高町なのはのIS学園見聞録外伝 我こそ、戦車道極めし者   作:ピロッチ

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 第94回高校戦車道全国大会リーグ戦第4試合、
大洗女子・IS学園連合対三千里農業高校の試合は開始5分足らずで
驚異の5㎞先のフラッグ車への超超長距離狙撃が決まり、
高校戦車道史上最短記録を更新する文字通りの一撃必殺で勝負が付くのであった。


第22話  驚異の5,000㍍一撃必殺狙撃です!

時間は少し遡って…

 

 視点・大洗・IS学園連合チームフラッグ車「あんこう号」

 

「戦場は視界良好にて遮蔽物ほぼ無し。敵は超幅広の一列横隊か…。

聖王小隊(聖王×3+ISUー122BM)は敵左翼を長距離砲戦にて砲撃、

残りは鉄人2(キンガ車)に続き、最右翼から中央に向かって集中攻撃。

それでは各車、散開!」

 

『『『『『了解!』』』』』

 

「ねえみぽりん…じゃなくて隊長、向こうは何でこんなに思いっきり

広がって横一列に進んでるのかな?」

 

「うーん…ひょっとして、敵さんは打つ手が無いのかな?

遮蔽物無し、敵に超長距離狙撃手ありなんて状況だと、

一発逆転狙いのフラッグ車集中突撃しか手が無いからなぁ…私、そんなに怖いかな?

(まあ、逆の立場なら私所かお姉ちゃんやお母さんでもやれる事と言ったら

『フラッグ車を全力で探し、見付け次第集中突撃』しか有り得無いと思うけど。)」

 

「あの…えーと、西住殿…? 西住殿は御存知無いのですか?」

 

「え?」

 

「もう西住殿の武名は薄田社殲滅戦での完勝で戦車道界に相当広まってまして、

我が校の様に今年から新規参加した所からみたら、我々大洗・IS学園連合は

もう4強と同等かそれ以上に対戦で当たる事が絶望レベルの強者扱いだそうで…。」

 

「えええええ…怖いのは私よりなのはさんなのにぃ~~~!

どうしよう、このままじゃ私の戦車道出来なくなっちゃうよ…。」

 

「西住殿の戦車道?」

 

「■■■■■■■■■■■戦車道だよ。」

 

「は、はぁ…。」

 

「まあ、高町さんがうちの最高戦力なんですけど、

あくまで顔役はみほさんですから、こんな戦い方してたら、

みほさんの戦車道は実現しそうにないですね…。」

 

「そんなぁ~~~~~~~!」

 

「だ、大丈夫ですよ!ちゃんと鍛えれば、いつかは高町さん離れできて

西住殿らしい戦車道の戦いも出来ますよ。…来年くらいは。」

 

「だと良いんだけど。」

 

「んん?なのはさん…基、鉄人1から通信!」

 

 ここで通信手の沙織がなのは車からの通信を受信。

 

「『我、12時方向に敵将見ゆ、距離5,200。狙撃敢行すべきや?』との事。」

 

「ちょ…距離5,200?!」「5㎞先って事?!」「いや無理だろ!」

 

 なんと5.2㎞先に敵フラッグ車を見付けたから、

狙撃で決着を付けさせろというのだ。一斉にツッコミを入れるあんこう号の乗員。

 

「に、西住殿…?」「流石にこれは…。」「却下で宜しいのでは?」

 

「あ!追伸です。『敵将、当方を察知せず。

正直に正面から全速力にて接近しつつ有り。』と。」

 

「う~ん……。(グズグズしてると即断即決を怠ってるって怒られるからなぁ…

まあ、ミスってもなのはさんなら自力でフォローできるだろうし…よし!)

鮟鱇4(沙織)、返信を。『1発だけ許可する。成功を祈る。』以上で。」

 

「了解…。鮟鱇1より鉄人1へ、『1発だけ許可する。成功を祈る。』…以上。」

 

「「「えっ?!!!」」」

 

「本当に良いのか?」

 

「…はい。実家の目を覚まさせる為にも、少しでも少ない損害で…

出来れば唯の1輛もやられない内に勝つ所を見せたいんです。」

 

「そうか。」「まあ、西住さんが宜しいので有れば…。」

 

「ただ、西住殿の戦車道がまた遠のきますね。」「…うん。」

 

 

 

 視点・大洗・IS学園連合チーム ISUー122BM「鉄人1B号」

 

「よーし、向こうには悪いけど早くも決着のチャンスなの!

こちら鉄人1、鮟鱇1、我、12時方向に敵将見ゆ、

距離5,200。狙撃敢行すべきや?」

 

「「「「えっ?!」」」」

 

 乗員の一夏、箒、ラウラ、シャルが一斉に仰天する。

 

「いや、5,200って…5㎞超えてますよ?!」「何で見えるんですか?!」

 

「と言うか、当てられるんですか?!」

 

「む、無茶ですよ!僕等だとISでも出来るかどうか分からないのに!」

 

 「あの子は1輛もやられずに勝ち抜いてみせるとお姉さんに言い放って見せたの!

