
寸法 車体長6.87×車幅3.27×全高2.715㍍
機関 マイバッハ製 V型12気筒ガソリンエンジン
「HL234」900馬力
最高速度 55㎞/時
重量 53㌧
乗員 5名
武装
主砲:55口径128㎜砲「12.8㎝ PaK44」×1
機銃:7.92㎜機銃「ラインメタル MG34」×1
装甲(単位:㎜)
防盾 120
戦闘室 前面 側面 後面 天板
150/60/40/20
車体 前面 側面 後面 天板 底板
100/60/40/20/20