ならば、決着を付けられるチャンスは全て活かさなければならないの!」

 

「え?マジですか?」「それ何て縛りプレイ…?」

 

「あ、あんな普通のなりで…随分クレイジーな人だったんですね。」

 

「渋ってるのかな?追い打ちなの!『敵将、当方を察知せず。

正直に正面から全速力にて接近しつつ有り。』

箒ちゃん、一夏君、弾種AP、装填、急っそげぇー!」

 

「「了解っ!」」

 

 一夏と箒が2人掛かりで弾頭を押し込む。ISー4の時は箒1人だったが、

これのお陰である程度連射速度が上がっているのだ。

続けて装薬を押し込み、装填を完了した所で、みほから返信が来た。

 

『鮟鱇1より鉄人1、1発だけ許可する。成功を祈る。』

 

「良し…OKが来た!やるよ!距離5,000で一発叩き込む!

当たれば勝負あり、外れれば直ちに離脱!

シャル、声を掛けたらいつでも動かせる様に用意!」

 

「はい!」

 

「皆、音を立てるなよ…お師様を集中させるんだ!」

 

「「「(無言で頷く)」」」

 

「距離、5,100…5,050…40…30…20…10…5,000!ここだぁ!」

 

 BANG!!

 

 7mを超える超長尺の122㎜砲、BLー7が火を噴き、

25kgの競技用弾頭を初速1km/秒で叩き出した。そして、数秒後…

『さ、三千里農高フラッグ車…砲塔貫通、撃破判定…しょ、勝負ありぃぃっ!!勝者、大洗・IS学園連合!!!』

「んん?何か聞こえた様な…。」

『け、け、け、け、け、決着~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?!』

「え?!今、決着って…まさか?!」

 

 次の瞬間…ドローンから観客の驚愕の叫びが響き渡った。

 

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

ええええええええええええええええええええええええええええええええ?!!!!!

 

「え?何この叫び声!!」「まさか…当てちゃったの?!」「嘘でしょ?!!」

 

「あ、当てちゃった…。本当に、5㎞先を…一発で…!」

 

「ぃよぉぉぉおおおおおし!!!」

 

 なのはが勝利の雄叫びを上げてガッツポーズ。普段ではまず見られない光景だ。

 

「これで私の限界を見極められたの!今後の戦いに活かせそうなの!」

 

「は、はぁ…それは、その…おめでとう御座います。」

 

『あ、当てたーっ?!』『ええええ?!もう勝負付いたの?!』『マジで?!』

 

『え?!勝ったの?!』『5㎞先に?!ナンデ?!』『ウッソだろーっ?!』

 

 無線からも各車からの混乱と驚きに満ちた叫び声が流れてくる。

 

 

 

視点・大洗・IS学園連合チームフラッグ車「あんこう号」

 

「み、みぽりん…?」「西住殿…」「これは…」「その…何と言うか…」

 

「か、勝っちゃった…たった5分で…フラッグ車、倒しちゃった…。う、う、う…」

 

「「「「「ウッソでしょぉぉおぉおぉぉぉおおぉおぉぉおぉぉお?!!!」」」」」

 

 命じたみほもまさか本当に一発で倒してのけるとは思ってもみなかったらしい。

余りにも呆気ない結末に、ただただ叫ぶしか出来なかった。

 

「と、兎に角観客席前に集合しよう!試合終了の挨拶が有る!」

 

「そうですね。各車、勝負は付いた!直ちに反転!」

 

『『『『『了解!』』』』』

 

 かくして、一試合終えた大洗・IS学園連合チームは試合終了の挨拶を行うべく、

集合場所に帰還するのであった。

 

 

 

 

 視点・三千里農高チームフラッグ車「マルコ号」

 

「ま、マジ…?」

 

 まさかの5㎞先から超超長距離狙撃で一発撃破。

この作戦もへったくれもない一撃必殺ぶりに腰を抜かすマルコ。

 

『ま、マルちゃん?!』『え?何?何があったの?!』

 

『マルコ号がやられちゃった!私達、もう負けちゃったんだよ!』『はぁ?!』

 

『ナンデ?!まだ5分しか経ってないよ?!』『知らないよ!』

 

『なんか実況で「5㎞先から当てた」って言ってるんだけど?!』

 

『えええええええ?!5㎞って…何それ反則でしょ?!』

 

『誰か、文句言ってやんなさいよ!』

 

 流石にこんな呆気なさ過ぎる負け方に三千里側は不満が隠せない様子だ。

 

「お、おう…取りあえず、集合場所に戻ろうよ。話はそれからだよ。なっ!」

 

『『『『『りょうか~い…。』』』』』

 

 と言う訳で、途方に暮れながら集合場所に戻るのであった。

この後、流石に三千里側からの抗議も有り、5㎞先の戦車を一発で仕留めるなんて

職業軍人でもそうそう出来ない芸当をしてのけたなのはにコンピュータを用いる等の

反則の疑いが掛けられたのだが、当人の純粋な技量による狙撃なので

反則の証拠など見つかる筈も無く、何よりなのは本人が

「本当にそんな事していたら、5㎞じゃ済まされない。」と「釈明」した事で

審判も納得してくれたので、この試合は正当であるとして

戦車道史上最長狙撃記録と最短勝利記録を同時に達成した空前絶後の試合として

後世に記録が残るのであった。

 

 そして、観戦していた次の対戦相手のコアラの森学園と

聖グロリアーナ女学院の生徒はというと…。

 

「ご、5㎞先への狙撃を…一発成功…?」「次…アレと戦うの?マジで?」

 

「無理無理無理!絶対無理だって!」

 

「いや、我等が戦う場は見通しが悪い地形だ!まだ諦めるには早い!」

 

「そ、そうですよ!ねぇ、隊長?…隊長?」

 

「Zzzzzzz…」

 

「「「「「寝ーてーるうううううううううううう!!!」」」」」

 

 

「あ、あの…ダージリン様?」

 

「ご、5㎞先の標的を仕留めた実例は湾岸戦争でもあるのよ…。

それを考えれば決しておかしな事では無い筈よええそうに違いないわ

頼むからそうだと言ってお願いですせめて視界の開けていない地形で戦わせて下さい

頼みますお願いですこの通りですもうやだこんなのと戦うなんて

黒森峰とかプラウダとかならまだしも寄贈元のオルコット嬢の所にこんな

化け物がいるなんてムリムリムリムリムリヤダヤダヤダヤダ

早くお家帰りたい帰りたい帰りたい帰して下さい帰せよ鬼」

 

「お、おおおおおお落ち着いてダージリン!心の声ダダ漏れよ!」

 

「そそそそういうあああああアナタこそひひひ膝がわわわわ笑ってるわよ?」

 

「あああああああアッサム先輩もさっきから

歯がカチカチいいいい言ってるんですが?」

 

 もうこんな感じでカオスっていた。当然、周囲の観客はドン引きである。

そして、西住家の面々は…

 

「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば(発狂)」

 

「おびょびょびょびょびょびょびょびょびょびょびょびょびょびょびょ(錯乱)」 

 

「きょぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ(精神崩壊)」

 

 目も当てられなかった。

 

「し、しほ?トメさん?菊代?大丈夫か?!」

 

 常夫に声を掛けられた事で漸く正気に戻る面々。

 

「…はっ!いけないいけない…危うく呑まれる所だった…。」

 

「ぐむ~っ、ワシとした事が…はっ、こうしちゃおられん!」

 

「そうだ、お嬢様を探しに行かなくては!」「そうだ、そうしよう!」

 

 本来の目的だったみほとの面会の為観客席を離れる。

そして、その途上でしほは思った。

 

「(まさか3㎞所か、5㎞先のフラッグ車を一発で仕留めるとは!

もう無理だ、やはり、あの女が居る限りまほでは敵わない!

みほが本懐を遂げてしまえば…西住家が…最悪この国の戦車道が終わってしまう!

西住流存続の為、やはりやるしかない…みほが全国制覇を達成する前に…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家元を…我が母りほを引きずり下ろし、私が西住流を奪い取る!

 




 何が酷いって、ダージリンの言う通り
5,000m先の標的を仕留めた実例が存在すると言う事がもうね。


原作未登場のAFV紹介 その1・改

44M タシュ 大洗・IS連合カスタム

 大洗に寄贈された44Mタシュを束が全国大会向けにパワーアップした姿。

※下記の数値は作中世界でのみ通用する数値で、史実と同一とは限りません。

寸法   車体長6.3×車幅3.15×全高2.7㍍
機関   マイバッハ製 V型12気筒ガソリンエンジン
     「HL230・束カスタム」900馬力
最高速度 70㎞/時
乗員   5名
重量   38㌧

武装
主砲:58口径80㎜砲 「29/44M」×1
機銃:8㎜機銃「ゲバウアー 34/40AM」×2
装甲(単位:㎜)
防盾   100
砲塔    前面  側面     後面 天板
     100/100/   100/20
車体    前面  側面     後面 天板 底板
  75~120/ 50/75~100/20/20

史実との変更点
 
 戦時中、タシュの開発元がHL230のデッドコピーを企てていた計画書が
ブダペストで発見され、これを根拠に日戦連にHL230への換装を承認させた。
換装の際、束手ずから変速機共々チューンを行い、
出力重量比は毎㌧23.7馬力と戦後第3世代に迫る程の大出力化を達成。
コレにより、下手な軽戦車も楽々追い抜く驚異の高速戦車へとパワーアップした。

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